魔女兵器 Another Story(書き直し中) 作:にえちゃん
その結果講義に遅刻することが確定に
それは幸運だったのか不幸だったのか……
機械音声
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ユーザーID:――――――
名前 :――――
年齢 :15歳
性別 :男性
ようこそ――、第五学園都市スティールマウント研究センターへ、
こちらは『異質物』の収容、研究を目的とした施設です。
新豊洲境界内では最大規模の施設です。
『異質物』は別称『聖痕』とも呼ばれていて、特定の状況下において一般常識、現代科学を超えた超常現象を引き起こす道具などの総称です。
本日は研究センター内での『学園解放日』となっております。
場所は二階、東にある第四講義室です。
研究センターは市民の皆様と他の学園都市の視察団に対して開放されております。
公共教育における重要な役割の一環として、本日講義が行われており――
「はぁ……はぁ……なんとか閉館前に、間に合った、みたいだ……」
「誰かさんがゲームのし過ぎで寝坊しなきゃな」
「まだ言ってるのかよ……」
――の寝坊のせいで遅刻したもののなんとか閉館前は間に合ったみたいで思わずホッと胸をなで下ろした
――は走り疲れた、というより食べながら走ったせいで酸欠なのだろう、近くの壁にもたれかかって必死に呼吸をしている
――が息切れしていて俺がしてない理由?
それは――はサンドイッチを食いながら走ってるせいで何度か喉に詰まらせそうになってたから――がギリギリ何とか走りながら食べられる速度で走ってたからだろうな
「とりあえず出席の捺印押してもらう為にさっさと指定された講義室に行くぞ」
「はぁ…ふぅ…でもエレベーター止まってるみたいだぞ?」
「うげっ、マジか…二階だから走れば間に合うかもしれないけど走ってきたから流石に厳しいか」
エレベーターはどれも動いていないのかボタンを押しても反応がない
走って行こうにも二階と言えど階段は今いるロビーから遠く、更に指定されている講義室も階段から遠い
流石にスタミナが持ちそうにないし――はまだ息が切れてるし、どうするべきか…
そう俺が悩んでいると――が何かを見つけたようで手招きしてくるので――に近寄ると――がもたれかかっていた壁に付いている小さな扉を指さしてきた
「どうしたんだ?」
「見てみろよ、この貨物エレベーター動いてるぞ」
扉を開けてみるとそこには確かに動いている貨物用エレベーターがあった
予備なのか小さいが2人ぐらいならギリギリ乗れそうだ……
「これに乗って行こうぜ」
「いや、いくらなんでもコレは不味いだろ、それに小さい」
「んなもん単位を取れないよりかはマシだろ、さぁ行くぞ」
「おい、ちょっと…」
ただでさえ遅れそうってか遅れてるのにこんな事してみろ、バレたらどうなることか……そう――に文句を言おうとする前にエレベーターに押し込まれる。俺を押し込むと――もエレベーターに入ってくる
やはり小型の貨物用エレベーターに二人も乗るのは無理があり、身動き一つ取れない
無理な体勢のせいで身体の節々が痛み思わず顔をしかめる
――はエレベーターに入れた事を確認すると外側にある昇降ボタンを押した
「おい――、もう少し詰めろ」
「こんな狭いのに身動きとれるかよ」
「なんで男と2人密室にいないといけないんだ……」
「まあまあ、動いていた予備の貨物用エレベーターを見つけられたんだから文句言うなよ。さっさと講義聞いて、捺印貰って、サクッと単位を貰っちゃおうぜ」
そんなことを言っているとどうやら目的の二階に着いたらしくエレベーターのドアが開いた
やっとこのクソ狭い空間から出られる……
「さっさとどけっ」
「ぐえっ」
ゆっくりとエレベーターから出ようとしている――を蹴飛ばし外に出る
カエルが潰れたような声を出しているが多分大丈夫だろう
少ししかエレベーターに乗ってなかったが腰が痛い
帰ったら湿布でも貼るか
「ったく、で?講義室は東の第四だったな」
「いてて…そうだけどよぉ、なんで蹴られなくちゃいけないんだ?」
「お前が男なのが悪い、美少女になって出直せ」
「理不尽だ……」
にしても人通りが全くないな……
今、2階の渡り廊下を歩いているのだがコレはおかしい
普段も人通りは少ないが全く人がいないという事は1度もなかった
廊下には消毒液のような匂いがしていて、まるで閉館後、または開館前なのではないかと思えてくる。
――も不思議に思っているのかしきりに辺りをキョロキョロしている
「これって閉館前には間に合ったけど、講義には間に合っていない感じか?」
