超次元ゲイムネプテューヌmk2 ~黒球に転生した者~   作:legends

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今回も会話回です。


再会とライブ

 チカに頼まれたモンスターを倒し、リーンボックスの教会に戻ってきた俺達だったが、そこにはもぬけの殻だった。

 

 誰もいなかったため仕方なく出ていった。その後も引き続き情報を集めようとしていたのだが……。

 

「情報は欲しいけど……さて、どこから手をつけたものかしらね。手当たり次第って訳にもいかないし」

 

「教祖さんの事を聞いて回ったら、怪しい人みたいですもんね……」

 

 さっき会ったケイブでさえチカのことを不信に感じていたようで、ようやく皆も怪しいと思ったようだ。

 

「がすと、世界中を旅してたんでしょ? 知り合いとか友達とかいないの?」

 

 日本一がそう聞くと、がすとは首を振った。

 

「がすとはこどくなひとりたびをしてたんですの。ともだちなんていないんですの」

 

 孤独な一人旅……正にぼっちである。と俺は口に出さずに心の中で思う。

 

「知り合いか友達かあ……そんな都合よくいないよね……ん?」

 

 ネプギアが言いかけた時、誰かをを見つけ、嬉しそうな顔になる。

 

「え、もしかして……ユニちゃん? ユニちゃーん!」

 

「ん……? げっ! ネプギア!」

 

 久しい顔、ラステイションの女神候補生のユニだった。

 

 俺やネプギアと共にHR-Hと戦って、それ以来会っていなかったが、まさかリーンボックスで久しぶりの再会を果たすとは思わなかった。

 

 ネプギアはユニとの再会に喜んでいたが、ユニは何故か嫌そうな物言いだった。

 

「げって。げって言われた!」

 

「言うわよ、そりゃ! 何突然アタシの目の前に現れてんのよ、アンタは!」

 

「それは私が聞きたいよ。なんでユニちゃんがリーンボックスにいるの?」

 

 確かにそれは気になる。

 

「……アンタには関係ないでしょ」

 

 ……だが相変わらずの態度だった。

 

「えー、教えてよ。知りたいよ」

 

「…………」

 

「じーっ……」

 

「……っ。あーっ! 分かったわよ! 分かったから、そんなにじろじろ見つめないで!」

 

 ネプギアの視線に負け、ユニが仕方なく言い放つ。

 

「アンタと似たような理由よ。シェアを集めて、少しでも力を得ようとしてたの。この国なら女神もいないし、簡単かと思ってね」

 

「……でだ、それが上手くいってるのか?」

 

「……正直さっぱりね。特にここ数日は全然ダメ。全く、犯罪神崇拝の規制解除なんて正気の沙汰とは思えないわよ。しかも女神を最も信奉すべき、教祖から公布されたんだもの。この状況で女神を信じようとなんて人間はほとんどいないわ」

 

 やはりか。案の定思っていた通りだった。犯罪神の規制解除が原因でこの国の治安が悪くなっている。ましてやそんな状況でシェアを集めようとしても中々集まらないだろう。

 

「そんなにひどい状況になってるですね……」

 

「まあ、だからっておめおめ諦める気はないんだけど。この国のシェアは全部アタシがもらうんだから。絶対ジャマしないでよね」

 

「果たしてそう上手くいくかな……」

 

「……何ですって?」

 

 あらら、聞こえてしまったのか。ボソッと言ったつもりなんだがな。まあ聞こえてしまったのなら仕方ない、言うしかないか……。

 

「お前も知っての通り。この国のシェアは減少してるんだ。だからそんな時に全部もらってしまったら、ただでさえ少ないシェアが無くなって、今も捕まってる女神が大ダメージを受けることになる。……違うか?」

 

「あ、アンタ……そ、そんなこと分かってるわよ! アタシは……っ!」

 

 俺の言った言葉にユニは動揺を抑えられなくなり、走り去ってしまった。

 

「あ、ユニちゃん! ……行っちゃった」

 

「…………」

 

 俺は少し言いすぎてしまったかなと反省した。

 

「ここでも教祖、ね。いよいよもって怪しくなってきたけど……」

 

 

 

 

 

──☆──

 

 

 

 

 

