転生者はテリウス大陸へと:蒼炎の軌跡外伝!!! ライバルはアイク!?   作:幸福野郎

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狂王コミュ

 狂王・アシュナード。

 かつてデインを支配していた王にして、その圧倒的なカリスマと強さで数多の兵を従えた、弱肉強食の体現。

 漆黒の騎士と並んで強キャラオーラを放つ、主人公にとっても印象深い敵。

 

「名は何という?」

「……が、ガーネフっ」

「ほう、ガーネフか……」

 

 いきなりアシュナードに名を聞かれてしまったため、ぱっと思いついた名を伝えた主人公。

 これより彼はガーネフと名乗ることにした。

 黒幕的存在だし、割と合ってるかもと思う。

 

「それで……我に何を望む」

「え、えっと、その、あの、なんというか、そのですなっ」

「はっきりと喋れ」

「はいッ!! すいません!!」

 

 アシュナードの声を聞く度に体が震える。

 なんというのか、圧倒的なカリスマから来る、根源の恐怖と言うのか。

 心臓を鷲掴みされているかのような錯覚を覚えてしまうなんて、どんな威圧感だよと思わずにいられない。

 冷静に考えてみれば万を超える兵を従えるような男が、生半可なオーラを持っている筈はないのだ。

 それでもある理由から大丈夫かと思っていたが。

 

「こひゅー、こひゅー」

「どうした。顔色が悪いぞ」

「な、なんでもないでひゅ!!」

「……」

 

 ガーネフは必死に息を整えようとする。

 ただ話しているだけでこれなのだ、もし戦場で相対したら直ぐに首を刎ね飛ばされるだろう。

 戦場でこんなのと戦った兵たちが哀れでならない。

 

「……まあ良い。少し休め」

「え」

「創造主であるならば無下にはせん。我は外を見てくる」

 

 なんだか優しいアシュナードの対応。

 というか正確には本人ではなく、一応それなりに能力が劣化した魔法生物のような存在なのだが。

 これで劣化してんのかよとガーネフ。

 

「……ふぅ」

 

 アシュナードの姿が消えると、一気に体が軽くなった。

 洞窟の壁に背中を預けて体育座り。

 なんでアイクを倒す前にこんなに疲れているんだろう。

 

「……腹が減った」

 

 ぐうううう、とお腹が鳴った。

 思えば酒場で食事をし損ねている。

 どっかの飲食店に寄ろうかと頭の中であれこれ考えていたら。

 

「――戻ったぞ」

「……」

 

 アシュナードが戻ってきた。

 洞窟の入口に立っている。

 

「なんですソレ?」

 

 大きな何かを背負っている。

 洞窟に設置された炎魔法による照明に照らされたそれは、熊っぽく見えた。

 ていうか熊だ!

 

「腹を空かせていたように見えたからな、暇つぶしのついでに調達した。食すがいい」

「まじっすか……」

 

 二メートルはある熊を軽々と地面に放り投げ、アシュナードはまた洞窟の外へと去る。

 熊の衝撃が伝わる地面にビビりながら、どうやって食べようかと、さすがに食べないと機嫌を損ねそうなのでガーネフは考えた。

 

(よく考えたら金なかった……あ、飲み逃げじゃん。やべ)

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