転生者はテリウス大陸へと:蒼炎の軌跡外伝!!! ライバルはアイク!? 作:幸福野郎
「よし戦うか」
「なんでそうなるッ!?」
マカロフに事情を説明したはいいが、彼が奪ったものを素直に返してくれるわけもなく、戦って奪い返して見ろという展開になったのだ。
マカロフは拳を何度も突き出し、戦闘準備OKの構え。
ガーネフは正直戦いたくはないのだが、盗人の決意は固く見える。
「ちくしょう、ミカヤたんのため……ガーネフいっきまーす!!」
「おー、かかってこいやー」
いまいち緊張感のない二人のやり取り。
サザとアシュナードは彼等二人の戦いを見守る。
「なんだか変な展開になってきたな……」
「次は我が戦うぞ。良いな?」
「好きにしてくれ」
仲間二人に見守られながら、ガーネフは黒い上着を脱いで、上半身裸のファイティングスタイルになった。
その両腕は太く逞しく、腹筋はバッキバキに割れていて、格闘家の如く洗練された肉体を見せつける。
「腕、細すぎるだろ……」
「なんだあの、力強さをまるで感じん、堕落し切った腹は」
という風にガーネフが思っているだけで、その肉体は誰が見てもだらしない。
マカロフですら微妙な顔で見ている。
その視線にガーネフは鼻を鳴らした。
「おいおい、びびったのかよ? 悪いがもう許さんぜ。早く渡しておくのが利口だったな!」
「お、おう」
「ふふふ、まあ素手で戦ってやるから安心しな! かかってこいやー!」
「……なんというか、あんたも相当なアレだなぁ」
今ここに、似たような波動を発した二人の戦いが火蓋を切った。
共に使うのは己の両拳。
お互いに譲れないものの為に(金と女)、その信念の拳を突き出した。
「おりゃあああ!!」
◆結果は◆
「ぐふぅっ」
地面に仰向けに倒れるだらしない肉体。
よくそれでアイクをライバル認定出来たなという意味では、ある意味すごい彼の敗北。
まあ、はっきり言って当然の結果なのだが。
元とはいえ、ベグニオンで軍人として活動していたマカロフとでは、あまりに差がありすぎる。
「あー、悪い。強くやり過ぎたかぁ? 許してくれ」
「うぐぐ……まさか、マカロフにこんな大敗を喫するとは……!! 俺ってもしかして最弱……」
いまごろ気付いたガーネフはショックで動けない。
マカロフは困った様子で頭を掻いている。どうしていいか分からずにサザ達へと視線を向けた。
「放っておけ。それよりも、次は我が相手をしよう」
「え? あんたが……?」
マカロフは戦闘前の笑みを浮かべるアシュナードを観察する。
とても強そうな鎧と武器を携えた大男。
ていうか、どっかで見たことあるような王様オーラ全開。
「……」
まともに力を探るだけで冷や汗が流れてきて、マカロフは早々に悟った。
アシュナードは剣を地面に突き刺し、素手でマカロフと戦う姿勢を見せる。
その足が一歩近づき――。
「降参しまーす。無理無理こんなの」
己の力量をしっかり把握しているからこその高速英断を行ったマカロフ。
偽ガーネフとは違うのだった。
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