無理矢理転生【リメイクの為、永久凍結】   作:ムメイノライデン

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いてててて、まだ竹刀で殴られた所が痛むよ。
あれは確実にBusterの攻撃だった。
それは置いとき!前回のあらすじ
前回、聖杯戦争の真実をライダー陣営に話し、本格的な協力を得る事に成功したサーベラスは王の対談に巻き込まれる。
今回、サーベラスは果たして上手く会話に割り込めるか?おや?何だかシリアスの予感!



対談と大聖杯

サーベラスside

 

「よう、セイバー!」

 

「ライダー?」

 

突然の訪問、それもゲームの付録Tシャツを着ているライダーの登場にセイバーはかなり驚いているようだ。母さんも開けた口が塞がっていない。

 

「城を構えてると聞いて来てみたが……何ともシケたとこよのう。」

 

おいおい、ライダー。ケイネスとウェイバー君が呆れてるぜ?また行き当たりばったりって奴か。

 

「ん?なんだその無粋な戦支度は?今宵は当世風のファッションをしておらんのか?」

 

ライダー……ファッションに興味が無い俺でも分かる。あんたのそれはファッションとは呼ばないと思うぞ。

 

「ライダー、貴様何しに来た!」

 

あっ、質問を質問で返すんですね。ちゃんと答えましょうよ。

 

「見て分からんのか?一献交わしに来たに決まっておろうが。」

 

そう言うとライダーはドデカい樽を軽々と持ち上げた。

あれって確かワイン入りだったよな?Xオルタにネクロカリバーの使用を控えるように言っておこう。

 

「ほれ、そこに突っ立ってないで案内せい。どこぞにあつらえ向きの庭園でもないのか?この荒城の中は埃っぽくて叶わん。」

 

ライダーが宣言する中相も変わらず母さんとセイバーは唖然としたままだった。

 

「え〜と、ごめんねいきなり。ライダーは王としての格を定めたいのだとさ。俺も巻き込まれた訳だがな。まぁ、ライダーは酒、俺はツマミを持ってきた。今回ばかりは休戦と行こうじゃないか。」

 

そう言うとセイバーは渋々し、名前も知らない青い花が咲き誇っている、中庭と思われる場所へ案内された。

 

「綺麗な庭だな。そう思わないか?ウェイバー。」

 

「あぁ、確かに神秘的な気がするよ。」

 

俺達は神秘的なこの庭に見とれているが母さん達はどちらかと言うとライダーと俺達の襲来に驚いているようだ。

 

「所でライダー。メンバーはライダー、セイバー、バーサーカー、キャスターでいいのか?」

 

「なっ!バーサーカーまで仲間に入れたと言うのですか!?」

 

「またしても事故だ。殺人鬼を止めようとしたら召喚されたんだよ。不運にも程がある。」

 

「あれは本当に大変でしたよね。」

 

「もうしばらくは魔法陣を見たくないよ。」

 

本当にあの女神はろくな呪いをかけないよな。

これなら恋愛脳(スイーツ)のアルテミスの方がマシだよ。

 

さてと、いつの間にやらライダーは樽の上の蓋を叩き割っており、ワインを飲み始めていた。

 

セイバーと何か対談を始めようとしている中、俺は何か嫌な電波をキャッチした。

 

「そういやライダーの事だからそろそろもしかしなくても……」

 

そう俺が思った矢先

 

「戯れはそこまでにしておけ、雑種。」

 

やっぱり英雄王は現れた。そりゃああの人を差し置いて真の王を決めると楽には死ねないからな〜。

 

ウェイバーもケイネスも母さんも驚いてるな。

あっ、バーサーカーとキャスターも王道語りをしに行っちゃった。俺はしばらく無言でいようかな。

 

「ここらの市場で仕入れた中では逸品なのだが?」

 

「そう思うのはお前が真の酒を知らぬからだ。雑種めが、見るがいいそして思い知れ、これが王の酒だ。」

 

