葉月の異常な愛情~または僕は如何にして心配するのを止めて近界民を愛するようになったか~   作:Amisuru

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炸裂(メテオラ)変化(バイパー)居合斬(ソードマスター)(後編)

 

 

 炸裂弾(メテオラ)の長い爆発を抜けると雪国(訓練場)であった。どの辺が雪国っぽいかというと、辺り一面に散らばったバムスター君の残骸が頑張れば雪に見えないこともなかった。要するにこじつけである。

 客席の方からぎゃっはっはっはと品性の欠片もない笑い声が聞こえてきたのでそちらの方に視線を向けると、呆れとも驚嘆とも付かない――いや呆れ顔だなこれは。()れば理解る。とにかく口をぽかんと開けてこちらを眺めているマフラーの人の横で、陽介が腹を抱えて笑っていた。

 あんにゃろ、人の自爆(メガンテ)がそんなに面白いか。というか明らかに僕だって気付いて笑ってるなあの反応は? 陽花の顔をしていればバレないと思ったのだが、遠目だし苗字も呼ばれてしまったし、そりゃ僕以外の誰とも認識出来ないよな。ちくしょう。絶対これ後で公平にも言いふらしてネタにされるやつだ。

 

 

「――お見事! すごい記録が出たな! ひょっとしたら歴代最速なんじゃないか?」

「いや、嵐山さん……『大庭ダウン』って言われてましたけど……これアリなんですか?」

 

 

 爆心地から舞い戻った僕を笑顔で出迎えてくれる嵐山さんと、やや引き気味の表情で突っ込みを入れる奥寺くん。まあ、慎重派の彼としては一言物申したくもなる戦法だったことは間違いない。

 

 

「確かに、入隊訓練で死亡(ダウン)を告げられた子は俺も初めて見たな。とはいえ、この訓練はあくまでもTA(タイムアタック)だ。死んではいけない、などという規定はどこにもない――その証拠に、ポイントの方もしっかりと加算されているだろう?」

 

 

 左手の甲を見る。確かにポイントが増えている……のだが、『2520』。ちょっと待ってくれ。この記録でたった20ポイント(これっぽっち)しか増えないのか? 3話も費やしたのに? 力の入れどころを誤った感が半端ない。『何故お兄ちゃんはあんな無駄な時間を……』うるせえ。黒バス派の癖にミッチーの台詞をパクるんじゃない。

 

 

「……笹森くん。きみ何ポイント増えた?」

「え? あ、えーっと……1519なんで、19ポイント増えてますね」

 

 

 僕らのやり取りを耳にしてか、コアデラ組も自身の左手に視線を落とす。二人のタイムは同一なので、ポイントの増加数も一致しているのは間違いない。問題はそれがどれだけ増えたかだ。この訓練の制限時間、そして僕と笹森くんのポイント変遷から察するに、彼らが得たポイント数は――

 

 

「1515……」

「1415――んん? おい奥寺、なんでオレよりおまえの方が100もポイント多いんだよ?」

「……仮入隊の間に素質を測って、その結果次第でポイントが上乗せされるって嵐山さん言ってたよな。じゃあ、ボーダー的にはオレの方が小荒井よりも()()あるってことなんじゃ――」

「はああああー!? なんだそりゃ、納得いかねー! よこせ奥寺、おまえのポイント50でいいからオレによこせ!」

「無茶言うなよ……でも、オレたち1分もかかったのに、あっちの二人と貰えるポイントに大して差ないんだな」

 

 

 それな。

 僕が獲得した20ポイント。おそらくこれが、この訓練で得られる最高点だろう。次点が笹森くんの得た19ポイント。そして、笹森くんからジャスト1分遅れの二人が15ポイント。制限時間は5分間で、1分につき4ポイントが失われる。

 つまるところ。

 

 

「――満点を獲得するためには、1()5()()()()()()()()()()()()()()、ということみたいね」

 

 

 はい。そういうことらしいです。無理に最速とか狙う必要一切なかったみたいですね。

 コアデラが突き、葉月が捏ねし近界民(バムスター)。座りしままに食うは那須さん。そんな感じの現状だ。だって15秒だぞ。CM1本流せる余裕があるんだぞ。このお嬢さんが()()()を披露するには、充分過ぎるだけの時間だ。あとごめん笹森くん、語呂を重視したら君の名前が抜けてしまった。

