深く、深く、意識が沈んでいく。
初めは鬱陶しく感じていた体に纏わりつく闇には、いつからか心地よさを感じていた。
クツクツと、ナニかが笑っている。
自分が何をしていたのかも考えられなくなって、暗黒に身を任せた。
「う、あ、ああァァ……」
呻くような声を上げる。様子がおかしい そう思ってドラゴンはジャッカロープを見た。そしてハッとする。
回復しているボーンクラッシュしたはずのパーツ。閉じられたバイザー。言葉を形作らない声。なによりも、その体を覆う暗い紫色の揺らめくオーラ。
「暴走、してる……!?」
ドン、と床を蹴ったジャッカロープの拳が避けられることなくゼットンボーンに命中した。今までとは様子が違うジャッカロープにゼットンボーンが困惑しているのがわかる。
放たれたブーメランが慌てて張られたバリアーとゼットンボーンの隙間を縫い、ヘッドパーツをボーンクラッシュさせた。
ピポポポポポポポ……!?
焦ったような鳴き声がする。
「まずい、もう、時間が……」
ルークがアミュレットを見て言う。そのタイマーはそして、00:00を画面に写した。
コクーンが消える。
超重量のボーンを装着したまま地球の重力に耐えるのは難しい。既に戦える状態になかった5人が、着装を解く。
「……」
しかし、ジャッカロープはまだそこにいた。
遠心力を活用して回されたその脚が、ゼットンボーンのボディパーツにクリーンヒットした。しかし相手もまだ諦めてはいないらしい。火球を放つ。それの狙いは確かにジャッカロープのヘッドパーツに定められていた。が、ジャッカロープが振るった右腕によって、それはかき消える。ゼットンボーンがたじろいた。
もう一度、蹴り上げられた脚がボディパーツに当たる。暴走し、圧倒的な強さとなったジャッカロープの得意な足技を二度も食らってはボーンクラッシュは免れない。よろめいたところに入ったブーメランが残りのパーツを攻撃すれば、ゼットンボーンは完全にボーンクラッシュした。
ゼットンボーンの姿が消え、ボーンカードが残る。
(あれ?適合者いねえ?)
アントニオが疑問に思う。が、既にそれを口にする余裕はなかった。
対峙していた敵がいなくなったジャッカロープが振り返る。光のないその目の先には、翔悟たちがいる。暴走している彼にとって、相手が生身であろうが何であろうが、生命体は攻撃対象でしかない。
ジャッカロープは踏み出そうとして、動きを止めた。
翔悟たちとジャッカロープの間に、見知らぬボーンが割って入った。
「目を覚ませ!」
それが叫ぶ。しかし、その言葉の意味がわからなかったのだろうか。ジャッカロープは首を傾げ、そして跳ねた。
上から足技を仕掛けようとするジャッカロープを躱したそのボーンが、着地の瞬間を狙って足払いをかける。
避けきれずに転倒するジャッカロープをそれは抑え込んだ。こうなってはもう為す術もなくやられるしかない。
そう思ってか、有利になった謎のボーンがジャッカロープに声を掛けた。
「なぜお前はここにいる?何を為すべくここにいる?思い出せ!」
「あ……う、ぁ……ぐ、ぁあ……!」
苦しそうにもがく。瞳に光が戻りそうで、まだ戻らない。
「お前は、俺の息子だろう!!」
暗黒の中。よくわからないけれど、誰かが自分に呼びかけている。うるさい そう思うのに、必死なその声を無視することができない。誰なんだ? 確かめたいのに、纏わりつく闇がそれを許してくれない。
苦しげな声を上げながらも、ジャカロープはそのボーンを弾き飛ばして立ち上がった。
「が、ああぁ!」
投げられた2本のブーメラン。それの標的となったそのボーンの右手には、いつの間にか槍のようなものが握られている。その槍によってブーメランは弾かれた。
「戻ってこい」
槍が、ジャッカロープのボディに突き刺さる。中身が無事な程度に、細かな力加減で。
落ちていく意識の中に、ふわり、柔らかな光が降ってきた。闇が、消えていく。さっきより鮮明に声が聞こえた。
ナニかが、名残惜しげに、しかし穏やかに言う。
〘呼ばれているぞ……行けばいい〙
意識を失った零のボーンの着装が解かれる。彼を倒したボーンファイターも着装を解いた。現れたのは、零と同じ金の瞳を持ち、赤みがかった銀髪の男だった。彼は倒れている零を抱え、そして翔悟たちの方に歩み寄る。
「君が、竜神翔悟くんか」
「え、あ、はい、まあ」
そうか と男は微笑んだ。
「はじめまして 俺は諸星ダン、零の親父だ 息子が世話になっている」
Z「こんにちわ!今回は銀牙の気力の問題により、いきなりボーン紹介を行うんでございます!
今回紹介させていただいているのは、ゼットンボーン!空間属性のボーンなのです!属性の都合で、瞬間移動では無いて、テレポートをするという設定を行いました 技の数が他に比べてウルトラ多く、戦うのが難しい相手でございます!ピポポポポポ、という鳴き声を発するんだと伺っていました ウルトラ面白い鳴き声でございますね〜 今度師匠に真似して見せてみようとかしようかなあ」