超次元ゲイムネプテューヌmk2 ~黒球に転生した者~   作:legends

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前回のさらに続き回です。


怪しい犯罪組織……の一部

 俺達は汚染化したチューリップとその他モンスターを倒した後、再びゲイムキャラの探索を開始した。

 

 まだモンスター達はいたが、今回からアイエフに攻撃はしないでと言われた。

 

 その理由を聞くと、何でも「ネプギアのリハビリの為にならなくなる」との事らしい。

 

 考えてみれば分かる事だった。女神が囚われ、ネプギアも同じ目に遭った。それも三年もの間。

 

 ネプギアは女神候補生だ。女神であり、候補生。女神不在の中、代理と言ってはなんだが、唯一の希望が女神の妹である候補生でもある。

 

 犯罪組織が牛耳っている中で、ネプギアに女神としての力を取り戻して貰いたいという思いがあるんだろう。

 

 無論、本当に危なくなった時は助けに行くがな。

 

 俺はアイエフが言った事を承諾し、探索の続きをしていると彼女が声を上げた。

 

「あ、あそこじゃない? なんかそれっぽいのがあるわ!」

 

 確かに何かいるようだ。

 

「はいっ! あれ? 誰かいるです」

 

「……何か、壊そうとしてるような……。だ、ダメ! 止めて下さい!」

 

 コンパとネプギアが言う通り、誰かがいる。ネプギアの言葉にその者が反応した。

 

「ああ? ジャマすんじゃネェよ。誰だテメェら!?」

 

 そいつは緑髪でネズミみたいな変なパーカーを着ていて、手には鉄パイプのような物を持っている少女がいた。

 

「こっちの台詞です! ゲイムキャラさんを一体どうする気なんですか!?」

 

「消すに決まってんだろ。こいつぁ我々マジェコンヌにとって、目障りなヤローだからな」

 

「あんた、マジェコンヌの一味なの?」

 

 そうアイエフが聞き、そいつは笑みを浮かべる。

 

「へっ、教えてやる義理はネェが―――」

 

「教える義理がないなら教えなくてもいいんじゃないの?」

 

「いやそこは大人しく聞いとけよ!」

 

 何か俺が指摘したらツッコまれた。

 

「まあいい、耳かっぽじってよく聞きな! 犯罪組織マジェコンヌが誇るマジパネェ構成員、リンダ様たァ……」

 

「アタイの事さ!」とは言うが、構成員って確か暴力団とかであったような希ガス……。

 

「構成員? って事は下っ端?」

 

「下っ端ですね」

 

「下っ端さんです」

 

「なるほど、構成員=下っ端ね(……デデデに仕えるワドルディってところか?)。納得納得」

 

 俺達が次々言いたい放題言うと、下っ端は怒りの表情を浮かべる。

 

「なっ……!? 誰が下っ端だぁ!? 誰が!? 後、そこの変な黒チビもそうやって決めつけんじゃネェ!」

 

 えぇ……黒チビって言われた。

 

「うるさいわよ、下っ端のくせに。ほら、さっさとそこを退きなさい。下っ端のクセに生意気よ」

 

「下っ端さん、お願いですからジャマをしないでほしいです」

 

「下っ端が相手なら、勝てるかもしれない……」

 

「下っ端ってすぐに倒されるからな~」

 

 これはひどい。

 

「ぬ、ぐ……テメェら……下っ端下っ端連呼しやがって……。もうガマンできネェ! 下っ端呼ばわりした事、後悔させてやらぁ!」

 

「いいわ、相手になってあげる。シャドー、手は出さないでよね?」

 

「わかった」

 

 俺は戦闘を傍観する事にした。ネプギア達が(俺も含むが)下っ端を弱い者扱いするだけあるから余裕、と思っていたが……。

 

「きゃああ!」

 

 あれ? 三人が倒された!? あの下っ端は三人よりも強いのか? 

 

「強い……何でただの下っ端がこんなに強いのよ!?」

 

「これも、マジェコンヌのシェアが強まっているせいですか……?」

 

 それにしたって三人がかりでか? 

