超次元ゲイムネプテューヌmk2 ~黒球に転生した者~ 作:legends
……ハッ!? アニメ消化に夢中になっていた!
そして、こちらの小説を楽しみにしていた方々、長期間の間ほったらかしにして申し訳ありませんでした! 皆様にお詫び申し上げます。
それでは、大変お待たせしました。ご覧下さい。
俺達は犯罪組織に負けたというユニの行方を探るべく、ミッドカンパニーに来ていた。
一見すると普通の工場の様だが、何年も使われていないのか壁に苔が生えていたり、機械が錆びついていたりしてまるで廃工場と言わんばかりに果てていた。
そんな中、目の前に一人誰かが倒れていたのが窺え、日本一が指を指しながら声を張り上げる。
「あ、あそこに誰か倒れているよ!」
「まさか……ユニちゃん!? ユニちゃんなの!?」
その倒れている人影に近づくと、ユニだとすぐに判別できた。彼女の体には所々に擦り傷や何者かに斬られた跡がある。
「ちょっと、大丈夫なの? しっかりしなさいよ!」
「……負けたの? 女神なのに……?」
ラムとロムがそれぞれ思った事を口にする。子供故に、単純な言い方なのかもしれないが。
「傷はそこまで酷くないです。きっと気絶してるだけかと……。すぐに手当てするです!」
「ユニちゃん……」
コンパが包帯や傷薬などの治療用の道具を取り出してユニを介抱する。
その様子を見ていたネプギアが俯きながらもユニを見守る。やはり彼女の様態が心配なんだろう。
「くそっ……ユニをこんなにした奴は一体誰だっていうんだ……」
かく言う俺も苛立ちが抑えられなかった。まだまだ女神候補生とはいえ、大事な友人の一人だ。そんな彼女を傷付けられて黙ってはいられなかった。
それに女神が持っている力は強力だ。候補生のユニを打ち負かすほど相手が彼女の力を上回っているのは明白。
「う……あれ……?」
「ユニちゃん? 起きたの!? 大丈夫なの!?」
考えに耽る俺を余所に、治療を受け終わったユニは目を覚ました。
状況がよく分かってなかったのか、ユニは辺りを見回し、ネプギアと目が合う。
「ネプギア……なんでアンタが……痛っ!」
立ち上がろうとするユニだが、傷が完治していないためか苦痛の表情をしながら傷口を押さえて
「急に起き上がったらダメですよ。ゆっくり起き上がってください」
「だ、大丈夫よ。大した事ないんだから、こんな傷……いだだっ!」
ユニはそれでも起き上がろうとする。無理をしてまで起き上がろうとするなんて、彼女故のプライドか。
「無茶すんなよ、ユニ。それにしてもだ、一体誰とやり合ってここまで簡単にやられたんだ?」
「簡単にやられてなんかないわよ! 紙一重というか、一瞬の隙というか……本当なのよ!」
「分かった、分かったから。それで、ユニを倒した相手というのは?」
「……ブレイブ・ザ・ハードとか名乗ってたわ。マジェコンヌのくせに、やけに正々堂々とした奴だった」
やはりか。ブレイブ・ザ・ハード……ルウィーでロムとラムを洗脳しかかった首謀者でもありながら変態ロリコン、トリック・ザ・ハードと名前が酷似している。
ラム達がユニが戦った相手の名前を聞いてピンときたのか、その変態ロリコンの相手をしたと話し始める。
その際、ユニが不意に質問してきた。
「……アンタ達は、そいつに勝ったの?」
「うん、ギリギリだったけど……みんなで協力して、なんとか」
「そう、なんだ……」
ネプギアの言葉を聞き、項垂れるユニ。だが実際、よくやった方なのではないかと思う。
何て言ったって、俺達は変態ロリコンを相手に崖っぷちになりながらようやく勝ったというのに、たった一人の女神候補生がこの程度の傷で済むのだから大した奴だ。
「あんまり長話しちゃダメです。まだ安静が必要ですから」
「街にもどって休むですの。こんなところじゃ、治るものも治らないですの」
「それもそうか。ユニ、色々言いたい事もあるだろうけど、ここは我慢しとけ」
「…………」
ユニは俺の言葉に渋々ながらも頷き、俺達の後を付いて行くように歩き始めた。
──☆──
俺達は負傷しているユニをラステイションの教会へと運び、後は任せたとケイに懇願した。
預けた後、ユニを倒したという奴の情報確保と、マジェコン回収のため俺達は再びラステイションの街に向かった。
