劇場版 ウルトラマンアーザvsウルトラマンザージス 作:仁。
とある世界のとある場所で、霧が立ち込める中に三人のウルトラマンがいた。
何もかも壊れた町の残骸、倒した怪獣軍団だったもの、そして、今にも雨が降りそうな曇り空の下、そこには三人の巨人がおり、そのうち一人は、赤と黒が入り混じった禍々しい姿をしている闇の巨人であり、二人の巨人ーウルトラマンはその禍々しい闇の巨人と対面してはいるが、二人とも片膝をついており、二人のエナジーコアは赤く、辺りにその警告音が鳴り響き、二人は肩で息をしながら、闇の巨人を睨みつけていた。
その様子に闇の巨人はやれやれと頭を振る。
「……。は-…そ――度か…つ――ないー、——、—いかー」
そう言ったあと、闇の巨人は手を胸元に持っていき、握り締めて開くとそこには、まるで闇そのものみたいな禍々しい炎があり、それは手のひらの上で漂っていた。
「————————!!!」
そして、闇の巨人は嘲笑うような仕草をした。
闇の巨人はそのまま、手を上空へ掲げる。そして、その炎は、真上に飛んでいき、そして広くはじけたと思えば、辺りに降り注ぐ。
「て―ぇ!——姉——に何———っだ!——」
「教え―――うか?た―――ま――と死——?まぁ、助———ば私——せ、ーれ――方———い。私は闇——者……そ――な‥■■■。私—名前は■■■だ。私は――お暇——よ。次——時―もっと―――せてくーよ?」
■■■、と名乗った巨人は背後に現れた闇の渦の中に入り、頭部にホーンを持ったウルトラマンはそれに追おうとするが、エネルギーが足りないのかその場から一歩も動けず、彼は、
「――――・・・!!!」
強く握りしめた拳を地面に押し付け、
「————————!!!!!!!!」
空虚な空に向かって憎しみの声をあげ…
―――…次の瞬間、彼は目を覚めた
◆
「!!!……なんだこの夢…?」
寮の一室にあるベッドで、急に飛び起きたのは、ウルトラマンアーザであるモリミヤ・ダイキであり
夢の中でかなり変な夢をみたのか、頭を押さえながら、首をかしげる。そして、夢で見た出来事を思い出すようにつぶやく。
「三人のウルトラマン…?」
破壊された街に対峙する二人のウルトラマンと、闇の巨人。
夢の中の巨人たちは何かを話していたが、全く聞き取れずわかることは一つもなく、ただ、不穏な夢であったことと
「………まさか…」
彼は察していた、この夢は
ごくたまに見る予知夢だと値するものだと。
そんな事実に、ただただ嫌な予感を感じたダイキは不安そうに窓の外の空を見上げた。
◆
「おはようございまーす…」
もやもやした気分のまま制服に着替え、食堂で食事を済ますと、ディレクションルームに入る。
「お、おはよう!今日遅かったな!ぎりぎりだったぞ!…って、どうした?顔色悪いぞ?大丈夫か?」
「大丈夫……」
入ったらすぐにユウジに話しかけられ真っ先に顔色に気づかれ心配させてしまう…
「いや、全然大丈夫そうに見えないし…お前いつも起きるの早かったじゃねぇか、隊長に言っとくから休むか?」
「ありがとう。ユウジ。本当に大丈夫なんだ。何でもないよ。」
ダイキはユウジに夢の話をすることはなく、ただただ心配させないようになんでないといった。
「……そうか?まぁ無理すんなよ?」
そんなダイキの様子になおさら心配そうに顔を覗くが、それ以上追及することなく、ただ無理をしないことを親友として肩にぽんぽんと軽くたたいた。
そんなユウジに
「うんありがとう。ユウジ。」
申し訳なさそうにありがとうと言った。その次の瞬間、ユウヘイが何かを感知した。
「異常なエネルギーを感知しました!」
「場所は?」
「はい!!ツヅジ台です!!」
「あそこにか?」
ツヅジ台に異常なエネルギーを感知したというユウヘイの言葉に違和感を感じた
「ツヅジ台か…ん?ツヅジ台???まって、そんな所あったっけ?どこそこ?」
聞いたことがない地名に、混乱するダイキにあきれたようなユウジの声がする。
「何言ってんだ?ダイキ?昔からあるだろ?な?」
「えっ?えっ?」
「そうそう」
ユウジの言葉に賛同する仲間たち。まるで、昔からあったみたいに話す。
ダイキの記憶だとその町は存在しないものだった。
「??そうだっけ…」
首をかしげるダイキにユウジが
「ほらダイキ!調査に行くぞ!大丈夫かー!」
「わ、わかったすぐ行くよー!!」
急ぐよう急かすため急いでユウジの後をおった。
◆
(やっぱり俺の記憶だとツヅジ台はない…………はずなんだけど…………)
そこまで考えてダイキは前を向く。そこには街の入り口であり看板がありそこにはツヅジ台と書いてあった。
「……………実際目の前にあるんだよなぁ…………」
「?なんか言ったか?」
「いや!?なんにも??」
ユウジに聞かれ急いで目を逸らしつつ誤魔化しながら、早口で
「ほら!早く入ろう!調査しなきゃいけないし!!!」
一口で言いきり、その様子にユウジはたじろいだ。
「お、おう…やっぱり今日のお前おかしいぞ…」
と首をかしげながら速足で歩くダイキの後を追い、ツヅジ台の入口を通った。
ツヅジ台に入った瞬間、背後に霧が立ち込めたことに誰も気付くことがなかった。
「おーい、シンジ―?あぁ?あっちと繋がらないぞ?」
「本当?……だ、だめだ。こっちも繋がらない。ユキ達にもつながらない。」
「…まじかよ。なんでだ?」
街に入ってから数時間後、連絡を取ろうとした矢先、通信機が通じないことが発覚し、彼等は慌てた。
「仕方ない…俺たちだけでも、調べるぞ。ダイキ。」
「…ああ、わかった。」
そういいながら、通信機を肩のポケットにしまう。
歩き出そうとしたその時、紺色の髪と黒髪のした二人の少年とすれ違う。
「ん?」
ダイキは顔は見えなかったが、その少年達に何かを感じて振り返るが、もうそこには人混みの中であり、もう見失ってしまっていた。
一瞬、一瞬だけだが、自分と同じ気配を感じた