そう言うと英雄王は黄金の波紋の中から金の器に入った神代の酒と金色のコップ?を5つ取り出した。

 

ライダーは5つ全てに神代の酒を入れ、語りを始める全員に渡して行った。

 

「おぉ!美味い。」

 

「確かに美味しいですね。マスターの作ったツマミも中々ですよ!」

 

「私は和菓子の方が好きですが…」

 

「確かにツマミは上手いな。…だが剣も酒も我が宝物庫には至高の財しかありえない。これで王としての格付けとやらは決まったも同然であろう。」

 

「フン、アーチャーよ。貴様の極上の酒には至高の杯がふさわしい…があいにく聖杯と酒器は違う。まずは貴様がどれだけの大望を聖杯にかけるのか、それを教えてもらわねば始まらん。」

 

「仕切るな雑種。第一聖杯を“奪い合う”事を前提として理を外しているのだぞ。」

 

「ん?」

 

あっ、ライダー意味がわかって無さそうだな。

 

「そもそもにおいてあれは我の所有物だ。世界の宝物はひとつ残らずその起源を遡れば我が蔵に辿り着く。」

 

「じゃあ貴様は昔、聖杯を持っていた事があるのか?その正体を知っているとでも?」

 

「知らぬ。雑種の尺度で測るでない。我の財の総量は、とうに我の認識を超えておる。だが“宝”である時点で我が財である事は明白だ。それを勝手に持ち出そうなどと…盗人猛々しいにも程があるぞ。」

 

そういや確かにギルガメッシュはウルクの大杯と言う聖杯の原点のような物を所有していたな。

 

流石、英雄王。エアを抜いた財の総量だけで一流の英霊になれるだけある。正直いって何故、彼が冠位(グランド)のクラスを得ていない不思議に思っている。

 

「それって随分乱暴な言い方ですよね?それなら貴方は黄金羊の皮も持っているってことですか?」

 

「そんな物、探せば幾らでもみつかろう。そこのセイバー擬きも何か言ったらどうだ?」

 

「我が王道とは玉座で座って業務をするのみ。必要以上に出かける必要なんてないと思います。」

 

「ほう?雑種のくせに分かっておるな。なるほど、貴様のマスターはあの小僧か」

 

「じゃあ、何かアーチャー?聖杯が欲しければ貴様の承諾さえ得られればよいと?」

 

「然り、だがお前らごとき雑種に我が褒賞を使わす程もない。」

 

「貴様、さてはケチか」

 

「戯け。我の恩情にあたるべきなのは我の臣下と民だけだ。故にライダー。お前が我の下にくだるなら、杯の一つや二つ下賜してやってもよい。」

 

「それは出来ん相談だわなぁ、でもアーチャー。貴様、別段、聖杯が惜しいわけではないんだろう?」

 

「無論だ。だが我の財を狙う賊には然るべき裁きをくださねばならぬ。要は筋道の問題だ。」

 

「ハッハッハ!そうかそうか。では聞こうかアーチャー。“貴様の財である聖杯を壊してしまってもかまわんか?”

 

「何?」

 

「何だと!?」

 

ライダーが突如放ったその言葉に俺のサーヴァントとウェイバー以外のこの場にいた全員。いや、盗み聞きしている遠坂時臣や言峰綺礼、アサシン、父さん、舞弥さん、までもが驚いていた。

 

「どういう事だライダー!これは聖杯を得るにふさわしい人物を決めるとお前が言ったのではないか!」

 

「まぁまぁ、落ち着けセイバー。詳しい話はあの坊主に聞くといい。」

 

そう言うとライダーは俺を指さし全員の視線が俺に集まった。

 

「ほう?貴様が提案したのか雑種。では聞こう。何故、我の財である聖杯を破壊したいと言う?」

 

「おい、ライダー!いきなり話をふるなよ!全く。じゃあ簡潔に言うけど聖杯は汚染されて使い物にならないから壊すんだ。あんな厄災の塊、誰が欲するか。」

 