 

「へっ。散々バカにしてた割にぁ、大した事ネェな。さて、そんじゃお礼として一人ずつ順番にブッ殺してやろうか。まずは……」

 

 下っ端はネプギアに視線を向ける。

 

「ひっ……」

 

「テメェからだ! ガキんちょ!」

 

「……いや、私、また……何も、できないで……」

 

 下っ端が得物を振り上げる。

 

 ―――マズい! このままじゃネプギアが! けど、下っ端相手に負ける事はないと傍観に徹していたから今から行っても間に合わない……! 

 

「危ないっ!」

 

 しかしその時、ネプギアをアイエフが庇った。

 

 なんて危険な事を……! 

 

「アイエフさん!?」

 

「っ……よかった、無事だったみたいね……」

 

 アイエフは苦しそうにそう言う。

 

「よくありません! なんで私を庇って……! 私なんて何にもできないのに……」

 

「関係ないわよ……私が守りたかったから、守っただけ……」

 

「どうして!?」

 

 ネプギアがアイエフに悲しみの入った声を上げる。

 

「……三年前……私は……あんた達を見殺しにしちゃったから……あんな想い……二度としたくない……だから、決めたの。今度こそ、何があっても、絶対私が守ってやるんだって……!」

 

「アイエフさん……」

 

 そうだったのか……アイエフは、ずっと一人で引きずってたのか……。女神を見捨てる形になってしまった事に。

 

 だからこそ今度はそうならないようにすると……そんな想いが……。

 

「おーい、何いちゃついてやがんだよ。いいぜ。一緒に死にてぇってんなら、まとめて殺してやってもよぉ」

 

 この野郎……! 

 

「……っ! それだけは絶対にイヤ!」

 

 ネプギアはそう叫ぶ。見るとさっきまでほぼ暗かった顔が引き締まったように見えた。

 

「やっとまともな顔に戻ったわね……その意気よ。それじゃ、ネプギア……」

 

「え?」

 

「私の力、使って……」

 

 アイエフが震えながら力を振り絞り、ネプギアの頬にキスをした。

 

 その刹那―――。

 

 

 

 ネプギアの体が光ったと思うと、そこには白いレオタードを着た、ピンク色の羽のようなものが彼女の背中に浮いていた。

 

 さらに肩と腰に何処か無機質な鋭い物体が浮いており、刀がある銃を装備していた。

 

 明らかに、先程までのネプギアとは姿が違っていた。

 

「あれが……女神化……?」

 

 俺は、あれが女神としてのネプギアの姿になった事に驚いた。

 

 それは、下っ端も同じ事だった。

 

「なっ!? テメェ、女神だったのかよ!?」

 

「……覚悟してください、あなたは私が倒します!」

 

 そして、ネプギアが下っ端に宣言した直後、一騎打ちが始まった。

 

 

 

 

 

──☆──

 

 

 

 

 

「アイエフ、コンパ、大丈夫か?」

 

「私なら大丈夫です。でもあいちゃんが……」

 

「大丈夫……よ。ちょっと動けないだけだから……」

 

 ネプギアと下っ端の戦いが始まった時、戦闘は彼女に任せる形で俺はアイエフとコンパの元へと向かった。

 

 見ると、横の体勢のままアイエフは頭から流血していた。見る限り少なくない怪我を負っていた。

 

 さらにネプギアに彼女の力を譲渡する描写もあったし、しばらくは動けない状況だろう。

 

 だが、本人はまだ喋れている辺り、致命傷は免れていると思われる。

 

「無理すんな。結構なダメージ受けてる事に変わりないんだから。だから……コピー能力―――『マジック』」

 

 俺はシルクハットを被ったマジックカービィになった。

 

「……何よ、それでマジックでもするつもり?」

 

 負傷人がいるのに、不信感を抱かれるのは当然だろう。アイエフにジト目で見られる。

 

「……確かに見てくれはこうだけど。ただマジックっていっても―――こうやるんだ」

 

 シャドーはハットを取って穴が空いている方を上にする。

 

「種も仕掛けもございません。ここで取り出したるは―――『元気ドリンク』」

 

 敢えて常套句を言った跡、被る穴から茶色いビンが飛び出した。

 

 飛び出てきた物を、動きにくい態勢でありながらもアイエフが両手でナイスキャッチする。

 

