ホップステップジャンパーズ~空へと翔る道~   作:羊merry羊

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新人ジャンパー現る!
1.新人ジャンパー誕生!?


 2092年、宇宙より謎の生き物が飛来した。

 

 この生物は空気だけで生き、衝撃を与えると分裂するが、すぐに集まって元に戻るという強い不死性と興味を持ったものに擬態するという性質を持っていた。

 

 人々はプリズムの様に輝きを放つ擬態者、『プリズミック』と呼ぶようになった。

 

 多くのプリズミックは無害であったが、年月の経過とともに増えるプリズミックの中に怪物のような非日常の生物に擬態するものが現れるようになり、徐々に人々に災害をもたらす存在として認識が切り替わっていくこととなった。

 

 2105年、危険なプリズミックを撃破駆除を生業とするプリズミックハンターという職業が誕生し、プリズミックの中には高値の宝石となるプリズミックプリズムを保有する存在が確認され、プリズミックの存在そのものが一大ビジネスとなっていた。

 

 この物語はそんなプリズミックハンターとして生きる者たちを描いたストーリーである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は流れ2115年、渋谷

 

 

 

「もう遅い!何してたのカケル!」

 

 赤髪にクリッと大きな目をした快活そうな少女が街中で憤慨していた。白を基調としたワンピース姿に大きなウサギの耳が生えた特徴的な服が非常に魅力的である。

 

「悪いソラ、寝坊した。今日が最終試験だと思うと興奮して明け方まで眠れなかったんだよ」

 

 対するは黒髪の少年、これまた赤いシャツの上に白いジャケットを羽織り手には黒いグローブを嵌めていた。

 

「そんな子供みたいな言い訳は聞きたくないよ!それで試験に落ちたらどうするつもりなの!」

「悪かったって。お小言は後で聞くから許してくれ。結構ギリギリの時間だし、まずは会場に入ろうぜ」

「全くもう!遅れて来たのは自分の癖に偉そうにしない!これが終わったらスイーツ奢ってもらってそのままお説教だからね!」

 

 ハイハイという言葉を背に、カケルは建物の中へと歩いていく。そのマイペースにため息を付くが、気分を切り替えようと思ったソラは一度深呼吸をした後、これから待ち受けるだろう困難に胸を躍らせ、笑顔を浮かべてカケルを追いかけるのであった。

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

「スミマセン、今日こちらでジャンパー試験を受けることになっているカケルと言います。これからどちらへ向かえばいいでしょうか?」

 

 ソラが追い付くとカケルが受付のお姉さんと話をしていた。

 

「カケルさんとソラさんですね、話は聞いています。只今担当者を呼んできますので少々お待ちください」

 

 受付の奥へと消えていくお姉さん。そのまま何事か僅かな話し声が聞こえた後、新しく一人の女性を伴って戻ってきた。

 

「こちら今回の最終審査を担当するルイカと言います。後はこの娘の指示に従って下さい」

「やっほー後輩君たち、ルイカだよ!今回はよろしくね。分からないことがあったら何でも聞いてね♪」

 

 ルイカと呼ばれた女性はピンクの髪に青いバンダナを巻きゴーグルを掛けていた。おまけに背中には酸素ボンベのような物を背負っており、そこから伸びる二丁の水鉄砲らしきものが非常に特徴的で……はない。

 

 カケルやソラの出で立ちも一般的なものでは無いように見えるが、現代においては見た目の特異さというのはさして問題視されないようになった。

 

 これはプリズミックハンターという職業柄、自身の能力を発揮するために各々特殊な装備を必要とする者たちが多く存在し、世界中で活動しているためであった。

 

「よろしくお願いしますルイカさん。僕たちはこれからどんな試験を受けるんですか?

「よくぞ聞いてくれた!では今回の試験内容を発表するよ」

 

 デレレレレレレレレレレと口でドラムロールを披露するルイカと課題の発表に期待と不安を膨らませるカケルとソラ。そしてジャンという掛け声が。

 

「最終試験の内容はズバリ!街のゴミ掃除です!」

 

 胸を張って腰に手を当てるルイカ。それに対するはポカーンとした表情の二人。

 

「え?あの、ゴミ掃除ですか?」

「そうだよゴミ掃除。いやぁ最近プリズミックが暴れたあと街に結構散乱しててね。うちはほらソラちゃんのお父さんが居るから知ってると思うけど、何でも屋みたいなところがあってね。依頼さえ受ければ大抵のことはやっちゃうんだよね。殆ど依頼料が発生しないほぼボランティアみたいなのもあるし、その辺の事もキチンとこなせる人が欲しいって訳」

 

 ルイカの説明に納得はする二人だが内心、『最終試験がゴミ拾いって……』と気落ちしてしまった。

 

 そんな二人に気付いてかどうかは分からないが、努めて明るく振る舞うルイカは先に進みつつ『とりあえず歩きながら話そう』と出口へと向かって行った。

 

 後を追う二人、思っていたものとは全く方向性の違う試験に渋い表情が張り付いている。

 

 楽しそうなのはルイカと受付のお姉さんだけであった。

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