「厄災の……塊だと?」

 

「あぁ、そうだよ、セイバー。アインツベルンのマスターなら知ってるはずだろ?六十年前の第三次聖杯戦争の時、何をしたのか。」

 

「第三次聖杯戦争の時?」

 

「その反応を見ると知らないようだな?第三次聖杯戦争の時、アインツベルンのマスターはルール違反を犯し、この世の全ての悪(アンリ・マユ)と呼ばれるサーヴァントを呼び出した。無理矢理、呼び出した神霊はかなり弱体化しており最強の英霊となるはずが最弱の英霊になり一番最初に脱落したんだ。そのせいで事もあろうか大聖杯は彼の悪であれという願いを叶えようとしてしまい、聖杯は汚染された。これにより聖杯はどんな願いも全て破滅の方へ行く、一種の厄災の箱(パンドラの箱)になってしまったんだ。そんな物にかける願いなんてないよ。尤も、英雄王はどうでもいいらしいがな。」

 

「ふん、無論よ。汚染されていようが我が財には変わりないのでな。」

 

「まぁ、そんな訳で俺達とライダー陣営の目的は聖杯の破壊だ。それでここにいる中で協力してくれる人がいるのかの確認とついでに英雄王への宣戦布告をしに来ただけだ。(本当はライダーに連れてこられただけだけどな。)」

 

「我に宣戦布告だと?フハハハハハハ。雑種貴様、我に勝つつもりでいるのか?」

 

「目的の為なら何だって超えるって誓ってるのでな。」

 

「やはり見所がある雑種よ。今一度だけ機会を与えよう。我の下に降れ。」

 

「断る!お前はどっちにしろ俺の倒すべき敵だ英雄王!投影開始(トレース・オン)こい!干将・莫耶。」

 

「いいだろう。この場は見逃すつもりだったが我に刃を向けて、生きて帰れると思うなよ雑種!」

 

「元から死ぬ運命の奴に何を言う英雄王!お前こそ生きて帰れるかな?」

 

「「「「「何だ……あの二人は」」」」」

 

堂々とお互いを見合い武器を構えている俺と平然とし宝物庫を開く英雄王を見て他の人は唖然としているようだ。

 

「さて、模擬戦ぐらいやってやろうぜ!」

 

「思い上がりも程々にしろよ雑種!」

 

「『直死』……それじゃあ始めようか。」

 

俺は気付かれないように周りの影に今まで投影してきた干将・莫耶の内、100個ぐらいをステンバイさせるとその全てをオーバーエッジ化させ英雄王の寿命の線に向かって投げつける。

 

「はぁ!?あいつ戦うと言いながらどこに投げつけてんだよ!?」

 

「静かにしたまえ。ウェイバー・ベルベット君。彼の眼をよく見なさい。」

 

「え?眼を……何か青く光ってない!?」

 

「ほう!あの坊主、魔眼を持っていたのか!ますます我が軍に欲しくなったぞ!」

 

「でも、それと彼が的外れな方向に剣を投げつけたのは関係無いですよね?」

 

セイバー達が何か話し合ってるな。まぁ、それも干将・莫耶の性質と直死の魔眼の事を知らないからだろうけど。

 

そして投げつけた干将が英雄王の複雑に絡まっている寿命の線を5本切り刻むと同時に影に潜ませていた莫耶が干将に反応、引き寄せられさらに5本の線を持っていく。そしてここからが本番だ。

 

「行くぞ英雄王……お前の寿命の線、後20は減らしてもらうぞ!」

 

「ッチ!忘れていた、貴様のその眼、“直死の魔眼”だったな。我には線が見えないから防衛が出来ないとは実に厄介なものよ!だが貴様本体を狙えばいい話であろう?」

 

そう言うと英雄王は大量の宝具を俺に向けて射出しようとするがそれらは全て影から新たに現れた20組の干将莫耶により防がれた。

 

