超次元ゲイムネプテューヌmk2 ~黒球に転生した者~ 作:legends
もうすぐ女神救出が出来る!
シャドー、ネプギア、ユニの前に突然現れた犯罪組織の一人―――ブレイブ・ザ・ハード。
立ちはだかった彼はシャドー達に決闘を申し込んだ。
ネプギア、ユニは女神化し、シャドーはファイターカービィに変身する。
「……ほう、これは驚いた。女神以外に変身できる者がいるとはな。面白い!」
変身したシャドーを見据えたブレイブ・ザ・ハードはその姿を見て、興が乗り、片手で持っていた巨大な剣を両手で持ち据える。
「ネプギア、ユニ! 来るぞ! 態勢を整えろ!」
「はい!」
「ええ!」
シャドーの呼び掛けの合図により女神二人はそれぞれ武器を構え、彼は両手に闘気のオーラを纏う。
「行くぞっ!」
「うおおっ!」
ブレイブ・ザ・ハードとシャドーは同時に駆け出し、剣と闘気を纏った拳をぶつける。鈍い音がしたと思うと、二人は一時的に退き、再び駆け出す。
そして、シャドーは拳を連続で放つ攻撃『バルカンジャブ』を無数に繰り出し、ブレイブ・ザ・ハードは剣舞させながらその拳を防ぐ。
「ちぃ……」
流石に煩わしいと思ったのか、ブレイブ・ザ・ハードは後方へ距離を取り、拳の雨の中を抜ける。
「───ヌゥンッ!」
接近しながら彼は横薙ぎに剣を振るが、シャドーはバックステップで躱す。飛び上がったシャドーの後方からネプギアが低空飛行で突進する。
「はあああっ!」
勢いよく
女神の力は強力だが、如何せん相手とは体格の差により力量不足になりがちだ。弾き返されたネプギアは仰け反り、隙だらけになってしまう。
「喰らえぃ!」
「させないわ!」
声を張り上げながら縦方向に剣を振りかぶるブレイブ・ザ・ハードだが、ユニの持つ
「むっ! 小賢しい……!」
魔力弾の影響でダメージを受け、攻撃の手を止めたブレイブ・ザ・ハードは舌打ちをする。
「俺がいる事も忘れんなよ!」
「何……?」
側面から声が聞こえ、見るとそこには両手を合わせながらシャドーの姿が。さらに彼の手を包む程の強大な橙色のエネルギーが溜まっていた。
「かめはm……じゃなくて、気合だm……でもなくて、ギガ波動ショット!!」
言葉を間違えた鬱憤を晴らすように、両手を突き出して勢いよくその波動を放った。
「ぐおおっ!?」
強大な波動弾はブレイブ・ザ・ハードの腹部に直撃し、爆音と共に後方へと後退する。
「やるな小僧! 予想以上の強さだ!」
「敵のお前に褒められても、嬉しくないぜ!」
シャドーの攻撃を受けても未だにピンピンしているブレイブ・ザ・ハードは裏拳の要領で剣を振り、シャドーは紙一重でしゃがんだ後、連続の後転で距離を取る。
「ティンクルスター!」
ブレイブ・ザ・ハードの左側面からネプギアが電子の力を纏った剣で切り付ける。
「……ほう、中々のコンビネーションだな。しかぁし!」
だが、斬撃を叩きつけられたにも関わらず、動きを鈍らせる事なくネプギアに勢いよく剣を振りかぶる。
「ッ!? きゃあああ!」
まさかカウンターを仕掛けられるとは思わなかったネプギアは、即座に剣で防御するも、重い一撃により吹き飛ばされてしまう。
「ネプギアッ! こんの……スマッシュパンチ!」
地面に叩きつけられるネプギアを一瞥し、歯軋りをした後闘気を纏った波動弾を放つ。
「ふんっ!」
「―――んなっ!?」
しかし、縦に振るったブレイブ・ザ・ハードの剣撃により掻き消されてしまう。思わず驚愕の表情を浮かべるシャドー。
「まずは一人!」
「くっ……」
「まだよ!」
ブレイブ・ザ・ハードはゆっくりと剣を後ろに振りかぶる。だが、仲間を殺させはしないとシャドーの元へ駆け寄ったユニは強力な魔力弾を放つ。
先程までエネルギーを溜めていたため、動けずにいたユニだったが、チャージが完了しこうしてシャドーの元へ駆けつけたのだ。
「ぐおっ……!?」
がら空きになっていたブレイブ・ザ・ハードの胴体に強烈な一撃を食らい、バランスを崩す。二人は今の内にと態勢を整えようと距離を取り、ネプギアの元へ向かう。
