初の小説投稿でしたが、如何でしたでしょうか?
最後となりますが、よろしくお願いいたします。
<銀雪編>
12/24 クリスマス·イブ
数日前、俺は覚悟を決めた。“杏子に自分の想いを伝えることを”。
例え駄目だったって良い、この気持ちを伝える事自体が大切だと思っている。ずっと言わない方が後で後悔すると思っている。
俺は杏子が好きだ。初めは突然現れていきなり妹にした時は驚いたが、魔女退治、御飯、生活を共に過ごしていると、兄妹の枠を超えてしまいそうな位に好きになっていた。
俺は早速実行に移した。告白をする為の準備を。
告白する場所は何と“列車の中”だ。この見滝原市にも鉄道は走っている。そして、クリスマス·イブの夜だけに走る列車「聖夜号」が俺の狙いだ。
聖夜号は、蒸気機関車に引かれた5両の客車で構成される臨時特別列車である。座席は全席指定席、前述の通り、5両しか無い上、クリスマス·イブにしか走らない為、乗車券の争奪戦が毎年激化している。
なので俺は、乗車券の発売初日の3時頃から列に並んだ。最初は俺だけだったが、他の人達も次々集まり、夕方の発売同時と共に窓口へ突撃した。そして一番乗りで窓口へたどり着き、二人分の乗車券の獲得に成功した。
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クリスマス·イブ当日17:00
俺は杏子に「少し出掛けてくる」と言って家を出た。その時リビングのテーブルに手紙を置いておいた。とても手渡しで渡せる勇気が無かったからだ。
聖夜号の見滝原駅発車は20:00丁度、それまで俺は駅の改札口の前でずっと待つことにした。
彼女への想いを伝える気持ちを整理しながら……
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<杏子編>
14:00
杏子「今日はクリスマス·イブだな~、ケーキ、チキン、ローストビーフ……ああ考えただけで腹が空くぜ」
クリスマスにちなむ食べ物を妄想しながらあたしは寛いでいた。きっと今日は美味しい料理が沢山食べられるだろうと思っていた。
そう言えば兄貴に“今日は予定があるのか?”と聞かれたが、他の魔法少女との予定も無いので、あたしは今日暇な身だ。
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17:00
銀雪「少し出掛けてくる」
兄貴の口から衝撃の言葉が出たのはこの時だった。
あたしはそれを聞いてがっかりした。兄貴には誰かとクリスマスを過ごす用事があるんだと思ったのだ。
兄貴が出掛けてから、
杏子「あたしは…1人ぼっち……」
そのままあたしは自分の部屋の布団で眠ってしまった。最悪の気分になり、何もすることが無いからだ。
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19:50
杏子「んん…水……」
目が覚めたあたしは喉が渇いたので、リビングへ下りた。
杏子「水…水……ん?」
リビングに入ったあたしは1枚の紙を見つけた。
杏子「これは……手紙?」
気になるあたしは中を開けてみる。
「来(きた)る聖夜の夜19:50、見滝原駅で貴方を待ちます。」
杏子「………。まさか、兄貴…あたしを……」
そこでようやくあたしは勘違いに気が付いた。
そう、兄貴は初めからあたしとクリスマスを過ごそうとしていたのだ。それをあたしは………
杏子「まだ…間に合うかな……?」
手紙を持ったまま、あたしは見滝原駅へ走った。
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<銀雪編>
19:50
時計を見ながら俺の心は曇り始める。ホームからアナウンスも聞こえ始めた。
アナウンス「間も無く、2番線に、特別列車“聖夜号”が到着します。危険ですので、黄色の点字ブロックの内側までお下がり下さい。」
列車の入線する音も聞こえる。だけど杏子は来ない。
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19:59
