超人は龍の護りし星を舞う   作:蒼葵銀牙

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“新しい”から始めよう

翔悟は剣也に呼び出され、近くの公園に向かった。着いてみると、そこにはルークやアントニオ、タイロンにギルバートもいた。タイロンが翔悟に気づき、声をかける。

「あ、翔悟くん 君も剣也さんに呼ばれたんですか?」

「も ってことは、タイロンも呼ばれたんだ」

「オイラ達みんな剣也に呼ばれたみたいだぜ」

アントニオが笑って横に並んだ。

5人を呼び出した当の本人は、少ししてからやってきた。

「すまない、待たせたな さっき不具合が見つかってしまって、調整をしていたんだ」

「調整?」

「これだ」

剣也がタブレットを取り出した。空色の空間と、そこに立つジャッカロープ、オセロット、ノーウェルが画面に映し出されている。

「これは、俺が開発した新型コクーンの内部だ 中継できるようにカメラも開発した」

「これが……」

得意げに言いながら、画面に見入るギルバートに頷く。

「今はテストも兼ねて、巡と零に軽く手合わせをしてもらっている ダンはストッパーだな」

白熱されると困るから

剣也の言葉になるほど、と相づちを打つ。タブレットの画面では、攻撃を防がれてイラッとしたらしいジャッカロープの回し蹴りがオセロットの顔面にヒットしてしまい、本気の喧嘩になりかけたところだった。

「あっ」

ノーウェルは2人を止めながらため息を付き、そして画面から消えた。

「戻ってきたか」

剣也が翔悟たちの後ろを見て言う。振り返れば、確かにそこには零と巡、そしてダンがいた。

「ひどいよ零!あれは勝負とはいえ試運転の軽い手合わせじゃないか!顔面はないよ!」

「だから悪かったっつってんだろ!てかそもそも手合わせなのに逃げまくる巡が悪ぃ!」

「そりゃあだって、君と何の策もなしに正面から戦って勝てるわけ無いじゃん!」

うち2人は言い合っていた。

「……ああ、二人共 もしまだ喧嘩を続けるというのなら、今度の実験のときは優しくしないからな」

しかし剣也が呆れたようにそう言えば、互いにピタリと口をつぐんだ。

(死ぬ、それは死ぬ)

(普段でさえあれなのに……!)

どうやら剣也の実験は、喧嘩を止めるほど彼らの心に何やら良くないことをしているらしい。翔悟たちは剣也の実験内容を知らないながら、戦慄した。

 

翔悟−ドラゴンたちはその新型コクーンの中に来た。周りを見渡す。そこは今までのコクーンとあまり変わっていなかった。しかしよく見れば、壁や床がほのかに輝いていることがわかる。その光はまるで、彼らを包み込むように優しかった。

「うわぁ……」

「すげぇよな 俺の犠牲に感謝しろよ?」

感嘆の声を上げるドラゴンに、ジャッカロープが歩み寄る。

「……犠牲?」

「剣也にいろいろされたんだよ、零」

眉をひそめるギルバートに、巡が苦笑いで言う。

「少しいいだろうか」

「どうしましたか、ルーク」

ルークは手元のアミュレットを見せた。

「このダイヤルを動かしたら、コクーンの大きさが変わるそうだ 試したい」

そう言うので、頷いた。

誤作動防止のロックを外し、カチカチと音を鳴らしてダイヤルを回す。それに従い、コクーンの大きさは変化する。

「手ぇ込んでんなぁ」

目を丸くしてアントニオが言う。

「戦闘時の人数規模で大きさが変えられるのはいいな」

ノーウェルの声が心なしか弾んでいる。

突然、ピーピー、と、警戒音のようなものが鳴り響いた。外の剣也から通信が入る。

「剣也?どうかしたの?」

『巡か すまない、敵が現れたみたいなんだが、そっちに行ったみたいだ 俺はボーンカードを家に置いてきてしまってな、すぐに取りに戻るが……頼む』

「リョ−カイ!」

その会話は、周りにも聞こえていた。顔を見合わせて頷く。

「さて」

コクーンの中に、怪しいボーンが3体、降り立っていた。

 

 