◆
そして、場所がかわり、
とある、一面が闇に覆われた空間で、一人の存在が一人の男に近づいた。その存在は闇の如く真っ黒ドレスを着ていている謎の女で、まるでせかすかのように知らせた。
『ウルトラマンアーザが、来たぞ。』
『もちろん分かってるさ、焦りは禁物だよ?まずはお手並み拝見と行こうじゃないか』
男はくつくつとわらいながら、手をあげ、そして、指を鳴らした。
◆
<こがああああああ!!!!!!!!!>
男が指を鳴らした同時刻に、怪獣が出現した。山のように大きな怪獣だった。
突如現れた怪獣に、人々は驚き恐怖から、怪獣がいる方向と真逆の方へと逃げ惑った。
「怪獣が現れました…!!って、通信が通じないんだから意味ねぇ!!!くそっ!」
「ユウジ!それよりも、避難させる方が先だよ!」
街に入ってからなぜかつながらないため、怪獣出現を知らせることが出来ず、焦るユウジに呼びかけ、彼はそれに答えた。
「ユウジ!とりあえず街の人を誘導しよう!」
「分かった!」
返事したユウジは、すぐに動き、落ち着いて逃げるように促し始めた。
「……ユウジ、ごめん任せた。」
逃げ惑う人々にまぎれて、ユウジから離れ、物陰から、アイテム…バラージエクトを取り出し、真横に抑えるようにボタンを押し、そして腰の横に持って行ったと思ったら光が集まり、
「アーーーザァ――――!!!!!!」
巨体な怪獣の目前に、勢いよく土煙を巻き上げながらウルトラマンアーザが姿を現す。
「………ディア!!!」
(…でか……でもこれ以上大きくなると、エネルギーが…)
自分よりも大きい山のような巨体に戸惑いつつも勇ましく向かっていった。
まるでおしくらまんじゅうのように力で対抗するが、アーザが押され、段々後ろへと後退していく、
「うっぐっうぅ……ディアッ」
遂にはのしかかられアーザの上に乗りかかられてしまい、あまりにも重いゴーヤベックにさらに苦悶の声をあげるが、なんとか、腕を十字に組むと、ゴーヤベックの下から、
「ッデェリャアア!!!!!!」
アーザストリームシュートを放ち、その勢いで、ゴーヤペックは持ちあがってそのまま裏返り、そのすきにアーザはそこから脱した。
乗り抱えられたときに肩をひっかけられたのか、肩を抑えつつ息を整える。
「…!!…ぐっ」
(なんだこの怪獣普通じゃない…でも、暗黒染体怪獣でもない……?)
ともかく異質な目の前の怪獣に、戸惑いを隠せなかった。
◆
「おい、あいつがそうだな?零」
怪獣が現れ、アーザが戦っている所が良く見える場所に二人の少年がいた。片方は紺色の中性的な顔をしている少年で、もう片方は、黒い髪に褐色の肌をしている少年であり、街の通りでダイキとすれ違った少年達で、
「ああ、……やっと見つけたぞ!アーザ…!!」
大切な人たちを苦しめた…今もなお苦しめている憎い敵と同じ姿をしているアーザを睨みつけ、零と呼ばれた少年は、プライズレイスを天高く掲げ、そしてそれは光輝き、零は光に包まれた。
「ジェアァ!!!!」
そこに、赤と青の入り交じった体に、頭部にはブーメランのようなウルトラホーンを持った光の巨人……ウルトラマンザージスが現れた。
「俺も行くか。」
そして一歩遅れた感じに、褐色の少年もウルトラマンへと変身し、ザージスの隣にウルトラマンインフェルが現れる。
「遅いぞ、インフェル」
「お前が張り切りすぎるんだよ。まぁしょうがねぇか」
そして、アーザを倒そうとアーザの方に近づくが、そのザージスに向かって怪獣が襲う。その様子にザージスはイラついたように舌打ちをし、横目で見据えて、怪獣を睨む。
「邪魔だ…!」
そして、怪獣に向かって華麗な回し蹴りを披露し、見事にゴーヤベックは、その攻撃の衝撃でのけぞり、そして、インフェルの攻撃により完璧に真横に倒れ、起き上がろうとじたばたする。
「先に怪獣だな!ザージス!」
「…嗚呼、邪魔だからな。さっさと終わらすぞ」
そういうと否やザージスは、素早くゴーヤベックに向かっていく。
インフェルも遅れず向かう。
突然現れ、怪獣に向かっていく二人のウルトラマンに呆然としばらく呆けていたが、すぐに気を取り直して、急に現れ怪獣と戦う二人の巨人をまじまじと観察する。二人にはなんか見覚えがあった。
しばらく考えていたが、すぐに、今朝見た夢のなかの闇の巨人と相対していた二人のウルトラマンだと気づいた。
「……君たちは…夢の……。」
2人が実在する人物、だというその事実に気づいたアーザは、今朝感じた不安が現実のものとなったことを察することは簡単だった。
二人のウルトラマン――ウルトラマンザージスとウルトラマンインフェルは、息が揃っている攻撃を怪獣に、蹴り飛ばし、そして、二人は息ぴったり腕を動かし胸の前へと構える。
「レブティックショットぉ!!!!」
「インフェルノシュート!!!!」
二人同時に放った光線はまっすぐ怪獣の元へと、飛んでいき命中、おのれらよりでかい怪獣を倒すなら火力を上げればいい。そうやってレブティックショットとインフェルノシュートを放ち続け、ついに山のような怪獣を撃破した。
辺りに広がる爆風を受け、構えを解く。そして、後ろのアーザの方へふりむいた。
「お前がアーザだな?」
自分の方へ振り向いた二人の巨人に戸惑いつつ、立ち上がる。
アーザは、経緯はどうあれ、助けてくれたのは変わりないと思い、
「あ、ありがとう…そうだけど…君たちは…ぐっ!?」
礼を言った次の瞬間、その巨人から攻撃が飛んできて、咄嗟にアーザは腕で防御するが、アーザは混乱し戸惑う、ほぼ唐突に攻撃されたのだ、目の前の自身と同じウルトラマンに、たが、それを戸惑う時間すら与えまいと、次の攻撃が飛んできた。お礼を言う状況じゃない。
「っおらぁっ!!!お前を倒す!」
次の一手も、何とか防ぎ、なんとか距離を置こうと一歩下がるが、その時
”アーザ!後ろです!!!もう一人のウルトラマンが…!!!”