「何だと?」

 

「この剣の真名は干将・莫耶、中国に伝わる夫婦剣を投影魔術により複製したものだ。その性質はお互いを引き合う性質。念の為、周りに仕込んだんだ!1つを投げれば対になる1つが引き寄せられる。これが永遠と繰り返されるのだ。これが俺の秘技『鶴翼連撃』だ!さぁ、とことん命を削ってもらうぜ!」

 

「ほう、ならば我も更なる財を使って………ッチ!時臣め!我に撤退を命ずるか!?仕方ない。ここは引こう。さらばだ雑種!」

 

「なっ!くっそ25しか削れなかったか。」

 

俺は魔眼を解除し、全ての干将・莫耶を影に戻すと、何処からかアサシンが姿を表した。

 

「アサシン!?」

 

ウェイバーが放ったその言葉に反応するように母さんはセイバーに、ウェイバーとケイネスはライダーのそばにより、守りの体制に入っていた。

 

「むちゃくちゃだ!何でアサシンばかり次から次へと!」

 

「我らは分断された個、群にして個のサーヴァント、されど個にして群の影!」

 

数の暴力を使うかと思われるアサシン達は全員ナイフを構え始めた。

 

「多重人格が個として分裂するアサシンか……さてと、ライダー!この状況どうする?」

 

「ふん!坊主が戦ったのだ。余も宝具の一つや二つ見せてやろう。」

 

そう言うとライダーは立ち上がり凄まじい風圧が発生した。ライダーの姿はいつの間にかTシャツから、戦闘服に変わっており先程まで花が咲き誇る庭だった場所はいつの間にやら砂漠のど真ん中に変わっていた。

 

「これは?」

 

1人のアサシンが戸惑いの声を上げ

 

「固有結界ですって……そんなバカな……心象風景の具現化だなんて」

 

母さんは固有結界である事に驚いていた。

 

「この程度でビックリしていたら次に失神するよ?」

 

「何ですって?」

 

「フフン。ここはかつて我が軍勢が駆け抜けた大地。余と苦楽を共にしてきた勇士達が等しく心に焼き付けた景色だ。」

 

ライダーがそう言うと後ろから無数の足音、それも鎧がぶつかる音、槍が地面に刺さる音、そして旗を掲げている何者かがいる音がした。

 

「この世界、この景観を形にできるのはこれが我ら全員の心象であるからさ!」

 

そう言うといつの間にやら後ろには数万を超える人・・・いやサーヴァントの兵士が集まっていた。

 

「見よ我が無双の軍勢を!肉体は滅び、その魂は英霊として“世界”に召し上げられて、それでも尚!余に忠義する伝説の勇者達!彼らとの絆こそが我が至宝、我が王道!イスカンダルたる余が誇る最強宝具、王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)なり!」

 

「こいつら一騎一騎がサーヴァントだ!!」

 

ウェイバーが驚くのも無理はない。

 

ライダー、イスカンダルが誇る正しく最強クラスの大軍宝具、王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)

 

それは生前イスカンダルに従え、英霊になった無数の戦士達がイスカンダルの固有結界の元に集い、生前の征服する時のように相手を蹂躙する宝具である。

 

彼らは一人一人が英霊な為に単純な総力戦でイスカンダルに勝てる英霊はほとんどいない。

 

それに加え、彼らが最も得意とする戦場での戦いとなる為、イスカンダルの倍の軍勢を整えたとしても、彼らのフィールドで蹂躙されるのがオチなのだ。

 

問題点は魔力の消費が大きい事だが……マスターの魔力を借りずとも1度だけならイスカンダル自身の魔力のみで使用が可能なのだ。

 

イスカンダルは呼び出された英霊達を前に語り始める。

 

「王とは!誰よりも鮮烈に生き、諸人を魅せる姿を指す言葉!」

 

「「「「「然り、然り、然り!」」」」」

 

