転生者はテリウス大陸へと:蒼炎の軌跡外伝!!! ライバルはアイク!?   作:幸福野郎

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サザVS狂王

「あ、あぁああ!! アシュナード君ッ!! たす、助けてッ!!」

 

 足を斬られたガーネフは発狂寸前みたいな醜態で、必死に地面を転がっている。

 サザはあまりの無様さにショックを受けて、追撃もせずに固まっていた。

 

「ああっ、これ死ぬんじゃ、しぬッ!?」

「死なん、落ち着け。見苦しいぞ」

「うああぁ」

 

 ちょっと深く斬られたぐらいで泣き叫ぶ創造主に対して、心底呆れた風な顔のアシュナードは、庇うようにサザの前に立ちふさがる。

 なんだかんだで助けてくれるラスボス・アシュナード君はズッ友。

 

「!」

「我が相手をしよう。小僧。それなりには死線を潜っているようだ……楽しませろよ?」

「あ、アシュナードッ!?」

 

 自分の目の前に立った男に見覚えがあるサザ。

 デインの王である恐るべき支配者だ。

 しかし、彼はサザの良く知る男の手によって倒されたはず。

 

(アイク団長の天空によって……とどめをさされたはずだろッ!?)

 

 冷や汗が止まらないサザは一歩後退。

 アシュナードの威圧感は圧倒的で、とても彼が立ち向かえるレベルではない。

 震えて落としそうになったナイフを、力強く握った。

 

「おおおお!!」

「ふふふは、軽く痛めつけてやれぇ!! 本当に軽くね!? アシュナード陛下!!」

 

 あまりの殺気に心配になって念押しするガーネフは、アシュナードの背後でしっかり待機。

 戦況に応じてヤジを飛ばすギャラリー面だ!

 

「くらえ!!」

「来い!」

 

 サザの持ったナイフが敵の足を目掛けて走る。

 体格とパワーの差は明らか。

 ならば機動力で勝負するしかない。相手の動きを封じる方法を選択した。

 

「下らん、見え見えだ」

「!?」

 

 足を斬る筈だったナイフが蹴り飛ばされ、宙を舞う。

 その反動で後ろに転ぶサザ。

 

「つまらんな……」

 

 転んだサザの首を掴み、右拳を振り上げるアシュナード。

 野生動物を殴り殺す拳が人体を破壊せんと放たれようとしていた。

 それを見たガーネフはめちゃくちゃ慌てる。

 恩を売って、ミカヤとお近づきになろう作戦が台無しであるからだ。

 

「待った!! 待ってくれ!! ストップ!!」

「……」

 

 ガーネフの必死過ぎる制止。

 アシュナードの動きはぴたりと止まり、拳は何も破壊しない。

 

「……とりあえず話し合おうじゃないか」

 

 いまさらそんなことを言い出したガーネフ。冷静に考えて、なにかがすれ違っていることが分かった。

 自分の発言でいらぬ警戒を引き起こしたことは理解していない模様。

 槍を仕舞って、話し合いの態勢を整えた。

 サザはガーネフたちから僅かに距離を離し、立っている。

 

「……!!」

「俺は別にミカヤた……ミカヤに危害を加えたいわけじゃない。OK?」

「なら……この迷いの森でなにをしている……!」

「? 迷いの森???」

 

◆毎年、百人以上の遭難者が出ていると言われる森◆

◆そこが現在地である迷いの森だ◆

 

「知らなかったのか?」

「え、うそ、まじで? うそぉ……」

 

 更なるトラブルに頭を抱えるガーネフ。

 なんか人気ない森らしいという理由で足を踏み入れたことを、後悔した。

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