超次元ゲイムネプテューヌmk2 ~黒球に転生した者~ 作:legends
「…………」
俺は未だデカい爆煙の中にいた。
俺が巨大スライヌに、巨大な光弾『プラズマ波動弾』を放ったら奴が爆発した。俺が知ってる中では、その技はありとあらゆるものを貫通するはずだ。
だが直撃と同時に爆発した。スライヌ自体が弾け飛んだようにも見えたが……仕様が違うのかな? 分からんがまあ、そういう事もあるか。
そして、いくらか時間が経って煙が晴れ、光景が露わになっていく。
「……うわお。ここまでとはな……」
そこには惨状が広がっていた。巨大スライヌは綺麗さっぱりいなくなっており、代わりにプラズマ波動弾が進んだと思われる草原の焦げ跡と、地面を抉った跡があった。
さらにそれは何十メートル以上先にも続いており、進んだ弾の側にあったであろう木の至る部分が消し飛んでいた。
流石に地形を変える程の被害は出さなかったものの、威力が高い事を実感した。
「障害撃破といったところかな……さあてじゃあもういっちょ誰か探すとしますか」
そう言った瞬間だった。
グウウウウウウウウウウウウウ!
ッ!?
そうだ忘れていた!
今の俺はカービィの体! だから食欲も半端ない……! それ故に―――。
「腹減っちまったぁ……」
転生してから何も食べてない。しかもカービィは食べても食べても満腹にならないところがあるため、それが災いして強烈な空腹感に襲われる。
「あ、やっば……」
目眩も出始め、フラフラもしてきた。何か食べ物はないか!? 何か!
だが現実は非情である。
ただの草原地帯である場所なため何もない。そしてとうとう……。
「あ―――」
空腹感に耐え切れず、そのまま倒れてしまった。
──☆──
一方、少し時間は遡り、別の場所では……。
クエスト場所である『バーチャフォレスト』に来ている少女達──―ネプギア、アイエフ、コンパの三人は次々とモンスターを倒していった。
そして、最後の一匹となったスライヌを見つけた。
「よし、こいつにとどめを刺せばクエスト達成ね」
そうアイエフが言った直後だった。
『ヌラ─────ッ!!!』
「「「!?」」」
突然響き渡る大声が聞こえ、三人は驚く。
「ヌ……ヌラ──ッ!」
遠くから別のスライヌが叫び声を上げたかと思うと、スライヌは声が聞こえたであろうところへ行ってしまった。
「あっ、逃げちゃいました。待って──!」
ネプギアがそう言い、逃げるスライヌを追う。アイエフとコンパも彼女の後に続く。
「今のは別のスライヌの声……?」
「何かあったのですか?」
アイエフとコンパは先方を行くネプギアを追いながら相談している。
「全く、あと一匹で終わるのにいいとこで邪魔しないでよね!」
アイエフはあとたった一匹だけなのに、面倒な事をさせられるとそう愚痴をこぼす。
ある程度三人が追いかけていると逃げたスライヌを見つけた。
「手間かけさせてくれたわね。でもようやく追い詰め……ん?」
ゴオォォォォォォォォ……。
アイエフが言葉を続けようとすると何か響き渡る音が聞こえた。何かと思い三人は辺りを見回す。
「!? な、なんですか! あれは!?」
ネプギアは指を指しながらそう言う。二人も指先を辿って見ると、その方向にはキノコ雲の如く爆煙が上空に舞っていた。
その隙に一匹のスライヌに逃げられてしまったが、今はそんな事はどうでもいい。
「あれ一体なんなのよ……?」
「と、とりあえずそこに行ってみましょう!」
「私も行くです!」
アイエフが怪訝な表情をしていたが、ネプギアとコンパが行ってみれば分かると思ったのか、二人は走って向かって行ってしまう。
「ちょっとあんた達!? はぁ……しょうがないわね!」
クエストの途中だが仕方なく、アイエフも続き、三人は煙が舞っているところへ行った。
──☆──
「とりあえずこの辺りだと思うんだけど……」