「全ての勇者の羨望を束ね、その道標として立つ者こそが王!故に!王とは孤高にあらず!その偉志は!全ての臣民達の志の総算たるが故に!」

 

「「「「「然り、然り、然り!」」」」」

 

「さて……では始めるかアサシンよ。見ての通り我らが具現化した戦場は平野、生憎だが数で勝るこちらに地の利はあるぞ。」

 

あまりにも迫力的であまりにも魅力的で、あまりにも恐怖を植え付けるには強すぎるイスカンダルの宝具を前にアサシン達は少しずつ引こうとするが、この砂漠に似た平野に逃げる場所も隠れる場所もない。

 

そして数千、いや、数万もいる兵士の数にたった数十人のアサシンは勝てるはずもない。そんなアサシン達にとっての絶望の中、ライダーが最後の宣告をする

 

「蹂躙せよォ!!!」

 

その掛け声を待っていたかのように軍勢はアサシンに向かっていきアサシン達はものの数秒で殲滅された。そして兵士達とライダーは勝ち鬨と大声を上げる。

 

「「「「ウォォォォ!」」」」

 

「流石、征服王。英雄王とはまた違った戦略だな。」

 

「どうよ、坊主!お前もいつかこの軍勢に加わらないか?」

 

「断らせてもらうよ。それなら俺よりウェイバー君の方が向いてるからね。」

 

「そうだな!ハッハッハ!」

 

「えぇぇ!?何で僕が!?」

 

「さぁ?何ででしょうね。ハハハハ!」

 

やっぱりウェイバーは面白いや!さてと、アサシンもいなくなり英雄王はしばらく行動しないだろう。

 

今のうちに大聖杯の所へ向かうとしよう。

でもその前に母さん達と同盟を組めるか相談しなきゃな。

 

「なぁ、セイバーのマスター。俺は汚染された聖杯が引き起こす災害を止めたいんだ。協力してくれないだろうか?」

 

俺は頭を下げて普通に頼む。大聖杯を壊すにはどうしてもセイバーの真名を解放した聖剣が必要なのだ。

 

「いいでしょう。聖杯が引き起こす災害により多くの人が死ぬなんて見てられないわ!それでいいわよね?“サーベラス”」

 

「もちろんさ。………え?今なんて?」

 

え?今、俺の名前を呼ばなかったか?おっかしいな。変装は完璧で影も纏ってるはずだけど……

 

ほら、ウェイバー達もセイバーも驚いてるじゃないか!?

 

「だって今ので分かったもの。頭を下げる時、ほんの少しだけど白い髪が見えたわ。それに目も私と同じ色。肌の色も同じ、これだけでピンと来たわ!」

 

恐るべし母親、こんなあっさりバレるなんてちょっとショックだな。て言うかいきなり抱きしめないでくれ!キツイキツイ!キブアップ!

 

「さて、後は何でここにいるかお説教ね!」

 

「ご勘弁を!取り敢えず大聖杯の元に行ってくるのでその後にしてくれ!母さん!」

 

俺は影に潜り込みサーヴァント達と共にこの場を後にした。

目的地は大聖杯があるあの洞窟。

 

いざ辿り着いて見るとそこには既に聖堂教会のマスター、言峰綺礼がいた。

 

「言峰……綺礼!!」

 

「下がってもらおうか多数のサーヴァントを引き連れたマスターよ。さもなくば聖杯戦争への参加権を取り除き、今此処でサーヴァント共々死んでもらうぞ。」

 

「俺が死ぬのはまだ先なんでね。お前に構ってる暇は無いんだよ!」

 

俺は影にしまっている干将・莫耶を言峰に投げつけ、隙ができた瞬間を狙って洞窟の奥へ進んだ。

 

「これが…………大聖杯。やっぱ汚染されてるよな。Apocryphaの時と違って閉じてるけど……」

 