 そうして俺達が情報探しをしてる内に、夜が更けていた。

 

「もう一歩、決定的な情報が欲しいところね」

 

「もどかしいですの。きょうそが悪って、けっていてきなしょうこがほしいですの」

 

「ま、まだチカさんが悪いって決まったわけじゃないですよ」

 

「困ったですね……教祖さんとも、あれ以来お話できてないですし……」

 

 俺達が困り果てていたその時。

 

「みんなーっ! ボクの歌を聴けえええぇぇぇ!!」

 

 そんな叫び声が聞こえた時、さらに大勢の声が聞こえた。

 

「わ。な、何ですか? この声?」

 

「ライブでもやってんのか……?」

 

「あー、ホントだ! 向こうでやってるよ! ねえ、行ってみよう!」

 

「そんなことしてるヒマは……まあいいか。どうせ行き詰まってるんだし」

 

「たまには休憩も必要ですよ」

 

「いいかんがえですの」

 

 そうして俺達が気分転換にライブの会場に向かってみる。

 

 

 

 

 

「今日はこんなに集まってくれてありがとう! みんなのためにドンドン歌うよ!」

 

 歌っていたのは巨大なスピーカーがあるライブ会場を背に、青髪で、ヘッドフォンらしきものを耳に付けている少女だった。

 

「次のナンバーは……とっておきのこの曲だっ!」

 

 少女がそう言い放つと、再び歌い始める。

 

「わあ、素敵な曲……」

 

「……何か、嫌な事があったら忘れさせてくれそうな感じだな……」

 

 俺は何気に感動していた。歌のテンポさや、いい響き、それがベストマッチして誰もが盛り上がれるような歌だった。

 

 元々俺は嫌な事があれば、好きな歌を聞いて忘れるという事をしばしばやっていたのだが、これはその一つに入る程だった。

 

「はい……みんなも聞き入ってるですね」

 

「この光景だけ見たら、犯罪組織に飲み込まれそうな国とは思えないわね」

 

「まだまだいくよー!」

 

『ウォォォォォ!!』

 

 と、盛り上がりが終わりそうにない雰囲気の中。

 

 

「あー、クソッ! まだ肩が凝ってやがる……慣れネェことさせやがって……。それになんだぁ!? さっきからこの耳障りな音はよぉ! のん気ににライブなんてやってやがって……」

 

 その声を発したのは下っ端だった。シャドー達がいるライブ会場の隅っこに潜んでいた。

 

「……へへっ、ちょっとウサ晴らしさせてもらうか。この国に来てからストレスが溜まりっぱなしだしな……」

 

 そう言って何かをしでかそうとしている下っ端はこそこそと動き始めた。

 

 

 

 

 

──☆──

 

 

 

 

 

「あー、この曲もいいなあ。アタシ、すっかりファンになっちゃったよー!」

 

「すごいですの。これだけの歌手なら、ほんかくてきにプロデュースすれば、そうとうなお金が稼げるですの」

 

「おいコラそこ。何を言ってるんだ……」

 

「せっかく聴き入ってるんだから、そういう下世話な話はやめなさいよ……ん?」

 

 俺とアイエフががすとプロデューサー目論見の発言に突っ込んでいると、アイエフが何かを見つけた。俺も見つけた。

 

「どうしたですか、あいちゃん?」

 

「……はあ、せっかくいい気分だったのに、嫌なモノ見つけちゃったわ」

 

「本当に、だな……だが、ほっとく訳にもいかねえだろ?」

 

「……そうね」

 

 そう言って俺とアイエフはそいつ(・・・)のところに行った。

 

「あ、二人ともどこ行くんですか? まだライブの途中なのに……」

 

 ネプギアが不平を言おうとしたが、もう行ってしまったので仕方なく皆が渋々二人の後を付いて行った。

 

 

 

 

 

「こんな胸クソ悪ぃライブ、滅茶苦茶にしてやらぁ! へへっ、バカな観客どもが大騒ぎするザマが目に浮かぶぜ」

 

 下っ端がライブ会場の近くに来た時に妨害工作をしようとしていた。それをしようとした時。

 

「バカな観客で悪かったわね」

 

「目障りな上に、良いライブに無粋な邪魔する外道がいるとはなぁ……」

 

