すみません………。
<銀雪編>
-翌日 1月20日(月) 6:30-
銀雪「うーん……」
目が覚めた俺は布団の上で体を伸ばす。
銀雪「……朝か」
まだだるい体を無理矢理起こしてリビングへと降りる。
今日は学校だ。日曜日が終わってからの1週間の始まりが絶望的に感じるのは皆も思う事だろう。
銀雪「……?(クンクン)」
リビングへ降りる途中、何か良い香りがしていた。それはリビングからだ。
マミ「おはよう、銀雪さん♪」
その香りの正体は直ぐに分かった。テーブルにはトーストやサラダ、目玉焼き等、シンプルでありながらとても美味しそうな朝御飯が既に準備されていたのだ。
銀雪「お、おはようございます……///」
俺は思わず顔を赤らめて返事した。昨日の事を反射的に思い出したからだ。なのにマミさんの余裕そうな表情、どうしてなのだろうか?
2人ともテーブルの椅子に座り、
銀雪·マミ「いただきます」
マミさんの作った朝御飯を食べる。味は最早言うまでもなかった。見た目で分かっていたからだ。
銀雪「マミさんも中学生ですから、今日から2人とも学校ですね。」
マミ「ええ、そうね」
銀雪「多分、私の方が遅くなるとおもうので、家の鍵はマミさんが持ってて下さい。」
そう言うと俺はマミさんに鍵を手渡す。
俺は高校生なので、中学校と比べると高校は授業が終わる時間も遅くなる為だ。
マミ「分かったわ♪」
マミさんはそれを受け取り、鞄の中に大切にしまう。
ご飯を食べ終え、締めに朝からマミさんの紅茶を飲んでいるが、やはり最高の味がする。クセになりそうだ。いや、もうなっていると言った方が良いかもしれない。
学校に行く準備は前夜の内に済ませておいたので、朝はバタバタせずに用意が出来る。準備が終わっても時計はまだ7:10を指していた。
マミさんは市立見滝原中学校に通っている。実は俺も同じ学校を卒業して、市立見滝原高校に進学した。これは俺が卒業した後の話だが、マミさんが中学二年、俺が高校一年の頃、大規模な改修工事がされ、校舎が綺麗になったそうだ。その姿は市立とは思えない程らしい。
ちなみに高校と中学校はそれ程距離も離れていない。この家からだと、高校の方が若干近く歩いて30分程度、その先にある中学校も大差無い。そして始業時刻はどちらも8:30である。俺はいつも7:30に出て、8:00に着くようにしている。これはいつどんな緊急事態が起きても対応する為の余裕だ。
-7:25-
そろそろ出る時間が近付いてきた。マミさんも同じだ。理由は単純で、高校までは一緒に行ける為であり、マミさんがせっかくと言う事なので一緒に行く事になった。
家を出る前に、マミさんが、
マミ「銀雪さん、これを」
銀雪「……これは?」
渡されたのは布に包まれた箱だった。
マミ「お弁当よ♪」
そう言うとマミさんは自分の弁当箱を見せる。
銀雪「もしかして、作ってくれたのですか!?」
マミ「ええ♪銀雪さん、あまり料理が出来ないって昨日聞いたから、学校のお昼御飯もお店で買うのが多いかなって。………余計なお世話だったかしら?」
最後の方だけ少し不安そうな表情をするマミさんだが、マミさんの言う事は図星だった。
銀雪「そんな、嬉しいです!ありがとうございます。」
俺は弁当箱を受け取る。
銀雪「(……弁当なんて何時ぶりだろうか?)」
そう思いながら俺は、胸が温かい気持ちでいっぱいだった。
-7:30-
家を出る時間だ。2人で家を出る。
しかし外に出て歩き始めてから、あまり会話をしなくなった。
銀雪「(………気まずい)」
2人の距離は何と無く短く感じた。
そこで俺は、横目でマミさんの表情を見てみる。
マミ「………。」
………少し暗そうな表情だった。
銀雪「(きっと…俺が何も話しかけないから寂しいのだろうか?)」
そう申し訳ない気持ちのまま、2人は高校の前へ辿り着く。
ここでマミさんとは一時のお別れだ。
-見滝原高校前-
銀雪「それじゃ…また夕方で」
マミ「ええ…」
去っていくマミさんの後ろ姿を俺は見ていた。
その背中は寂しさを物語っているのは明らかだった。
銀雪「(……マミさん)」
そして俺は暗い気持ちのまま、学校の中へと入って行った………。
-第5話- 少年少年の通学