宿題少ないわーって余裕ぶっこいてたらピンチかもしれない
下まで降りてきたスワローはバサリ、と音を立てて翼を畳んだ。それから、ツカツカとドラゴンたちの方へ歩み寄る。
「どうだった?」
バイザーに隠されていてもわかる。その瞳がキラキラと輝いていることは。
「どうだったじゃねえよ!巻き込まれてよくわかんねぇよ!俺らがもうちょいダメージ受けた状態だったら最悪コアボーンクラッシュだってあったぞ!?」
「お、落ち着けって……確かに危なかったけど、おかげで助かったんだから な?」
一息でジャッカロープが怒りを顕にする。それをドラゴンが宥めた。その言葉のとおりなので、ムスッとしながらも引き下がる。
「しかし、さっきのは一体?」
「爆弾だな」
ノーウェルの問に、しれっと答える。あんまりあっさり言うので、それを飲み込むまでに数秒を要した。
「……爆弾」
ルークが呆然とその単語を繰り返す。
「え?そんなもんコクーンの中に持ち込めんの?」
「アミュレット持ち込めるしいけるんじゃない?」
首を傾げるジャガーにオセロットが答える。
呆れたようなため息を吐いて、ノーウェルが言った。
「詳しくは後で聞かせてください 取り敢えず戻りましょう」
戻ってきて真っ先に目に入ったのは、青年を取り押さえるタイロンとギルバートだった。しばし目を丸くする。
「あ、おかえりなさい 来たら丁度終わったみたいだったので……」
和やかに笑っているが、抑え込んだ手首は痛そうだ。
「これ、何でしょう」
ギルバートが何やら手に持っていたものを剣也に渡した。
「これは……何かの装置だろうか 帰ったら調べてみよう」
しばしそれを見つめて、頷いてポケットにしまう。
「さて、話を聞かせてもらおうか」
「くそ、貴様ら……!」
睨む青年を見下ろし、ルークが言う。と
「ソレハ困ル」
背後から声がした。ハッと振り向くと同時に、地面に叩きつけられる。ルークが見上げたその犯人は、見た目から推測するにどうやらボーンファイターのようだ。わけのわからない間に、そのボーンファイターは青年の上からタイロンを引き剥がして片腕で青年を抱え上げた。
「ドウナルカ分カッテイルナ、チーター?」
「アンティター……ああ、何であれ俺が負けたことに変わりはない」
歯ぎしりをする。
「ハァッ!」
そこに、翔悟が殴りかかる。相手の片腕はふさがっている。チャンスなのは確かだった。それなのに、その拳は簡単に受け流される。アンティターと呼ばれたボーンファイターは、翔悟を思い切り蹴り飛ばした。抱えられた青年が小さな悲鳴を上げるくらいの勢いをつけて。
「うわ!?」
「翔悟君!!」
倒れた彼をタイロンが腕を引いて起こした。フッとボーンファイターが笑う。
「筋ハ悪クナカッタゾ」
そう言って、空いていた手で持っていた見慣れない装置のボタンを押した。その瞬間、青年ごとその姿が消えた。
「あの装置は、さっきのものと同じ……」
何やらまた剣也が呟いていた。
「で、忘れないうちに聞くぜ剣也 あの爆弾は何だ」
零が剣也に尋ねる。ああ、と剣也が答えた。
「この前とった巡のウルトラダイナマイトのデータから作ったものだ あくまで仕組みの応用程度だがな」
「あ、良かった、アレ無駄じゃなかったんだ」
巡がホッとしたような表情を見せる。
「なあ、あれの威力をもう少し調節できれば、いい武器になるよな」
翔悟が言う。しかし、剣也はそれを首を横に振って否定した。
「残念だがそれは難しい コストがかかりすぎるんだ、せいぜいあと1,2個作るのが限界だろう」
「使いどころは見極めなければいけない、ということですか」
現場は見ていませんが、とギルバート。それに頷いて、剣也が続ける。
「すまないが、帰っていいか?さっきの装置を解析したい おそらくはテレポートのためのものだが、一応調べておきたいからな」
その言葉で、その日は解散になった。
「あ、があぁァァァ!!!!」
何処にあるのかもわからない場所。
年若い男の悲鳴が、絶叫が響く。その側には、2人。白衣と、アンティター。白衣の右手には、打ち終わった注射器が握られていた。
「ありがと、アンティター 貴方が連れてきてくれたこの子、いいじゃないの 最近は、みぃんなこの注射器見た瞬間に発狂するとか自殺するとかで、使い物にならなかったのよぉ」
「コヤツノ美点ハ、潔イトコロクライダッタカラナ」
その間も叫び続ける男の左腕は、少しづつ変貌し、人のものではなくなっていた。変化はそこだけにとどまらず、少しづつ全身を侵食する。2人の会話を聞いていられないほどの激痛を感じていることは容易に見て取れた。
