超次元ゲイムネプテューヌmk2 ~黒球に転生した者~ 作:legends
ハードブレイカーを追い詰めたシャドー達だったが、潜んでいたであろう何者かによる光線でハードブレイカーが倒された。
それを行った者は、本来いるはずのない存在であるカービィの世界の敵、"ヘビーロブスター"であった。
「なんでヘビーロブスターが……」
「ヘビー……なんだって?」
当然ながら日本一がヘビーロブスターの事を知らないためにシャドーに質問してくる。
「ヘビーロブスターな。あいつは元々ここにいないはずなのになんでだ……?」
「という事は、あれはアンタの世界の敵ってわけ?」
「ああ。その通りだ」
アイエフの思い立った言葉にシャドーが答える。
そんな中、ヘビーロブスターがこちらに目を向け、標的を見つけたかのようにゆっくりとした速度で歩いてきた。
「ッ! 来たぞ! 皆武器を構えろ! コピー能力『ソード』!」
戦いは避けられないと言わんばかりにそうシャドーが言い、ソードカービィとなったと同時にネプギア達がそれぞれ武器を構える。
その瞬間ヘビーロブスターの二本のハサミをシャドー達に向け、彼等に向けて光線を発射した。
『『『うわぁっ!』』』
予め何かしてくるのは分かっていたため、それを何とか紙一重で全員かわす。
だがその光線はブロックに着弾し、木っ端微塵に砕けた。それを見て、アイエフが冷や汗をかく。
「な、なんて威力なの……」
「……奴は動きは鈍いが力は強力だ。奴の隙を見て攻撃するんだ!」
彼は某世界一カッコいい一頭身が言っていた台詞を伝える。
「はいっ!」
「ええ!」
「はいです!」
「分かった!」
「わかったですの!」
シャドーがネプギア、アイエフ、コンパ、日本一、がすとにアドバイスを伝えた後、突っ込んでいく。
再び光線を放とうとしたが予備動作で今度は理解したため横に移動し、かわす。まず最初にシャドーと駆けてきた日本一が攻撃を仕掛ける。
「硬っ!」
「チッ! 確かに硬いな……」
二人が剣で攻撃したが、キラーマシン並に硬く、攻撃が弾かれてしまった。その後アイエフと女神化したネプギアが攻撃したが似たような結果に終わった。
ヘビーロブスターは後ろを向き右のハサミをネプギアに向けて横薙ぎに振るった。
「くっ!」
それをかがんでかわし、後ずさりながら持っていたM.P.B.Lでヘビーロブスターの胴体に弾丸を放つ。が、それも弾かれてしまい、今のところまともなダメージがほとんど入っていなかった。
「全く冗談じゃないわよ……さっきまでキラーマシンと戦ってたというのに、いきなりこんなのが出てくるなんて……」
アイエフが愚痴をこぼす。
だがキラーマシンを封印してこのまま放っておいても、こいつを倒さなければルウィーが危ないとシャドーはそう思った。
「えいですの!」
がすとが先ほど錬金で作った爆弾を数個ほど投げた。だが、ダメージがろくに入っておらず、代わりに僅かな焼け跡が付くのみだった。
コンパも注射器から凝縮した魔力弾を放つが、ほぼ無意味だった。
「なんて防御力だ……」
「もしかしたら、キラーマシンよりも強いんじゃない……?」
アイエフの言う可能性は大とシャドーが思う。と感じているのも束の間、ヘビーロブスターが突然走ってきた。それに回避が遅れた日本一にぶつかってしまう。
「うっ!?」
「日本一さん!」
「だ……大丈夫! ちゃんと当たったわけじゃないから!」
ネプギアが心配の声を上げる。あの巨体の体当たりに直撃すればタダでは済まないが、日本一が腕を抑えながら大丈夫と言う。体が少し巻き込まれたようだ。
それでも仲間を傷つけられて怒りを覚えたネプギアはヘビーロブスターを切ろうとする。
「よくも……!」
「ば、馬鹿! 不用意に近づくな……!」
シャドーがそう声をあげたと同時にヘビーロブスターが姿勢を低くし、後ろにあるブースターから熱を放射し突進してきた。
その予想外の行動にネプギアは一瞬固まり反応できなかった。
「きゃあああああ!!」
「ネプギア―――ッ!!」
ネプギアが吹き飛ばされ地面に伏す。それを見てシャドーが即座に彼女の元へ向かう。
「だ、大丈夫か? ネプギア……」
「ごめんなさいカービィさん……私、うっかりしてました……」
見るとネプギアは大事には至らなかったものの、少なくない傷で痛々しい状況だった。