三人は爆煙が舞っていたであろう場所に着いた。
「これは一体?」
アイエフが周囲を見渡しながら言う。その理由とは草原が焼け爛れ、何かで抉った跡がある。また、ところどころではあるものの、木が焦げていたり、消し飛んでいたのである。
これは人が簡単にできる事ではないし、かといって自然とこうなるのも
すると……。
「あ! 誰か倒れてるです!」
コンパがそう声を上げる。二人も続いて声の方向を見て、見つけると同時に疑問の声が上がった。
「だ、誰よあれ……」
「わ、わかりません……」
流石に二人も分からなかったらしい。何故なら倒れてる者が、普通なら人が倒れているのをを思い浮かべるが、視線の先にいるのは
その者の姿は人間の頭よりかは大きいが、図体が小さくて丸っこく一頭身、さらに黒い体をしていて小さい手足があったのである。
「……モンスターさんですか?」
「いや、あんなモンスターみた事ないわ。とりあえず用心して様子を見ましょ」
「そうですね」
アイエフの声を皮切りに、三人は木の陰に隠れて、相手の出方を待った。
──☆──
しかし五分、十分経過しても……。
「動きませんね……」
「……そうね」
「もしかして死んじゃってるですか?」
「「…………」」
アイエフとネプギアはコンパの台詞に黙ってしまう。流石にそれは……と思ったが、下手すればそうなっているかもしれない。
十分以上経過しているにもかかわらず、反応なし。その可能性も無いとは言えない。
「……っ!」
するとコンパが。
「わ、私! あの人を助けてくるです!」
と言いその者に向かって掛け出した。
「ちょっとコンパ!? 用心しろと言ったでしょうが!」
「コンパさん!」
アイエフとネプギアはそう言うも、コンパの医者としての精神が目覚めたのか、誰であろうとなりふり構わず助けに行く姿勢を見せた。
彼女が危ない目に遭っても間に合うよう、アイエフとネプギアがいつでも駆け出せる態勢を取る。
そして、コンパがその者の体を揺すってみるがしそれでも起きない。どうしようかと戸惑いながら目を覚まさせる方法を考えていると。
グウゥゥ~~~。
割と大きめの腹の虫が鳴った音が聞こえた。
「あっ、この人お腹が減ってたんですね。ギアちゃーん! あいちゃーん! 多分この人お腹が減ってて倒れてるですー!」
木の陰で一応臨戦態勢だった二人はコンパの声に「なんだ……」と脱力する。
二人は警戒を解き、その者に向かう。
「しかしこいつ……見るからに人じゃないわよね(何こいつ、やけに可愛い顔してるじゃない)」
「うーん、どうなんでしょう? いーすんさんに聞いた方がいいかと(近くでみたら結構可愛い……)」
二人は不信感を抱きながらその者を凝視する。ただ内心では、気絶しているその寝顔が可愛く思えてしまった。
「それもそうね。イストワール様なら何か分かるかもしれないし……」
と、三人で相談していると。
「あ、起きたみたいですね」
「「え?」」
──☆──
俺は奇妙な夢を見た。
何やら、紫・銀・青・緑色の髪をしている四人の女の子が、変な恰好をしていて鎌を持っている、ガラの悪いBB……じゃなくて赤い女と戦っていた。
ただ四人いるにもかかわらず、女の子達は鎌の女に負けてしまった。
後に、俺の推測ではあの女の子達は女神だと思った。理由としてはゲイムギョウ界の中で主要国が四つあるから。
単純だが多分そう考えるのが妥当かもしれない。あの女の事は知らないが……。
そこから女は、白いレオタードを着ている薄紫髪の少女に目を付けた。満身創痍っていった感じで少女は膝を付いている。
女はその少女に近づき、鎌を向ける。その時に少女は泣きそうな顔で言い放った。
「お願い、やめて……」
「このままじゃ、ゲイムギョウ界が壊れちゃうよー!」
「はっ!」
俺は……気絶してたのか? 一度体を起こして、真っ直ぐ前を見ると場所は草原地帯だった。
……これデジャヴ?
