タイロンがうまく使えない
「はあ、はあ……」
零が息を切らせて座り込んでいる。その少し先では、涼しい顔をしたセブンが楽しそうにビデオカメラを眺めていた。
「親父、マジで、ふざけんじゃねえ……!」
「ふざけてなどいないさ ただお前の珍しい場面を記録していただけだ」
「それを!ふざけてるって、ゆーんだよ!」
「あ〜……ちょっといい?」
傍から見たら近づきたいと思えない状況にストップをかけたのは、アントニオだった。視線が彼の方へ集まる。
「言うタイミングがなかったんだけどさ〜」
彼は、先日自分が敵に対して感じた違和感のことを話した。ゼットンボーンの適合者が見当たらなかったことについてだ。
「んで、今回も適合者、見つかってなくね?」
確かに とつぶやいたのが誰だったのかまで考えようとは思わない。
「……すまねえ、俺があんな事したから、気づけなかったし言い出せなかったんだな…」
あの事、とは暴走のことなのだろう。明らかにシュンとする零が可愛くてダンはまた写真を撮ろうとしたが、流石にタイロンに止められた。翔悟が必死に零を励ましている。
「しかし、適合者がいない、か……」
ルークが考え込んでいる。
「ま、オイラにゃ難しくてわけわかんねーけどな」
「いや、それを教えてくれただけでも有り難い」
そうアントニオに言うダンが、本当は親馬鹿で息子に怒られてばかりいるなど誰が想像できようか。零は1人、ため息を吐いて、ハッとして立ち上がった。
「そうだ足跡!」
しかしあれから時間が経ちすぎた。乾いた地面は風に曝され、足跡の形は疎か、あったのかどうかもわからなくなっていた。
学校から帰って、宿題をして、友人と遊ぶ。そんな日々はまた数日続いた。
そんなある日、零の家のチャイムが鳴らされた。翔悟は今日、姉のショッピングに付き合わされるだとか言っていたはずだ。ルークたちは、どちらかと言うと翔悟と行動を共にしたがるだろう。
それなら一体、誰が来たのだろうか。零は不思議に思いながら、彼には大きすぎるドアを体で押し開けた。
「やっほー!久しぶり!」
目の前にいるのは、銀に赤いメッシュが入った髪の青年と、ダンよりも年上に見える青い髪の男。彼らが誰なのか。認めたくないが、直感とそれに対する確かな確信が零にはあった。
「……なんで、ここにいるんだよ メビウス、ヒカリ」
「突然すまないな、ゼロ いや、今は零だったか」
ため息を吐く気力もなかった。
それは、光の国がある宇宙で、数ヶ月前のこと。
「ヒカリ〜? あ、いたいた はいこれ、頼まれてた資料」
「ん ああ、メビウスか 助かる」
メビウスが探していた彼が根城にしている研究室。メビウスは薬品を倒さないように慎重に、ヒカリのもとへ歩いた。
ふと、メビウスは研究室の奥にあるケースに目をやった。そこには、意識しないと気づかない大きさの、石が2つあった。
「なにこれ」
「それか?それは、たぶん石版だ」
「石版?この大きさの?」
首を傾げるメビウスに、ヒカリは頷いた。
「ずっとこの研究室にあるんだ 別の宇宙から飛んできたのだと思う 形はそうだな、地球人の膝辺りまでの高さの板、といったところか」
言いながら、メビウスに特製の高性能高倍率ルーペを投げてよこす。キャッチしたそれを石版の上で覗き込んで、メビウスは面白そうに笑った。
「すごい、字が書いてある!」
「ああ 俺もはじめて気がついたときには驚いた」
そう言いながらヒカリが何やら、運んでいる途中だった他のケースを持って近づいてきた。
と、そのとき、ヒカリが持っているケースが輝きだした。驚いてメビウスが振り返る。
「ちょ、ちょっとヒカリ!それ何!?光ってていいものじゃないよね!」
「ゼロのブレスレットの光エネルギーを閉じ込めたカプセルだ さっきはここまで光っていなかったんだが」
「なんでそんな物あるの!?そしてなんでそんなに落ち着いてるの!?」
「慌てたところでどうにもならん なるようになるんだろう」
そこまで会話したとき、メビウスの目の前の2つの石版も、ヒカリの持つケース同様に輝きだした。
「え?」
そして石版がケースを飛び出して、1つづつがそれぞれの目の前でより一層強く光り……