どちらも簡単にはいかないと思うが。
「ユニちゃん、落ち込んでたなあ……」
「プライド高そうだもんね、あの子。負けたのが相当堪えてるんじゃない」
ネプギアの言う通り、何者かに倒されたユニは負けたのが原因で終始落ち込んでいた。
「そっか……そうですよね。私だって、ずっと落ち込んでいたし……」
それはネプギアも同様だった。それでも今と比べたら当初の頃のネプギアよりも遥かに成長しているのではないかと思う。
「なっさけないの。一度負けたくらいで落ち込んじゃうなんて」
「……私も、落ち込むかも」
「ロムちゃんはいーの。大体、私と一緒にいるのに負けるわけないんだから」
ロムとラムの二人がお互い話し合う。子供故の性格か、仕方ないと思うが。
「みんなこれくらいポジティブなら、苦労しないんだけどね」
「全くだ……ってん?」
俺が相槌を打っていると、ユニの様子を見ていたはずの日本一とコンパが慌てた様子で俺達の元へ駆け寄ってくる。
「大変! 大変だよー!」
「大変! 大変ですー!」
「落ち着けお前等! それでどうしたんだ?」
「ユニちゃんがいなくなったです! まだちゃんと治ってないのに……」
「何ぃ?」
「ユニちゃんが? どうして……」
恐らく、無理して出掛けたのではないかと予想する。アイエフも分かっていたのかやれやれといった様子だった。
「はあ、手間のかかる子ね……手分けして探しましょう。まだ、そんな遠くには行ってないはずだわ」
「そうだな。よしネプギア、行くか!」
「わ、私ですか?」
俺がネプギアを引っ張っていくような形で連れて行き、全員がユニの場所を確かめるべく散らばる。
ロムとラムが俺達を不服そうな顔で見ていたが、時間がなかったためそんな事には気にも留めなかった。
──☆──
「……何やってるんだろ、アタシ」
場所は移り変わってラステイションから離れた場所にあるゾーンオブエンドレス。そこでユニは一つ呟く。
誰もいないこの空間にて、彼女は自分の思いを振り返っていた。
三年前、姉がギョウカイ墓場に捕えられてから、救うために、そして姉の代わりに国を守るために、必死になって特訓した。
三年もの間鍛える事で自身は以前よりも強くなり、これなら一人だけでも女神を救えるのではないかと思い込んでいた。
だが、同じ女神候補生であるネプギアに敗退し、今回も犯罪組織マジェコンヌの幹部にも負けてしまった。
───今までの努力を、打ち砕くかのように。
「……これまで、何やってたんだろ。あんな奴にも勝てないで、本当に……」
「いた、ユニちゃん!」
そんな項垂れているユニの元に、ネプギアの声が響く。
ユニの捜索を開始した俺とネプギアはそう時間が掛からず見つける事が出来て、安堵の息を吐く。
「ネプギア、カービィ……」
一瞬ぎょっとした表情をするユニだったが、俺とネプギアの姿だと認識すると、苦笑する。
「みんな心配してるよ。早く帰ろう」
「心配しなくてもいいのに。アタシのことなんて」
「心配するよ。そんな寂しいこと言わないでよ」
「……アタシなんて、いてもいなくても変わらないじゃない。アタシ一人くらい、いなくたって……」
「……おいユニ、お前それ本気で言ってんのか?」
俺はユニの言葉に反論する。
「え……?」
「確かに自分がどうしようがお前の勝手だが、その身勝手が、何か意味を成すとでも言うのか?」
「…………」
「それに、自分の国はどうするんだ? お前が諦めたりなんかしたら、それこそ敵の思う壺じゃねえか」
ユニが自分の役割を諦めたりでもしたら、シェアが敵に大きく渡るだけではなく、国民がどうなるか分かったものではない。
「だけどなユニ、お前は俺とネプギア、それに仲間達にとって必要な存在となってるんだ。お前がいなくなったら……皆悲しくなる」
これは女神としてのユニとは考えていない、ただ一人の女の子としての、ユニという存在を。
「……それでも必要ないでしょ、アタシなんか」
「ユニちゃん……」
……ユニは、また一人だけで物事をこなそうとしているのか? それは、彼女のプライドなのかもしれないけど―――
「そう思うんだったら、俺達を頼れ。自分一人で限界になったら、迷わず俺達をいつでも頼ればいい」
「でも、アタシはずっと一人ぼっちなのよ。カービィやネプギアに比べれば、仲間がたくさんいるのにね。アタシからすれば、ただの仲間外れよ」
