転生者はテリウス大陸へと:蒼炎の軌跡外伝!!! ライバルはアイク!?   作:幸福野郎

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入る隙間のない形

「ふふふ、私の勝ちだな……」

「く、くそッ」

「ただの肥満貴族じゃなかったのか……ッ」

 

 ドリーの魔法によって破壊された室内に倒れるガーネフとサザ。

 なんとか対抗しようと二人は頑張ったが、強力な魔法の前に倒れてしまったのだ。

 ドリーは部屋が散らかっていて少し不機嫌。

 

「まあいい、本当の宝は厳重に保管してあるからな!」

 

 なのでさっさと侵入者を排除してしまおうと、ドリーの手が二人に向けられる。

 光の魔法が発生し、今にも撃たれようと輝く。

 

「さらばだ! 醜い侵入者どもよ!!」

 

 大声と共に光魔法が放たれた。

 ガーネフたちに防ぐ術はない。

 

(もうあのワープも使えない――終わった――)

 

◆光の中でガーネフは目を閉じた◆

 

「――サザッ!!」

 

◆そしたら聞き覚えのある声が聞こえた◆

 

「……!!」

 

◆ぶつかり合う光と光◆

◆ドリーの魔法を押さえた人物は、銀色の髪の……◆

 

「ミカヤ!!」

「ミカヤたん来た!!」

 

「サザは死なせないっ、絶対にッ!!」

 

 青いマフラーを首に巻いた、誰かの為に理不尽に立ち向かう女性。

 必死な顔で敵の魔法を食い止める、銀の髪の乙女・ミカヤ。

 ドリーは目を見開き、彼女の登場に驚く。

 

(ばかな! 秘密の地下室に監禁していたはず!!)

 

◆遡ること数分前◆

 

「この魔導書とか、高値で売れそうだー」

「おおー、金目の物ありそうな予感。ついてるね」

「うん? なんだこのスイッチ?」

 

◆マカロフの手によって、ミカヤは救出されていたのだ!◆

 

「おのれええ!! 私に逆らうかぁ!!」

 

 このままでは敗北してしまう。

 光の鎧は同じ属性を防ぐことが出来ない。

 ミカヤを傷つけたくはないが、やむを得ないと秘密の切り札を使う決意。

 

(私の切り札――【光の粛正】!!)

 

 懐に手を突っ込み、魔法のアイテムを使用するドリー。

 正確には使用しようとした。

 だが。

 

「な、ない!?」

 

 忍ばせておいたアイテムがなくなっている。

 混乱に突き落とされたドリーは、倒れたサザの手に注目した。

 

「お目当てのものは……これかッ」

「!?」

「盗むのは得意なんだ……!」

 

 いつの間にかサザが持っている、杖のような形の宝石。

 彼は戦いながら敵の切り札の奪取に成功していたのだ。

 

「ここまでだな! 悪徳貴族!!」

 

 一瞬の躊躇いはあった。

 いまさら自分に何が出来るのだろうかという躊躇だ。

 しかしアシュナードが言ってくれた一言が、彼の砕けた自信を繋ぎとめてくれた。

 ガーネフは立ち上がり、愛用の槍から弱い光魔法を発動する。

 それはミカヤの光魔法と合体して、大きく膨れ上がり――。

 

「ぎゃああああ!?」

 

◆断末魔の叫びと共に◆

◆ドリーは吹き飛び、気絶した◆

 

「や、やった……」

 

 遂にドリーを倒したことで、安堵の息を吐くガーネフ。

 それに、ようやくミカヤに出会うことができた。

 彼は顔を無駄にキリリとさせ、彼女に声を掛ける。

 

「ミカヤた――」

 

「サザ! 死なないでサザ!!」

「はは、死なないさ……ちょっと、強く抱き締め過ぎだ……」

「ごめんなさい……私……!!」

 

 抱き締め合うミカヤとサザ。

 サザのことを想って取り乱し、泣き叫ぶ彼女の姿。

 聞いてるだけのガーネフにまで伝わってくる、その強き絆。

 イチャイチャなんて言葉が生温い程の灼熱空間。

 

(あかん、まるで俺の入る隙間がないぞ。支援EXぐらいないかコレ……?)

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