ホップステップジャンパーズ~空へと翔る道~ 作:羊merry羊
火を放つプリズミックとの戦いから早二日が経過していた。
あの後、カケルはすぐスカイジャンパーズの医療班に回収され、処置が施された。残されたルイカとソラによって現場検証が行われ、先日見つかった虹色のプリズムと非常に似通ったものが発見されたこと以外は特筆することは無かったようだ。
そして今日はカケルの退院日兼、新たな任務が与えられる日であった。
「おはようございます!この間は心配かけてすみませんでした」
「おはよー。すっかりいいみたいだね。後遺症とか無い様でなにより」
「カケルはもっと周りに注意して行動するべきなんだよ」
軽口を交えた挨拶も早々に済ませ、本日の任務の詳細を聞くことにする。
「今日の任務はこれだ」
ジャジャーンとルイカが取り出した紙にはこう書かれていた。
『地下鉄にて目撃されたプリズミックの調査、及び討伐』
「最近、地下鉄で目撃情報が後を絶たないプリズミックの調査だね。駅のホームで見つかったり、走行中に線路や壁に居るのを見たって噂だよ。走ってる最中に見えんのかって私は思うけど。動体視力どんだけあんねん!ってね。まあそれについても複数情報が寄せられてるらしいから、完全に否定するのは調査が終わってからでいいかも」
「先輩、今回はプリズミックスカウターは使わないんですか?」
「うん、ああ見えて結構貴重なものだったりするんだよアレ。だから基本的には本部に置きっぱなし。前回持ち出せたのは、どこで発生するか分からない代物の調査だったのと、二人にこんなものもあるんだよって見せる意味合いが強かったかな。今後は余り期待しないようにね」
そうして軽く打ち合わせしながら進む一行がたどり着いたは地下鉄渋谷駅。他の駅でもプリズミックの目撃情報はあったが、一番集中していたのがここであった。
「さて、早速調査しようと思うんだけど……あっ、すみませーん!」
駅員を見付けたルイカはパタパタと走っていき、何やらやり取りしているようだ。話が纏まったのか、こちらに戻ってくると補修点検用の通路を使って調査をするとの事だった。
三人は点検通路に降り、薄暗い坑道を懐中電灯を片手に歩いていた。
「ボクこういう所入るの初めてかも」
「どういう場所でも裏口を使えるのは内部の人達だけってのが基本だからね。折角なんだし、色々じっくり見てみるのも良いんじゃない?どうせプリズミックの痕跡を探すのにガン見しなきゃいけないんだし、楽しみながら行こう」
「なんか社会科見学みたいになってきたな!男子たるものメカとか好きだし、オラワクワクしてきたぞ」
暫くやいのやいの騒ぎながらの行軍だったが、ここでポツリとカケルが言った。
「でもよく俺達だけでの調査が許されましたね?普通こういう場所だと監視役と言うか案内役が居るものじゃ?」
そうなのである。この場にいるのはスカジャンの三名だけであり、先程の駅員は通路へ案内した時点で駅構内へ戻って行ったのだ。
「そこはウチが普段どれだけ社会に貢献してるかっていう信頼の証だね。あとはいざプリズミックが出た場合、非戦闘員が居るのと居ないとでは皆の動きが全然違うから、そこも考慮してもらってるのだよ。雑に言えば向こうも死にたくないからね」
「そんなハッキリ言わんでも……」
「餅は餅屋、プリズミックはジャンパーにってね。プロに任せるのが何事も一番なんだよ」
普段おちゃらけてるルイカが摂るサバサバした態度に、カケルとソラは自分達がもうプロとして活動している事を意識させられる。
あのルイカの自然な様子は、先輩として良いところを見せようという素振りは全く感じられない。
ありのままで自分が解決してやるという佇まいにまだまだ一人前とは言えない二人も、志はしっかりと持とうと思うのだった。
するとそこへ突然、カツカツと足音が聴こえてきた。
「二人共注意して!」
支持に従い警戒態勢へ移行するカケルとソラ。前方の暗闇を睨みつけ、いつでも反撃できるよう意識を凝らす。
そしてライトの範囲に侵襲してきた者は……
「あん?なんだテメエら。どういう要件でここにいやがる?」
切れ長の眼に無精髭を携え、