魔女兵器 Another Story(書き直し中)   作:にえちゃん

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PART.2 尋問

俺達3人はSIDの捜査員が用意した黒い車の後部座席に乗り込むと運転席と助手席に捜査員が乗り込む。助手席に座ったのはサングラスの女性だ

車の中はアニーのSIDへの警戒心とバックミラーに写る捜査員の警戒の視線のせいか空気が重く感じる

それを不安に思ったのか――は両ひざを抱えている

――の様子を見ていたアニーはどうしてSIDと言う名前に――が怯えるのか気になったのだろう、俺にSIDの事を聞いてきた

 

「――、『秘密情報局(SID)』っていったい何なの?その名前が出てから――が怯えているようにも見えるけど……」

「SIDは元老院っていうお偉いさん直属の情報機関でな、この第五学園都市には防御システム、通称『イージス』があるんだがそのシステムよりも有能なスパイ機関らしい。なんでも『SIDに捕まった人は二度と日の目を見ることがない』って噂があるぐらいだしな。あくまでも噂だけども」

「なるほど~……じゃあその学園都市って何?」

「それもわからないのか……」

 

アニーはあのバットから突然現れた、もしかしたら別世界、平行世界とかから来た可能性もあるのか?

ならSIDや学園都市の事を知らなくても不思議じゃないけど……

アニーの素性について考えても全くわからなかったのでこの事は後回しにするとしよう

俺が黙っている間もアニーはニコニコと笑顔を浮かべている

 

「わからないことがいくつかあるけど、No problem(大丈夫)!だって――がいるんだもの」

 

アニーの言葉に励まされた?のか――が顔を上げる

が、やっぱり不安なようで元の姿勢にもどった

 

そんなことをしていると俺達が乗っている車が都市部にある商業地区の目立たない所にある地下駐車場の自動車用エレベーターに乗り込むと捜査員が何か呟いた

聞き取れなかったが、合言葉のようなものだったのだろう。エレベーターが音を立てながら降下を開始する

それからしばらくの間、長距離の降下と短い横の移動を交互に複数回くり返していく

商業地区の地下が迷路のような空間になっていると知らなかったがSIDの都市伝説に似たようなものがあった

曰く新豊洲の東南郊外には光学迷彩でカモフラージュされた建物があるとか

SID関係の建物はシステム上では「存在しない」のでよくマスメディアが言いたい放題している

俺達がいるこの場所も、もちろん「存在しない」場所だ。ここで消されたりなんかしたら噂の通りに二度と日の目を見ることはできなさそうだ

 

しばらくするとエレベーターが停止し、捜査員に車から降りるように言われる

そこには金属プレートで覆われた近未来チックな廊下が広がっていた

俺達がエレベーターから離れるとエレベーターは自動で閉まり、どこかへ遠ざかって行く音だけが聞こえた

廊下は先ほど言ったように近未来チックであるが特に装飾などがされていないからだろう、雰囲気が重く、抑圧されているように感じる

――の表情が更に沈んでいく

 

捜査員について行くと閉鎖的ではあるが明るい部屋に到着した

映画やドラマで出てくるような尋問室にに見えなくもないが机も椅子もなく、一面の壁がガラス張りになっている

何が出てくるのか警戒していると突然――が誰かに背後から腰の辺りを掴まれて引き寄せられていく

 

「ふむ……この程度の身体能力ではスパイというわけではなさそうだな。もしかしたらスキャンに誤りがあるかもしれんと思って直接確認したが……手触りはなかなかだな」

 

そこにはあの時研究センターで出会ったマリルと名乗った女性がいた

だが何故科学者がここにいるのか、軍服らしき服装をしているがこのマリルもSIDの一員なのだろうか……

 

「マリルさん!?なんで!?」

 

マリルが手を放したのでそちらへと振り返った――が驚愕をあらわにする

――のやつ、顔が赤いが……

 