ていうか何回俺は倒れてないといけないんだ? さっきから同じ事の繰り返しだ。全く、碌な目にあってn「あ、起きたみたいですね」……ん? 後ろから声が。
声が聞こえた後ろに目を向けると、オレンジ色の髪をしていて、セーターを着ている少女がいた。
「コンパ! それ本当なの!?」
と、それに加えて声をかけてくれた少女の後ろから、一緒にいたのか、茶髪で青いコートを着ている少女がコンパと呼ばれる少女の元へやって来た。
よく見ると、青いコートの少女のさらに後ろに、セーラー服のような服にピンクっぽいような紫っぽいような髪の少女もいた。
……何か、さっきの夢で見た泣きそうだった女の子に似てるな。
「はいです! 目を開けています」
「どうやらそのようね……ねえ、あんた」
俺は青いコートの少女に声を掛けられた。
「何だ?」
「あんた、何者なのよ?」
何者かと聞かれた。まあ、それもそうか。カービィって元々地球外生命体だからな。こういう得体のしれない生物は普通お目にかかれない。
っと、それで俺の名前は本来、
「……俺の名前はシャドーカービィ」
―――と答えた。
「シャドーカービィさんですか? 変わった名前ですね」
ま、こう言われるのが普通だろう。
「ああそれと、シャドーカービィっていちいち呼ぶのはちょっと長ったらしいから、シャドーなりカービィなりと好きに呼んでくれて構わない」
「わかったわ、それじゃシャドーって呼ぶわね」
「シャドーさんですね! よろしくです!」
「私は、カービィさんって呼びますね」
と、茶、オレンジ、ピンクor紫髪の順に言った。
「それで、そっちの名前も教えて欲しいんだが……」
「ああ、そうだったわね。私はアイエフよ」
「私はコンパです!」
「私はネプギアです」
都合よく順に言ってくれた。よし、覚えた。
「よろしくな」
「それじゃあ、名前を聞いてもらったところで、いくらか質問があるんだけど、聞いてもいいかしら?」
「ああ」
「じゃあ、見た感じモンスターっぽいんだけど、なんであんたはそんな姿なのよ?」
やはりその質問がきたか……。さてなんて答えよう。
……何か化け物呼ばわりされた気がするけど、それはさて置き、思考を巡らせる。
「……勘違いしないで欲しいが、俺は“元”人間だ」
「「「え?」」」
皆、驚いた顔をする。ま、カービィだから仕方ないが。
「元って?」
「とある事情があってな。今はこういう姿なんだ」
「じゃあ、いつか戻れるんですか?」
「……悪いが分からない」
実際、考えた事なかったし。
これも勘違いしないで欲しいのが、俺は別に人間が嫌いとかそういうのじゃない。それを見込んでこの体にした。ただそれだけ。
「……そう。分かったわ。まだ気になる事があるけど、事情があるみたいだし、今はこの事は伏せとくわ」
アイエフ、ありがたい。この事はあまり理由が浮かばないからな……。
「じゃあ、もう一つ。あれをやったのはあんた?」
彼女が後ろを指差す。あれってのは、周辺の草木が焦げたり、消し飛んでいたりしている事だろう。
「ああ、だが俺が好んでやった訳じゃない」
「どういう事ですか?」
ネプギアが聞いてくる。他の二人もどういう事? って感じだ。
俺に向かってスライヌ(聞けばやっぱりスライヌだった)が攻撃してきた事と、スライヌが集合して巨大スライヌになった事を話した。
そこからコピー能力の事について話そうとした時だった。
グウゥゥゥゥ~~。
「あ……」
ま た 忘 れ て い た (カービィの体になって忘れっぽくなった?)。空腹だった事を。
「そういえば、空腹で倒れていたんだったな……」
そこからよく持ち堪えてたなと思う。
「ちょっと! そんな状態で大丈夫なの!?」
アイエフ優しいな。
「大丈夫大丈夫。ちょっと目眩がするだけだから」
「あまり大丈夫と言えないわよ!?」
ついでにツッコまれた。
「あの……」
そこへ、おずおずと手を挙げながらネプギアが声を掛ける。
「ん?」
「もし良かったら、私たちの家で食べませんか?」
「え? いいのか?」
「はい! アイエフさんもコンパさんもいいですよね?」
「急だけど……私はネプギアがいいなら別にいいわよ」
「はい! おいしい料理をごちそうするです!」
ネプギアの有り難い提案を二人も受け入れた。
「ならプラネテューヌに帰りましょう」
「ありがたし」
あ。ここ、一応プラネテューヌ管内だったんだ。聞こうと思ってたが思いもよらぬ形でわかってしまった。
「その前にスライヌを倒してからね」
「あ、そうでしたね……」
そう言ってネプギア達と俺は歩き始め、スライヌ一匹を見つけ難なく倒した。
クエスト中だったらしく、俺達はプラネテューヌへ戻る事にした。
余談だが、帰る途中でアイエフに、「あんた男口調だけど、随分と可愛い声ね」と言われた。それに便乗する形でネプギアとコンパにも頷かれた。
カービィが可愛い声なのは確かだが、何だか複雑。
張り切りすぎて5000字近くまで書いてしまった……。疲弊が……。
文才スキル欲しいですね。
今更ですが誤字、脱字あれば指摘していただけるとありがたいです。