ポケモンと現実の混ざった世界で   作:チュロッシー

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6.初めてのホウエン地方

 

 

「ふぅ、やっぱホウエンは暑いな。」

 

俺は、今ホウエン地方はトウカシティの空港にいる。

トウカシティはゲームでは、長閑な小さな町だったが前世の地理的に言うと福岡周辺なのだ。どう考えてもホクリク地方の都市よりも明らかに大きい。

 

(こりゃ、ミツルくんもシダケタウンへ療養に行く訳だ。)

 

とゲームのストーリーの事を思い出す。

 

「ゲームでは、自然が豊富で豊かな地方って言われてたけど、色々と混ざるとやっぱり街も大きくなるんだな。」

 

タツキは大都会トウカシティを眺めながら一息付く。

とりあえず今の自分の力がどこまで通じるのかを試す為にもトウカジムを目指すことにした。

ゲームでは、バッチを獲る順番があったが現実の世界ではそんな事なくどこのジムから周ってもいい。

挑戦者の所持バッチ数でジムリーダーが使用ポケモンを調整する事になっているそうだ。

 

「着いて早々だけど暑過ぎる…。少し休もう。」

 

と近くにあったカフェに入る。

椅子に腰掛け、冷たい飲み物とシャモとフェル用の軽食を注文する。2体をそれぞれの膝の上に乗せる。

こうする事でシャモは嘴が、フェルは手がテーブルの上にとどく。

知らない所に来て緊張しているのか2体は、キョロキョロと辺りを見回している。

そんな2体の頭をゆっくりと撫でる。すると2体が見上げる様にこちらを見てくる。見上げる様に…、て、天然の上目使い…。そして満面の笑み。

 

(か、可愛い過ぎるでしょ…。俺には効果抜群だよ、もう…。)

 

不意の効果抜群の攻撃を受け、体力は既にレッドゾーンに突入しているタツキ。

注文した飲み物が届き、喉の渇きと少なくなった体力を回復する。

2体は、綺麗にデコレーションされたポロックに目を輝かせながらモシャモシャと食べているところだった。

 

そんな2体を見ながらトウカジムでの戦いの事を考えていた。

 

ジムリーダーは、センリではないものの調べていた情報から同じノーマルタイプ使い。

エースはバクオングらしい。俺は所持バッジ0の挑戦者。

となると用意してあるジム戦用のパーティーの中で1番弱いパーティーとのバトルになるはずだ。

選出ポケモンは、エースがバクオングだと言う事を考えればゴニョニョとドゴームの2体が有力だな。

特性は、ぼうおんの可能性が高いが音系の技はフェルのチャームボイスだけだが本当にぼうおんかどうかは、対戦するまで分からない。

油断は禁物だな。

 

考え事をやめて、目線を上げると窓に貼ってあったポスターが目に入る。

 

『店長にバトルで勝てたら半額!!さらに次回使える2割引きクーポンプレゼント!  8月31日 16時まで』

 

(半額か、節約もしたいしシャモ達も鍛えたいからな。やってみるか。)

 

店長さんとバトルする事を決め、伝票を持ってレジへと向かう。

 

「すいません。会計前にあのポスター見て店長さんとバトルしたいんですけど。」

 

「えっ⁈店長と?店長リーグのチャンピオン大会にも出た事あるくらい強いんだよ!君大丈夫⁈」

 

チャンピオン大会とは、バッチを8つ集めチャンピオンロードをクリアした者達で行われる大会の事だ。この大会の優勝者が四天王への挑戦者となり、四天王全員に勝つとチャンピオンとのバトルが可能になるのだ。

 

「やってみないとわからないですよ。(チャンピオン大会出場者か…。ポケモンのレベル差が凄いが脳筋バトルに負ける気はしないし、万が一負けても経験値としてはおいしいだろうな。)」

 

「わかったわ。付いてきて。」

 

店員さんの後に付いていくと店の裏に出た。そこには店の雰囲気に寄せたお洒落なバトルフィールドがあった。

 

「ここで待ってて。今店長を呼んでくるから。」

 

と言い残し、店員さんは店に戻っていく。

少しするとさっきの店員さんの様に白いシャツに黒ズボン、黒く長い腰から下のエプロンを着けた30代だろう男性が近づいてきた。

 

南の地方だからだろうか、顔は少し濃く感じる。髭も生えているがしっかりと整えられておりワイルド系イケメンと言えるだろう。

この容姿でバトルが強く、カフェの店長、この人モテるな。

なんて考えていると

 

「お前さんか?ポスター見てバトルしたいってのは?」

 

渋く、大人の男!みたいな声で話しかけられた。

 

「はい。今日ホクリク地方からジム巡りの為にトウカに来まして、節約と経験の為にチャレンジしました。」

 