そんな状態にシャドーがコピー能力『マジック』で、回復アイテムを出そうとした時だった。
二人を中心に―――否、シャドーの真後ろで巨大な爆発が発生したのは。
「ぐわあぁぁぁっ!?」
「カービィさ―――きゃっ!?」
遠距離から亜ヘビーロブスターが光線をシャドーに向けて放ったのだ。幸い、弾道が逸れたのか直撃は免れたが、彼は爆発と衝撃を背に浴びてしまう。
さらにその爆風はネプギアをも巻き込み、二人を吹き飛ばした。
致命傷は逃れたものの、容赦なくヘビーロブスターがこちらに向かって追撃しようとして来る。
「させないわよ!」
「ここから先は行かせないです!」
「私達が相手になるよ!」
「ジャマをしてはダメですの!」
その行く手を阻んだアイエフ、コンパ、日本一、がすとが時間稼ぎと言わんばかりにヘビーロブスターと相対し、交戦する。
(ありがとな……皆。このチャンスを無駄にしない)
シャドーが内心で四人に感謝の意を述べ、今しかチャンスがないと思い、動く。
「ぐっ……ぅう……こ、コピー能力、『マジック』」
シャドーは苦痛に顔を歪ませながらマジックカービィとなり、マキシムトマトをシャドーとネプギアの二人分を出した。
「がつがつ……ネプギア、お前も」
「これは……?」
「体力を回復できるアイテムだ。嫌だったら別のを出すが……」
「い、いえ! 大丈夫です!」
シャドーがそれを一口で平らげ、大きくないが少なくもない怪我しているネプギアにも差し出す。
彼女は"M"が刻まれたトマトを不思議な顔で見つめており、心配になった彼が別のアイテムを出そうとしたが、ネプギアが大丈夫と言って受け取る。
怪訝な表情をしながらネプギアはそれを一口、齧る。
「……!? 体が!?」
するとトマトの効果が効いてきたのか、傷跡がみるみる塞がっていき、すくっと立てるようになった。
シャドーも先程トマトを食べたお陰か、傷が癒えていた。
「ありがとうございます。カービィさん!」
ネプギアは自分を回復させてくれたシャドーに礼をする。
「気にすんな。よし、じゃあ急いでアイエフ達を助けに―――」
シャドーが言葉を紡いだ瞬間―――悲鳴が聞こえた。
「きゃあああっ!?」
「今のはアイエフさん!?」
「そのようだな……て事は……!」
二人が後ろを向くとヘビーロブスターにやられたのか四人が倒れていた。シャドーは怒りを覚える。
「野郎ッ……! 行くぞ! ネプギア!」
「っ! はい!」
悔しみの表情を浮かべた二人が即座に四人の元へ向かう。近づくにつれヘビーロブスターがこちらを向き、気付く。
シャドーがヘビーロブスターの方向に、ネプギアが倒れているアイエフ達のところに向かった。
「こんの……!」
シャドーがジャンプ切りをした。自身が怒っているからか意外にも手ごたえがあり、一瞬だけ怯んだ。しかし動き全体を鈍らせる事なくシャドーに対して両ハサミで攻撃してきた。
冷静に後方へ退いて避けた後、ソード百裂突きをしてダメージを稼いでいく。そこからさらに追撃をしようとした、のだが……。
「喰らえ―――何っ!?」
ヘビーロブスターが突然大きく飛び上がったのだ。そして宙を見上げるシャドーを押しつぶそうとする。が、落下してくるのに時間はかかるため着地地点から余裕を持って逃げる。
しかし、彼は重力に従って着地した瞬間やばいと思った事があった。
―――ドオォォォォオン
「おわあぁぁぁぁっ!?」
『うわああぁぁぁ!!』
地面に着地したその時、巨大な衝撃波が襲いかかり、シャドーとネプギア達を吹き飛ばした。
それもそうだろう。恐らくだが、ヘビーロブスターは何トンもある機体。その重さ故に大きな影響を及ぼす。と今更ながらシャドーが思った。
幸いアイエフ達はネプギアに治療されており、少ない怪我にまで落ち着いたので多少吹き飛ばされても態勢を立て直す事ができた。しかし、近くで衝撃を貰ったシャドーは地面でバウンドする。
それを見たネプギア達はこちらに駆け寄ってきた。
「大丈夫ですか!? カービィさん!」
「いってー……何とか大丈夫だけど……くそ~、奴を倒せる方法はないのか、何か……」
「方法があればいいんですけどね……」
『…………』
