「はぁ....この一件が片付いた後に政治的な事など....めんどくさくてやってられるか」
そう呟きながら、私は持っていたワイン瓶をラッパ飲みした。
「(....今回の襲撃で死者が出なかったのは真の防衛システムのおかげだな。後で何か
欲しい物でも買ってやるか)」
そう考えていると、背後で足音が聞こえた。
「あれ、姉ちゃん」
背後にいたのは傷無だった。
「傷無か」
「何やってんだこんな所で」
「政治的な話が面倒だったからな。ここで大人しく酒を飲んでいる」
「こんな姿見られたら生徒に幻滅されるんじゃないか?」
「知ったことか。私もストレスは溜まるのだ。....それより、真はどうした。一緒じゃ
ないのか?」
「わかんねぇ。探したけど会場のどこにも見当たらねぇんだ。携帯鳴らしたけど多分電源
切れてて出ねぇし」
「....そうか」
「(あいつめ....一応顔は出しておけって釘は刺したんだがな....)」はぁ
私はため息をつきながらワインを飲んだ。
「まぁ兄ちゃん、こういう人が多いパーティーは苦手だもんな」
「そうだな....まぁ、腹が空いたらそのうち来るだろう。お前も羽目を外しすぎないよう
楽しむことだ」
そう言って、私はワイン瓶を持ってこの場から離れた。そして、下の階に行き次のワインを
選んでいると、ハロが料理を皿に乗せているのを見かけた。
「ハロ。何をしているんだ?」
『マコトノゴハン! トッテキテッテイワレタ!』
そう言いながら、ハロはどんどん料理を皿に乗せていった。すると....
「総司令? それにハロさん?」
後ろから姫川に声をかけられた。姫川は何故か赤い振袖を着ていた。
「姫川か。どうしたその振袖は?」
「その、広報部の人達が用意してくれたみたいで....それよりも、お二人はここで何を....」
「私は酒を取りにだ。ハロは真に頼まれて料理を取りに来たらしい」
「そうなんですか。ということは、飛騨さんはパーティーの方に参加していないんですか?」
「まぁそうなるな。一応来るよう釘は刺したんだが....」
「そう、なんですか....」
「まぁ、ハロが料理を取り終わったら少し様子を見に....」
行こうと言おうとした時、私の端末が鳴った。画面を見ると、連絡は祝勝会の実行委員会から
だった。
「(見に行く余裕は無いか....)」
どうしたものかと考えていると、今自分の目の前にちょうどいい人物がいることに気づいた。
「姫川、今時間に余裕はあるか?」
「あ、ありますけど....」
「そうか。なら一つ頼まれてくれないか?」
「何をですか?」
「真の様子を見に行ってほしいんだ」
「わ、私がですか?」
「あぁ。....お前とは、会話をしているようだしな」
私は以前、姫川に真がアドバイスをしていたというのをケイから聞いていた。
「それはどういう....」
「それは、まぁ今度にしよう。ハロ、姫川を真のいる所に案内してやってくれ。すまんが、
後は頼んだぞ」
そう言って、私はこの場から離れた。