「いや、予定ではまだやっているはずなんだが……」
「やっぱりあのゲームはあの時やるべきじゃなかったんだ……」
「はいはい…もう何回目だ、その話。とりあえず講義室に向かうぞ」
この世の終わりかのような顔をした――を適当に流しつつ進んでいると
突然首を誰かに捕まれ、素早く廊下の隅に引っ張られていく
急なことに驚いたのとかなり強い力で引っ張られバランスを崩して後ろに倒れると後頭部に何か柔らかいモノが当たったのを感じた
その感触を気にしつつ辺りを見回すと、ここは狭く周囲が薄暗い通路だと言うのがわかった
まだ日は出ているが研究センターの窓は少なく何故か最低限の非常灯しか点いていない為、かなり見通しが悪い
――がどうなっているのか確認する為に声を出そうとしたが、素早く手で口を押さえ付けられ、思うように声が出せない
ってか片手だけなのになんて力だっ
いや、俺が非力なだけか……――でもサンドバッグにして鍛えた方がよかったな……
アホな事を考えていると隣からくぐもった声が聞こえてきたので様子を見ようと全力で顔を横に向けると――がジタバタと抵抗していて、それを赤髪で白衣をきた女性が片手で押さえ込んでいるのが確認できた
白衣の女性は背を壁に預け、俺達の口を押さえ続ける
女性が腕に力を込めると後頭部の感触が主張を増し、香水の甘い香りが鼻を、いや、俺の理性を揺さぶる
美人、美人だぁぁぁぁぁ!!!胸やわらけぇぇぇぇぇ!!!めっちゃいい匂いがするぅぅぅぅぅ!!!もう死んでもいいや(遠い目)
隣を見ると――はこの状況に混乱しているのか頬を赤く染めて必死に拘束から逃れようとしている
そういや――は女性に対する免疫無かったな
俺?暴れるのをやめて色々楽しんでるよ
「しー、声を出すな……」
白衣の女性は声を抑えながら話す
その雰囲気からはとてつもない威圧を感じた
とりあえず頷くと、それにつられてかアイツも小刻みに頷いた
未だに状況が理解出来ないがこの女性は悪い人ではなさそうだ、多分
俺達(主に――)が暴れないのがわかったのか、女性の腕の力が少しだけ弱くなった
若干痛かったが胸に頭を押し付ける口実が無くなってしまったのが痛い
多少頭を動かしても大丈夫そうなので俺達を拘束している女性を見てみると女性の胸元にネームプレートがあり、そこには小さな文字で『首席科学者』と書かれていた
正直科学者と言えば非力なイメージだが偶にめちゃくちゃ鍛えている人もいるから多分この人もそんな部類なのかただの変人なのか
……若干拘束が強くなった気がするが気のせいだろう
そもそも白衣の女性は俺達を見ておらず、俺達が歩いていた廊下の方を見ている
位置的に何を見ているのかは分からないが少しの間、感触とかを楽しんでおこう
――しばらくすると白衣の女性が見ている廊下の奥、俺達が来た方向から1人分の足音が聞こえてきた
どうやら男性のようで何か話しているようだ
「報告だ、そちらの言うとおり予備の貨物用のエレベーターが動いていたから停止させておいた。特に誰か居た様子もない。」
男性以外の声はしない。研究センターの警備員なのだろうか
確認しようにもこちらからは男性のいる廊下が見えないが、どうやら――からは少し見えているようで、そちらをじっと見つめている
「この研究センターはテロリストによって占拠された、死にたくなければ黙ってここでじっとしていろ」
そう言うと白衣の女性は俺達を解放すると、廊下へと飛び出して行った
占拠…つまりさっきの人はテロリストということか
それも六大都市の首都の研究センターに潜入し、武器まで持ち込める奴らか……恐らくかなり大きな組織なんだろう
ここから無事に脱出するにはどうすれば……
そんなことを考えていたら何かがグシャッとひしゃげたような音が聞こえてきた
恐る恐る廊下を覗いてみると、覆面姿をした男、恐らくコイツがテロリストなんだろう、が白衣の女性に引きずられていた
白衣の女性はこちらに気絶しているテロリストを引きずってくると、慣れた手つきでテロリストから拳銃と弾倉を奪った
「この人は……?」
――は未だに状況が理解出来ていないのか不思議そうに首を傾げている
正直俺も首を傾げたい状況だが、テロならそんな事は言ってられない
本当にテロだとしたら、爆弾が至る所に設置されているか、もしくは……
いや、ありえないだろう
テロリストが『異質物』を持っているだなんて
ガタン、という音が聞こえ、そちらに視線を移すと
白衣の女性が覆面男を配電盤の中に蹴り入れていた
配電盤に人が入れるスペースなんかあったか?いや、見たことないけど
にしても、白いシャツにスカート姿なのによくあんな大胆な動きができるな……そして見えなかった、畜生!