地球の忠告により、咄嗟に後ろを向き、避けようとするが、間に合わない。腕をクロスしてその飛蹴りを受け止めた。
「グァっ!」
「ちっ、こいつ奇襲効かねぇぞやっぱり!」
「ああ。」
その勢いに押され、後ろに後ずさった。
「ウッ…ハァ…ハァ…っ…一体…どうして俺を…!!」
これまで防戦一方でどう覚え浮かべても、彼らと自分は初対面なはずだった。彼らなにかしたわけでもない。それでも自分に、猛攻撃を仕掛けてくる理由がわからなかった。
ただ一つ、わかったことは自分に攻撃してくる彼の目は、ただ憎しみに駆られていて、焦りを感じさせたという事のみ、その問いかけをしたとたん、憎しみが倍増した気がする。
「しらばくれんじゃねぇ!!!!!お前のせいで!!!りつ姉たちが…!!!!」
さらに力の込められ飛んできた拳を受け流しもう一人のウルトラマンの攻撃も避けながら、さらに困惑したようにアーザは言った。
「何の事だ!!!!」
「うるせぇ!!!!ネタは上がってるんだよ!!お前が…お前がっ!!!闇を降り注いだから…!!!」
(闇を降り注いだ…?)
その言葉に怪訝な反応を記すが、すぐにザージスから攻撃が飛んできて、すぐに避けた。
今まで防戦一方で攻撃を防いでいたが、二対一の不利な状況で、ついに防御しきれずインフェルの足が胴体にあたり、勢い良く吹っ飛んだ。
「ぐぅ…闇を…?俺が?」
ダメージが大きく、肩で息をしながら、戸惑うアーザにインフェルが告げる。
「いつまでそう白を切るつもりだ?あ?!お前なのは分かってるんだよ!?お前を倒せばすべて終わるんだ!倒させろ!
彼らが、何を言っているのかわからず、ただ、勘違いをされていることに気付いたが
横からの不意打ちの攻撃に気付かず、アーザは、大きく建物を巻き込みながら吹っ飛んだ。
「…っ、ぐ…、どういうこと、?」
アーザは、立ち上がろうと、腕に力を入れるが、そのまま立ち上がれることが出来ずに、倒れ込む。
力が入らない、今にもその言葉を否定しようにもダメージが深く、伝わらない。
ピコンピコンピコン
胸のカラータイマーがなり始めた。
「何とぼけてやがる!そう名乗ったのはてめぇだぞ!」
「違う!それは俺じゃない!!!」
なんとか立ち上がり、ザージスと組みつく。しかし思ったよりもダメージが深く、すぐに突き飛ばされる。
「っう…俺は!…あいつらとは違う!!!」
ダメージから膝に付くアーザが叫ぶ
「何が違うって言うんだ!」
その叫びを、かき消すように、ザージスの蹴りが飛んできた。その蹴りは、防御の構えをできずにそのまま直撃する。
「ぐぁっ!………!…」
カラータイマーの鳴りが早くなる。彼の活動限界が近づいてきている。その意味を彼らは理解しているのだろう。まるで、いや、確実にとどめを刺そうとこちらに向かってくる。
「はぁ…はぁ…はぁ…っ」
しかし彼は…
ウルトラマンアーザは、何かを訴えるように彼らを見るが、そのまま力尽き、空気に紛れるように光になって消えた。
「!くそっ…逃げられた・・・!!」
「まぁ、あの様子だと、結構ダメージを受けてるだろうから、あまり動けないだろ」
アーザが消えるのを見届けたザージスは悔しそうに唸る。それをインフェルがフォローした。
ザージスは、頭を振りながら仕方ないという風にしつつため息を吐いた。
「それもそうだな。さっさと探すぞ」
「へいへい」
二人の巨人もそこから姿を消した。
先ほど、ウルトラマンアーザが光となって消えたその場所に、一人の青年が、片腕をもう一方の手で押さえつつよろけながら現れた。アーザの変身者であるダイキは、壁によりかかりつつ、先ヘ進む。彼等が自身の事を呼んでいたその言葉が、頭にちらつく。
「……うん、とりあえず早く…」
そんな考えは、すぐに捨て、何かの間違いだと、証明しなければならない。
(……離れないと‥)
痛む体を鞭をうち、その場から離れようと、足を動かした。
◆
「ダイキ――――!!!!あいつまた一人ではぐれやがったなー!!!ダイキ――!…あ、あの!俺と同じ服着た茶髪と蒼い目の俺と同じくらいの男の人!知りません?そうですか!ありがとうございます!」
怪獣がいなくなったことで、少しにぎわかさが戻ってきた人通りで人の目を避ける路地から、自身を探すユウジの声がここまで聞こえてきた。自分を探していることに、ダイキは申し訳ない気分に陥った。でも、このまま合流するわけにも行かなくなっていた。
”いいんですか?”