 

 

「なに、この訓練で得られる()()のことだけを考えればその通りだが、如何に素早く大型近界民(ネイバー)を無力化出来るか――この訓練で真に得るべき()()()()はそれだ。数字に囚われることなく、今後も創意工夫を重ねて、近界民(ネイバー)との戦い方を確立していってくれ! ――というわけで、最後は君だ。名前を聞かせてもらえるかな?」

「那須玲です」

「よし、1号室のトリを飾るのは君だ那須さん! 武器を構えて位置についてくれ!」

 

 

 訓練を巻きで進めることにより、事前説明が足りなかったことへの追及を逃れようとする嵐山准(言いがかり)。いやまあ、勝手にもっとポイント入るものだと思い込んでた僕も悪いんだけど。でもそういう基準は前もって聞いておきたかったぞ嵐山さん。思わずそんな恨み節を綴ってしまうあたり、数字に囚われまくってるな僕は。いかんいかん。

 嵐山さんの指示に従い、スタート地点へと移動する那須さん。彼女が手元にトリオンキューブを浮かべると、コアラ君の口からおおっと驚きの声が上がった。あれ、ひょっとしてご覧になるのは初めてですか、その豆腐(キューブ)。ここにも豆腐職人(シューター)いるんですけど、なんか存在を忘れられているような気がするぞ。

 

 

『だってあの子たち、お兄ちゃんが豆腐(キューブ)出したところ見てないじゃん」

 

 

 うんそうだね。彼ら目線だと僕って『射手(シューター)の癖にいきなり大型近界民(ネイバー)に飛びかかってそのまま食われて爆発した頭のおかしい人』にしか映ってないんだよね。道理で記録の割に誰からもすげーすげー言われないと思ったよ。

 まあいい。訓練の前から理解っていたことだ。嵐山さんにも言われたとおり、僕のやり方はあくまで邪道。射手(シューター)の戦い方ではなかった。それはこれから、彼女が()()()くれることだろう。僕はそれをワクワクしながら待つのみだ。あの夜の街を彩る閃光に目を奪われて以来、僕はすっかり射手(シューター)・那須玲の大ファンなのだから。

 

 

『――そうだね』

 

 

 おや、珍しく兄の言うことに同調するじゃないかマイシスター。普段は辛辣なツッコミばっかり入れてくるくせに。

 那須さんが配置に着いたタイミングで、仮初の雪景色が取り払われ、バムスター君のおかわりが召喚される。この子もぶっ壊されるためだけに何度も何度も使い回されて大変だなあ。

 

 

『……言っておくけど』

『1号室、用意』

 

 

 那須さんのキューブが細かく砕け、彼女の周囲に散らばっていく。輝く無数の立方体に包まれてお馴染みの薄い微笑みを浮かべる彼女は、まさしく魔女の風格と言ったところだ。

 そして今まさに彼女の魔法が放たれようという瞬間、始まりの合図(コール)に先駆けて、僕の妹はさらりとそれを口にした。

 

 

『お兄ちゃんは只のファン止まりかもしれないけど、()()()()()()()。そこんとこよろしくね』

 

 

 ――What?

 

 

()()()()()()()()()()()そういうこと』

「――な」

『始め!』

 

 

 最後の一人ゆえか、やたら気合の入った合図(コール)が訓練室に響く。

 そのおかげで、「何言ってんだお前」という僕の呟きは、誰にも聞かれずに済んだようだった。

 

 

 

 

 ――さて。真っ直ぐにしか飛ばせない炸裂弾(メテオラ)とは異なり、変化弾(バイパー)使いの那須さんは初期位置からでも余裕でバムスター君のお口にホールインワンを決めることが出来る。

 

 

変化弾(バイパー)

 

 

 という訳で、開幕早々手持ちの弾丸(キューブ)を豪勢に全弾ぶっ放していく那須さん。32、或いは64分割だろうか? とにかく細かく割られた無数の豆腐(キューブ)が、思い思いの軌道でバムスター君の口内目掛け殺到していく。

 

 

