魔女兵器 Another Story(書き直し中) 作:にえちゃん
7月22日22時誤字修正
PART.1 包囲
とある暗号化された通信チャンネル
そこでは2人の男性が言い争いをしていた
1人は防衛庁長官、もう1人は軍部長官である
防衛庁長官は怒り心頭のようで声を荒げている
「どういうことだっ!『イージス』の防御範囲圏内は今まで我々
「防衛庁長官、これは機密事項であるため貴方に説明することができません!それに本件は上からの指示で既に軍の管轄下となっていますので迅速に、ご協力を願いします!」
防衛庁長官は説明を求めるが機密事項、それも上からの指示であるために説明を拒否される
上からの指示は絶対ではあるが、防衛庁長官は自身の仕事を盗られるのをよしとはしなかった
認めてしまえば自分は無能だと主張するようなものだと考えたのだろう
「認めん……認めるものか!この件は軍ではなく、我々防衛庁が指揮をとるのだっ!元老院の行政命令でもない限りは……っ!」
防衛庁長官の我儘に軍部長官が頭を抱えていると暗号化された、それも2人しかいないはずのチャンネルから突然女性の声が聞こえてきた
「――――んんっ、話の途中に失礼するが……お前たちはいつまでそんなどうでもいい事に貴重な時間を無駄にするんだ?」
「こ、この声はまさか……」
「マリル長官殿!?お、お疲れ様です!」
「
突然暗号化されたチャンネルに割って現れたマリルに驚いた軍部長官が挨拶しているのを聞いて防衛庁長官は不快に感じた、またお前か、と
「マリル、貴様……この通信はレベル4暗号化通信だぞっ!いったいどんな手を使って……」
「そんな事はどうだっていいだろう?些細な事だ。それよりも今現在起こっている問題をどうやって処理するか考えていこうじゃないか。レベル4暗号化通信なら盗聴の恐れもないだろう。早急に持ち得る全ての情報を開示願おうか……今すぐにっ!」
「は、はい!かしこまりました、長官!」
マリルが情報の開示を求めると軍部長官は次々に情報を読み上げていく
防衛庁長官は不快そうにしながらも大人しく話を聞いている
「現在確認できる限りでは研究センターの監視システムが全て動作不良…画面が映らない、操作ができないなどの状況に陥っています。また、当該区域からは大規模な時空波動を観測しています」
「時空波動?なんだねそれは?」
「『都市災害対策法』に明記されているが……防衛庁は世間に公表されてないとは言え、機密条例を読んでいないのか?」
マリルの呆れた声に防衛庁長官は墓穴を掘ったことに気が付いたが何とか思い出して答える
「まさか、『異質物』の収容失効についての欄か……?」
「昨夜、『ロス・ゴールド』が何の前触れもなく消失したことは知っているだろう?こういった事態がこの新豊洲で発生するのはおおよそ6年ぶりぐらいだろう。現在我々が論議するのは権限の是非よりも『異質物』または時空波動による最悪の可能性の対象、回避方法を考えるべきだと私は思うのだが?」
「……仕方あるまい。我々防衛庁は速やかに封鎖を解除しよう。民間人の避難は急ではあるが演習ということで避難を促そう」
防衛庁長官は少し悩んだが、今回の件はマリルに従った方がいいと考え部下に指示を出していく
それを確認したマリルは軍部長官に軍の状況報告をさせていく
「軍部長、軍での作戦はどうなっている?」
「既に異変区域の周囲2㎞圏内に特殊作戦部隊を各所に待機させてあります。しかし現在の段階では脅威は確認できていません」
「報道管制はどうなっている?」
「事前の協議によりC‐13シナリオを実行中です。」
「わかった。これより本件は我々『秘密情報局』が引き受ける。わかったら迅速に行動を開始せよ!」
「了解しました!」
「ふん、精々気を付けてくれたまえ……」
会話が途切れた、その時だった
「マリル長官殿っ!捜査員から報告、D隊が待機している前方の位相波動が減衰中、各ポジションを防衛するため迎撃態勢をとります!」
「了解した、引き続き警戒を」
「更に報告です。D隊の目視区域内に3体の人型ユニットが出現……」