「いいの。ユウジまで巻き込みたくないし………あ、でも、また怒られるなぁ…今度は隊長込みかな。」
問いかける地球の声に、苦笑しながら答える。
(…それに、あの二人のウルトラマンが、まだ俺を探している―――いや、確実に探しているだろうな……一緒にいたら、もしかしたら、正体ばれる…以前にユウジの命が危なくなる気がする。)
「おーーい、ダイキーーー!!」
いまだに自分を探すユウジの声が聞こえてくる大通りを一通り眺めたら、
「ごめんね。ユウジ。今回は、今回だけは一緒にいられない。」
薄暗い路地の奥に入っていく、そして、誰にも通らない道に出た。
”大丈夫なんですか?怒られますよ?”
「はは、まぁ、そうなんだろうけど…わかってるって…‥それと頼みたいことがあるんだ。」
”いいですよ?”
そういった彼の言葉に即答する
「…
これから自身がすべきことは、推測に過ぎないが、自身を騙る何者かを、探らねば……もちろん、いまだ自分の事を闇の使者だと呼ぶ彼等からに見つからないように。
「…うん、前途多難だなぁ」
”…本当に、大丈夫ですか?”
「大丈夫。だって俺はウルトラマンだから。」
心配するような声な
◆◆◆
怪獣とウルトラマン、そしてウルトラマンとウルトラマンが戦っているその瞬間、その最後まで見ていたひとりの少年がただ一つの場所に向かって走りかけていた。
緑の髪とメガネをかけた青年は、興奮しているのか混乱しているのか、走りながら叫ぶようにしゃべる。
「なんでだ…?!あの怪獣が…?アカネか?!…いやっそれよりも‥それよりもっ!!!」
自分が見たのは、かつてグリッドマンが倒したはずの山そのものを切り取ったみたいなどでかい怪獣は、”多事多難怪獣ゴーヤペック”。であること しかし、少年にとって重要なのは、あの三人の巨人だった。
「あれ!!!!ウルトラマンじゃねぇか!!!!!マジか!?!???!!この世界のどこかにその変身者がいたりすんかな!?………あっでもなんで戦ってたんだ?」
この少年は、特撮ファンだった。まごうことなき特撮ファンだったのだ…
それ故か興奮が収まりきらずそのまま駆ける。
「はやく、みんなにしらせね―――ぅおわあっ!!」
「っ!!!」
しかし、小道の横を通り抜けようとしたとき、誰かとぶつかり、少年は勢いよく転んだ。
「えっと、ごめん!!!大丈夫!?」
「わっりーな!俺急いでるから、じゃぁな!!!」
ぶつかったのは、紺色の髪のした
「…?えぇ…女の子にしては…あいたっ!!!なんで缶が!?」
彼を少女だと勘違いした少年は、何故か、飛んできた缶にぶち当たり、頭を押さえた。
「あぁ、こんなことをしている場合じゃなかった!早く知らせないと…!!!!」
そんなことしている場合じゃないと、彼もまた駆けだした。
◆
「くそっ、俺は男だっつーーーの!!!」
先ほどぶつかった男のつぶやきを超人的な聴力で聞き取った彼は、偶然落ちていた缶を投げつけていた。
「おい零、落ち着けって、っていうかあいつ大丈夫なのか?」
「まぁ、生きてるだろ運がよければ」
そんな彼を呆れたような目で見つめる零とそっくりな黒髪の少年を、ジト目で見つめる。
「それよりも、見つけたか?闇・零。」
「いーや、全然、見つかんねーな。」
そう問われた闇・零は、やれやれと肩をすくんで見せた。
「あのダメージであんなに動けるとは思わなかったな」
「ちっ、くそっ、なんでだよ…」
零は悔しそうに拳を握った。このままだと、間に合わなくなってしまう。
闇に侵されたことにより、苦しみ続けるりつ姉たちの姿が、脳裏に浮かび、零は、歯軋りする。
「……。なぁ」
「あぁ?なんだ?」
「ほんとにあいつであってるのか?なんか随分違ったように思えるんだけど、」
「何が言いたい。闇・零…!」
闇・零が、そう疑問を記す。
先ほど、自分たちが追い詰めた彼は、随分と戸惑っていた、と思う。
「ただ、顔と模様がそっくりだけかもしれねぇし?」
先ほどの巨人は、黒はあれど赤かった。あいつは、黒い。
本当に、あいつは、俺たちが倒すべき敵なのか?
「あったり前だろ!,姿を変えるなんて簡単だろうが!ぜってぇ倒す!」
そんな闇・零の質問を一言で人蹴りした。
そして、そのまま前を向き、走り出す。
「りつ姉……絶対に、絶対に助けるからな…」
新たな決意を決め、アーザを探しに先に進む零に、少し頭を掻いて闇・零もそれに続いた。
物陰から見つめる者に気づかずに
(………彼等に、何かあったのか…?)
