姫川と戦った数週間後、俺は整備室で新たな武装を造っていた。
「....これで二つか」
そう呟いた俺の目の前には、姫川のギアの武装である
武装があった。
「(あと二つは欲しいが、少し休憩するか....)」
そう思いながら、俺はイスに深く座り武装のデータを確認した。
「(ハロでサポートができるのは四つが限界....正直な話、ビット兵器は数が多ければ
多いほうが良いが....ビット兵器専用のハロを作るってのもありか....)」
そう思いながら、俺は空間ディスプレイを消して立ち上がった。
「ハロ、少し散歩してくる。寝てても良いぞ」
『ワカッタ! ワカッタ!』
そう言うと、ハロは眠りに就いた。俺はそれを確認すると部屋の電気を消して部屋から出た。
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「....」
外に出て散歩をしていた俺は防壁に登って海を眺めていた。そして、俺はポケットに
入れていた姉貴から貰った端末とは別の端末を取り出して海の写真を撮った。
「綺麗、とは言いにくいか....」
そう呟きながら俺は撮った写真を見ていた。
「やっぱ、撮るのはアイツの方が上手かったな」
そう思いながら、俺は撮った写真を消して昔の写真をスクロールして見ていた。すると、
突然近くにあった拡声器から警報が鳴り響いた。
「....こんな時間にか」
俺は警報を聞くとすぐに姉貴に端末で電話をかけた。
「姉貴」
『真か。今どこにいる』
「ラボ近くの海岸だ。姉貴、今回は俺一人でやる。援軍はいらないって言っといてくれ」
『お、おいまこ....!』
俺は姉貴の言葉を最後まで聞かず電話を切ると、俺の後ろからハロが転がって来た。
「行くぞハロ」
『リョウカイ! リョウカイ!』
そういって俺は右腕を前に突き出した。
「来い、ガロスーD」
そう言うと、俺の身体にはカラーリングが緑に変わったガロスが纏われた。そして、
普段装備している武器は無く、代わりに巨大なスナイパーライフルとビームピストル、
そしてビット兵器を二つ装備していた。
『さぁ、試運転の時間だ』
そう言って俺は魔導兵器の反応がある方向に向かって飛んだ。
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姫川side
「総司令!」
警報が鳴り響いて数分後、私達はラボに来ていた。
「総司令! 私達の出撃はしなくていいとはどういう事ですか!」
「....真がそう言った。今回は一人でやると言ってな」
「でも姉ちゃん! 兄ちゃん一人じゃいくらなんでも危険じゃ....!」
「....」
飛騨君の言葉に総司令は何も言わずに目を伏せた。すると、突然私達の目の前にあった
ディスプレイに映像と文字が映った。
『れーり、ハロからの通信。真が戦闘を始めたみたい』
「そうか」
そう言うと、総司令は映像に目を移した。だが、その映像にはおかしな部分があった。
「緑色の、ガロス?」
「兄ちゃんのガロスって青色だったはずじゃ....」
「それにあのスナイパーライフル....」
「総司令、あのガロスは....」
「....ちょうど良い機会かもしれんな。真のガロスについて知るには。ケイ、ガロスの
スペックデータを出してくれ」
『分かった』
総司令がそう言うと、私達の目の前にディスプレイが現れた。そのディスプレイには
飛騨さんのガロスのデータが記されていた。
「真のガロスは始まりのギアと呼ばれている」
「始まりのギア?」
「あぁ。この世界にやって来た最初のコアで作られたハート・ハイブリット・ギア。
それが真が纏うガロスだ」
「「「「っ!?」」」」
総司令の言葉に私達は驚き言葉を失った。
「お前達が纏っているエロス、ゼロス、クロス、ネロスは全てガロスがベースとなった
機体だ」
「そんな事、初めて知ったんだけど....」
「当然だ。これを知るのは私や真のごく一部の人間だ」
「....そうですか。それは何となく理解できましたけど飛騨 真のあの武装は?」
ユリシアさんはスナイパーライフルを放っている飛騨さんの映像を見ながらそう聞いた。
「そうだな。それについて説明しなければならんな。まず大前提だが、真のガロスには
シールドは全て真が作り後付けされたものだ。あのスナイパーライフルもな」
「なっ....!?
ヤバいんじゃ!」
「それを防ぐためのシールドだ。それに、真の動きを見てわかるだろう。基本攻撃は
ブレードで弾くか避けている。それだけガロスは機動力があるんだ。それを可能に
しているのが背中の装置だ」
そう言いながら、総司令は戦っているガロスの映像の背中を指差した
「真によれば、あの装置から出ている粒子によってガロスの機動力は増している」
「総司令、あの装置は一体....」
「それは私もわからん。真は知っているが私にも教えてくれなくてな。だが、一つだけ
言えるのはガロスの機動力や性能に直結しているのは間違いない」
「....」
私はガロスのデータを見ながら飛騨さんの戦いを見た。すると、ガロスの腰の装備が展開され
ガロスの前に浮かび上がった。その装備は、私のネロスの
「っ! アレは....!」
「真、既に完成させていたのか....」
飛騨さんは
魔導兵器を打ち抜いていた。更には
打ち抜くといった難しそうな技を使っていた。
「凄い....」
私は飛騨さんの戦い方にそう呟いてしまった。そして同時に、今の私ではこのような戦い方は
出来ず、飛騨さんにあそこまで完敗してしまったのも納得できた。
「(弱い....今の私は、あまりにも....!)」
『姉貴、魔導兵器を全滅させた。今から帰還する』
「了解した」
通信が切れると映像は同時に落ちラボの照明は少し落ちた。
「....一先ず、今私が話せることは話せた。まだ残っているが次回の機会に話そう。では、
全員解散」
その言葉で今回の件は幕を閉じた。だが、私にはまだやるべきことが残っていた。
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「あの、ケイさん」
『どうしたハユル』
「先程の飛騨さんの戦闘映像を私にいただけませんか?」
私以外のメンバーがいなくなった後、私はケイさんにそう頼んだ。
『別に良いけど、どうして?』
「飛騨さんのあの装備は私の
増えるんじゃないかと思って....」
『そういう事....はい、映像は送った』
すると、私の端末にファイルが送られてきた。
「ありがとうございますケイさん!」
『構わない。頑張って』
私は一礼してから自室に戻り、飛騨さんの戦闘映像を見た。
「武器が違うのにこんなに戦えている....やっぱり凄い」
飛騨さんの戦いには無駄な動きが少なく、正確に、そして確実に魔導兵器を倒していた。
「私がこのように戦うためには....」
その後、私は映像を見返しながら私ができる戦い方を研究した。