超次元ゲイムネプテューヌmk2 ~黒球に転生した者~   作:legends

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封印と休息

 ハードブレイカーを倒す寸前でいないはずのヘビーロブスターが現れ、俺達は苦戦しながらも何とか撃破することができた。俺はその場にへこたれる。

 

「終わった……か」

 

「やりましたねカービィさん!」

 

 ネプギアが満面の笑みで俺に駆け寄ってくる。

 

「でも、皆がいなければ俺一人で倒せるか分からなかったな(なんで奴がいたんだろうな……本当に)……」

 

 何故この世界にいないはずの敵である、バラバラのスクラップと化したヘビーロブスター(だったもの)を見て思考に浸かる。

 

「まー、倒せたからいいじゃん! ところで、下っ端は?」

 

 日本一が俺を励ました後、下っ端がどこにいるか辺りを眺めていた。

 

「逃げたみたいね。まあ、今はあんな奴放っておきましょう」

 

「そうだな。今はとにかくキラーマシンの封印を最優先だ。ロムとラムが戦っているんだし」

 

「ゲイムキャラさん、早くキラーマシンの封印を!」

 

『はい、それでは……』

 

 

 

 

 

──☆──

 

 

 

 

 

 

「あぐっ……!」

 

「ロムちゃん! 大丈夫!?」

 

 女神化したロムとラムは、未だにキラーマシンの集団と戦っていた。その数は十体以上いる。

 

 二人が倒したらしい、何体か地に転がっている残骸もあった。

 

 しかし、数が予想以上に多く、多勢に無勢。女神候補生と言えど数の暴力には苦戦を強いられていた。

 

「く……平気」

 

「なんなのよ、こいつら! 弱っちいくせに数だけ多くて!」

 

「あ……ラムちゃん、あれ……」

 

「え……?」

 

 ロムが何かを察してラムに言おうとした瞬間、眩い閃光が辺り一面を包んだ。

 

『行動、不能……行動、不能……』

 

 キラーマシンから棒読みの声が発したと思うと、キラーマシンの集団が徐々に消えていくのだった。

 

「消えていく……やったんだ、ネプギアちゃん、カービィお兄ちゃん達……」

 

「ふん、時間かかり過ぎよ! たかが封印するくらいで!」

 

 ロムは安堵し、ラムはそう言いながらも少し笑みを浮かべていた。

 

 そして、その場にいたキラーマシンは全て消えたのだった。

 

 

 

 

 

 

──☆──

 

 

 

 

 

 

「……終わったの?」

 

『はい。全てのキラーマシンは眠りにつきました。私がここにいる限り、目覚めることはありません』

 

 ゲイムキャラをもとにあった位置に戻し、キラーマシンの封印を行った。どうやら成功したようだ。

 

「よかったー、これで一安心ですね」

 

『ルウィーの危機は救われました。あなた達には、感謝の言葉では足りません』

 

「そんな、当然の事をしたまでです。でも……やっぱり、ここにいなくちゃいけないんですよね?」

 

『私がここを離れては、再びキラーマシンが復活してしまいますから……』

 

「そうですよね……すみません。困らせるような事を言って」

 

 ゲイムキャラの意見にはごもっともだった。どうにかしてゲイムキャラの力をもらえないだろうか……ん? 力を貰う? そういえば前の国では……。

 

「あのさ、思ったんだが、ラステイションのゲイムキャラは小さく力を分ける事をしてたんだけど、そういう事はできないのか?」

 

『そういった器用な事は、私には……あら?』

 

 なんだぁ……? 俺がダメか、と思った矢先、突然ゲイムキャラが光りはじめた。

 

 光が収まるとそこには……。

 

「え……?」

 

 ネプギアが声を上げる。が、俺達も同じような気持ちだった。何故ならそこにはゲイムキャラが二人(・・)いたのだ。

 

『これは……?』

 

『私が、もう一人……? え? 今、どうやったのですか?』

 