「やべえな、あいつ、かなりタフだ」
「そのようね……。前も戦った時アタシが攻撃しても大した様子はなかったわ……」
ブレイブ・ザ・ハードの想像以上の体力とユニの言葉に冷や汗を掻くシャドー。
此方としては全力に近い攻撃を仕掛けているにも関わらず、相手は全く鈍ることなく反撃を行っている。
「……考え事か? ならばこちらから行くぞ!」
早々に立ち直ったブレイブ・ザ・ハードは三人の元へ向けて突進してくる。回避が間に合わないと悟り、しまったとばかりに咄嗟にネプギアとユニはそれぞれ武器を構え防御の姿勢を取る。
「うおおおぉぉっ! ライジンブレイク!!」
シャドーが二人を守ろうと上昇しながら強烈なアッパーをブレイブ・ザ・ハードに浴びせようとするが、ブレイブ・ザ・ハードはその一撃を剣で受け止める。拳と剣が互いに火花を散らし合う中―――。
「ぎぎぎぎ……っ!」
「……ふっ、小僧。貴様の力は女神に負けず劣らずと言ってもいいだろう。だが……」
自身の剣でシャドーの拳を受け止めていたブレイブ・ザ・ハードは気合で押し返し、シャドーを空中で仰け反らせる。
「まだまだ力が足りん」
勢いよく水平に振るったブレイブ・ザ・ハードの剣がシャドーを襲う。喰らえば一溜まりもない一撃だ。
「あ―――」
直撃は免れない―――そう悟ったシャドーは空中でダメ元の回避を試みるも避けきる事が出来ずに攻撃を受けてしまった。
「ぐああああっ!!」
「カービィさん!!」
「カービィ!!」
遠くまで吹き飛ばされ、シャドーは地面に叩きつけられてしまう。
あれ程の重い一撃だ。ネプギアとユニはシャドーに叫び声を上げる。
「……これで一人は潰えた。さあ女神候補生よ。残りは貴様等だ」
「「くっ!」」
ブレイブ・ザ・ハードはネプギアとユニを見据える。
だが、二人は彼の言葉よりもシャドーがやられた事の方に意識が向いていた。
「よくもカービィさんを……!」
「アンタだけは、絶対に許さないわ!!」
二人は憤怒の表情でブレイブ・ザ・ハードを睨み付ける。
―――"おい、俺があの攻撃で死んだと思ったのか?"
「「「!?」」」
その時、一つの声が響き渡る。彼らは声が聞こえたその方向に視線を向ける。
そこには、体に目立つ一つの傷を負ったシャドーの姿が。見ると苦悶の表情を浮かべ立っている。
「……これは驚いた。まさか我の攻撃を受けて立っているとはな」
「……フッ! こんな所でやられてたまるかっての!」
唾を吐き、余裕そうな様子を見せるシャドー。しかし、顔は余裕そうでも、内心無理してるのは誰の目からでも明らかになる程だ。
何故なら、先程女神でも致命傷になり得る一撃を喰らってしまったのだ。
「カービィさん! 少し休んでて下さい! 後は私たちが何とかします!」
「そうよ! アンタの分までアタシたちがコイツをやっつけてやるんだから!」
女神二人が無理するなと言わんばかりにシャドーに声をかける。だが、シャドーはふんと鼻を鳴らす。
「いーや、奴に一太刀浴びせない限り俺の気が済まないからな!」
どうやらシャドーはまだ戦えると気合の声を発する。
「……貴様は打たれ強いのはよく分かった。だがそのボロボロの体でよく言うな。女神候補生の言う通り大人しく身を引けばいいものの……」
「へっ、冗談を。てめえに一つ教えてやる。俺は女神を助けるためにまだ死ぬ訳にはいかねえんだよ!!」
ブレイブ・ザ・ハードの言い分を一蹴し、シャドーが声を張り上げると自身の体が光り輝き始める。一瞬の出来事であったが、シャドーの姿は先程とは全く違うものとなっていた。
何故なら、その姿はいつものコピー能力のファイアカービィとは違い、さらに激しく燃え盛っているからだ。
「震えるぞハート! 燃え尽きるほどヒート! 雄叫び上げて全てを焼き尽くせ!! スーパー能力、『ドラゴストーム』!!!」
シャドーが雄叫びを上げると、シャドーの体から巨大な火柱が立ち昇っていく。その姿を見て察したネプギアとユニはシャドーの後方へと移動する。