「ホクリク地方から、また遠いところから来たもんだな。節約ってお前さん一人か?」

 

「はい。両親から夏休み期間だけ一人旅の許可が出たので。」

 

「なるほどな。そんなちっこい身体で一人旅か。 親御さんも心配してるだろうが俺も売り上げがかかってるからな。負けてやるつもりはないぜ。」

 

店長さんはニヤリと笑いながらそう口にした。

 

俺達はそれぞれバトルフィールドの端にあるトレーナーゾーンに入る。

 

「使用ポケモンは1体、道具の使用はなし。先に倒れた方が負けです。」

 

俺をここまで連れてきてくれた店員さんが審判をするらしい。

 

「任せた、シャモ」

 

俺はシャモの入ったモンスターボールをフィールドに投げる。

中からやる気満々といった鋭い目で飛び出すシャモ。

 

「チャモ!!」

 

店長さんもボールを投げる。

 

「行ってこい、エネコロロ」

 

「バトルスタート」

 

 

「ねこだましだ!」

 

「目を瞑って後ろへ跳べ!」

 

ねこだまし回避のため、目を瞑らせ後ろへ下がらせる。目を瞑ると案外怯まないみたいである。

 

「目を瞑ったまま周りに砂かけ!」

 

「しまった!エネコロロ直ぐに離れろ!」

 

店長さんから指示が出るもエネコロロは顔にかかった砂のせいで1テンポ反応が遅れてしまう。

 

「目を開けてニトロチャージ!」

 

そんなエネコロロにニトロチャージがクリンヒットし、大きく弾き飛ばされる。

 

「エネコロロ、シャドーボール!」

 

濃い紫色をした球体が2つ、不規則に動きながらシャモに向かってくる。

 

「1つ目を右に避けろ!回り込んで2つ目につじぎり!」

 

「おんがえし」

 

シャドーボールを打ち消したシャモの身体が吹き飛ばされる。

 

「チャーモ!」

 

相手を睨み付けながら立ち上がるシャモ。

 

「相手の周りを走りながらすなかけ!」

 

「全方向にどくどく!」

 

「シャモ、一旦離れろ!」

 

指示を出すがエネコロロのどくどくの方が早く、シャモを捉えてしまう。

 

「チャモー!」

 

自らを奮い立たせようと声をあげるもその身体は、猛毒の液体に濡らされている。

 

しかしエネコロロも砂埃で視界がわるくシャモの居場所を特定出来ていなかった。

 

「シャモ、もう少しだ!真っ直ぐニトロチャージ!」

 

ニトロチャージの熱量で幾分か付着した毒液を弾きながら炎を纏った小さな身体はエネコロロを弾き飛ばす。

 

「そのまま追いかけろ!」

 

弾き飛ばされたエネコロロを追いかけるシャモ。

 

「踏ん張れエネコロロ!正面におんがえし!」

 

「しゃがんで懐に入れ!そこでつじぎり!」

 

つじぎりを受けてよろめくエネコロロ。

 

「りんしょうだ!」

 

大きな音に吹き飛ばされるシャモ。

 

受けたダメージと猛毒によるスリップダメージで体力も少ないだろう。

 

「シャモ、まだいけるか?」

 

「チャモ!!チャモチャモ!」

 

と俺の声にシャモが元気に応えた瞬間、シャモの身体が光出した。

30秒ほどで光が収まるとそこには、可愛らしいヒヨコの姿はなく凛々しく格闘家としての空気を感じさせる若武者が立っていた。

 

「進化か。シャモ!進化してすぐだが後一押しいけるか?」

 

「シャモ!」

 

短くも気合の入った声が聞こえた。

 

「エネコロロ、踏ん張れ!」

 

「…エネ、コォォ!」

 

エネコロロも最後の力を振り絞る。

 

「エネコロロ、ギガインパクト!」

 

エネコロロが強大な力の塊をぶつけようとこちらに向かってくる。

 

「ニトロチャージで後ろに回れ!」

 

特性とニトロチャージの副次効果で高められた素早さでエネコロロの裏を取る。

 

「そのままにどげり!」

 

進化して新たに覚えたにどげりを背後へと叩き込まれた事でエネコロロは遂に目を回して倒れてしまった。

 

「エネコロロ、戦闘不能!チャレンジャーの勝ち!」

 

勝ち名乗りを受けると俺の方へと戻ってくるシャモ。しゃがんで目線を合わせ、頭を撫でる。

 

「シャモ、ナイスバトルだった。良くやったな!進化も出来たし、新しい技も覚えたしな!」

 

「シャモシャモ、シャーモ」

 

バトル中とは打って変わって笑顔を見せるシャモだった。




バトルの表現が難し過ぎる
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