『わ、分かりません。私に聞かれても……私こそ、一体どうやって?』

 

 おいおい、どうしてこうなった? 互いが互いに動揺している。ゲイムキャラ同士キョドっているところが何ともシュールだ。

 

「どういう事ですか?」

 

「たぶん……調合したてで、そんざいがふあんていになってるせいだと思うですの。これはなかなかきょうみぶかいげんしょうですの!」

 

 がすとが目を輝かせて言う。

 

 興味深いとは言うけど、存在が不安定って大丈夫なのかそれ。

 

「つまり……下っ端が壊してくれたおかげで、分裂できたって訳?」

 

「そういうことになるですの」

 

 何とも、都合よくいったもんだな。まあ都合が良いに越した事はないし、これはこれでいいかもだけど。

 

「あ、あの! 分裂できたって事は……」

 

『はい、これなら……』

 

『ええ。何も問題はなくなりました。私はこの地に留まり封印を維持します』

 

『では、私は彼女たちの力となりましょう』

 

『よろしくお願いします。もう一人の私』

 

 そうして、二人の内の一人のゲイムキャラが細かい粒子となってネプギアの体に収まれていった。

 

 ディスクを元通りにできたし、分裂したという摩訶不思議な現象はあれども、ルウィーのゲイムキャラの力を取り込む事もできたしこれで安心。

 

「ちょっとー! もう終わったんでしょ。早く帰りましょうよ!」

 

 突然、呼ぶ声が聞こえた。この声はラムだ。

 

 恐らく、ロムとラムはキラーマシンと戦ってる時に、封印をしたため全ていなくなったから、こっちに来たんだと思う。

 

「……ネプギアちゃん、カービィお兄ちゃん、ありがとう」

 

 ロムが俺とネプギアにお礼を言ってくれた。いや、実際お礼を言いたいのはこっちだ。何せ、キラーマシンの進行を止めるのにロムとラムが来てくれなかったら今頃どうなっていたことやら……

 

「ロムちゃん、ラムちゃん! 二人が助けてくれたんだってカービィさんから聞いたよ。こっちこそありがとう!」

 

「えへへ……」

 

 俺の気持ちを代弁するかのようにネプギアが言う。それを聞いたロムが嬉しそうな顔をする。

 

 実際、助けに来てくれて嬉しかったのは俺も同じ。二人が来ないIfを想像したら、間違いなく危ない状況に遭っていた。

 

「む……そんなのいいから早く帰るの! いっぱい動いたからお腹空いたのー!」

 

 ラムは俺達をまだ信用してくれないのか相変わらずのご様子だった。

 

 ……まあ、最初の警戒心MAXだった頃よりかはまだマシかな、とは思ってる。

 

「全く、騒がしいわね……まあ、いいわ。きっと教祖も心配してるでしょうし」

 

「そうだな。じゃあ、戻るか」

 

「はいです」

 

 そうして俺達が教会に戻ろうとした。

 

『……お待ちください、そこのお方』

 

「ん?」

 

 だが、突然ゲイムキャラが呼び止めてきた。でも、大体想像がついてるんだよな~こういうのって確か、デジャヴっていうんだよな。

 

 俺は最後尾だったから離れていくネプギア達を余所に振り向く。

 

「俺に用がある、のか?」

 

『ええ。あなたに話しておきたい事があります』

 

 案の定だった。

 

「んで、話しておきたい事って?」

 

『その前にまずはお詫びを。あれだけのキラーマシンを相手にしてあなたの力を疑ってしまい、申し訳ありませんでした。そして、その事に私が躊躇してしまったところを叱責してくれた事、感謝します』

 

 先に詫びとお礼をゲイムキャラが述べた。大量に復活したキラーマシンを相手取る事を無謀だと思い、俺の力を疑った事。

 

 死に行くような行為だと彼女が躊躇っていた様子に先に急げと俺に言われた事に対してのものだ。

 