彼等が立ち去るまで…ダイキは物陰で見つめていた
◆
「大丈夫、だいじょうぶだからね、きっと、だから気を確かに」
ピンク色の髪をした普段は元気な彼女‥相田マナは、自身も苦しいにもかかわらず、苦しみ続ける仲間たちを励まそうと話しかける。
「う、うん、大丈夫。マナこそ大丈夫なの…?」
「うん、まだまだだいじょう・・・ ヴっ」
マナは、笑顔で大丈夫と言おうとするが、その時、胸を押さえて苦しみだす。
「マナッ!!闇が…!うぅっ!!・・・ っ」
紺色の髪の彼女も、苦しみだす。
彼女は、零の姉で、菱川六花その人だった。
彼女たちの周りにも、多くの人たちが苦しみつづけており、うなり声があたりに広がっていた。
何故、こんな風になったのかは…数週間前、怪獣軍団が攻めてきて、そして、ザージス達とは違う闇の巨人が現れて、圧倒的な力でザージス達をダウンさせた、あと、闇を降り注いで、その日から多くの人がその闇に苦しみ続けていた。
「はぁ…はぁ……っ、そういえば、零は…?」
そんな中、六花は、周りを見回す、見回して、自身の弟がいないことに気づいた。
零達は自分たちと違って、闇に蝕まれることなかったから、
そんな時、朧げに零が言っていたことを思い出す。
『…りつ姉、マナ姉、待っててくれ、必ず、必ずあいつを倒して、絶対助けるからな』
(……そうだ、零は、零達は、私達を助けるために、戦ってる。)
闇が体を蝕んでいる、つらい。つらいけど、零達だけで、戦わせるにはいけない
幸い、自分はまだ動ける。だから、
「自分ができることをしなきゃね、」
たとえ何も出来なかったとしても、何かの力になりたい、という思いを掲げ、立ち上がり、一瞬振り向いたが、そのまま外に出た。
「うわぁ……どこもかしこもボロボロ…」
建物から出て、しばらく歩いていたが、怪獣が現れた事の被害が大きい場所に出てきてしまったのか、六花は、あまりにもひどい風景に、顔を顰める。
「一体何が、……ん?」
きょろきょろと周りを見回していると、彼女に大きい影が、影が差した。
その影に気づいた彼女は上を向いて、その時、ボロボロとなった瓦礫が彼女の頭上に落ちてきている事実に気づいた。
「えっ、あっ、まにあわな…!!!」
彼女は、咄嗟に頭をかばうように座り込んでしまった。
「――――――危ないっ!!!!!」
――――――……その時、一陣の風が…何者かが、彼女を助けた。
◆◆
『いつまでそう白を切るつもりだ?あ?!お前が闇の使者なのは分かってるんだよ!?お前を倒せばすべて終わるんだ!倒させろ!』
『りつ姉……絶対に、絶対にあいつを助けるからな…』
地球が思い出してくれた事を、彼等に何かあったのかすべて聞いて、ダイキは、
彼等が言っていた言葉を思い浮かべる。
「俺ではないけど、俺そっくりな奴が、彼等の家族の命を脅かしたのだから、彼等の事情は分かった。…」
自身が見たあの夢にあった出来事が、彼等に会った出来事と見事に一致していた。
”ごめんなさい、貴方を模した闇の巨人が、何者かは分かりませんでした。しかもかなり朧げで”
そんな申し訳なさそうな
「まぁ、奴らはそう簡単に存在を掴ませるつもりはないだろうし…それよりよく思い出すこと出来たね。色んな世界のそれぞれの記憶がごっちゃになってるのに」
この街は一つではない。
おそらく
だからか、地球は3つの世界の自分からそれらしい出来事の記憶を探して思い出さなければならなかった。
かなりの労力を使ったと言える。それだけで
「……誤解、どうやって解こう…。ん…?」
先ほどの場所よりも、怪獣の被害が大きいのか、ボロボロな道を歩いていた彼は、一人の少女を見つけた。紺色の髪の、眼鏡をかけた女の子。
「こんなところに人が、…!!」
女の子にここは危ないといおうとしたその時、彼女に向かって、ひび割れた壁が崩れ去り、その瓦礫が、その女の子に向かって、落ちていく。
「——————えっ、あっ、まにあわな…!!!」
彼女の悲鳴を聞いて次の瞬間、彼の体はすでに動き出していた。
普通の人なら、間に合わない距離、しかし、人ではない彼だからこそ出来るその超人的な動きで、一瞬でたどり着き、彼女を抱き上げて、そのまま駆け抜けた。
……その次の瞬間、瓦礫と地面は激突した。
彼女…六花は、襲い来る瓦礫の衝撃に身を固める。
「………あれっ?」
しかし、次には襲ってくる衝撃は、襲ってくることはなく、代わりにあるのは、誰かに抱えられている感覚があった。彼女が恐る恐る目を開け、上を向く。
「…えっと、大丈夫?」
――——綺麗な蒼色と目があった。
六花を助けた彼は、彼女の顔をみた一瞬だけ目を見開いたが、すぐに細められ、微笑んだ。
「あ、はい!大丈夫です!助けてくれた…んですよね!ありがとうございます…!」
「うん、どういたしまして」
助けたお礼をいったら、彼は嬉しそうに笑いながら、お礼を受け取った。
その反面、六花は、しどろもどろになり、顔を赤くなる。
「……えっと、あの……すいません…」
「ん?」
「えっと、お、下してくれると、助かり、ます。」
・ ・ ・
一拍、二拍三拍と、彼女と彼の間に沈黙が下りる。
ダイキが六花にしていることは、世間的に、お姫様抱っこ、であり、年頃の少女には、刺激が強かった。少し遅れてその事実に気づいたダイキは慌てて彼女を下した。
「えっあ!?ご、ごめんね!」
「いえ!大丈夫です……!」
六花は、おろされて、先ほどまで立っていた場所を覗き見た。そこには、人よりも大きい瓦礫がそこに、あった、本当に先ほどまで、彼に助けられなかったら、今頃彼女の身は、あの瓦礫の下だったという事実に、ぞっとした。
「…、あの、大丈夫?」
「へ、大丈夫……うっ!!!」
そんな彼女の様子に心配したダイキは、顔を覗き込んで、問いかけて、その言葉で、一気に意識を戻り返答しようとするが、突然胸を押さえて苦しみだして、遂にはよろけ、倒れかける。
その様子にびっくりしたダイキは急いで彼女を支える。
そして苦しそうにする彼女に触れたダイキは彼女を苦しませる要因に気づいた。
「そんな、闇が………」
人の体にとって闇は有害だ。
闇は人の中にある心の闇を助長させて人々を苦しませる。
闇はそうやって人間達を悪い方向へ導く。
心の中の闇が大きくなるほどさらに闇が生まれ、悪循環が生まれる。
その事実を知っているダイキは苦し紛れな顔を作った。
その呟いた声とその顔を見た彼女は、飛びついた。