「……目標発見 タダチニ殲滅スル」

ダークボーンのその声を合図に、3体は5人に向かって踏み出した。

一体が、潜る。

「水属性か」

シャークもすぐにその後を追った。

「!すごいな」

新型コクーンの地下は、今までよりも鮮明に遠くまでを見渡すことができた。だから、迫る敵も確かに見えていた。しかし

「ぐぅ……!? くそ、速い!!」

認識できても、反応できなければ意味がない。とても追いつけない速さで泳ぐ相手を、彼は捉えられなかった。

 

ヒュン、と音を立てて、ミサイルが飛ぶ。それは尽きることを知らず、決してドラゴンたちを自身に近づけない。だからといって避けることに専念していても、上から風属性であろう敵が攻撃を仕掛けてくる。

「だあぁっ!めんどくせぇ!」

ジャッカロープが、剣のようなブーメランを宙を飛ぶ的に向かって思い切り投げる。勿論それは避けられた。しかしそのことで相手に隙ができたようだ。そこを見逃さず、身軽なジャガーが上を取りそれを叩き落とす。落ちてきた敵には、ギルバートがその拳を振るった。しかし思ったようなダメージは入らない。すぐにダークボーンは再び飛び立った。もう一度ブーメランを投げても、もうさっきのようにはいかない。そちらの方に気を取られていたらミサイルが飛んできて、気が付かない彼の前で高い防御力を誇るライノーが壁となった。爆音が響き、ジャッカロープがハッとする。

「わ、悪ぃ!」

「大丈夫ですよ さあ、気を取り直していきましょうか」

「おう」

少し笑いながら頷いて、しかしすぐに真剣な顔を作る。

(いくっつっても、どうすりゃいいんだ?)

とりあえず、ドラゴンと目配せでタイミングを図り、ミサイルを放ち続けるダークボーンへと突撃した。

「オラァ!」

「はぁ!」

そしてそのまま、攻撃を。しかし突如、相手の放った光弾に2人は飛び退くしかできなかった。

「まだ武器があったんだ ミサイルに光弾……」

呟いて、オセロットはふと気づく。たしかこんな特徴の怪獣と戦ったことがあったことを。

「名前は、確か……」

足元にその敵が放った炎が迫り、それを避ける。そしてその攻撃を見て、確信した。

「わかった!ベロクロンだ!」

「ベロクロン?なるほどそういえば、エースがいつかこんな感じの怪獣の話をしていたな」

ノーウェルがそれを肯定する。

「じゃあ飛んでるやつは?知らねぇか?」

相手の攻撃を避けやってきたジャッカロープが尋ねる。

「んー、わかんないや」

「そっか」

けれどそれがわかったところで、状況が好転するわけではない。

「うわ!」

ドラゴンが、宙を飛び回るダークボーンの放つ強風に吹き飛ばされる。偶然か、彼の背後にいたジャガーが巻き添えを食らっている。相変わらずミサイルは飛んでくるし、時折苦戦を強いられているらしいシャークが上へ上がってきたりしていた。

ジャッカロープは、ミサイルの集中攻撃を食らっていた。ブーメランによる攻撃のせいか、危険だと認識されているらしい。剣でミサイルを次々に切り裂くが、それにも限界がある。

「っ!!」

目の前にいくつかミサイルが迫る。近すぎて、思ったように剣を操れない。

(万事休す、か?)

いままでの攻撃で、これがどれほどの威力を誇るかはわかっている。今の状態で、耐えられるとは思えない。

(まあ、親父達がいれば俺が負けてもどうにかなるだろうけど)

そう思ったときだった。

 

いきなり、体が床から離れる。ふわり、としたその感覚は、確かに空中特有のそれで。

「危なかったな」

「あ、え?……スワロー!」

彼を助けたそのボーンファイターの顔は、上にある。そこで気づく。ジャッカロープは彼に横抱きにされていた。

「!……ん!?」

「ああ、すまない まだあまり慣れていなくてな、片腕で抱えると体の左右のバランスがとれなくなってしまう」

しれっとそういうのがムカついたけれど、助けてもらった立場である以上贅沢は言えない。

「それと」

続けられる言葉に耳を傾ける。

「全く、お前というやつは、諦めようとしただろう」

「う」

はあ、とため息を吐かれる。

「お前が諦めて喜ぶのは、敵だけだ もし己が負けたとして仲間にあとを託すなら、彼らを不安にさせるような真似はするな」

そういうスワローの言葉は、なぜかすんなりとジャッカロープの心に染み込んだ。

「わぁったよ……悪かったな」

プイッと顔をそらしてそう言えば、スワローがクスリと笑ったのが聞こえた。

「……さて、では空を飛ぶテロチルスボーンは俺が相手をしよう ほかはお前たちに頼む」

スワローは、ジャッカロープを浮遊する菱形に下ろすと、ダークボーンの方へ飛んでいった。ジャッカロープはドラゴンたちと合流しようと思って菱形から降りて、思い出したように上を見上げる。