「というかぁ、貴方、今くらいボイチェン外していいのに」
「ソウイウ訳ニモイクマイ」
硬いわね〜 と、白衣が頬を膨らませ不機嫌をアピールする。それを無視し、アンティターは目の前の光景を見ながらポツリと呟いた。
「我モ負ケレバコウナルノダロウナ……」
それに白衣が振り向く。
「あら、なにか言ったかしらぁ?」
「何モ 全テ終ワッタラ、コヤツニハ花デモ供エテクレ」
「そんなの自分でやりなさいよ 面倒じゃなぁい」
返答に、アンティターはバイザーの中で目を伏せた。
「ソレガ、難シイダロウカラ言ウテオル」
不思議そうに首を傾げる白衣にアンティターは言う。
「我等ガ相手シテオル彼ラハ、マダ強クナル」
それからヒラリと身を翻し、そして消えた。
「……変なアンティター 貴方が負けるなんて、そうそうないわよぉ」
白衣は笑いながら虚空に向かってそう言うと、うめき声を漏らすのみとなった男……否、男だったものに視線をやった。
「さあて、新しい怪獣ちゃん 貴方はどんなボーンになるのかしらね♡」
その表情には、愉悦のみ。
リビングのソファの上。何故か巡が嬉しそうにしている。
「……どうしたよ、巡」
「零、聞いて聞いて!剣也がね、もうしばらくは僕で実験しないって!」
その言葉を聞いて数拍。零は「は?」と間の抜けた声を上げた。
「は?マジで?うっわ、なんでだよ 俺まだ改良の余地があるとか言っていろいろやらされてんのに!」
「もうこれ以上必要なデータ無いんだって〜 やった!」
ストッパーとなるダンが仕事で居ないのにも関わらず言い争いになろうかという時、リビングに剣也がやってきた。何枚かの書類を手にしていたが、彼はそれをゴミ箱に捨てた。
「大丈夫なのかよ、ソレ」
「ああ、ミスを見つけてな 既に修正版もある」
「紙とかノート、また買ってきた方がいい?そのペースだと、前のもう無いよね」
「頼む」
巡は立ち上がる。
「零は?来ない?」
「翔悟に勉強教えなきゃいけねぇの」
少しうんざりしたようにそう言えば、巡は頷いて部屋を出た。
今家にいるのは、零、翔悟、そして閉じこもる剣也の3人。広々と使えるリビングにも飽き、高校生2人は零の部屋に居た。翔悟は、椅子の背にもたれて高い天井を見上げ、長く息を吐いた。
「リビングに負けないくらい広い……落ち着かねえ……集中できねえ……」
「んなこと言って、お前勉強に集中できたことあったかよ」
「ない」
返されたその言葉に、零は苦笑する。机の上にはノートと問題集が、零の手には参考書があった。ボーン研究所に行っていた結果、翔悟は見事に宿題をやり忘れていたのだ。
「仕方ねぇなあ、休憩入れるか ちょっと待ってろ」
苦笑して椅子から立ち上がった零は部屋を出て階段を降りようとし、ふと目の前の光景に違和感を感じた。広い廊下を数歩下がって、全体を見回す。気づいた。
(まさか……)
回収したボーンたちを保管する部屋が開いていた。
(巡も剣也も、入りたいときは言ってくる あいつらは鍵持ってねぇし)
急いで部屋の前に走る。ぱっと見、虹彩認識の機械に問題は見当たらない。では、隠し収納は。
「……!」
無理にこじ開けた痕。ここも開いたままになっている。中の機械を起動しようとして、けれどできなかった。
警戒しながら開きっぱなしの部屋に入る。ケースの中にカードはなかった。残っているのは一枚だけ。ゲスラボーンの劣化版のみだった。
地上から遠く離れた上空。1体のボーンが、手にした小さな通信機に話しかけた。
「回収、完了シマシタ」
『そぅ すぐに持ってきてねぇ やりたいことは山ほどあるんだから』
「ハイ シカシ、アレハ本当ニソノママデ良カッタノデスカ?」
『いーのいーの♪ どーせあの星の技術じゃアレから得られるものなんて無いわよぅ』
いや、あの星に違う宇宙から来てるやつがいるんじゃないの?大丈夫なの? そんな疑問をダークボーンは飲み込み、おとなしく自分のいるべき場所へと戻って行った。
おまたせしました
今回は書き途中だった分があったので思ったより早く投稿できましたが、次からはこうはいかないと思います。
オリキャラのイメージ、あるっちゃあるんだけど要る?
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もう自分の中にイメージあるんで別に……
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あるなら欲しくないこともなくもなくもない
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あるの?ちょーだいなっ