超次元ゲイムネプテューヌmk2 ~黒球に転生した者~ 作:legends
「おつかれさま! 大盛況だったわね! 全てはアタクシの計画通り!」
「そのお陰で途中、かなりやばかった目に遭ったけどね」
リーンボックスで5Pb.が主演のコンサートにて、波乱もあったが、女神候補生達が代わりに歌や踊りを披露し、コンサートは大盛況に包まれた。
関係者全員が教会に集結し、開口一番にチカが言う。
「まったく、あんな恥ずかしい思いは二度とごめんよ……でもまあ、おかげで結構な量のシェアも獲得できたし。一度ラステイションに帰ろうかしらね」
「わたし達も帰ろっか。きっとミナちゃんにほめてもらえるよ!」
「……えへへ」
「そっか。みんな、帰っちゃうんだね……」
ネプギアは悲しそうな表情を浮かべる。
「しょぼくれた顔してんじゃないわよ。こっちにだって都合があるんだから。あ、その前に気になったんだけど……」
「? どうしたの、ユニちゃん?」
ユニがキョロキョロと辺りを見回す。
「カービィってどこなのよ?」
「あっ、そういえば……」
そう、シャドーがこの場にいないのである。事情を一部知っているのはシャドーの側にいたコンパやアイエフだけだった。
「そういえば、ネプギア達のコンサートの間、何でかシャドーはどこかへ行ってしまったのよね……」
アイエフが知っている限りの事を話す。その言葉を聞いてユニは不機嫌そうにしていた。
「全く、折角このアタシが踊ってあげたというのに、なんで勝手にいなくなるのかしらアイツは……」
「……カービィお兄ちゃんにばいばい、したかった……」
「む……」
ロムもシャドーを一目見れなくて残念そうな表情だった。ラムは何故か複雑そうな表情だった。
「……俺がどうかした?」
と、突然、足元から声が聞こえた。ユニはこの時点で誰かと分かり、溜め息を吐く。
「はあ……アンタね……今まで何やって……ってきゃああ!? 真っ黒!!」
ユニは振り返りながら下を向くと、体中が黒焦げとなっているようなシャドーがいた。元々、黒いが。
彼女はその光景に仰天し、思わず退く。
「その体、どうしたんですか!?」
「いや……実はな……」
シャドーがどこから(懐?)ともなくハンカチを取り出して、汚れを拭きながら事情を説明する。
ネプギア達をさらに盛り上げようと、会場から離れ、空を飛んで自分自身が花火となった事。そして、何発もやってしまったため、黒焦げが自然に落ちなかったという(シャドー曰く)。
「そんな……わざわざそんな事をしなくてもよかったじゃないですか(という事は私の踊りを見てなかった……?)」
「そうよ! アンタがいなくてもアタシ達だけで十分だったわ(それじゃあアタシの演技を見なかったって事よね……)!」
「……カービィお兄ちゃんに、見てほしかった……」
「突然いなくなるなんて、わたしたちに失礼じゃない!」
女神候補生達に怒りと悲しみが混ざった目と声をかけられ、シャドーは思わずたじろぐ。
ちなみに、ネプギアとユニは内心、がっかりしていたという。
「……盛り上げようとしただけなんだけど、なんか気を悪くしたのなら謝る。済まん」
それに耐えられなくなったシャドーはとりあえず謝った。
「……盛り上げようとしてくれたのは確かだし、まあいいけど。それじゃカービィの顔を見れたし、帰るわ。ま、またね」
そう言うとユニは教会から出ていった。
「……ネプギアちゃん、カービィお兄ちゃん、ばいばい」
「こんな奴らにあいさつしなくていーの! ほら、早くいこ!」
ラムがロムの手を引きながら教会から出ていった。ネプギアは三人に手を振っていた。
「行っちゃった……」
「きっとすぐ会えるですよ。元気を出してください」
悲しそうな表情のネプギアをコンパがフォローする。
「でも、よかったの? チカ。彼女達がシェアを得た分、相対的にリーンボックスのシェアは減少したけど……」
「犯罪組織に奪われているよりはマシよ。女神同士のシェア争いなら、お姉様が帰ってきたらいくらでも挽回できるわ。さて、あなた達、今後の予定は?」
チカが踵を返し、シャドー達に問う。
「えっと、もう全部の国のゲイムキャラには会ったんだよね?」
「そうね。一度プラネテューヌに返って、今後の方針を決めるってところかしら」
「そう、あなた達には期待してるんだから。何度でも言うけど、一刻も早くお姉様を助け出しなさいよ!」
「任せてください。それじゃ、そろそろ……」
そうしてシャドー達が行こうとした時。
「あ、あの!」
そこへ5pb.が現れ、シャドー達に声をかける。走ってきたらしく、少し息を切らしている。
「あ、5pb.さん」
「よかった、まだ行ってなかった……あ、あの! コンサート、最高でした! ボク、感動しました!」
「そ、そんな……私なんかより、5pb.さんの歌のほうが全然すごいですよ」
ネプギアは5pb.が自分を褒めてくれた事に対して謙遜する。
「ううん。会場が混雑した時、ボクは何も出来なかった……本当に情けないよ……。でも、情けないままじゃイヤだから……。お願い、します! ボクも一緒に連れて行って!」
「5pb.……あなた何を?」
ケイブは目を見開いて彼女に聞く。
「ボクの歌を、リーンボックスだけじゃなくて、世界中の人に聴いてもらいたいんだ。ボクの歌がどこまで通用するか分からないけど……それでも、少しでも心の支えになれるのなら……」
「5pb.なら大歓迎に決まってるじゃん。ね?」
「ああ。もちろんだ!」
「はい、是非お願いします!」
全員が5pb.の同行を承諾する。それを見てケイブは微かに微笑む。
「……やれやれ。あなたがいなくなったら、またこの国の治安維持が大変になるわね」
「ごめんね、ケイブさん。でもボク……」
5pb.はケイブの言葉を聞き、名残惜しく俯いている。
「いいわよ、あなたの歌は、この国だけに収まるものではなかったという事……頑張ってきなさい」
「うん!」
ケイブの言葉により、シャドー達のパーティーに5pb.が加わる事が決定した。
5pb.は緊張しながらもシャドーの所に向かい、改めて挨拶する。
「よ、よろしくね、シャドー君」
「ああ」
軽く会釈をかわすが5pb. は顔を赤くし離れていった。その光景にシャドーは。
(5pb.は性格はアレだけど、仲間に加わったんだ。歓迎しないとな。それに、やっぱり仲間が増えるってのはいいことだと思うんだ……)
シャドーは一人、しみじみと思っていた。
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