冬木の大聖杯…約200年前に起動されて以来、一度も開かなかった聖杯戦争を引き起こす全ての元凶。

 

この世の全ての悪に汚染されたその姿はお世辞にも神秘的や感動的とは言えなかった。

 

周りには悪意のこもった魔力が黒い霧となって溢れており、サーヴァントや普通の魔術師だったら耐えきれないほどの魔力濃度だった。

 

「これも一応聖杯だよな?………呑み込めるのかな?」

 

いざ、大聖杯を目の当たりにしてみると本当に俺が女神から与えられた特典(呪い)でコレを自分の体に封印出来るか心配になってきた。

 

一か八かの賭けで力を使い呑み込もうとして見る。

 

「グッァァァァァァァアゥァァア!?」

 

これまで味わったことの無いほど強い痛み、まるで体を内側から焼かれるような感覚に俺は気を失ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は!?ここは?大聖杯は?」

 

目を覚ますといつの間にかベッドの上にいた。

そこには母さんと父さんがいて所々に魔術を行使した跡が残っていた。

 

「全く!勝手に一人でどっか行って!私怒ったわよ!」

 

「今回ばかりは僕も怒ってるよ。どうしてこんな事をしたんだい?サーベラス。それにアイリの聖杯が無くなったのに、何故サーベラスに聖杯が写っているんだ?」

 

当然説教な訳なのだが……

 

目が死んでてガチトーンの父さんは怖いです。

 

「俺は……ただ単に……母さん達を助けたくて」

 

「そんな事で自分の命を無駄にするな!!」

 

「「!!」」

 

普段叫ぶことの無い父さんが怒りを露わにして叫んだ事に俺も母さんも驚きざるをえなかった。

 

「サーベラスとイリヤは僕とアイリにとって聖杯より大事で何がなんでも守りたい宝物なんだ!僕のような正義の味方になれない愚か者に出来た、唯一の宝物なんだ!それを聖杯戦争で失うなんて………失う事なんてしたくない!」

 

「………父さん………」

 

「そうよ!それに、私が聖杯になろうとしたのはサーベラスとイリヤに関わって欲しくなかったからなのよ!それなのにいきなり自分が聖杯になるって言い出して!!私達がどれだけ悲しむか考えた!?」

 

「………母さん………」

 

そういやこの世界に転生したから俺は母さん達を助ける事しか考えていなかったな。

 

残される者の気持ちを知っていると言うのに、自己犠牲のみを考えていた。

 

俺が今やっている事は原作の父さんより愚かなことだったのだ。

 

決めた。今回の俺の目的を変更する。

母さん達を助けるのではなく、母さん達と一緒にイリヤの元に帰ってやる!

 

新たな決意を胸に俺は明日にでも始まるであろう。最終決戦に向け、取り敢えず休む事にした。

 

数時間の間説教されたのは言うまでもない。

 

「和菓子をくださいマスター!」

 

「Xオルタの呼び名シリアスブレイカーXに変えてもいいかな?」

 

「オルタをつけてくださいオルタを!」

 

 

残り陣営

マスター サーヴァント

 

衛宮切嗣 セイバー「アルトリア」

 

ケイネス ライダー「イスカンダル」

 

遠坂時臣 アーチャー「ギルガメッシュ」

 

サーベラス ランサー「メデューサ」 キャスター「メディア・リリィ」 バーサーカー「謎のヒロインXオルタ」

 

言峰綺礼 アサシン敗北




作者の〜次回予告!
今回はめずらしくシリアスでしたね?展開が早いかもしれませんが後2から3話でZero編は終了かも知れません。まぁ、次回予告をしていくとしましょう。
聖杯戦争に勝ち、イリヤの元に帰ることを決意したサーベラス。突如出現した自分そっくりのこの世の全ての悪と対決する事になる。
一方ライダー陣営は英雄王との戦いを強いられる。
果たして勝てるのか?
次回 「人類悪(ビースト)の覚醒」
お楽しみにー
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