「ああ……? げっ!? テメエ等もいやがったのか!」

 

「もー! せっかくのライブをジャマして! 今日という今日は許さないよ!」

 

「チッ、こんなとこで出くわすなんて……今はテメエ等とコトを構えたくネェんだよ! じゃあな!」

 

 そう言って下っ端は逃げるように立ち去ろうとする。

 

「タダで逃げれると思うなよ? コピー能力『シーク』」

 

 "スマブラ"仕様のシークの姿をコピーした俺は即座に下っ端に向けて用意した仕込み針を投げつけた。

 

「いてっ、いてててて!?」

 

 仕込み針は的確に下っ端の体に刺さった。それでもなお、下っ端は動き続ける。それを見てネプギア達もそいつを追う。

 

「ってーな……ジャ……ジャマなんだよ! どけ!」

 

 ライブで盛り上がっていた観客の輪に入って、迷惑なのを気にせずそのまま進み続ける。

 

「すみません、通してください! ううう、通してー」

 

「ダメですぅ。こんなに人がいるんじゃ、身動きできないです……」

 

 ネプギア達は人ごみを避けて通ろうとするが上手く動けないでいた。

 

「ッチ、威力は低いから致命的なダメージは与えられないか。てか血も出ないっておかしくね? しゃあない……ならホバリングで……」

 

 

 ネプギア達と離れていた俺はそう言いつつ、息を大きく吸い込みホバリングを始め、ふよふよと浮きながら進んだ。

 

 ……最も、人の目を気にしないでやったため、どうなるかホバリングをしてから思ったが、参加している人はライブに集中しており、人ごみを進むネプギア達が目立ったお陰で見つからなかったから良かった。

 

 その後、人ごみを抜けて慌ただしく走っている下っ端を見つけた。

 

 

「コピー能力『エンジェル』」

 

 

 天使のリングと羽を付けたような感じになった俺は空中に浮かび、下っ端に向けて矢を連射で放った。

 

「あだだっ!?」

 

 下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。ドスドスっと矢が刺さった下っ端だったが、よろよろとしぶとく逃げ去ってしまった。

 

「あの野郎……あんだけ刺されば普通は動けなくなるはずなのに、何で動けるんだよ……Gか何かか?」

 

 と、俺がコピー能力を解除して地面に降り、そんな風に呆れながら言っていると。

 

「あら……あなたもいたの?」

 

「ん……? その声は……ケイブか」

 

 俺が後ろを振り返り、見上げるとガペイン草原で会ったケイブがいた。

 

「よくこの人ごみから抜けれたものね」

 

「いや……ちょっとな。それよりも、ケイブもここにいたのか?」

 

「ええ。このライブに邪魔が入らないようにしてたのよ。でも、先程ライブを妨害しようとしていた女がいたの。彼女達はその逃げた女を追っていて……騒ぎを大きくしないようにと言って、私が代わりに行ったのだけど……少し遅かったようね」

 

 ケイブはどうやらさっき彼女達―――恐らくネプギア達に会って、ケイブが追ってたんだが、追いつけなかったようだった。

 

「そうなのか……いや、俺もあいつを止めようと色々妨害したけど、下っ端の奴、逃げ足が速くて……」

 

「下っ端……それがあいつの名前?」

 

 ケイブが逃げた女の事を下っ端っていう名だと思い、聞いてきた。しまった。あいつの本名俺達知らねえじゃねえか。

 

 いや待てよ? 確か初めて対決した時に何か名乗ってたような……リ、リン……リンガ? リ◯ガーハットか何かか―――ってちゃうわ。

 

「ん? あ、ああ。ところでさ……ネプギア達に合わせてくれないか? 多分あいつらも俺の事を探してるかもだし……」

 

 また勝手にいなくなって、とか言われて怒られるのも嫌だからな。

 

「それもそうね。私も彼女達にも聞きたい事がある。着いてきて」

 

「おけ」

 

 そうして俺とケイブはネプギア達のところに向かう事となった。

 




どうでもいいかもしれませんが、ケイブって胸が大k(ケイブ)「死ぬがよい。」
ちょ、おま、いたのk……ギャアアアア!?

シャドー「無茶しやがって……」
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