「なに?ミーム検査はどうなっている?」
人型ユニットが出現したという報告にマリルは最悪の事態を考える
1体でも下手をすれば大規模な被害を出す人型ユニット、それが3体もいるのだから
「マリル長官!色別反応出ました……3体ともグリーン、全員が少女のようです!」
「わかった、少女たちの保護を優先とし警戒を続けろ。『秘密情報局』から交渉が得意な捜査員を1人迎えに行かせ、本部に連れていくことにする。もしもターゲットが怪しい動きをしたら即射殺するんだ」
「了解!」
――――――――――
戦闘が終わった後、俺達は裏口などを使って元居た研究センターまで戻ることができた
が、そこには軍人達がバリケードを設置してそれを遮蔽物にして銃器を構えていた
さっきのやばそうな奴らは実はテロリストだったとかか?だけど軍人達の銃口は俺達に向いている……
これはさっきよりもやばそうだな……
「おい――、なんでこんなにも大勢の人がいるんだよ!?」
「多分さっきの戦闘に関係する、とは思うが……それよりも――、服そのままでいいのか?凄く見られているけど」
そう言うと――は今の服装を思い出したようで両手でスカートを抑えたりしながらアニーに服の返還を求めた
なんか――を見ていると意地悪したくなるな
「アニー!早く、早く俺の服を返してくれっ!これ以上恥ずかしい格好を沢山の人に見られたくない……」
「え?そこ?大丈夫、心配しないで。あなたの服はちゃんと預かっているからね。まあ、どうしても元のぶかぶかな服がいいって言うなら返してあげてもいいけど……今ここで『戦闘服』を脱いで着替えるの?目の前には大勢の人がいるよね~あなた本当は痴女だったとかなのかな~?」
「ち、痴女じゃない!」
なんかアニーが――を虐めているように見えるがまともな意見だ。俺達は今女の子だし、そもそも男でも公衆の面前で着替えるなんて警察モノだ
――の説得?を軽くあしらっていたアニーは何か引っかかったようで真剣な表情になる
「そう言えばさっきあなたたちに男の子みたいな話し方だって言ったけど……あなたが着ていた服って男性用だったわね!そっちも男性用の服っぽいし、もしかして……」
「やっと俺達の状況を理解してくれたかアニー。そうなんだ、これには実は深いわけがあってだな」
「なるほどなるほど……その気持ちよく分かるよ」
「分かってくれるのか!?」
――はアニーが分かってくれたと思っているのか期待している表情をしているがなんだか嫌な予感がするぞ……
――が期待しているのを感じたのかはたまた自分の推理に自身があるのかは分からないがアニーは自信満々と言った表情をしている
「あなたたちって好きな男の子の着ていた服を盗んでこっそり着たりしているのね!」
「違う、そうじゃない!!」
「大丈夫大丈夫、あなたたちは他人の匂いを嗅ぐのが好きな変態……趣味な人なんだよね?私は世の中にはそう言う人がいるって知ってるから……」
「だから違うって!あと変態って言ったよな!?いったいどうしてこうなったんだ……」
「あ、俺は匂いとかどうでもいいが、――はよく嗅いでいるぞ」
「噓をつくなっ!」
「やっぱり~?」
「……………」
アニーが間違った解釈をして――が必死に誤解を解こうとしているが無理そうなので――を生け贄に捧げて俺は関係ないと主張する
――は諦めたのか光のない瞳で空を見つめている
しばらくするとバリケードの向こうから軍人達の合間を縫ってサングラスをかけた黒いスーツ姿の女性がこちらへと向かってきた
女性の胸には丸にリングのような盾、そしてそこには「SID」と書かれているバッジが付けられている
「そこにいる3人、その場で止まって手を挙げなさい!手に持っているバットは地面に置いた後、こちら側に蹴って下さい」
黒いスーツ姿の女性は俺達、主に――とアニーが持っているバットを警戒しているのだろう
俺の本?言い忘れていたが戦闘が終わったらなくなっていたんだよな
