ポケモンと現実の混ざった世界で   作:チュロッシー

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5.やっとスタートライン

シャモとフェルが産まれてから早いもので5年が経ち俺は、遂に10歳の誕生日を迎えた。

 

「タツキ、誕生日おめでとう。ほらプレゼントだぞ。」

 

笑顔で小さな箱を渡してくる父。シャモもフェルも気になるのか体を乗り出し俺の手の中にある箱を見ていた。

箱を開けると1枚のカードが入っており、俺の生年月日や氏名、性別などが書いてあるうえに顔写真まで印刷されている。

前世の免許証みたいだと思いながら父の顔を見る。

 

「トレーナーカードだよ。裏にIDが書いてあるだろ。それを見せるだけでポケモンセンターでの食事・宿泊料金が無料になるんだ。これでタツキもポケモントレーナーの仲間入りだな。」

 

父の言葉を聞きながらもう一度手元のカードを見る。

 

「これがトレーナーカード。これで俺もポケモントレーナー!!父さんありがとう。」

 

父からのプレゼントに喜んでいると

 

「母さんからはこれよ。」

 

と少し大きめの袋を渡される。

包装紙を外していくと少し大きめの肩掛けバックが出てきた。

 

「きっと今まで以上に外を走り回ると思って鞄にしたのよ。」

 

今まで使っていた鞄は、つい先日天寿を全うされたので鞄は本当にありがたいものであった

 

プレゼントのカードと鞄を抱きしめながらタツキは両親に話だす。

 

「俺も今日で10歳になった。だから今年の夏休みは、出来れば1人でホウエン地方でジム巡りがしたいんだ。」

 

俺が最初に巡る事にした地方はホウエン地方。シャモとフェルを見れば分かると思うがどちらもホウエン地方のポケモンである。

何より自分が最もやり込んだ地方でもあり、シャモとフェルを見た時からデータではないホウエン地方をこの目で見たくなってしまったのだ。

 

当初の予定通り、夏休み中に行くことにした。1人旅を希望したが自分の年齢を考えればこの希望は叶わない事は百も承知。それだけの覚悟があるとわかってもらう為の布石。

 

「良いんじゃない。タツキもずっとこの時に向けて勉強してきてたみたいだし。」

 

「だが、さすがに1人旅はなぁ…」

 

母の思わぬ援護射撃に頬が緩みそうになるもののお許しが貰えていない現状で真剣な表情を崩すのは下作。

真剣な表情で父の言葉を待つ。

 

「きっと大丈夫よ。シャモちゃんにフェルちゃんも一緒なんだもの。」

 

「そうだな。2人も一緒だしな。わかった!夏休み中だけだぞ。それに宿題もしっかりやる事!何かあったらすぐに連絡してきなさい。」

 

まさか1人旅までOKが出るとは夢にも思っていなかった為、呆然としてしまった。そんな中

 

「良いなぁ!お兄ちゃんばっかり。オラも行きたい!」

 

いきなり声を出したのは2学年下の妹のミオリだ。

 

「お前が行ってもポケモン持ってないから危険だぞ。」

 

父が注意をするが妹は気にした様子はない。

 

「お兄ちゃんがいるじゃん!」

 

まさかの妹が俺頼みとは…

 

「いや歩くの遅ければ置いていくし特に助ける様な事もしないけど。」

 

「えぇー、オラも行きたい!」

 

「10歳になってから行きなよ。それに夏休み期間の一ヵ月の間にバッチを8個獲らなきゃいけないんだ。お前がついて来れる訳ないだろ。」

 

「ミオリも諦めなさい。タツキの言う通り10歳になってから自分で行けば良いだろ。」

 

「はーい。」

 

さすがの妹も父からの援護を受けれないとなると諦める他ない様で素直に引き下がった。

 

何はともあれ無事に旅の許可が下りた。

ホウエン地方の予習はしっかりと行なっている。

ジムリーダー達も概ねゲームと変わらずチャンピオンもあの石が大好きなツワブキ ダイゴである。容姿もアニメやゲームでの顔が現実的な立体感を持つとこうなるなと納得するほどのものである。

所謂イケメンである。石に対しては変態的だが…。

 

気になる点は、ジムリーダーだ。

トウカジムのジムリーダーがセンリではないのだ。他のジムリーダー達が同じ人物で1人だけ違うという事は考えにくい。となるとゲームストーリーは始まっていないと言う事だ。

逆にトウカジムのジムリーダーにセンリが就任した年にグラードン・カイオーガ・レックウザイベントが起こる可能性が高い。

今後も気を配らないと全世界の海が干上がるか大雨によって海に大陸が飲み込まれるかしてしまう。

 

 

さらに個人的な話をするとカイオーガが好きなのである。

前世では、大人になってからは所謂伝説や幻と言った希少なポケモン達はバトルで使う事はなかった。

しかし、小学生時代は種族値も高くゲームのタイトルにもその姿が出てくるポケモンがカッコ良くて仕方がなかった。

 

当時の俺のパーティーは、バシャーモ・サーナイト・カイオーガの3体は固定で他の3体をその時の気分で替えて使っていた。と言う事もあり、可能ならばカイオーガをゲットしたい。できなくてもせめて友達にでもなりたいと思っている。

可能性としては、どちらも限りなく0に近い確率だとわかっているが諦める事が出来ないのだ。

 

 

*** ***

 

 

ここでこの5年間の成果を伝えようと思う。

 

シャモ(アチャモ ) ♂ ようき  かそく

レベル 14 ニトロチャージ つじぎり 砂かけ つつく

 

フェル(ラルトス) ♀ おくびょう トレース

レベル 11 ねんりき チャームボイス テレポート あやしいひかり

 

 

と5年もあったのに、と思った人が大半だと思う。

しかし、それにはしっかりとした理由がある。あまりレベルを上げ過ぎてしまうとゲームでお馴染みの『言う事を聞かなくなる』のだ。

解決方法は簡単。ジムバッジを獲得する事だ。ジムバッジには、その材料にドラゴンポケモンの抜け落ちた毛や生え変わった鱗などが使われているらしい。

ポケモン達は、その素材から感じる気配を身につけているトレーナーに対し生物の本能からトレーナーの事を強者と認識し言う事を聞く様になるとの事。

 

なので未だバッジ0個の俺はレベルを上げ過ぎると言う事を聞いてもらえなくなる可能性が高い。だからこそあえてレベルを上げずに戦略や戦闘中の動き方について重点的に鍛えてきたのだ。

 

 

*** ***

 

 

予習はばっちり!

このために5年間鍛えてきた。

レベルは低いかもしれないけど変化技を知らないトレーナーならレベルの差があってもひっくり返せる可能性が非常に高い。

ただ、何事もやってみなくちゃわからない。

 

さぁ、早く夏休みになれ!

さぁ、早く!! 

 

 

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