俺は姉貴との待ち合わせ場所に戻り、そこから俺用の部屋に案内された。
そして今、俺は部屋にある巨大なパソコンの前に座ってハロから送られてくる映像を
見ながらコーヒーを飲んでいた。
「すげぇ人数だな....」
俺は映像に写っている生徒の数を見て不意にそう呟いた。ハロが今いるのは学園の
講堂だった。その講堂はかなり広いのだが、殆どが生徒で埋め尽くされていた。
すると、司会の女が話し始めた。
『それでは、今回も敵の襲来を迎撃したハート・ハイブリッド・ギアチーム
"
そう言うと、講堂内は割れんばかりの拍手で包まれた。
『それでは続きまして、アタラクシアの校長兼総司令からお言葉を頂きます』
すると、舞台の袖から姉貴が出てきた。
『諸君、飛騨 怜悧だ。この度の緊急事態に対する諸君らの冷静で的確な行動は見事なものだった』
姉貴は家では別人のような様子で生徒達にそう言った。
「(姉貴も大変だな....)」
『それでは、ここで新たな仲間を紹介する。転入生だが、訳あってハート・ハイブリッド・ギア
を宿している。そのため、一人は既に
そう言って、姉貴は傷無に手を差し出した。
『紹介しよう。高等部二年甲組に転入する、飛騨 傷無だ』
そう言われ、傷無は舞台袖に向かおうとしたが、隣にいたハロが体当たりをして無理矢理
舞台の中央に向かわせた。
『さて、では今から説明する作戦は最重要であり、最優先すべき作戦となる』
姉貴がそう言うと、ステージ上の照明が落とされスクリーンにある映像が映った。
それは、傷無がエロスを纏って白色のハート・ハイブリッド・ギアの少女の胸を
揉んでいる映像だった。
それを見て講堂内は悲鳴と怒号で溢れ、俺は飲んでいたコーヒーを吹き出した。
「....き、来て早々何やってんだアイツは」
俺はこの映像に困惑していると、姉貴が生徒達を一喝して静かにさせた。
『いいか! これは遊びでも何でもない。れっきとした作戦だ。
今までハート・ハイブリッド・ギアがエネルギーを消費しても遅々たる自然回復を待つだけで
補充する手段が無かった。しかし、長年の研究を経て我々は一つの答えを見つけた!
それはハート・ハイブリッド・ギアを持つ男女が心と体を一つにし、愛情と快感を
共有する事だ。それにより、ハート・ハイブリッド・ギアのエネルギーを回復する
『接続改装』を可能とするのだ』
「アイツのギア、そんな機能があったのか....」
俺は傷無のギアの機能に驚きながらも白色のハート・ハイブリッド・ギアが一撃で魔導兵器を
破壊する映像を見ていた。
『見ての通り、接続改装をした事によって愛音のハート・ハイブリッド・ギアのエネルギーは
回復しこのような事になった。異世界の敵と戦い続けるために、これから
エネルギーの補充とパワーアップに努めるのだ! ここにいる飛騨 傷無とエロい事をしてな!』
それを聞き、再び講堂は阿鼻叫喚に包まれた。
「....ご愁傷様としか言えないな」
俺は映像越しに見える傷無に向かって手を合わせた。
『静まれ諸君! まだ話しは終わっていない』
姉貴がそう言って、再び講堂は静まった。
『一先ず、一人目についての話しはこれで終わりだ。今から、もう一人転校生を紹介する』
そう言って姉貴が指を鳴らすとスクリーンの映像が切り替わり、さっき現れた魔導兵器と戦う
俺の姿が映し出された。
〜〜〜〜
ハユルside
「(そ、総司令は一体何を考えて! あんな破廉恥な方法じゃなくても!)」
私は総司令の言葉に納得する事ができなかった。
「(そ、それに、さっきから彼の隣にいるオレンジ色の球体は一体....)」
この総会が始まってから彼の隣にいる球体の事が私は気になって仕方がなかった。
すると、総司令は阿鼻叫喚に包まれていた講堂を一喝で静めた。そして、もう一人の
転校生を紹介すると言って指を鳴らすと、スクリーンに私がさっき攻撃をした青い装甲の
兵器が映った。
「ア、アレはさっきの....」
「先程の緊急事態の時に目にした生徒もいるだろう。今ここに映っている青い兵器はガロスと
呼ばれるハート・ハイブリッド・ギアだ」
「なっ!?」
総司令の言葉を聞き、生徒達や私、ユリシアさん、愛音さんまでもが驚いていた。
「(あ、あれだけの数を一瞬で....!)」
私はスクリーンに映るガロスの戦闘能力の高さに驚きが隠せなかった。
「そして、これに乗っているのがもう一人の転校生、飛騨 真だ」
スクリーンには飛騨くんと似た男性の姿が映し出された。
「名前で分かる通り、コイツはここにいる飛騨 傷無の兄だ」
総司令は飛騨くんを指差してそう言った。
「コイツもこれからこの学園に在籍するが 、少々心に深い傷を負っている。そのため、
基本的に先程のような緊急事態の時か任務の時にしか姿を現さん」
そう言うと、生徒達は周りの生徒同士で話し合っていた。
「だが安心してくれ。コイツもまた、世界を救うために戦っている。だから、間違ってでも
戦闘時にコイツを攻撃をするような事はしないようにしてくれ」
「....あらら、ハユルやっちゃったわね」
すると、隣にいたユリシアさんが私にそう言ってきた。私はさっき、敵と勘違いして
攻撃を仕掛けてしまった。まぁ、その攻撃は撃ち落とされしまったが....
それを聞いて、私は背中に嫌な汗が流れた。
「そして、先程から諸君が気になっていたと思うが、ここにいるオレンジ色の球体はハロという
飛騨 真のサポート用ロボだ。外に出ている事が多いだろうから、会ったら気軽に話しかけて
やってくれ」
『ヨロシク! ヨロシク!』
総司令がそう説明すると、オレンジ色の球体は頭の部分から羽根のような物を出して跳んだ。
「(か、可愛い....!)」
私はその姿を見てそう思ってしまった。
「さて、これで総会は終わりだ。諸君、今日はゆっくりと休んでくれ」
総司令のその言葉で総会は終わった。そして、総会の片付けが終わった後、私は一人
総司令のもとに向かった。
「総司令!」
「姫川か。何か私に用か?」
「あの....飛騨 真さんの部屋は何処でしょうか?」
すると、総司令は不思議そうな表情をした。
「何故そんな事を聞く?」
「先程の戦闘で私....敵と勘違いして攻撃をしてしまったので、その謝罪を....」
「あぁ....その事なら気にするな。アイツも別に怒っていない」
「で、ですが....」
「大丈夫だ。あれに関してはお前達に前もって知らせなかった私に責任がある。姫川は
そこまで重く受け止める必要はない」
総司令はそう言うが、私には納得する事ができなかった。
「すまないな。今から今回の件についての会議がある」
総司令はそう言うと、急ぎ足で何処かに歩いて行ってしまった。
「ど、どうしたら良いんでしょう....」
私は謝罪をする事が出来ない事に困りながら自分の部屋に向かって歩き出した。