 が、ここで予期せぬ事態が発生した。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「はあ!?」

「あら」

 

 

 思わず大声を上げてしまった僕。那須さんも反応こそすっとぼけているものの、流石に軽い動揺が()える。そりゃそうだろう。正直こんなん開幕1秒で終わりですやんとばかり思っていた。

 カンカンカン、とバムスター君の上唇……上唇? とにかく人体でいうその辺りを、虚しく叩く変化弾(バイパー)。ぴくりとバムスター君の耳が動き、その巨体がのそりと動き出す。マズい。スイッチが入ってしまった。

 

 

「――嵐山さん? これはどういうことなんでしょう?」

変化弾(バイパー)のトリオン反応を察知して近界民(ネイバー)が防御行動を取った、ということだろうな」

「……そうなると、『事前に豆腐(キューブ)を展開しても構わない』という僕へのアドバイスは罠だったってことになるのでは……」

「想定外の状況に対処する能力を持ち合わせているか! それもボーダー隊員に求められる資質の一つだ! 切り替えていこう!」

 

 

 ああもう、女だと思ってた訓練生が実は男でも即座に対応した人が言うと説得力あるなあ畜生!

 とにかくマズい。何がマズいってこんな漫才をかませるだけの時間が経っても訓練が続いているという事実がマズい。開始から何秒が経過した? 10秒? 或いは20秒か? 『まだ5秒くらいだよ』そんな早口で人間が喋れる訳ないだろいい加減にしろ! 時止め中の吸血鬼(DIO様)じゃあるまいし!!

 

 

「まるで我が事のように慌ててくれるのね、大庭くん」

 

 

 そう言う君はピンチの割に余裕あるな那須さん。踏みつけをぴょんと飛び退いて距離を取るその様を見ているとそう思うよ。

 しかしどうすんだこれ? 弱点の目は塞がれ暴れボタンまで押されてしまったとなっては、最早『初心者(ビギナー)レベル』の枠には収まらない脅威になってしまったのではないか? とりあえずこの後は突進が来るとして、依然としてバムスター君の口が開かれる様子はない。笹森くんの反省を踏まえて大きく飛び退いたおかげか前蹴りを挟んでいないので、カウンターさえ取れれば14秒にはギリギリで間に合うものと思われるのだが――

 

 

「……こういう格好を付けた台詞は、いかにも()()()()()の言いそうなことなのだけれど――」

 

 

 だからそのとーちゃんっていうのは一体誰なんだ那須さん!!

 ああ来た! バムスター君が突っ込んできた! 案の定その口はがっちりと閉じられたままで――いや、よく見ると生えている牙がすかすかなおかげで()()()()()はあるのだけれど! というかねバムスター君、キミ確か牙とは別に普通の歯も生えてなかったかな!? つくづくよく理解らない生き物(ネイバー)だな君は! いや木偶人形(トリオン兵)か!!

 

 

「――()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 なんですって?

 いつの間に再装填(リロード)を済ませたのか、自身の腰廻りを抱くように弾丸を展開させている那須さん。猛牛の如く突っ込んでくるバムスター君を前に、魔女(那須さん)は改めてその呪文を唱えた。

 

 

変化弾(バイパー)!!」

 

 

 ――そう、それはまさしく魔弾であった。

 僅かに開いた大型近界民(バムスター君)の牙と牙の隙間、せいぜい拳一個分くらいの空間へと、寸分違わず飛び込んでいく弾丸の嵐。がくがくと頭を揺さぶられたバムスター君が大きくふらついて、那須さんの身体を掠めるように通り過ぎていく。口の端からもうもうと煙を吐き出しながら千鳥足のお散歩を続けた巨体は、そのままがつんと訓練室の壁に頭をぶつけ、それっきり動かなくなった。酔っ払いが電柱に頭をぶつけて死んだらこんな感じだろうな、と思った。

 

 

『1号室終了! 記録――13秒!!』

 

 

『……ああ。やっぱり、すごい……』

 

 