「ああその事か。別に、深い意味はねえよ。キラーマシンを止める事が最優先だったから急かしただけ。とはいえ、あん時は悪かったな。怒ったりして」

 

 改めて謝罪をしないと思い、俺はそう口にする。

 

『いいえ、気にしてはいませんよ? 今思えばあなたは賢明な判断をしたと思います』

 

「そっか。なら良かった」

 

『はい。それで、お聞きしたい事なのですが……あなたはこの世界の住人、ではありませんね?』

 

「……そうだな。プラネテューヌ、ラステイションのゲイムキャラにもそう言われた」

 

 やっぱりな。そうだろうと思った。一応、各地のゲイムキャラも同じ事を口にしていたと付け足しておく。

 

『やはり……そうですか。あなたから何かの力を感じました。女神とはまた違うような……』

 

「…………」

 

『それとは別に、さらに強大な力を感じます。今はまだ眠っているようですが……』

 

「強大な、力……?」

 

 それは聞いた覚えがなかった。特別な力とかというのはあったけど、それがまだ眠っている……? 意味が分からない。

 

『私の気のせいだと信じたいですが……もしもその時があれば……お気を付けください』

 

「ああ、分かった。肝に銘じておくよ」

 

『あと……済みません、もう一つあるのですが……』

 

 何だ? 今回は随分深掘りだな。

 

「まだ何かがあると?」

 

『ええ。これは私の予測ですが、この先、何か嫌な予感がします。悪い事が起こりそうな……』

 

「へえ、悪い事……か」

 

『あくまで私の予測なので……あまり気にし過ぎなくても良いですよ』

 

 心配させないよう気を遣ったのかゲイムキャラが言うが、そう言われると逆に気になっちゃうんだよな……。

 

『話は以上です。お引留めしてすみません』

 

 ゲイムキャラがわざわざ俺を引き留めた事について謝る。

 

「いやいいよ。有力な情報を聞けたし」

 

『ありがとうございます。それでは……』

 

 それ以降、ゲイムキャラの声が聞こえなくなった。

 

「…………」

 

 何かが起こる、か。うん、これからも自分を鍛えていかないとな。

 

 女神達を救うまでは気を抜けないと、俺が決心した時。

 

「カービィー! あんた何やってるのー! 早くこっちに来なさいよー!」

 

「おっとそうだった」

 

 俺はラムの叫び声に我に返ってネプギア達の元に戻った。その時にアイエフ達が何してたかと聞かれたが、考え事をしていたとごまかした。

 

 余談だが、ラムに自分の名前を呼ばれた時、地味に嬉しかった。

 

 

 

 

 

 

──☆──

 

 

 

 

 

 

「……本当にありがとうございました。皆さんのおかげで、ルウィーは救われました」

 

 場所は戻ってルウィーの教会。戻り次第すぐにミナのところに行き、ミナが賞賛の言葉をかけてくれた。

 

「正義のヒーローとして、当然の事をしたまでだよ!」

 

 ……俺は突っ込まないぞ。

 

「気にしないでください。私達も目的のついででしたし。それに、ゲイムキャラの力も借りられましたから」

 

「そう言っていただけると……もう次の土地へ旅立たれるのですか?」

 

 確かにもうやる事がないしな。でも……欲を言うと、疲れたから休みたいのだが……。

 

「そうね。もうこの国ですることはないし。その前に、皆休息が必要だし、ここに泊まる事にしたわ」

 

そうなの?

 

 俺はアイエフに小声で尋ねる。

 

……アンタがいない時に皆で話し合ってそう決めたのよ

 

 そうだったのか。俺がいない内にまさか話し合っていたとは。いや、正直言って助かる。

 

 この後、せめてものお礼という訳で、ミナが代わりの宿をルウィーの教会でという事にしてくれて真にありがたい事となった。

 

 こうなるとは思わなかったが、遠慮する訳もなく、そこにお邪魔することになった。

 




次回からリーンボックス編です。
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