「あのボーン、テロチルスなのか……」

よそ見しながらブーメランを投げたら、軌道が逸れた。

 

ザパリ、と水もないのに音を立てて、シャークは上へあがる。そのボディパーツにはダメージが蓄積し、赤くなっている。

「まずいな」

相手が悪かった。マッハいくつだろうか、そんな速さで動く相手を視認できるほど、人間は優れていない。

突如、間の前をナニかが通過した。見えた。この形状は。

「……ジャッカロープ?」

「あ、悪ぃ……」

両手を合わせる彼を許して視線を戻し、目を丸くした。さっきまであんなに苦戦していた敵が、転んでジタバタしていたのだ。シャークを追いかけてきたものの、ジャッカロープのブーメランにあたってしまったらしい。

(チャンス、なのだろうか)

申し訳ない気もしつつ、シャークは己の技を放った。

 

飛んでくるミサイルにも慣れてきた。幸い追尾型は無いらしく、前ほど相手を強いとも思わない。

「時間制限が無いと、こんなことも起こるんですね」

一番体が重いはずのライノーが、余裕を持ってそう言う。

「炎の射程もそんなにねえしな」

「見たことあるからなあ、これ」

菱形の上でそう言うのはジャガーとオセロットだ。仲間が流れ弾に当たらないよう、ドラゴンとレオが処理をする。

「っと この光弾がまだあんま慣れてないけど、まあそろそろ平気かな」

「油断は良くないですよ……まあでも、余裕はありますかね」

「あそこにジャッカロープが居る」

気づいたノーウェルが言うと同時に、己の技に当たらないドラゴンたちに気を取られていたベロクロンボーンは、背後からのジャッカロープによる斬撃で倒れた。

 

地上を見ていたテロチルスボーンを少し挑発すれば、簡単にその意識はスワローへと向いた。

「さあ、来るといい」

放たれた強風に乗り、間合いを詰める。それから一度蹴りとばして上をとり、抑え込んで床へ叩きつけた。ダークボーンは、鋭いヘッドパーツで反撃を試みる。

(テロチルスのくちばしに当たる部分か)

それが強力なのは知っていた。起き上がろうとする頭を床に押し付けて、あとは殴るのみ。

(少しエグいな)

自覚はあった。

 

「どうだった、新型コクーンでの初戦闘は」

「あんまり変わらない気もしたけど、時間制限がなかったのは良かったかな」

「結構時間経ってましたよね」

「でも戻ってくれば時間はほとんど経ってねえ、と」

否定的な言葉は出ない。剣也は楽しそうに意見を聞いていた。

「……ん?意見聞いてるってことは俺また付き合わされんの?」

零がギョッとする。ノートを見ていた剣也が呟いた。

「地雷装置のようなギミックか……ウルトラダイナマイト?」

聞こえてしまったそれに、巡がサッと顔を青くした。




名前が出なかった敵は、ゲスラがモチーフです

Z「お久しぶりかも知れないでございますね それでは、参ります!
まずはベロクロンボーン!火属性のボーンで、尽きることのないミサイルが主な武器!他にも様々な攻撃を放つことができるのだそうですよ
次にはテロチルスボーン!風属性で、起こす強風の強さには要注意でございます!くちばしが実はすごく強いのでございますが、使われなかったですなあ
最後はゲスラボーン!水属性なんですぞ なんと泳ぐ速さはマッハ8.8!?は、速い……!」
ホント、怪獣選びが毎回大変……


どうでもいいんですけど、誰か聞いて(読んで)
金曜日、現代文の授業で、教科書内容の語句調べの時間があったんです で、たまたまギリシャ神話の神様が少し出てきてたので、その親族関係たどってたんです
そしたらガイアっていたんです
……女神の名前なんですよね
ウルトラマンガイア、おまえ、ウルトラウーマンガイアだったのか?って本気で考えました
ついでにアグルも電子辞書で検索かけてみました アグルはありませんでしたが、アグルート がヒットしました。
北極航路を探して129人全滅した探検隊なんですよね……まさか、由来ここじゃないですよね……?
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