アニーが器用にバットを相手側まで足で転がしているが――が変な所にバットを蹴ってしまったせいか黒いスーツ姿の女性は警戒を強めてしまったようだ
「なあ――、アニー」
「なんだ」
「どうかしたの?」
「あの人の胸に付いているバッジって………」
「3人とも、私はSID、秘密情報局の捜査員です。あなたたちがこちらに危害を加えようとしない限りは攻撃しないのでそのままの姿勢で動かないように」
SID、その単語を聞いた――の顔色が青くなっていく。それもそうだろう、SIDはテロリストやスパイなどを相手にする組織でニュースでもよくSIDの捜査員がスパイを逮捕・殲滅したというのが流れてくる。それに加えて「秘密監獄」「洗脳拷問」「暗殺専門部隊」など様々な噂がある組織なのだ
俺達が動かないでいると捜査員の女性は無線でどこか………恐らくはSIDの本部であろう、と連絡を取る
「異変区域よりターゲットについて報告します。ターゲットは3名とも大人しく、攻撃の意思は無いと思われます。暫定脅威レベルをDと判断してもよさそうです。はい、了解しました」
捜査員の女性が報告をしていると何か指示を受けたのか俺達に質問してくる
「少し質問をさせていただきます。あなたたちは何者で、ここで何をしていたの?」
「俺達は学生で……今日は研究センターでの校外学習をしに来たんです」
捜査員の女性は――の答えを聞いて眉をひそめる
それもそうだろう、この研究センターは『ロス・ゴールド』が消失して昨夜から緊急警戒態勢で封鎖されていたのだから
それなのに研究センターに勉強しに来た、なんて言い訳など通じるはずがない
捜査員の女性は指示を受けているようであり、俺達が何かしないかじっと見つめている
「長官から命令がありました。あなたたちにはSIDまでご同行お願いします」
捜査員の女性がそう言うと後ろに控えていたであろう他の捜査員達が俺達を包囲する
元からいた軍人達も俺達を何時でも狙えるように陣形を変えながら銃口を向けてくる
「この状況………かなりヤバいんじゃない?2人とも、隙を見て逃げるわよ……」
「落ち着いて下さい。我々SIDはあなたたちの身の安全を保証いたします。抵抗せずにご協力して頂ければ穏便に解決できるようにしますので。『異質物』の消失は想像もできないような常識外の現象を引き起こす可能性があることをあなたたちは知っているはずです。是非我々にご協力を」
アニーが逃げることを提案してきたが既に遅い、この状況ではSIDの本部について行くしか選択肢はないだろう
それにあの謎の現象もわかるかも知れないし、もしかしたら男に戻れるかもしれない
ここはついて行ってみるか
「分かりました、ついて行きます」
「俺も行きます」
「ちょっと!なんでついて行こうとするの?絶対怪しいよ!」
「まっ、スカートを引っ張るなよアニー!脱げたらどうするんだよ!」
「あなたたちバカなの?こんなにも怪しい奴らなのについて行くだなんて!実は人攫いで売られちゃったらどうするつもりなのよ!」
「その点は大丈夫だアニー。この地区で人身売買なんてしようものならSIDに殲滅されるのがオチだ、勿論SIDを騙ろうともな」
「そうだぞアニー、俺みたいな男を攫うはずがないし、攫うとしてもこんな大人数ではやらないだろ」
「――はともかく――はリバーナ諸島とかのマフィアを見たことがないわね……」
「それにさ、SIDに行けば何かわかるかもしれない。だからここはついて行ってみよう」
「はぁ……分かったわ……あなたたちがそう言うなら私もついて行くわ」
何とかアニーを説得できたのでSIDが用意したと言う車に乗り込もうとすると――が捜査員の女性にコートを1枚貸して貰えるか相談していた
捜査員の女性は本部に申請をしてみるといい、顔を下に向けて小声で話していたが話はすぐに終わったのか顔を上げて申請が却下されたことを――に伝えていた。――は「なんでだよっ!」と涙目で訴えていたが決定は覆らなかったようだ
なんでも長官は「可愛いし似合っているからそのままにしていろ」と言ってたらしい
もしかしたら長官は意外といい人かもしれないな………