ポケモンと現実の混ざった世界で   作:チュロッシー

39 / 39
なかなか、更新出来ずにすみません。
内容も厚くしようと頑張りますのでこれからも応援お願いします。


37.次へ

タツキがホウエン地方のリーグチャンピオンになってから約半年が過ぎた。

 

この間にタツキは進級し五年生となっていた。

地元に帰ったタツキを待っていたのは取材の嵐だったが「騒がれたくない。」と一切の取材を断った。

学校でも多くの子供達がタツキの周りに集まったがチャンピオンを辞退したと聞くと幾分が取り巻きが減った。

それでもタツキの周りには多くの子供達が集まり、ポケモンの事やその他の雑談などで騒がしい日々を過ごしていた。

 

タツキは一度チャンピオンになるも、ある事をした後すぐにチャンピオンの座を降り、ダイゴへと返還した。

というのもバトンタッチ戦法や変化技が世間に知れ渡った事で自分の役割は終えたと考えたからだ。

 

 

 

 

   ーーー  ーーー

 

 

 

「これからは、純粋にポケモンのいるこの世界を楽しもう。」

 

タツキは自室でオダマキ博士とオーキド博士から送られて来た三つのタマゴを抱え、呟く。

 

タツキの言葉は開いた窓から外へと溶けていった。

 

抱いたタマゴを撫でながらとある冊子に目を通すタツキ。

冊子は何冊かあり、タツキが目を通しているものには『タウンマップ シンオウ』と書かれている。

 

タツキは今年の夏休みに去年のホウエン地方同様、シンオウ地方へ旅に出るつもりで準備を進めていたのだ。

 

更にタツキが抱いているタマゴは進級祝いと言ってオダマキ博士から二つ、オーキド博士から一つ贈られたもので何が産まれるかはわからないらしい。

と言うのも学会で海外の博士達と話す機会があり、その際にもらったとの事。

そんな貴重なタマゴを貰うなんて出来ないと連絡するも二人から

 

「研究所にずっといるのも可愛そうだから色んなものを見せてあげてよ。」

 

と言われてしまい、三つともタツキが面倒を見る事になったのだった。

 

「タツキー。ごはーん。」

 

下から母のアズサがタツキを夕食に呼ぶ声が聞こえてくる。

タツキは冊子を片付け、階段を降りていく。リビングに入ると仕事に行っていた父ヒロトが帰って来ていた。

 

「父さん、おかえり。」

 

「おう、ただいま。タマゴどんなだ?」

 

「少し動くことがあるからもう少しかな。」

 

と答えると大事にしてやれよ。と頭を撫でてくるヒロト。

タツキが自分の場所に腰を下ろすと

 

「お兄ちゃん、今年もどこか行くの?」

 

チルタリスに包まれた妹のミオリが聞いてくる。

チルタリスは体を撫でられ、気持ち良さそうに目を瞑っていた。

 

「今年はシンオウ地方の予定。ナナカマド博士の進化の話も聞いてみたいからね。」

 

「オラも行きたい!」

 

「それは、父さん達に聞いてよ。ただ、別行動ね。」

 

「えぇー、いいじゃん!一緒でもさー!」

 

「1人の方が色々考えさせられるし、良いと思うぞ。ポケモン達とももっと仲良くなれるしな。」

 

タツキの返答を聞き、膨れながらヒロトへお願いするミオリ。

 

「行っても良いが必ず連絡すること!約束出来るか?」

 

「約束する!だから行ってもいい?」

 

「ちゃんと毎日連絡するなら行ってもいいぞ。」

 

「お父さん、ありがと〜。」

 

あまりの嬉しさからヒロトに抱きつくミオリ。

タツキは我関せずと夕食を食べており、ミオリも母のアズサから早く食べなさいとお小言を頂くのだった。

 

ミオリは一緒に旅をしたがったがタツキが断固として拒否。

ナナカマド博士の研究所があるマサゴタウンまでは一緒に行き、その先は別行動となる予定である。

 

 

 

  ーーー   ーーー

 

 

 

ミオリの旅行きが決まった日から一ヶ月。世間は六月になろうとしていた。

この間にタマゴは無事に孵化し三体の可愛らしいポケモン達が産まれた。

うち二体は両親、妹共にどんなポケモンか分からず首を傾げていたがそれもその筈、一体はニホンでは生息地が詳しく見つかっておらず現在海外でしか見る事の出来ないポケモンなのだ。もう一体はニホンにも僅かに生息が確認されているものの珍しくまず見かけないポケモンである。

 

(海外の博士からもらったって言ってたけど、これはいいのか?二体とも600族だぞ…。)

 

タツキも産まれてきたポケモンを見て、その珍しさや系統から鳥肌がたったのを覚えている。

 

産まれてきたポケモンは、ドラメシヤ・モノズ・イーブイの三体だった。まさかの600族の幼体、更にイーブイに関しては、シンオウに行く前に見つけたいと思っていたポケモンで、シンオウ地方の特定の場所での進化を考えていた。

 

ドラメシヤとモノズは竜の血がそうさせるのか、ボーマンダに引っ付いている事が多く、はじめはボーマンダも困惑気味だったが今では諦めた様で溜め息を吐きながら二体にされるがままになっている。

一方イーブイはタツキにべったりで家にいる間はタツキから離れようとしない。タツキの膝の上が定位置となっている。

 

タツキは今回のシンオウ地方では、今までの手持ちも連れて行くが基本的には新たなメンバーを中心にバトルをしていく行くつもりだった。

今のところはタマゴ組の三体のみ確定しており、ほかのポケモンはシンオウ地方で捕まえようと考えていた。

 

タツキの二回目の旅が始まろうとしていた。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。