 妹の声が陶酔の極みに達していた。おそらく今の僕も、誰かに感想を訊ねられたらこいつと似たような反応を返すことになるだろう。数字に囚われるなと嵐山さんは言っていたが、今ならばその言葉の意味がはっきりと理解出来る。僕と那須さん、訓練結果でこそ僕の方が大幅に上回っているけれど、どちらが正隊員に相応しいかと問われれば、誰もが彼女を指し示すに違いない。誰だってそーする。僕もそーする。

 

 

「うおおおおおおおおお!! すげええええええええええええええ!!」

「……オレは摩子さん一筋。オレは摩子さん一筋。オレは摩子さん一筋。オレは――」

 

 

 語彙力という概念を失った小荒井登(哺乳綱双前歯目コアラ科コアラ属に分類される有袋類)と、その隣で何やらぶつぶつと念仏のようなものを唱え続けている奥寺常幸。どうやら彼らも陥落したようだ。いや、一人は崖の下に落ちる寸前で必死に踏み止まろうとしているのかもしれない。まあどうでもいいや。

 笹森くんも言葉にこそ表れていないが、()てみるとやはり驚嘆で心を埋め尽くされている。……隅でちらりと見え隠れしているのは、ささやかな悔しさと――焦りかな。同期の訓練生が鮮やかに見せつけた才能に対する。

 何か声を掛けようかと思ったが、その前に嵐山さんが彼の肩をぽんと叩いて笑いかけていた。副作用(サイドエフェクト)もないだろうに、よく気が回るものだ。まあアレだ、笹森くん(訓練生)のフォローに嵐山さん(正隊員)が回るのであれば、一仕事終えた彼女を出迎える役は僕が頂いてしまおう。

 

 

「20ポイント達成、おめでとうございます」

「それ、厭味かしら? 3.1秒クリアの大庭葉月くん」

「まさか」

 

 

 むしろ、今となっては正攻法で挑戦しなかったことを後悔しているくらいだ。下手に最短記録に拘るよりも、射手(シューター)本来のスタイルで満点(20ポイント)を得るにはどうすればいいか――そういう方向に頭を使った方が、間違いなく後々の糧となったに違いないのだ。

 まあ、これはこれで僕らしいやり方を貫いたと言えなくもない。正道であれ邪道であれ、目標を達成するための意志さえ捨てなければそれでいいのだ。変化弾(バイパー)こそが我が人生なり。

 ……那須さんの前で口にすると、変な意味に捉えられそうだから言えないけれど。うん。

 とにかくこれにて、1号室一同の訓練は無事終了した。暫しの間はのんびり出来そうだ。というのも、実はさっきからちょくちょく他所の訓練結果も聞こえてきているのだが、その殆どが1分オーバー、2分や3分を越えた記録も耳に入っている。どうやらコアデラ組の1分18秒という記録も、そこまで悲観するほどの結果ではないらしい。

 という訳で嵐山さんの許可を頂き、他の部屋の訓練が終わるまで束の間の雑談に興じていた僕らの下へ、その報せは唐突に舞い込んできた。

 

 

『あー、3号室しゅーりょー。記録――』

 

 

 ……なんかやけに聞き覚えのある声だな? この()()()()()()()()という印象を受ける声は――いやいや、()()()()()は入隊訓練の手伝いに興じるようなタマじゃないだろう。それともまさか、客席から眺めるのは気恥ずかしいからってことで、こんな回りくどいやり方で僕の様子を見に来てくれたのでは――いやいや、いやいやいやいや。ねえマイシスター、いい加減にそろそろツッコミ入れてくれない? お兄ちゃん一人でボケ続けるの恥ずかしいんだよこれでも。

 

 

『――()()()()!? おいおいカゲ、ハヅキの記録抜かれちまったぞ!!』

『ヒカリちゃん、マイク切れてない切れてない!』

『あ、やっべ』

『……ヒカリ、オメー後で覚えてろよ……』

 

 

 …………。

 

 

「素敵なお知り合いがいるのね、大庭くん」

「……いや、葉月って名前の隊員が僕一人とは限らないし、ほら」

「ああ、そういえばオペレーターにそんな名前の女の子がいたな。七尾葉月さんだかなんだか」

 

 

 嵐山准、まさかのマジレスである。というか、完全にその場凌ぎで口にしたんだけど本当にいたのか。知らなかった。冗談抜きで。いや本当に、今の今まで知らなかったんだけど万が一ご尊顔を拝む機会があったらどうしましょう。別にどうもしないんだけど、ちょっと本当に想定外だった。それだけ。