何故なら皆を苦しませるこの病気のような現象を知っている人だから
「けほっあ、あの…!!すみません!!知ってるんですか!?」
「えっ」
なんとかしてくれる人かもしれないと彼女の直感がそう言っていた。
ーーーーきっとそれは正しいだろう。
「皆を苦しませるこの正体をーー」
「知っているよ。」
彼は知っている。そしてその対処法も、だけどその対処方は彼しか出来ないことだった。
……ここに弟がいれば別だが、そんな奇跡は起きない。
闇は人の体にとって有害だ。
光も人の体にとって有害だ。
詳しくいえば、強すぎる光は人にとって有害となる。
「それじゃあ……!」
「だから俺のことを信じてほしい」
彼は正しくなんとかできる人だった。
だけど彼は"自分に出来るだろうか。"と思っていた。
体の中にある闇の因子をなんとかするには闇を浄化する光が必要だった。
浄化する力を持つ彼なら出来るから何ら問題は無い。
だけど今まで大きい体な怪獣にしか浄化していなかった。
人のような小さい体に行うには不安がのこる。
だから彼は問う。
"失敗するかもしれない逆に苦しむことになるかもしれないかも"
と
「信じます。なんとかなるなら皆を助けることができるなら私は信じます。」
彼女は彼が言い切る前に信じると言った。
「──。」
彼は彼女の光を見た。
それをみて、彼女の強さを知った。闇に負けない心の強さにダイキは感嘆し、すべて納得した。闇に侵されていてもここまで動けていることが出来ていたことを。
「──そっか。…ありがとう。信じてくれて。」
信じてくれた。信じてくれたのだから、それにこたえなければならない。必ず、やり遂げると。彼は気を引き締めた。
彼は集中し、手のひらを胸の前に掲げ、深く息を吸った。
そうしたら、光が生まれた。決して弱くなくそしてまぶしくない、暖かい…そんな光が現れた。
「…とても暖かい……優しい光だ…。すごい…」
その光をそのまま抱えるように彼女の胸辺りに押し当てた。
彼女は純粋にそうつぶやき、光に包まれた。
「…よかった。なんともないようで」
彼が呟いた。とたん彼女は意識が戻ってきた。
しばらくの時間忘れるほど、光は心地よい物だったのだ。
「あっ、とても楽になってる…!!今の何?!」
「それはよかった……。闇を浄化しただけだよ。」
驚いたようにダイキの事を見つめる六花に、静かに穏やかにそういった。
(もうなんかすごい…この人何者なんだろう…?…で、でも!この人ならみんなを街の人たちを助けられるじゃないかな…!?)
彼女に一筋の希望が舞い降りたきがした。
「あ、あの…お願いがあって───」
「でも、これだけじゃだめなんだ。」
「えっ」
希望を見つけた彼女の声を遮るように彼が言葉を発した。
「………どういうことですか?」
「少なくとも君も含めて君が言う皆の中にある闇を浄化しても、大元を叩かなければ、また闇に侵されてしまうんだ。これは一時しのぎに過ぎない。」
「…。ごめんね?」
其れだけ伝えるだけなのにそんな申し訳ない顔をする彼に彼女は何も言えなかった。
でも、彼女はその”大元”に覚えがあった。
彼女の弟はその”大元”を倒しに行っているのだ。私達のために。
目の前の彼が何者か分からない。でも、頼めば助けてくれるような優しい人なのはこの短い間で十分理解できた。ならば、
頼もうと思った。きっと力になってくれると思って口を開く。
余談だが、弟が、彼が”大元”だと勘違いして、倒そうとしてることは全く知らなかった。
そうして、口を開こうとしたとたん
地面が揺れた。
「ッきゃっ!」
「大丈夫!?」
突然襲った地震によろける彼女を急いで掴んで支えた。
「か、怪獣――――っ!!」
≪ぎゃおおおおおおおおぉおぉっっ!!!!≫
地震と共に怪獣が現れた。ドーム型の透明な頭部の中に互い違いにくっついた眼玉を持った怪獣だった。
そして、誰も見つけられない暗闇の間に男が叫ぶ。
「さぁ出てこい…!ウルトラマンアーザ!」
◆
怪獣が現れ、暴れる様を固唾をのんでダイキは見つめる。行かねばならない。
でも行けば、あの二人のウルトラマンに見つかるだろう。
だけど、その前に、彼女だけは逃がさねば、
「…怪獣が……!とりあえずここから逃げよう───」
「大丈夫。…貴方だけは逃げて。」
怪獣はこちらが見えているのだろうか?こちらに向かってくる。
「でも…」
心配そうに彼女の方へ振り向く彼に、曇り一つない笑顔で言い切った。
「きっと大丈夫!だってきっとぜ…ウルトラマン来てくれるから!」
彼女は、彼等は”必ず来る”と疑いもせず信じていた。
「———
怪獣が、暴れ、こちらにビームを飛ばしてくる。
六花は当たると思い、慌てて彼だけでも逃がそうとするが、その攻撃はいつまでも襲ってくることはなかった。
「?……!!」
その攻撃は、ダイキが腕から展開したパリアですべて防いでいた。
「あ、貴方は…!」
「お願いがあるんだ。これから僕がすること。誰にも秘密だよ。」
そういいながらダイキは、懐からパラージエクトを取り出し、変身するためにボタンを押し、そして、
「アー―――ザァー!!!!」
光の柱が現れ、そして、その中から土埃を立てながら赤い巨人がそこに現れた。
「ウルトラマン…!でもあの姿は…!!!」
彼女はその巨人を知っていた。いや、その姿を知っていた。だってそれは自分たちが住む街に攻めてきた闇の巨人と同じ姿をしていたから。
六花の頭に嫌な予感が浮かぶ。が、それをすぐ頭を振って打ち消した。
彼女は知っていた。彼が闇ではなく光であることを、
闇であるなら、きっとあんな綺麗で優しくて暖かい光を出せないと思うから。
「ううん、絶対に違う!もしそうなら私の中にあった闇浄化しない!」
弟ではないけど同じ光の巨人、同じウルトラマン。同じこの地球を守る仲間。
彼女は、精一杯の声援を送った。
◆
グルグル、ゴロゴロ
突如現れた現れた光の巨人に、目の前の怪獣は動きが止まるが、すぐに唸り声をあげる。
そしてじりじりとお互いにじり寄った。
「デェアっ!!!」
ふとした時にアーザは手からスラッシュ放つ。そしてそのまままっすぐ怪獣の方へ飛んで行った。
「グルグルっ」
しかしその攻撃は、当たらず…いや、辺りはしたもののその攻撃を吸収され、それは光線としてそのままアーザの元へ戻ってきた。
「でぃっ!?」
それを慌てて体をよじって躱す。
この怪獣は攻撃を吸収し光線にする。相手の光線技を。
(この怪獣光線が聞かない…!)