「ほう、私のことを知っているか……自分の正体を隠す気がないのか?そちらの方が好都合ではあるが。ではこちらの質問に答えてもらおうか。言い訳して誤魔化そうとはするなよ?自慢ではないが私は『拷問』が得意なんでね。そんな可愛らしい顔をしても手加減は一切しないぞ~?おっと、自己紹介がまだだったな、私はマリル・フォン・ブラウン、SIDの主任である」

 

マジか……まさか主任だったとは

俺と同じように驚いていた――の視線が気になったのだろう、マリルが――に声をかけると――は「なんでもありません!すいませんでしたマリル様!」と何故か謝っていた

何かやましいことでも考えていたのだろうか

 

「さっきから黙ってるそこの白髪、この状況でボンヤリと考え事なんていい度胸だな~?捜査員の話によればその青ツインテにSIDの色んな噂を流していたそうじゃないか」

 

マリルのターゲットが急に俺に向く

何が楽しいのかマリルは手に持っている鞭を弄びながら威圧感を放ちつつ悪戯っぽい笑顔をしている

コイツ絶対加虐趣味とかあるだろ

アニーは青ツインテと言われたのがショックだったのか落ち込んでいる

 

「私が怖いなら、まずはお前たちの身分を言え」

 

そう言うとマリルはもう片方の手に持っていたタブレットを操作していく

すると部屋の壁に監視カメラで撮影したのであろう写真と、顔認証システムの分析結果が映し出された

 

『特徴照合結果、該当なし。識別不能』

 

「『イージス』システムは入国した記録がなければ認識することはできない。本来ならばこれだけでも新豊洲に不法に潜入したテロリストとして処分するんだが……お前たちはテロリストというには身体能力があまりにも低い……」

 

身体能力が低いと言われた――は自身のお腹をさすっている

アニーはマリルに恐怖を感じたのか顔を青くしている

すると何を思ったのか――が馬鹿正直に自分のことを話し始めた

 

「俺は――、俺自身も混乱していてどこから話せばいいかわかんないんだけど……事情が複雑で聞いても信じてもらえないかも知れないけど……」

「そんな前置きはどうでもいい、早く話せ」

「……俺は、俺達は夢を見たんだ。単位をもらうために研究センターの講義を受けに行って、閉館前に何とか研究センターに入ったんだ。そこで出会ったマリルさんに研究センターがテロリストに占拠されたって話を聞いて……」

「夢の中で私と?」

「あれは確かにあなただった。あなたは元老院からSS級科学者に認定された……マリル・フォン・ブラウン博士であってるよね?」

「そうだがそのぐらいの情報は公開されている。新豊洲科学院を知っているやつなら大体知っていることだ。……話を続けろ」

「マリルさんは俺達を廊下の陰に隠すとテロリストを1人倒し、そいつから拳銃を奪ってそいつを見つからないように隠すと俺達に大人しく救援を待て、と指示して占拠されている講義室に向かっていきました」

「講義室……?」

「元々その講義室ではマリルさんの講義が開催される予定だったんです」

「……………………………」

 

それを聞いたマリルの表情が険しくなる。恐らくはほんとうに講義する予定があったのだろう

その様子を不審に思ったのか――が「マリルさん?」と声をかける

 

「ん?あぁ……何でもない。話を続けろ」

「しばらく隠れているとテロリストが何人かやってきて、俺達は必死に逃げようとしたんだけど……下の階に落とされて……。ごめんなさい。俺はその辺りで気絶したみたいで……気がついたら周囲が火の海になってたんだ。研究センターの廃墟になっていて、硫黄のような匂いがしていた。周りの人は俺と――以外は石像……いや、塩の像になっていて、あとは何かが空中で光を放っていたんだ。それは何かを呼び掛けているような感じがして、一筋の光が…………

そこで夢から醒めた。」

「本当にただの夢か?《small》まるで『創世記』のソドムとゴモラが滅びる儀式のようだな《/small》」

「もしかしたら本当に夢なのかもしれない。ニュースとかを調べてもそんなニュースはないし、街もいつも通りだったけど夢にしてはリアルだったし、――も同じ夢を見ていたんだ。それに1つだけおかしなことが……」

