ホップステップジャンパーズ~空へと翔る道~   作:羊merry羊

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12.その名はハルタ

(なにあの人こっわ!カケル、相手してよ)

(無理無理無理!胸倉掴まれてジャンプしてみろやとか言われるに決まってる)

 

流石は幼馴染。アイコンタクトだけで会話を成立させているのは長年の掛け合いがなせる業である。

 

「おうコラっ!なんか言ったらどうなんだ!」

「「ひいっ」」

「あんまり威嚇しないで貰えないかな。この子たちが怖がってるじゃん。私たちはスカイジャンパーズ。ここにプリズミックが現れるって話で調査依頼を受けてきたって訳。逆にお宅はどこの誰で何してるのさ」

 

(すげえー。パイセン、ヤクザ相手に一歩も引いてないぞ)

(こういう時に空気の読めない人ってある意味尊敬するよね)

 

「二人とも何コソコソしてるの?言いたいことがあったらハッキリ言った方がいいよ」

 

何でもありませんと直立した二人とは裏腹に、ダルそうに頭を掻くヤクザが口を開いた。

 

「スカジャンだと?現場被ってんじゃねえか……俺はハルタ。ゴードンの……あー、まあゴードンのハルタだ」

「そのゴードンのハルタさんはここで何してるの?」

 

更に問い詰めるルイカに眉間に皺を寄せて一瞥を寄こすが、自分から振った以上答えないと言うのもバツが悪いのか、渋々といった感じに説明を始めた。

 

「この地下鉄はゴードンが出資管理してる場所なんだよ。こっちも最近プリズミックに関する情報が寄せられてな、テメエらみたく事実確認に来てるって訳だ」

「ゴードンの人だったんだ。ボクてっきり"ヤ"の人だと思ってたよ」

「俺も。どうみても堅気じゃない雰囲気出てたよな」

「聞こえてんぞクソガキども!人が名乗ったんだからお前たちも名乗れ!」

 

急に凄まれ再び直立姿勢になる二人は、そのまま自己紹介をする。

 

「サー!自分はスカジャン新人のカケルです!サー!」

「同じくソラです!サー!」

「サーサーうっせえぞサー!」

 

口は悪いがこのノリに付き合ってくれた事で、見た目より悪い人じゃないかもとちょっと安心した二人だった。

 

「お互い打ち解けたところで本題に入りたいんだけど、どうやら同じ件を追ってる者同士の様だけど、意見交換や捜査協力とかは出来るのかな?」

「否定する理由は無いが、肯定する理由もねえな」

「人手が増えた方が早く解決できますよ!」

「それに強そうな人が居てくれた方が俺達も安心できますし」

 

ふむ、と顎に手をあて思案顔のハルタ。逡巡(しゅんじゅん)した後、二人に向けて視線を戻す。

 

「クソガキ共、テメエらの獲物はなんだ?」

「俺はナックルでソラは銃火器です」

 

 

もう一度考えにふけったハルタが再び顔を上げた時には纏まったようだ。

 

「遠近両方が居るならどうにでも立ち回れるか。今だけ手貸してやるから感謝しろよクソガキ共」

「「サー!ありがとうございます!サー!」」

「うるせえぞサーッ!」

 

ぶっからぼうながら兄貴肌で頼れそうな存在にカケルとソラは顔を見合わせて笑うのだった。

 

 

 

 

 

「それで、今って何処まで調査進んでる感じ?私達は全く手掛かりが無いんだけど」

 

同行が決まったあとルイカから現状確認が行われていた。

 

「お前らの方にはアイツ等が乗りもん乗ってる時に見たって情報はあるか?」

「あったよ。だからこそホームじゃなくてこの線路を調査してる訳だし。でも仮に乗ってる時に何かが見えても、何がって言うのは認識出来ないんじゃないかと思うんだけどね。ってどったの?怖い顔になったけど」

 

先程話題に出た事を繰り返し説明するルイカだったが、それを聞いたハルタは苦虫を噛み潰したような表情になる。

 

「こっちにも同じ情報が来てる。で、口を出してくる奴等は今のと大差ねえ考えを言うが、こっちとそっちに寄せられた事を纏めるならそれはマジな話って可能性が高えだろ?」

「うん、まあ寄せられてる情報の数だけ信憑性が増すしね」

「なら移動中に見れると仮定すんなら、一般人の目に見える位の相対速度でアイツ等も横走ってたって考えれねえか?」

 

カケルとルイカはプリズミックがそんな早い速度で走れるわけがないだろうと顔に書いていたが、ソラだけはハッとした顔になる

 

「プリズミックが汽車に擬態していたら?」

「やっぱりそこに行き着くわな。こりゃあ面倒な事件に首突っ込んだもんだぜ」

 

ハルタによると今まで調べてきた所でホームや通路では特に目ぼしい発見はなかったのだと言う。そんな中唯一プリズミックの物とおぼしき痕跡を見付けたのが線路上であったらしい。その上で目撃情報等を考慮すると、擬態による速力強化、ぶっちゃけ新幹線にでも化けてる可能性を睨んでいたと言う。

 

「予想でしかねえが、その線が濃いだろうよ。そうじゃなくても、スピードに特化した何かになったのは間違いねえ」

「じゃあそれに遭遇した場合ってどうすれば?」

 

不安げに尋ねるカケルに今日一番の笑顔を浮かべてハルタは言い放った。

 

「そりゃおめえ……ハリウッド映画みてえに跳び移って、屋上バトルに決まってんだろ!」

「「死んじゃうううううっ!!」」

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