この怪獣は、光線は効かない。むしろ、こちらの攻撃がこちらに攻撃してくる始末。
(でも、こういうやつは…物理攻撃って決まっているんだよなぁ)
「デェア」
手のひらを右手の手首に合わせ、そのままスライドする。伸ばしきったそこには光の剣が現れていた。
アーザはその剣を、構え、目の前の怪獣を見据える。
やはり、対峙するほど、増す違和感。
(やっぱりこの怪獣、普通の怪獣じゃないきがする。)
(なんか、まるで作られたような...)
「ぐるる」
そんなことを考えてると、怪獣がぴーむを放つ。
それを、剣ではじきながら近づき、それを察したの怪獣は、アーザにむかって、攻撃を仕掛ける。
「ふっ!」
それに対してアーザは、冷静に体をひねってかわし、そして、そのまますれ違ったその瞬間
「ぐるぎゃぁ」
怪獣の首は落ちて、爆発した。
・・・・・・勝ったのだ。
…だがまだ安心は出来ない。
制限時間はおよそあと2分。
その間に、彼らを説得して決着をつけなければ行けない。
(割とマジで、今までの任務よりかなりきついきがする)
そう思いながら、振り向いた。
「………零と闇・零…!…………遅くない!?」
「「やっと見つけたぞ!」」
「早速だけど話し合いをしよう!」
険悪な雰囲気のウルトラマン立ちに向かって待ったをかける。
「誰が待つか!!!!!!」
とアーザの静止も聞かずに突撃する
「ちょっと、零……?」
その光景を六花は、呆然としながら眺めていた、
「うぉ、だから、俺は、闇の使者じゃないって!!!…ていうか2対1とか理不尽な!」
「うるせー!!!全て避けといて何を?!」
「戦いの年季が違うんだよ!……デェア!!!!!」
2人同時に襲う拳をいなし、そのまま、その腕を掴み2人同時に投げ飛ばした。
「うぐっ」
「まだやるかな。俺は戦うつもりは無いよ」
「くそっ!みんなを元に戻すまでやめねぇぞ俺は!!!」
ザージスがそう啖呵を切った時、屋上から叫ぶ声が聞こえる
「こんの!!!バカ零!!!!!!!!!」
「りつ姉!?」
彼の姉である六花その人だった。
「その人はまっったく違うじゃない!気づきなさいよ!!!」
「なんでりつ姉がそこにいるんだよ!!!!無茶すんな!!!」
「大丈夫!!!!!!!!その人のおかげで今はすっごくピンピンだから!!!」
その言葉にインフェルもザージスも固まる
「どういうことだ…?」
「だーかーら!そのウルトラマンさんは!彼奴にそっくりなだけの人!闇をもたらすところか何とかしてくれるかもしれないの!………彼を………」
「私を信じて!」
姉の訴えに冷静になり静かになった。
「そんなの俺たちを騙そうとして助けただけだろ」
「すっごく疑い深いね!?」
「……。」
冷静になったのは一体……
と言ったところでアーザは深く息を着いて、彼らを見る。
「信じられないだろうけど1つ聞いてくれるかな」
「あ?まだ疑わしいやつの「待て、ザージス」なんだよ!?」
「話くらいいいだろ、ぶっ潰すのはあとだ」
先程から黙っていたインフェルが口を開いた。
それを聞いてザージスはおおむろに舌打ちをする
「………………くそっ………手短にすませろ」
と言いつつ大人しく聞く体制
「
「は?意味わからないこと言ってんじゃねぇ」
その質問に少なからず動揺し、イラついているザージスを他所に、アーザは冷静に続ける。
「違和感を感じたことは?君たちの街の名前は、ツヅジ台って言うのかな?」
(違和感?)
(確かにそうだ。俺たちの町は、そんな名前じゃなかった。)
なら、ここはどこだ?
何かに気づき、焦る彼らの様子を見てアーザはほっと胸を撫で下ろした。
「どういうことだ…?」
「本来俺たちは巡り会うことはなかったはずなんだ。俺たちと君たちの世界はそれぞれ並行して存在しているから余程のことがなければ」
「というと」
まぁ俗に言うマルチバース理論だけど
と付け出し、
「世界と世界を繋いだ犯人がいるそいつが、闇の使者だよ。」
アーザはそう言いきった。
「零聞いて!、その人は闇をふりまかない、むしろ浄化してくれたの!だから、」
「浄化!?」
「そう!!!だから!ダイキさんを信じてあげて!!!
