転生者はテリウス大陸へと:蒼炎の軌跡外伝!!! ライバルはアイク!?   作:幸福野郎

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奥義に憧れた時代の名残

「む?」

「ど、どうしましたかな。アシュナード閣下っ」

 

 完全に腰が引けているガーネフは、アシュナードが怪訝な顔をしたのでびくっとなった。

 なにかお気に障ることをしてしまったのかと、めちゃくちゃ動揺してしまう。

 アシュナードの顔は草むらの一角に向けられた。

 

「――出てこい。我の目は誤魔化せん」

 

「……」

 

 数秒の沈黙の後、草むらから出て来たのは緑髪の少年。

 ガーネフはその少年の顔に覚えがあった。

 そう、現在彼が探している人物に近しい者……。

 

(サザ!!)

 

 マフラーを首に巻き、ナイフを構えた少年・サザ。

 ミカヤを探している同士とも言える彼が、かなり弱った様子でガーネフたちを睨んでいた。

 これはチャンスとガーネフ思う。

 

「……ふ、丁度よかったぜ。サザ。お前と一緒にいればミカヤたんに会えるっ」

「……な、なにッ!?」

 

 ガーネフが発したミカヤの名前に反応し、サザの敵意が増す。

 どう考えても迂闊な言葉で刺激してしまったようだ。何故かサザの名前を知っていることも疑惑をプラスした。

 それに気付いていないガーネフは疑問符を浮かべる。

 

「おいおい、俺はただミカヤに会いたいだけなんだ」

「……会って、どうするッ!?」

「ふふふ、そりゃあなぁ……くくくくくくくく」

 

「ありがとうございますっ。サザを保護してくれて……」

「なに。いいんですよ。別にお礼とかなんとか色々はいらないですよ。本当にいらないですから。結婚して」

 

「くくく……くくくく」

「ッ」

 

 にやけまくっているガーネフの姿を見て、サザはかつての思い出を思い出す。

 薄汚れた路地裏なんかでよくみた、なにかしらの悪だくみを考えている人間の顔。

 危険人物全開である。

 サザが警戒するのは当然だ。

 

「ミカヤには会わせないッ」

「ふう、やめておけよ。サザ。お前じゃ俺には勝てない」

「……!!」

 

 自分より年下の弱っている少年相手に強気なガーネフ。

 さっきまでアシュナード相手にびびりまくっていた男とは思えない余裕。

 右手でいつでもかかってこいのハンドサインを披露してしまう。

 もし負けたら、調子に乗った反動が来ることに気づいていない。

 

「うおおお!!」

 

 サザに後退の文字はない。

 誰よりも大切な女性を守るために、彼は駆けだした。

 

「――世の広さを教えてやろう。小僧」

 

 ワープの杖を応用して作成された槍を、なにもない空間から出現させる。これは彼の祖父が愛用していたものだ。

 平均的な長さの槍を構えるガーネフは、きりりと口を結んで、己の奥義を発動準備。

 

(――魔法発動。射程内、確認)

 

◆目をつぶり、集中し、奥義を勢いよく発動!!◆

 

「奥義! 絶っく――痛ぁああああッ!??」

 

◆目をつむっていたので、隙だらけの右足を斬られた!◆

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