アナウンス「間も無く、2番線から、特別列車“聖夜号”が発車します。ドアが閉まります。ご注意下さい。」
そして、20:00、列車は行ってしまった………。
銀雪「………。はぁ……。」
ここまで待っても杏子は来ない……。
俺は遂に諦めた。
銀雪「直接手紙を渡せていれば………。」
そんな事を後悔しながら俺はその場を去った。しばらく1人でいたかったので、家にも帰らない。
駅を出た俺はそのまま、人混みの中へと消えた。
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<杏子編>
20:03
杏子「……っ!…っ!兄貴…何処だ?」
見滝原駅に着いたあたしは兄貴を探し始める。だが人混みが激しく、兄貴も全く見つからない。
杏子「兄貴……何処なんだよぉ………」
あたしは今にも泣きそうになっていた。目には涙も浮かんでいた。
それでもあたしは探し続ける。兄貴を見つけたい。
駅を出たあたしは闇雲に探す訳でもない。1つ手掛かりになる方法を思い付いたのだ。
杏子「確か兄貴の魔力は他の奴とは異なっていた……。なら…その魔力を感じ取れば……!」
あたしは魔力を探す。少しの反応も見逃さない。
杏子「頼む…もうこれしか方法は……っ!」
見つけた…この反応は間違いない。
見失う前にあたしは追いかける。
杏子「兄貴…待っててくれ………」
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<銀雪編>
気が付けば、大通りに出ていた。
辺りを見回せばカップル達がイチャイチャしている。
銀雪「俺は…結局一人か………」
ポスッ
銀雪「いて!……何だ?」
後ろを振り返る。
孤独感に浸っていた俺の頭に雪玉をぶつけたのは、杏子だった………。
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<全体編>
銀雪「……杏子」
杏子「……兄貴」
銀雪·杏子「すまなかった!(ごめん!)」
銀雪·杏子「え?」
2人ともきょとんとしてしまった。
銀雪·杏子「………。」
そしてお互いに黙り込んだ。どっちが先に話すのか分からないからだ。
やがて、杏子から口を開いた。
杏子「あの…これ……」
そう言って杏子が出したのはあの手紙だ。
杏子「あんたの気持ち……無駄にしちまった……」
銀雪「………。」
銀雪は黙り込んだ。
銀雪「……いや、俺が根性無しだったからお前にちゃんと言えなかったんだ……」
銀雪はそう言うと、息を吸って覚悟を決めた。
銀雪「杏子、お前に言いたい事がある」
杏子「…ああ」
銀雪「俺は…お前が好きだ。きっとこの気持ちは届かないだろうけど、俺は杏子、お前が好きだ。」
杏子は少しの間黙り込み、やがて口を開く。
杏子「……すまない兄貴、あんたの気持ちには答えられない……。あんたを好きになると、何だか怖い気がするんだ……。」
銀雪「………。」
杏子「だけど……、兄貴がそう思っていてくれて、あたしは嬉しかったよ。自分勝手な事だけど、あたしは、あんたを兄貴にして本当に良かったと思ってる……」
銀雪「……俺も、お前を妹にする事が出来て良かったと思ってる。この気持ちが届かなくても、俺達は兄妹なんだから」
杏子「兄貴……答える事は出来ないが、これだけは言わせてくれ。……あたしも好きだ…」
銀雪「杏子……」
杏子「……銀雪」
そして、雪の降る街の中、二人はお互いに抱き締め合った。
杏子「兄貴…あんたにはいつか、良い奴が出来るよ……」
銀雪「そうだと良いな……」
例え気持ちが届かなくとも、2人は通じ合う。
そう、2人は兄妹だから………
-最終話- 兄と妹
魔法少年と魔法少女 -完-
短いながらもここまでのお付き合い、ありがとうございました。
さて、前話でも申し上げました通り、お知らせします。
今回で幕を閉じる-魔法少年と魔法少女-ですが………
………続編の-魔法少年と魔法少女-“第2章”を同じくハーメルンで製作します!!
続編、こんな無茶苦茶な小説ですが、もしよろしければ、楽しんでお待ちください。よろしくお願いいたします。
それでは改めまして、ここまでありがとうございました!!