火柱は勢いを増していき、真上に突き進んでいくと思えば、急に歪曲し始めありとあらゆる方向へ移動する。そして、シャドーから放たれていた火柱が抜けていくと、彼の側には、巨大な炎の龍が爆誕していた。
『ギャオオオオオオオオオオオオッ!!』
「ド、ドラゴンだと……!?」
甲高い声を上げるその炎の龍に、ブレイブ・ザ・ハードは戦慄を覚える。この小さき者のどこに、そんな強大な力を出せるのかと。
「いっけえええええ!!」
シャドーがブレイブ・ザ・ハードに向けて手を突き出すと、炎の龍は再びうねり、シャドー達の遠く後ろへ移動した直後、ブレイブ・ザ・ハードに向けて一直線に向かう。
「ウオオオオオオッ!!」
強烈な速度で襲い掛かる炎の龍にブレイブ・ザ・ハードは迎え撃とうと勢いよく振るった剣がぶつかり合う。辺りに眩い程の火花が散る。両者の間は互角か───。
「マルチプルビームランチャー!!」
「チャージバスター!!」
―――と思われたその瞬間だった。シャドーの両脇から光線が放たれたのだ。この声は、間違いなくネプギアとユニのものと判断したシャドーは、ふっと笑う。
これはきっと、援護射撃なんだなと。
やがて二つの光線が混じり合い、巨大な一つの光線となって突き進み、ブレイブ・ザ・ハードに直撃する。
嘗てない威力に仰け反ったブレイブ・ザ・ハードは光線と炎の龍の勢いに押され、呑み込まれる。そして突き進んでいった二つの力によってそのまま壁に激突し、大爆発が発生した。
爆発が発生した箇所からは火の粉が舞い、辺りに火が閑散していた。
「これでっ……どうだ!」
「ほう……二人増えただけで、これ程の力を出すか。あるいは、潜在的にこれだけの力があったのか……」
「私達の勝ちです!」
「ふ……ふははははは! 面白い、面白いぞ! よかろう。その命、今日のところは預けておいてやる。次に会う時は、こちらも本気だ……。そこの貴様も交えて、全力で向かってくるがいい!!」
壁に突き刺さったように動かなかったブレイブ・ザ・ハードは身を乗り出し、態勢を立て直す。
体中が焼け焦げている様子を見るに、ダメージは受けていたようだが、決定打を与えるまでに至らなかったようだ。
ブレイブ・ザ・ハードが踵を返してこの場を去ろうとしたが、顔だけを振り向かせてシャドーを見据える。
「……この場を去る前に、貴様の名を知りたい」
「……シャドーカービィだ」
「ほう、シャドーカービィか。その名前、覚えておくとしよう!」
ブレイブ・ザ・ハードはそう言葉を残し、この場から姿を消した。
「やったね、ユニちゃん!」
「う、うん……ありがと。アンタ達のおかげ……よね」
「そんな事はねえと思うぞ。皆の活躍があったからこそ、こうして勝てたんだと思う」
シャドーは負った傷をさすりながら言う。
「でも……カービィ、アンタそんな傷をしてまで戦って……」
「ヘッ、こんな傷、唾でも付けとけば治るって―――オウチッ!」
ユニが申し訳なさそうな目をしているのを見たシャドーは笑いながら言葉通りに唾を付け、染みた痛みに悶える。
「む、無理しちゃダメですよカービィさん! 私の背中に乗って下さい」
ネプギアはしゃがみ込みながら両手を後ろに出す。所謂おんぶの体制だ。
「ネプギアよ、何故おんぶされなきゃなんないの……と言いたいとこだけど、今回ばかりはそうさせてもらうわ……眠いし」
流石に負傷しており、体力も限界に近い自分が他の人物に頼るのは申し訳なかったが、仕方なく、ネプギアのご厚意に甘えさせてもらうシャドーだった。
余談だが、シャドーがネプギアに乗った時、ユニが羨ましそうな目を向けていたのを彼は知らない。
こうして、ブレイブ・ザ・ハードの一戦に幕を下ろした後、ユニがネプギア達に着いていくと言い、ネプギアは快く承諾して他の皆も納得したのであった。
次回は女神救出……と行きたい所ですが、少し、修行回が入ります。一、二話ぐらいだと思いますが。女神救出を期待していた方々には申し訳ありません……。