転生者はテリウス大陸へと:蒼炎の軌跡外伝!!! ライバルはアイク!? 作:幸福野郎
「それで諦めたんだ?」
「ああ……もう結婚しろよお前等って感じ……」
「ははは、残念だね」
木々の中で地面に寝転がるガーネフ。迷いの森に戻ってきた。
色々な騒動が終わったあと、彼はサザと別れた。
もうなんか絶対に勝てない絆を見せられて、心が折れてしまったのだ。
まあミカヤに笑顔を向けられたから、それで良しとした彼。
(貴族はベグニオン兵に切り捨てられ、普通に捕まった……おれ達の活躍はなかったことに)
逆に追われる心配がなくて良かったかもしれない。
そう思い、ガーネフは夜空を見続ける。
「ああ~、これからどうするかな……」
「決まっているだろう。愚か者が」
「うわッ!?」
いきなりアシュナードに声を掛けられ、慌てて飛び起きる。
正座姿勢で目の前に立つ怪物と向き合う。
アシュナードは相変わらずの威圧感で、口を開いた。
「力を鍛え、それを存分に振るうがいい。それが世界のあるべき形」
「ブレないな……」
まったくブレないアシュナードの強靭な信念に、なんだか感心してしまう。ここまでいくとカリスマが発生するのも分かるというものだ。
彼のその良くも悪くも力強い言葉に救われたところもあったので、ガーネフは素直に感謝している。
アシュナードはそんなものいらないと言うだろうが。
「お前自身、そうしたいと願っている筈だがな」
「……」
たしかにガーネフの内で燻ぶる想いはあった。
井の中の蛙であることが分かった今、ただダラダラしているというのは少し駄目だ。
ならば、自分がしたいことは。
「求めよ。貪欲なまでに。身分や環境の差など容易く蹂躙する、素晴らしき力を――」
◆そう言って◆
◆アシュナードは闇の中に溶けていった◆
◆禍々しい剣も鎧も、何もかも◆
「……もう時間切れか」
復活させたアシュナードは跡形もなく消えた。
彼の使った復活の呪いは時間制限付きだ。
あとに残るのは、王が残してくれた強き信念の残響。
決して善人ではない冷徹な人物だが、そんな男の言葉に助けられたのだ。
「ありがとう」
◆誰にも聞こえないように、ガーネフはぽつりとつぶやく◆
「ふふふ」
「なんだよ?」
「いやー、吹っ切れた良い顔してるね!」
森の主は笑顔を浮かべている。
その体はだんだんと透けていっていた。
「!?」
「はは、あたしは大将が生み出した……幻影のようなものだよ。理想のね」
「なにっ、二次元嫁的な!?」
「そうだね……かつてこの森に引き籠っていた、魔法の道具を生み出すことだけは得意な、人間嫌いの転生者があたしのシステムを作ったんだ」
森の主とは。
この森を管理する魔法システム、その一つらしい。
それを作ったのは転生者で、そういえばあの遺跡にアニメのキャラらしき模様があったことを思い出すガーネフ。
「その転生者は、引き籠り続けるためにあたしを作ったんだけど……今の大将には必要なさそうだし、もう消えるね」
「そ、そんな。いちゃいちゃしてないッ」
「最後までそれ……?」
森の主はあきれ顔。
だがあまりにも気の毒なので、最後に少しサービスをしてあげることにした。
「!」
ガーネフは頬にキスをされる。
ただし、感触はないが。
「じゃあね大将――やりたいこと、精一杯頑張って――!」
◆満面の笑顔と共に◆
◆森の主は消え去った◆
「……」
残されたガーネフは、アシュナードや森の主の言葉をしばらく反芻していた。
掛けられた言葉は、どれも未来に向けて後押ししてくれる前向きなものだ。
だったら、やるべきことは決まっていた。
「――強くなる。もっともっと、真面目に自分を鍛える」
思い出すのは凡人なはずの少年の頑張り。
決意の声は闇を照らす。
くすぶっていた想いが確かな意志の炎を宿した。
「そして傭兵団の試験にリベンジする!! 今度は自分の力をきちんと磨いて!!」
「なんだぁ?……うるさいな……金ぇ……宝石……」
少し離れて眠っているマカロフに聞こえるほどの、意志のこもった声。
立ち上がったガーネフを照らすように、朝日が闇を払っていく。
迷いを捨てた彼は、己の力を信じて突き進むのだった。
続き求む?
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求む求む!!
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いや別に