「そして、幸い手元に残っていた俺の特製コンパスのおかげでここがセブンたちのいる宇宙だとわかって、それなりの時間をかけてここに来た それと、俺とメビウスが持っていたカードは、セブンが持つものと起源を同じくするものだ 既に何回か使用経験もある 共にこの宇宙のために戦わせてもらおう」
人間に擬態しているヒカリが、説明する。
ヒカリとメビウス、2人が現れたとき、零だけでなくダンももちろん驚いたが、零よりも早くに状況を飲み込んでいた。そして成り行きで、彼らもこの親子と共に暮らすことが決まった。
「つーか、ここで暮らすんなら偽名いるだろ ヒカリは名字言わなきゃまだいいかもしんねえけど、メビウスは地球人の名前じゃねえよ」
それは零の言葉だ。メビウスが頷く。
「それならもう決まってるよ ぼく、‘耀巡’!ヒカリは?」
「そうだな、せっかくだ ……では、‘科野剣也’とでもしよう」
「っつーわけで、新しい仲間だ!」
零が目の前の翔悟たちに巡と剣也を紹介する。零から予め事情を聞かされていた5人に、2人に対する抵抗はない。
「零の仲間か……よろしくな、巡、剣也」
「何が起こっているのかよくわからない今、協力者が増えるのは有り難い」
そう言ってルークは頷いた。
「頼りにさせてもらいます」
朗らかに、しかし力強くタイロンが言う。
「……足引っ張らないでくださいね」
「ま、しっかり頼むぜ!」
相変わらずつっけんどんなギルバートと眩しく笑うアントニオの対比は見事なもので、零は思わず吹き出しそうになった。
「こっちこそよろしくね」
「微力ながら、力添えさせてもらう」
これならうまくやっていけそうだ ダンはホッと胸をなでおろした。
剣也がペンを止め、手を顎に当てる。
彼は今、ダークボーンとの戦闘後に見られる不可解な現象について翔悟たちから話を聞いていた。
「足跡がなかったり、適合者の姿が見受けられなかったりする……まあ、おそらくだとは思うが」
どうやら思いつくことがあったらしい。周りの視線が集まっていることに気が付き、剣也はもう一度口を開いた。
「零たちが追う、そのボーンそのものに意志がある、のではないかと」
翔悟とアントニオが首を傾げる。
「適合者はもとからいなくて、ボーンそのものが自らの意志で君たちと戦っていたってこと だよね、剣也」
「そうだ」
巡の説明がわかりやすかったのかどうかはわからないが、取り敢えず翔悟とアントニオはかしげていた首をもとに戻した。
「……確かに、ゴモラボーンなどを解析したときに、あれらが唯の模造品であることはわかっている ありえない話ではない」
ルークが剣也の意見に肯定の意を示した。
「……これ、思ってたより複雑な話になったりしねえかなあ……」
零が、不安そうに呟いた。
というわけで、2人来ました メビウスとヒカリです あたしの趣味です
ボーンファイターこれで合計9人……自分で増やしといてなんだけど、どうやってこんなに沢山使えばいいんだろう
Z「今日も名前の紹介でございます!えーっと……なんて読むんだ……?……‘耀巡(あかる めぐる)’……が、ウルトラマンメビウスの地球人に擬態した際の名前だと言うそうです!苗字と名前、両方に る がついて、なんだか楽しい名前でございますなあ 名前の‘巡’は、メビウスの輪からアイデアとして思いついた名前で、‘耀’は読み方を重視したことで選ばれただそうです!
それから、‘科野剣也(かの けんや)’は、ウルトラマンヒカリが地球人に擬態した際の名前でして、名字の‘科野’は、【科学分野】の最初と最後の文字をくっつけて作るんだそうです ‘剣也’は、【ハンターナイトツルギ】のを由来としているのだと聞き申しているですよ あれ?‘也’は……え?聞かないで欲しい?わ、わかり申した……」
Zくんに言わせるのはなんか違う、と思ったことを自分で言います
耀って、意味はヒカリっぽいんですよね〜 悩んだんですけど、先に 巡 が決まっていたので、韻踏んで面白いかな、と思って通しました
剣也の 也 は、完全になんとなくです 下校中に思いつきました 剣(つるぎ)と言う名前にする案もありましたが、実はヒカリってセブンより年上なので、イタイにもほどがあるかな、と
どうでもいいですけど、ヒカリってすごいイケメンじゃないですか?ウルトラ族の中でどうかはわかりませんけど