「何、これ?」

 

「見た感じ普通のビンです」

 

 確かに見た目は一般的なサプリメントドリンクのような感じだが……。

 

「これは元気ドリンク。これで恐らくは体力を回復できるはずだ」

 

「恐らくは……って、あんた、これ試した事ないの?」

 

「いや、あるんだが(実際にはないが)、エナジードリンクみたいで、これで回復できた。とりあえず、飲んでみろよ」

 

 自身無さげだったのは、元気ドリンクが人間相手にも効くのかという、試した実証がなかったからだ。

 

 なので、恐らくと少し自信がなくなってしまった訳で。とりあえず害があるものは入っていないはずだし多分大丈夫だと思うが……。

 

 アイエフは元気ドリンクをマジマジと見ていた。俺が言った事も含めて信用し切れないのか渋って中々飲まない。

 

 だが、少しすると諦めたかのようにはぁ……とため息を吐いた。

 

「分かったわよ……これを飲めば回復出来るのね?」

 

「ああ、そうなるはずだ」

 

 そう言い、ビンのふたを開けて一気飲みする。

 

 ……

 

 …………

 

 ………………すると。

 

「……あれ?」

 

 お? 何事もなかったようにアイエフが起き上がる。

 

「あいちゃん! 大丈夫ですか?」

 

「ええ、痛みも無くなったし、それに不思議と体が動くわ」

 

 彼女は先程まで戦っていた時のように体が動いていた。よく見れば傷もピタリと塞がっていた。

 

 ……凄い回復力だ。

 

 それでも効果あったようだ。いやぁ、良かった良かった。

 

「それにあれ、美味しかったし」

 

「本当ですか? それならシャドーさん、私にもくれるですか?」

 

 ……割と想像以上に好評のようだ。負傷しているのは間違いないので、コンパにも元気ドリンクをやる。

 

「本当です! 美味しいです! 体も動くです!」

 

 ―――と言っていた。

 

「ありがとうシャドー。お陰で助かったわ」

 

「ありがとうございますシャドーさん!」

 

 それから二人から礼を言われた。傷を治せるようなアイテムを出しただけなんだがな……。

 

 ま、二人が無事なら何よりだし、さっき思うようにいかなかった分を取り返した感じだ。アイエフの吐露した想いも含めて。

 

 とりあえず俺は「なんのなんの」って言葉を返しておいた。

 

 

 

 

 

 

 

「引くことだけは出来ません……だからやるしか!」

 

 女神化したネプギアは下っ端に突き進んで行く。

 

「ミラージュダンス!」

 

 そして、緩やかだが何処か鋭い、ダンスを踊るかのように数回、切りつけた。

 

「ぐああああっ!! く、クソッ! ズリーぞ! 変身なんかしやがってよ!」

 

「お、あっちは終わったようだな」

 

 ネプギアは危なげなく下っ端に勝利した。

 

 負け惜しみを言っている下っ端の言葉に、シャドー達もネプギアが勝ったと気づく。

 

「大人しく引いてください。そうすれば見逃してあげます」

 

「はい、分かりました……なんて言うわけネェだろうが!」

 

 ネプギア也の手心を加えたつもりが、逆に下っ端は反論した。

 

「んなっ!? あいつ! 折角情けをかけたのによ! しゃあねえ、コピー能力―――!」

 

「「シャドー(さん)!?」」

 

 シャドーはネプギアと下っ端から少し離れたところで何かを告げており、アイエフとコンパが驚いていた。

 

「こうなったら、最初の目的だけでもっ!」

 

 一方下っ端はゲイムキャラを壊すべくその元へ走り出した。

 

 ネプギアも下っ端を追いかけるが、下っ端の行動に一歩遅れてしまっていた。

 

「あ、やめなさい!」

 

「だからテメェの言う事なんざ聞かネェっつうの! うおりゃああ!」

 

 ネプギアが制止をかけるが、聞く耳を持たないまま下っ端はゲイムキャラに得物を振りかぶり、ゲイムキャラは破壊される―――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「させるかってんだッ!! "ジェットキィィィック"!!」

 

 ─────ドガァァァン!! 

