転生者はテリウス大陸へと:蒼炎の軌跡外伝!!! ライバルはアイク!?   作:幸福野郎

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酒場のユニット

 少し騒がしい酒場で……。

 

「はぁああ」

「どうした? お客さん?」

「いや、世知辛い世の中だと思ってさ」

 

 夜の酒場でぱっとしない外見の青年が、カウンター席に座って溜息を吐いた。

 実は彼は転生者。

 憧れのファイアーエムブレムの世界に転生したのだ。中でも好きな蒼炎の軌跡世界であるからして、そのテンションはクライマックスといえる。

 自分がFEキャラの恋人設定である二次創作小説を書いたこともあって、全部合わせると100万文字を超える超大作であった。あまりにノリノリで書いてしまったため、途中で少し気恥ずかしくなってしまって、パソコンのフォルダの中に眠っているのだが。

 しかし、もしかしたら名作認定される可能性もあるのではと少しだけ思っている。

 これで批判された日にはきっと泣く。コメント炎上なんて考えるだけで恐ろしい。

 そんなクソザコメンタルの主人公。

 

「なのにさぁ。なんてこったい」

「お客さん。とにかくのみな。特別に二割引きだ」

「おいおーう、そこは5割引きぐらいしてよなー」

 

 すごいうざい笑顔で言う転生主人公。

 マスターは慣れた様子でスルーした。

 いちいちイラついていては接客はできないのだ。こんなくそ客はいくらでもいるのだ。

 

「まあ聞いてくれよ。俺はこのテリウス大陸に転生してさぁ、憧れのミストちゃんやミカヤたんワユたん……とにかくかわいこちゃんたちとイチャイチャできるかと思ったのよ。もうみんなにモテモテ、好感度カンスト的な。それだけを目的にアシュナードを軽くぼこりにいっちゃおうかなーなんてさ……」

「ふんふん、色恋沙汰か」

「そんなところ。でさ、ミストちゃんとワユたんと一緒に生活できるかもと、さっそくアイクの傭兵団に入団しようと意気込んでいたらさ……なんやかんやで入団試験になったわけ。まあ、それは別に想定内なんだけどさ」

「ふむふむ」

「想定外なのが、俺の貧弱ステータスでさ」

「へえ?」

「とりあえずアイクと模擬戦になったわけよ。そしたらね……」

 

「命中率が0パーセントなわけ。もうすかすかなわけ、武器相性で勝ってるのにどゆこと? バグ?」

「はあ、そうか」

「しかも、当たっても0ダメ。どんな無理ゲーだよってな……。伝説の剣とかあれば違ったのかなー。なー。ラグネルくれよー」

「はあ」

「そうしていたらさ。アイクに本気でやってるのか疑っているような目を向けられてさ……それだけならまだしも、ミストちゃんに同情の目線を向けられたよ。ちくしょおおおお」

 

「おい、真面目に戦え。やる気はあるのか? よそ見は危ないぞ」

「大将の言う通りだよ。ていうか、さっきから何でちらちらこっちを見てるの?(いやな気配を感じるなぁ)」

「は、はいっす。(ワユたんの腋と足が気になって集中できん! 実際近くで見ると可愛さがヤバい!! でゅふふ!!)」

 

「へえ、優しい団長さんだな」

「いや、俺が言いたいのはそうじゃないんだっ」

 

 グラスに注がれた酒っぽいジュースを飲み、愚痴を吐く彼の姿は疲れ切っている。

 マスターは言ってることが理解できず、半分聞き逃しているが。

 そんなことも知らずに主人公の独白的な愚痴続く。

 

「それにさ、アイクの奴。あの天空っていう技あるじゃん?」

「ああー、天空ね」

「そうそう。隙だらけに思える技。……なのにさ、あれヤバいんだよ」

「ああー、ヤバいなアレは」

「あいつの剣さ……宙に放り投げられた時さ、俺回避しようと動いた……んだけど、動けなかったのさ」

「ああー」

「あの剣のクルクル回転の風圧的な何かでさ、動きが止められたわけよ。風の檻的なね。なんだそりゃってね。インチキだよあんなのッ」

「ほう、狂王アシュナードがねぇ」

「人の話聞いてる?」

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