夏休み同様飛行機でホウエン地方のトウカシティへやって来た神原家。
今回は両親と妹のミオリまで初めから付いてきており、タツキは来なくて良いと言ったものの
「「「息子(お兄ちゃん)の晴れ姿だぞ(よ)!」」」
と詰め寄られ、タツキもそこまで言われてはNOとは言えず一緒に来たのだった。
(ミオリのやつ、晴れ姿なんていつの間に覚えたんだよ…。)
小学二年生の妹の語彙力に驚くタツキ。
一行は、バスに揺られオダマキ研究所へ向かう。
今回もタツキが予選や試合に行っている間の家族の宿泊はオダマキ博士にお願いしているようで、タツキの知らぬ間に連絡が完了していた。
オダマキ夫人もちょこちょこと母のアズサと電話をしているようで、いつの間にか家族ぐるみの付き合いになっている。
聞いた話では、今年の年越しはオダマキ一家が雪を見たいとの事で神原家で年越しをするらしい。
研究所に到着するとオダマキ博士が出迎えてくれた。
「皆さん、よく来てくれました。どうぞこちらへ。タツキ君も元気そうだね。」
「電話で話しましたが博士もお変わりないようで。」
「はっはっは、最近お腹が出てきてね、妻から痩せなさいと言われてるんだ。それ以外は絶好調さ。」
オダマキ博士の自虐ネタに苦笑いを返しタツキも中へ入る。
オダマキ博士の自虐ネタに苦笑いを返しタツキも中へ入る。
ボーマンダを撫でていると、タツキのボールからボーマンダが出てくる。二体は鳴き声で会話しているのだろう、久しぶりの再会でタツキはそっと距離を取り見守る。終わったのだろう、ボーマンダがタツキの前に戻って来て一鳴きする。妙に力の入った声と目でこれからの予選に向けて気合が入ったような気がしたタツキだった。
翌朝、家族とオダマキ研究所メンバーに見送られたタツキはフライゴンの背に乗りサイユウシティを目指す。
サイユウシティに着くとポケモンセンターでチャンピオン大会予選のエントリー確認を行う。
ホウエン地方のバッジとトレーナーIDを見せ、確認が取れると奥の部屋へと連れて行かれる。
連れてこられた部屋には既に少なからず50人以上のトレーナーがいた。
しかし、去年の大会映像を観ても出場者は8人程度。時間的に考えてエントリーしているトレーナーはまだいると思われ、それだけの大人数が参加しても予選のチャンピオンロードをクリア出来る人はごく少数なのだろう。
(今日の昼から一週間以内にチャンピオンロードを踏破しないと敗退。地図は配られているから捕獲しながら進んでもどうにかなるだろう。)
タツキは基本的にバトルで負けるとは考えておらず、険しい道を歩く事での体力的な面での心配が大きかった。
ーーー ーーー
「それでは、これよりチャンピオン大会予選の詳しい説明を行います。この説明が終わり次第、予選開始となるので参加者の皆さんは頑張って下さい。」
係の人が説明を始めた。集まったトレーナー達が静かに話を聞き、ついにその時が訪れる。
「それでは、これより予選開始です。」
その言葉を聞き、一斉にチャンピオンロードへ向かって行くトレーナー達。
タツキは混雑を避けてゆっくりと歩いて行く。
チャンピオンロードを進んでいくタツキ。3時間程歩いているが初見のポケモンが出てこない。初めは捕獲の事も考えていたが今のところ捕獲ポケモンはゼロである。
タツキは途中で何人かのトレーナーとバトルし軽々と勝利を納め、着々と歩いて行く。
(洞窟の中だから時計がなかったら時間が分からなくなってたな。)
この予選、チャンピオンロードを踏破するかリタイアするまでチャンピオンロードから出られない。その為、参加者は一週間分の食糧と簡易テントを持って険しい道を進まなければいけないのだ。
タツキは大量の食糧とテントを持って歩く関係上、以前の旅で使用した肩掛けバックでは容量が足らず、今回は大きめのリュックを使用していた。
(暇だし、リュックの肩紐のところに携帯付けて動画でも撮りながら歩くかな。いつか使えそうだし。)
タツキは自身の携帯で動画を撮影し始める。
動画を撮影している事もあり、喋りながら歩くこと2時間半。野生のポケモンには出会うものの、他のトレーナーには会う事なくここまで歩いて来た。
時間を確認すると17時半を過ぎた頃で元々薄暗いとは言え、自身は未だ10歳である。精神年齢は大人ではあるが体力的にはまだまだ子供である。その為タツキは早めに休みむ事で疲れをとり翌朝早くから行動しようと決めていた。
通路から外れた適当な所に簡易テントを広げる。
休んでいる間に野生のポケモンやトレーナーが来ないとは限らない。野生のポケモンは手持ち達にお願いし、トレーナーはタツキを起こしてくれる様ポケモン達にお願いする。
(明日には踏破したい。もらった地図にはいくつかルートが書いてあったけど、ここまで出会ったトレーナーが少ない事を考えるとみんな他のルートを進んだのか?それとももっと先にいるのか?どちらにせよ、今は休める時に休もう。)
タツキは軽食で夕食を済ませてると、携帯でバイブのアラームを設定し横になる。
ポケモン達に起こされる事なくタツキは携帯のアラームが鳴るまで休む事が出来た。
ポケモン達様の食事と自分の食事を簡単に用意する。
ポケモン達の食事と自分の食事を簡単に用意する。
携帯で時間を確認すると5時半。現在チャンピオンロード内の半分程を過ぎた所で、もう少しで折り返し地点というところだった。
ポケモン達も食事を終えたのを確認し、出発する。
二時間程進んでいくとちらほらと他のトレーナーを見かける。
先を進んでいたトレーナー達も休んでいたらしい。
荷物の片付けを優先すれば良いと思うがそこはトレーナーらしくバトルになる。
(レベル上げ過ぎたか?いや、レベルは高くて困る事はないから大丈夫か?それにさすがチャンピオン大会、ポケモンのレベルで言うなら俺より高い人がゴロゴロいるな。)
ポケモンのレベルは高いがあまりにも他のトレーナーが相手にならずに若干困惑するタツキ。
見たところ他のトレーナーはタツキより、いくつも歳上の様だがポケモンの練度が足らないように感じる。
(四天王やチャンピオンならそんな事ないか…。)
と気を取り直し先へ進む。
さらに休憩を挟みながら五時間程進むと出口らしきものが見えてくる。
そのまま進むと無事チャンピオンロードから出ることが出来た。
目の前の建物に入るとゲームでも見たポケモンリーグの建物でポケモンセンターとフレンドリーショップ、その間に四天王へと続く扉らしきものがある。
近くの係員に声をかけ、予選突破の手続きをすませる。
予選の日程はあと五日あるため、あの間はフリーになるとの事。
コンディションを整え、ゆっくりと過ごすためにも早々に指定された個室に入り、入浴や食事を済ませて休むことにする。
(チャンピオンロードのポケモンも特に苦戦しなかったな。本戦に期待ってところかな。)
考え事をしながら横になり、そのまま深い眠りに落ちていくタツキ。
ポケモンバトル最高峰と言われる本戦まであと少し。