全員で考える。ちなみに何故そんな余裕があるというと、ヘビーロブスターがジャンプして地面に着いたら重さで半分くらい地面に埋まったのである。……穴から抜け出そうともがく姿は何とも滑稽な場面である。
「…………あ」
「なになに? 何か思いついたの?」
そんな中、何か閃いたらしいシャドーに、日本一が興味津々といった目で見つめてくる。
「なんでこれを忘れてたんだろ……この方法使えば楽に倒せたかもしんないのに……」
「その方法って一体何なのよ?」
「ああそれはな……コピー能力―――『ペイント』。ちょっとお前ら離れてろ」
「え? どうしてですか?」
シャドーが青い帽子を被って、右手に塗り用の筆を持ち、左手にペンキが入ったバケツを持つペイントカービィになる。
クルクルと筆を回しながら彼が言い、ネプギアが疑問の声を上げる。
「今から出す技の範囲が結構広いからだ。だからそれに巻き込まれないように離れてて欲しい。いいな?」
「……はあ。分かったわ。皆、一旦退くわよ」
アイエフの言葉により、シャドー以外の全員が退く。
ヘビーロブスターは埋まっていた状態から抜け出し、彼の近くに寄って攻撃を仕掛けようとする。
それを見たシャドーはニヤリと笑い、筆をペンキの入っているバケツの中に入れ、そして―――。
「喰らえッ! ―――"塗ったくり"ィィィッ!!」
その瞬間、シャドーが筆をかざし、バババッという音と共に辺りにペンキをまき散らした。
それを離れたところで見ていたネプギア達はシャドーの言っていた事に納得する。
「なるほどね。私達までペンキが飛ばないようにするために離れさせた訳ね」
「シャドーさんはあの敵さんにペンキを浴びせて攻撃してるですか?」
「そうみたいですの。でもあれがこうげきのつもりか、ぎもんにのこるところですの」
感想を色々述べている内にシャドーが攻撃を終えた。それを見計らってネプギア達がシャドーの側にやってくる。
一回きりのコピー能力のため、彼はすっぴんになっていた。しかしその表情は何処かやりきったような満足げの様子だった。
そしてヘビーロブスターはというと―――。
「……え?」
なんと真っ赤に染まっていた。それどころか、今まで緑色の目の部分も真っ赤に染まって潰れかけていた。
ネプギア達はどうしてこうなった……という表情を浮かべていた。
「フッフッフ……見た目はアレだがこれで幾分戦いやすくなったはずだ。見てみな、今の奴の動きを」
シャドーに言われた通りに皆が見据えると、真っ赤になっているヘビーロブスターは前後左右に歩き、走り、光線、ジャンプ、ブースター突進を滅茶苦茶な方向にしていた。
まるで、
「あ、暴れちゃってますよ!?」
「いいや違う。あれはただ、前も後ろも左右も分からないからテキトーにやってるだけだ。むしろ、動きが鈍いから行動に注意すれば倒せるはずだ」
「なるほど~」
傍から見れば暴れているように見えるかもしれない。しかし、シャドーはペイントを使えばこうなる事を先ほど思い出したので自信満々に断言する。
「じゃあ、今がチャンスって事ね? なら、今の内にさっさと倒すわよ!」
「はい!」
アイエフの言葉を皮切りに、皆が再びヘビーロブスターに攻撃を仕掛けた。
「ブレイクスピン!」
「ミラージュダンス!」
「ラ・デルフェス!」
「暗黒剣Xの字切り!」
「メガフレイム!」
ヘビーロブスターが明後日の方向を向いている隙に五人の一斉攻撃が入る。ちなみにシャドーはヨーヨーカービィに変身しており、突進しつつ回転しながら敵へ連続で攻撃を当てていた。
ネプギアが剣舞、アイエフが光の柱を放ち、日本一が強力な剣の攻撃を仕掛け、がすとが炎を発生させて攻撃していた。
さらに、先ほどのシャドーのペイント攻撃による影響かヘビーロブスターの装甲の質が少し下がっており、完全ではないがさっきよりダメージが通っていた。
集中砲火を受け、確実にダメージを蓄積させていく。ヘビーロブスターは未だに暴れまわりながらも火花を散らしていた。そして―――。
「とどめだ! ゲイザースパイラル!!!」
ヘビーロブスターがその場でシャドー達とは逆方向に光線を放っていた時にヨーヨーを使って回転しながら上昇し、その勢いで攻撃した。
―――その瞬間、ヘビーロブスターは動体が爆発と共に砕け散り、完全撃破したのだった。
オリジナル展開×バトル描写はマジむずい…