「ふう……まあしばらくは誰も来ないだろう」
白衣の女性は汚いモノでも触ったかのように両手をはたくとこちらへと振り返り俺達を見る
鋭い視線に思わず背筋を伸ばしてしまったが、隣でポカンとバカみたいな顔をしている奴よりかはマシだろう
というか、コイツは何を考えているのだろう
さっきから表情がコロコロ変わっているが……
にしてもこんな美人な女性この研究センターに居たか?
何度か足を運んでいるが見たことがないぞ、まあ最近来た人なのかもしれないが……
白衣の女性は俺達の視線に気が付いたのか拳銃の弾倉を抜き、弾数を確認しながら話しかけてきた
「おい小僧、どこを見ている?」
怪しんでるのがバレた?いや、俺じゃなく――のようだ
まあアイツは割と純情だからなぁ
綺麗なお姉さんがいたらそりゃあ気になるよな
「こ、ここここんにちは、あ、あなたの名前は?」
「……マリルだ。今日はクs、めんどうな教鞭を持たされた挙句、クソどうでもいい講義をする予定だったんだが……」
マリル、そう名乗った女性は弾倉を拳銃に装填し、白衣のポケットにしまった
さっきのクソ発言は聞かなかったことにしておこう、指摘でもしたら理不尽な目に合いそうだ
「さっきの覆面姿のテロリスト達が講義室を占拠した。有難いことにめんどうな講義はキャンセル……」
「マ…ママ…マリル・フォン・ブラウン!?」
――がマリルと名乗る女性のフルネームを聞いて変な声をあげる
そんなに有名な人なのか?――と違って俺は全然ニュースとか見ないから全く分からない
「知ってるのか?」
「知ってるも何も、俺達の受ける予定だった講義の講師だぞ!しかも元老院が認定した数少ないSS級科学者だぞ!」
うーん、そうだったっけ?
まあとりあえず目的の人は見つけた、捺印を押してもらって帰ろう(現実逃避)
「ふん、SS級か……あの老害共は騙しやすいからな。その様子を見るからにお前たち、適当に講義を受けて単位だけ取りに来た口だな?」
「だってよ――」
「いや、お前もだろ!」
「幸運か不運かこんな封鎖状態の中、動いている貨物用エレベーターを見つけるとは……。そんなお前たちを放っておいたらテロリストに占拠された講義室に入っていただろうな」
封鎖状態だって?
携帯を確認してみると確かに電波が届いていないし、テロリストと講師しか見ていない
ん?なんでマリルと名乗る講師はここにいるんだ?
実は特殊部隊の隊員とかなのか?
「お前たちが乗ってきた貨物用エレベーターも封鎖されてしまった。大人しくここで防衛庁の救助隊を待っていろ。講義室の様子を見てくる、もし誰かが来ても黙って隠れていろ」
マリルがそう言って講義室に向かおうとすると――がマリルのことを心配したのか
「マ、マリルさん一人で、ですか……?」
「ああ、分かったら隠れていろ」
「…はい!」
おー、あの――が女性の心配してるよ
いつもなら恥ずかしがってモジモジしてるのに、珍しいこともあるもんだな
さて、マリルとからいう人は講義室に行ったし、出口でも探そうか
隠れているだけじゃいつかは見つかるだろうからな……