ユニは自嘲する。だが、その考えは的外れなものだった。
「……ユニ、誰が仲間外れだと言った?」
「えっ?」
「お前も、一人の仲間でもあり、友人でもあるんだよ」
ユニにとっては唐突で勝手な判断かもしれないが、俺はユニを大事な一人の人物として認めている。
先程も言った通り、女神候補生のユニではなく、一人の仲間―――いや、友人としてのユニを、だ。
「でも……」
「でももかももない。ユニ、これからはもうお前は一人ぼっちじゃない。一人だけで出来なかった事も、皆でやればきっと出来る」
俺の言葉に、ネプギアも強く頷く。
「そうだよユニちゃん! 私だって、一人じゃ何もできなかった。それでも、私達が協力すればお姉ちゃん達も出来なかった事が出来るんだよ!」
「ネプギア……」
「私は私が出来る事を精一杯やって、みんなで協力すれば、絶対できるんだよ! できるって信じなきゃ!」
以前はこうして自分を強く言えなかったネプギアが、宣言している。それは成長の現しでもあった。
「……アタシも、一緒に?」
「うん、一緒に。同じ女神候補生だもん。それに、ユニちゃんは、私の友達でしょ?」
ネプギアはユニに満面の笑みを浮かべて言った。はっきりと『友達』と。
先程までのユニの表情とは一変し、ユニも嬉しそうに笑っていた。どうやら吹っ切れたみたいだな―――。
「それは所詮、叶わぬ願いよ」
「!? 誰だ!」
その雰囲気をぶち壊すかのように、何者かの声が割り込んで入った。
振り返るとそこには、部分的に機械のような物が埋め込まれてある者が佇んでいた。
「アンタは……ブレイブ・ザ・ハード!?」
「この人が……ユニちゃんを倒した……」
「成程、こいつがか」
確かにトリック・ザ・ハードと似ている雰囲気を醸し出しているが、性格があいつに比べればこいつはまだマシなようにも思える。
同時に、奴とは比べ物にならない程の威圧感が此方にも伝わってきた。
「このような場所で、女神候補生二人と
「……できません! 私は絶対、あなた達を倒して……お姉ちゃんを助けるんです!」
「……もう一人の小娘はどうだ。お前との決着は既に着いている。力量の差は十分に分かっているだろう。一人や二人増えたぐらいで勝てる相手かどうかはな」
「そ、それは……」
怯んでしまうユニ。だが奴とは一度戦い、敗退してしまったトラウマがあるため仕方のない事なのだが……。
「ハッ、黙っていれば勝手なことばかり話しやがって」
しかし、このまま黙って見ている訳でもなし。一人で自信過剰ぶりに話していたブレイブ・ザ・ハードに、苛立ちが立ってきた俺は声を張り出す。
「ユニ、奴に言われたくらいで落ち込むな。以前戦った時は負けたが、今は違う。今は一人じゃねえ、俺達―――仲間がいる! だから自信を無くすな!」
そして、尻込みしていたユニに激励をかける。
「……仲間がいる、か。……ふん、全く。さっきから二人してやかましいんだから」
「いい顔になったじゃないか。その調子だ」
吹っ切れた表情をするユニに、安堵する。
「……ほう、貴様のその姿、人間でもなければ女神でもないようだな……。
ブレイブ・ザ・ハードは何やら考えに耽っている様子で、特に後半の方は声が小さくて聞き取れなかった。
「……さっきから何言ってんだ? 三対一だってのに、随分余裕があるもんだな」
「……貴様も戦うつもりか? フン、まあいいだろう。女神候補生二人とそこな小僧一人を相手にしても不足はないからな」
「アタシは、いや、アタシ達は負けない。もう二度と、アンタなんかに負けないわ!」
「……そうか、その意気やよし。だが……世の中、思いだけではどうにもならんという事を、その身に刻んでくれよう!」
ブレイブ・ザ・ハードとの戦闘が今、始まろうとしていた。
だが、ユニが過去の自分とは決別し、仲間がいる。二度と、負けないためにも───彼女達も動き出す。
俺とて、彼女達の例外ではない。一生懸命サポートしていくつもりだ。女神達を───ネプギアやユニ達の姉を救うために。
そういえば、カービィの小説ってあるんですね。児童向けですが……絵が多いってのもあるし……。
何にせよ、あったのが驚きでしたね。
それはさて置いて、次回はブレイブ・ザ・ハード戦です。お楽しみに!