 想定外といえば、本当に()()()()()がこっそり見に来てたことも驚きだったのだが――ささやかながら、記録を抜かれたという事実の方もショックだった。数字に囚われるなって何度自分に言い聞かせれば気が済むんだか、まったく。

 1.53秒。僕の更に半分の早さでバムスター君を仕留めた人。一体どんな人なのだろう。トリガーは何を使っているのか? ポジションは一体何処なのか? うーん、気になる。是非とも一度お会いしたい。

 きっとどんな外見であれ、性格であれ――那須さんと同等、或いはそれ以上の()()なのだろう。

 その素顔を目の当たりに出来る時が、つくづく楽しみだ。

 

 

 

 

「――何秒やった? 水上」

「ナチュラルに()単位で訊いてくんのやめて下さいよ」

「マジか。なんかぴょんと飛んでスッと抜いてズバッとやったら終わっとったで俺」

「長嶋か」

「おまえ大阪人やのにようその名前出せんな。そっちじゃ巨人の選手の名前は禁句ちゃうんか?」

「いや、いくら虎の住処言うても流石にミスターはセーフでしょ。そもそも俺オリファンなんで」

「ウソやろおまえ、あの日本に3人しかおらんっちゅうオリックスファンの一人やったんか」

「うちの家族だけでもフツーに4人おりますわ。ぶっ飛ばしますよホンマ」

「訓練の結果がアカンかったから言うてそないキレたらあかんで自分」

「実家に帰らせてもらいますわ」

「アカン! 待ってぇな水上! おまえに逃げられたら誰がこの子の面倒見たるねん!」

「いや知りませんよ誰なんすかその子」

「うっす! 南沢海っす! 訓練でイコさんと同じ部屋だったんすけど、イコさんマジヤバいっす! リスペクトっす! イコさんが近界民(ネイバー)ぶった斬るとこ2万回見ました!」

「ウソつけ」

「こないな感じでえらいなつかれてしもてん。な? アカンやろ自分? ここで俺らを見捨てて地元帰っても夢見悪いやろ。毎晩枕元ですすり泣く俺の幻を拝む羽目になるで」

「妖怪ゴーグルアニキって呼ばせてもらいますわ」

「おれもイコさんみたいな綽名付けられてみたいっす!」

「妖怪キューピーマヨネーズ」

「ええ~……」

「ていうか、子守りが欲しいんやったら俺やなくてマリオちゃんに頼めばいいでしょ」

「せやな。まあアレや、おまえも化け物退治に1分2分掛かったからってくよくよすんなや。ウルトラマンかて怪獣倒すのに毎回3分近く掛けとるんやから」

「……別にくよくよはしとりませんけどね。どーも俺の小細工は近界民(ネイバー)相手やとイマイチ効果薄いみたいっすわ。やっぱ知恵比べは人間相手に仕掛けてナンボやな」

「お、ええやん。後でまたいっちょ将棋でも付き合ったろか?」

「イコさん指すとき毎回王手王手言うからなー……」

「おれも水上先輩と将棋指してみたいっす!」

「2万年早いわ」

「ゼロ師匠!」

「誰がCV宮野真守やねん。もうええわ」

「ありがとうございましたー」

 

 

 

 

 ――第■■期、対近界民(ネイバー)戦闘訓練・最終記録。

 

 

 第3位:那須玲(15)/射手(シューター) 使用トリガー:変化弾(バイパー)

 記録:13秒 個人(ソロ)ポイント:3500→3520

 

 

 第2位:大庭葉月(15)/射手(シューター) 使用トリガー:炸裂弾(メテオラ)

 記録:3.1秒 個人(ソロ)ポイント:2500→2520

 

 

 第1位:生駒達人(17)/攻撃手(アタッカー) 使用トリガー:弧月

 記録:1.53秒 個人(ソロ)ポイント:3600→3620

 

 

 ――以上。集計担当、B級5位嵐山隊所属、時枝充。

 

 




2020/11/25
改行の増加、内容の分割、それに伴う文章の微修正等を行いました。
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