 

「だああああああああ!?」

 

「「「!?」」」

 

 ―――事はなかった。代わりに下っ端に向けて声を発した"何か"が勢いよく直撃し、吹っ飛ばされる。

 

「カービィさん!?」

 

 ネプギアが驚いた声を上げた。

 

 そう、行動を起こした人物とは―――サングラスをかけて、背中に小さなジェット機を背負ったシャドーだった。

 

「こいつはコピー能力……『ジェット』だ!!」

 

 かけていたサングラスを上にズらしながら、ジェット機の噴射口からジェット噴射をしてホバー飛行をしていた。

 

「いつつ……何だってンだ……ん!? テメェ、なんだよその姿はよぉ!?」

 

 下っ端も驚いていた。最初は非力な黒チビだと思っていたため、無視していた。

 

 しかし、シャドーの姿が変わった事や、低空ホバー飛行しているのを見て驚いたのだ。

 

「お前に溜めたジェット噴射の勢いを乗せて蹴ったんだ。それよりもう一度言う。大人しく引け」

 

「だから、テメェらの言う事は聞かネェっての!」

 

 シャドーも情けをかけるが下っ端は言う事を聞かずに、下っ端は立ち上がりながら片手で得物を構え、彼の方向へゆっくりと歩き始めていく。

 

 どうやら反撃する気だ。そんな下っ端を見て、シャドーは溜め息を吐き……。

 

「……はぁ。二度も言ったのに聞かないとは……。少し脅してやる。んん……!」

 

 シャドーは力み始める。その様子に歩いている下っ端も離れているネプギア達も疑問マークを浮かべている。

 

 だが、次第にシャドーの体が白く、僅かに輝き始めている。

 

 そこで皆が理解する。これは単なる力みではなく、エネルギーを溜めているのだと。

 

 そして―――次の瞬間だった。

 

 

 

「はあぁぁぁッッッ!!!!!」

 

 ドオオオオオオオォォォォン!! 

 

「どわああああああああああ!?」

 

 突然。突如。刹那。唐突。

 

 シャドーのいた場から大量の爆風と爆音、衝撃が発せられ、シャドーが炎を噴出しながら空高く飛ぶ。

 

 あまりの衝撃と爆風にに下っ端が声を上げながら、再び吹き飛ばされたのだった。

 

「「「!!?」」」

 

 三人も驚いていた。

 

 シャドーはジェットの大技である、『爆裂ジャンプ』を繰り出したのだ。

 

 その威力は、彼らが佇む地点全体に爆風が舞う程であった。

 

 彼は飛び上がってから重力に従い、地面に着地する。

 

 吹き飛ばされた下っ端は、そんな彼を見て震えていた。ネプギア達も驚愕を隠せないままシャドーを見ていた。

 

「これ以上抵抗するなら手加減できないぞ。三度目はないと思え。その上でもう一度だけ言う……引け」

 

 手の先に小さい青白い球体を出した後、殺気を出すかのようにそう言うと下っ端は引いていた。

 

「畜生……ここのゲイムキャラは諦めるしかネェ……なら、次はラスティションか……お、おいテメェら! 次会う時は覚悟しとけよ!」

 

 下っ端はそそくさと逃げる。

 

「待ちなさい! くっ、逃げ足も早いのね……」

 

 アイエフがそう言う。

 

「あんな奴、今はほっとけ」

 

 そこへ、すっぴんになったシャドーが彼女らの元に寄るが、彼の行動は自らの力を知らしめる程だったため、多少ながら緊張する。

 

「そ、そうですね。そういえばアイエフさん、ケガの方は大丈夫なんですか?」

 

 ネプギアが心配そうに言う。

 

「大丈夫よ。シャドーが不思議なアイテムを出してくれてそれで治ったわ」

 

 アイエフは見栄を張っている様子はなく、本当に治ったようだ。

 

「そうなんですか……本当にカービィさんは凄いですね」

 

「ええ、全くね」

 

「凄いです!」

 

「いいや、当然の事をしたまでさ。それよりもゲイムキャラの方だな」

 

 謙遜気味に言うシャドーに、凄みを改めて感じながら、彼らはゲイムキャラのところに向かった。

 




勢いで多めに文章書いちゃいましたw
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