「なんだそれは?」

「目が覚めたら俺達、身体が女の子になっていたんだ……俺達は元々男なんだよっ!」

 

その発言にマリルとアニーは硬直する

それもそうだろう、どこの誰が朝起きたら女の子になっていたなんて突拍子もない事を信じるだろうか

信じるとしたらTS願望のある人ぐらいだろう

 

「ふ~ん?実は男だと?ということはつまりお前たちは女装趣味がある言うことだな」

「そうじゃなくって!……いや、ある意味あっているのか?」

「ほう……この胸の弾力、なかなかいいな。いったいどんな材料と技術が使われているのやら……」

「そういう事なら私も知りたーい」

 

――が混乱しているうちにマリルとアニーはあちこちをまさぐっていく

――はくすぐったいようで抵抗しようとしているが2人には敵わないようであちこちを触られていく

俺?被害がこっちに来ないように部屋の隅でじっとしてるよ

 

「男にしては骨格が女性のように美しい。やはり素材が気になるな。特に……」

「マリルさんストップ!それ以上揉まないで!」

「そう言えばもう1人男だって奴がいたな……」

「……っ!」

「その胸も触って確認してみないとな~」

「ちょっ、まっ……」

 

 

 

――――――――――

 

「うぅ……」

「……………ひどい目にあった」

「どうやら手術などで性別を偽っているわけではなさそうだな。そもそも現在の技術でここまで完璧に性別を変更するのは不可能だしな。ということでお前たちは元から女性だ」

「だから女じゃないって!目が覚めたらこうなっていたんだよ!」

 

正直ここまで言われたら俺達が元男だと証明するのは難しいだろう

没収された持ち物から元男だと証明できるかもしれないが……

 

「マリルさん、俺達から没収した荷物の中に学生証があったはずなんだが……」

「なるほど?部下に持ってこさせよう」

 

しばらくすると部下らしき人がマリルに俺達の学生証を手渡す

 

「う~ん、似てなくはないが……何とも言えないな。」

「そうですか……」

「いや待てよ。監視システムが記録しているお前たちの動画を調べれば……」

 

何かに気が付いたのかマリルはやや興奮気味にタブレットを操作していく

そして目的のものを見つけたのであろう、マリルはタブレットの画面を凝視している

――は現実逃避しているのかさっきからブツブツと何かを呟いている

 

「お前たちの分析が終わった。お前たちだと言う人物に骨格変化の修正を加えたら歩行パターンの一致を確認できた。人間の歩行パターンというのはな、脳が筋肉を動かす際に出る癖のようなものだ。たとえこれがプロの工作員だとしても完全偽装するのは無理だ。

これを鑑みるに現在の科学理論・技術ではお前たちの状態は説明できんが……お前たちはこの学生証に書かれている男だ」

「噓…?ホントに?」

 

マリルは納得できないというような表情をしながらもそう言った

その言葉にアニーは驚きを隠せないでいる

俺達はマリルにそう言われたことによりいくらか余裕を取り戻せていた

 

「お前たちは『ロス・ゴールド』について何か知っているか?」

「『ロス・ゴールド』って確か朝のニュースでやってた気がするが……。――、何か知ってるか?」

「いや、俺も――と同じぐらいのことしか知らないけど……」

 

俺達が『ロス・ゴールド』の事を知らないというとマリルは少し悩むそぶりを見せ、『ロス・ゴールド』について話し始めた

 

「私が1円にもならない、クソどうでのいい講義に出向く理由があるとしたら『ロス・ゴールド』しかないだろう。『ロス・ゴールド』はロス諸島にて発見された『遺失物』で、その外周には4っつの奇跡的としか言いようがない純度の宝石が装飾されている。」

「そう言えばあの火の海で見た光る物体の輪郭がグラスっぽく見えた気が……その光は淡い赤色みたいな……」

「淡い赤色だと?言っている事が事実かどうかの判断は置いておいて、お前たちからはもう少し情報を聞き出さないといけなさそうだな」

 

これ絶対に――が余計な事を言ったせいだろ……

いや、男に戻るにはこの方が都合がいいのか?

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