「……」
(こいつが、嘘をついているとは思えない、………信じる価値はあるか)
その返事に返そうとしたその瞬間
「!?」
という声とともに、飛んできた攻撃をすんでのところで、アーザが腕て弾き飛ばす。
そして、その土煙のなかから、一つの巨人が現れた。
「お、お前は!?」
その姿を見て、アーザは驚きの声を上げる。
なぜなら、その巨人の姿は、自らの姿と全く同じ、鏡のようなものだったからだ。
一つ違うところをいえば、黒い、闇を体現したような姿であるだけだった。
「お前は、夢の巨人か…!」
『ほぉ?、予感が予知夢として現れたか。さすがだな』
目の前の闇の巨人は、感嘆したかのように、話す。
「お前か、お前がやったんだな!」
「落ち着けザージス!」
ザージスが怒りをあらわにして、闇の巨人に殴りかかるが、巨人は、簡単にさけ、そしてかるく、吹き飛ばした。
「ぐおっ」
闇の巨人は、それでようやく、二人のウルトラマンの存在に気づいた様子で、そちらを見やり、つぶやいた。
『…邪魔だな』
そして、闇の巨人は二人に向かって手をかざす。その瞬間、ザージスたちの足元から、闇の鎖が生え、そのまま、腕と足に巻き付き、ザージスたちは動けなくなってしまった。
「ぐっ、くそっ、うごけねぇ、凍らせても燃やしても意味がねぇ!」
「くそっ」
鎖で悪戦苦闘している二人をあざ笑いつつつ、アーザへと向き合う。
そして大げさに手をあおり
『さぁ、殺しあおうじゃないか?”私”』
「っ!」
その言葉で、両者ともに臨戦状態へ
(時間がない、…気にしている場合ではない!)
ひとときの沈黙から、
誰かの息をのむ音で、
「デェア!!!!!」
アーザが駆け出し、拳を振りかぶるが、闇の巨人は難なく、受け止められる。
『その程度か?笑わせる?』
そして、そのまま投げ飛ばされた。
「ぐぁ!?…ぐ、お前は、誰だ!どうして俺の姿をしている!?」
アーザのその問に、黒いアーザは笑う。
『はは、”おまえは誰だ?”私は君だよ。ウルトラマンアーザ。』
「なにを?!」
『私は君であり、君は私でもある。ということだよ。なぁ?もう一人の私?』
そういいながら、ゆっくりとアーザの方へ近づく、
『アーザダーク、とでも言っておこうか?さぁ、戦おうじゃないか。』
闇の巨人…アーザダークは、そういった。
「っ、違う、お前は俺じゃない!!!!」
アーザも負けじと叫ぶ、
ただ、こいつからは、先ほどの似たいの怪獣と感じた気配と同じ気配がする。
対峙するほど感じる、違和感
「お前は”誰”なんだ?!」
『そんな細かいことを、気にしてどうする?ただ私たちは戦うまで、どちらかが死ぬまで最後まで。』
アーザダークが、一瞬のうちにアーザに近づき、攻撃をする、アーザは、それを寸のところで受け流す。
アーザが攻撃するアーザダークが、受け流す、
お互い互角であった、アーザダークは、アーザの戦い方、癖を知っている、まったく同じだった。
「っ、はぁ、はぁ、」
ほぼ互角であるであるにかかわらず、状況は不利だった。
「っ、くっそ、」
「ぐっ」
ザージスとインフェルは、鎖をちぎろうと、踏ん張り続けていた。
「っ!!!!」
アーザは構える。そして、光が集まる。
アーザダークも構える、そして、闇が集まる。
「っ!!!アーザストリームシュート!」
『アーザダークストリームシュート』
白い光線と黒い光線がぶつかり、そして爆ぜた。
可も不可もなく、ともに互角であった。
「はぁ、はぁ、ぐっ」
アーザは、片膝をついた。
『やっぱり互角か。さすがは、もう一人の私だな?』
「っ!」
アーザダークのその言葉に、アーザはにらみつける。
アーザの胸にあるカラータイマーはすでに赤く点滅していた。
「もう一人の私?!ふざけんじゃないわよ!!!!彼とあんたなわけないでしょーーが!!!!」
一つの叫び声が上がった。
その声の方へ眼を向ける。それは、屋上にいた、六花だった。
『何?』
「りつ姉!!!無茶だ!!!刺激すんじゃねぇ!!!!」
その姿にザージスが焦る。
「無茶って何よ!まだ私はぴんぴんよ!」
「そこか?!?!」
そんなやりとりをするが、
アーザダークは、まるで嫌悪したような声で、
『…どいつもこいつも、…目障りだな。』
一足早くアーザが気付いて、叫ぶ。
「…!!!、六花ちゃん!!!はやく、逃げて!!!!!!」
「え、私の名前……え?」
アーザダークは力をためている。
その矛先を、ザージスも気づく。
「逃げろ!!!!りつ姉!!!!やめろぉ!!!!」
ザージスの叫びに気付き、その矛先が自分だと気づく。
「だめ間に合わない・・!!!」
と、とっさに、頭をかばう。
数秒、
何の衝撃も痛みも襲ってこないことに彼女は気付く、
「ぐっ…ぐあぁああっ!!!」
そこには、彼女を守るように向き合い、攻撃を一斉に背中で受けていた。
「アーザ…!!!!お前・・!!!」
『…守るか、さすがは、星の守り人ってところか…興覚めだ。』
その様子をみたアーザダークは、あきれたかのように、ため息をつく。
『次はいい殺し合いをしよう。』
そういって手を動かたその瞬間、後ろにゲートのような闇の渦があらわれ、背中を向けてそこに歩き出す。
「!!!おい!!!待て!!!!くそ!!!!!」
ザージスが追いかけようとするが、その姿は消えて、立ち去って行った。
「アーザさん!!!!」
「…。…」
アーザは、庇って大ダメージを受け、そして、崩れ落ちながら光となってその場から消えていった。
「…!彼を探さないと…!!!」
六花は、急いで、屋上から立ち去り、
ザージスたちも戸惑いながらも飛び去っていった―――…。