転生者はテリウス大陸へと:蒼炎の軌跡外伝!!! ライバルはアイク!?   作:幸福野郎

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素手の力よ、偉大なり

(血抜きと毛皮剥ぎ……火は魔法でいいか)

 

 焚き火に串刺しにした熊肉(木の枝で)を近づけ、じっくりと焼いていく。

 遠くの方で木々が倒れる音が聞こえる。

 きっとアシュナードが野生の動物相手に戦っているのだろう。

 なんかすごそうな武器を持っていたし、きっと大丈夫だろうとガーネフ。

 

「はぁ、俺なにやってるんだろう」

 

 溜息を吐いて、自分の行動を振り返る。

 アイクの傭兵団に入団しようとして、己の無力さを思い知り、酒場で愚痴り、アシュナードを復活させた。

 冷静に振り返ると何をやってるんだが分からないレベルである。

 元々の目的すらふっとんでいる。

 

(くそ、もっと力があれば)

 

 こんな最弱ステータスでは何もできない。

 呪いすらまともな効果を発揮しないものばかりで、どうやって戦えば良いかも分からない。

 なのでアシュナードを生み出したが、完全に主従逆転である。

 困難ばかりで心が折れそうだ。

 

「こうなったら……デインを目指すか」

 

 目的を変えて、めちゃかわ年齢不明美女ミカヤに会いに行こうかとガーネフは思った。現在地はデインとセリノスの国境付近だ。

 なんだかアイクに挑んでもまた失敗するような気がする。

 というか、アイクに勝つって何で勝つんだよ。

 

「だが、場所が分からん。困ったなぁ」

 

 現在、デインにまだ銀の髪の乙女が現れたという情報はない。

 現れたところで会えるとは限らない。てか、そもそも原作と同じ流れではないようだ。

 エリンシア様一目見たかったのに失敗したし……。

 どうやったら会える可能性が高くなる。

 

「とにかく行ってみるか。よし!!」

 

 気持ちを切り替えて行動を起こすことにした。

 熊肉を食べ終わり、たき火を消して、元気よく立ち上がる。

 目指す場所はデイン王国!

 新たな一歩を踏み出すのだ!!

 

「――出発か」

 

 洞窟を出た所で嬉しそうな顔のアシュナードとばったり。

 暇すぎたのだろう、もっと強い敵と出会える喜びに満ちているようだ。

 彼の背後には数多の熊やイノシシが転がっていた。

 

「あのー、なんで上半身裸なんでしょうかー? いや文句はないんですが」

「強い鎧や武器のままではつまらん。己に対する枷だ」

「あ、縛りプレイっすね」

 

 武器も鎧も捨て、凄まじく強靭な肉体を露出したアシュナード。

 鍛え抜かれた肉の鎧は切り傷や打撲痕がちらちらと見えるが、不格好さはなく、不思議な格好良さがあった。

 血に染まった拳を見るに、おそらく素手で野生動物を仕留めたのだろう。

 

「下手な武器より、素手の方が強いんじゃ……」

「おまえはもっと鍛えるべきだな、力をつけよ。力は良いぞ」

「鍛えてどうにかなるもんでしょうかね……」

 

◆洞窟周囲の草むらに動く影◆

 

「……」

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