ホップステップジャンパーズ~空へと翔る道~   作:羊merry羊

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7.ようこそスカジャンへ

「カケル君、ソラちゃん。スカジャンへようこそー!カンパーイ!」

「「「「カンパーイ」」」」

 

各所にてすったもんだあったが、何はともあれ歓迎会開演である。

リズの提供してくれた料理に舌鼓を打ちつつ、皆楽しく飲んでいる。

 

「カケルはなんでスカジャンに入ったんだ?ジャンパー目指した理由じゃなくて所属決めた方な。ゴードンとか別の場所もあっただろ?」

 

カケルに質問をしたのは何を隠そうガンマである。

 

「俺はシオンさんに憧れたってのは勿論あるけど、それ以上に大きかったのはリズが居るってことかな。普段はお互い色々思う事あるだろうけど、何かあった時、妹は兄貴が守ってやらなくちゃいけないって思うんだ。ウチ両親居ないから尚更な」

「そうか……妹か」

 

先程まではいがみ合いと言うには(いささ)か一方的なものであったが、あまりいい空気ではなかった二人。しかし性格的には似ているのか、今ではすっかり意気投合してダベっている。

 

「そういうガンマはどうなんだ?」

「オレ様か?オレ様は偉大な野望の為、とだけ今は言っておこう」

「何だそれ、お前は悪の組織の幹部かよ」

 

別の席ではソラ、ルイカ、リズ、ロージアが集まって女子会を開いていた。

 

「それでちょいちょいシオン様にアピールしているつもりなんだけど、そういう物に興味がないのか、私に興味がないのか分からないけど相手にされてない感じ」

「それは切ないね。うーん、どうやったら意識してない相手を振り向かせるかねぇ。ボクはアイドルとかミーハーな物は熱狂したりもするけど、恋愛に関してはイマイチわかんないや」

「シオンは鈍いから強引にでも既成事実作るくらいじゃなきゃダメかもねー」

「そもそもあの人は色んな人から慕われてるけど、ただの一人もそういう感情を向けてきてると自覚してない節があります。今まで何人の女性が泣かされてきたか……」

 

 

 

一方その頃シオンはというと。

 

「ったく、テンカイさんもここをほっぽり出して一体何処ほっつき歩いてるんだか」

「親っさんは大事な仕事があるからな、それが一段落するまでは仕方がないさ」

「俺は会ったことがないがどんな人物なんだ?」

 

ソフィ、シオン、ロウセンの大人グループで愚痴を聞きつつ酒を煽っていたのだが、テンカイの話題が出て普段口下手なシオンも饒舌になる。

 

「親っさんは凄い人だ。強くて思慮深く、人望もある。俺の憧れの人だ」

「それはアンタだけでしょ。強いってのは認めるけど、人として親としてダメダメだし、人望ってのもねぇ。まあ妙なカリスマみたいなのはあるけど。とりま、今のやりたいことが終わるかこっちに協力してほしい案件が出てきたら勝手に帰ってくるわよ。そういうとこだけはしっかりしてるから」

「随分扱いが違うな。参考にしづらい、実際に対面してみるしかないか」

「それがいい、所詮は他人の意見だ。それが全てって訳でもないし、何事も自分の考えを持つのは大切だな」

 

大人組は大人らしく、話が丸く収まったが、テーブルに突っ伏しながら飲んでいたソフィがそういえばと体を起こした。

 

「テンカイさんの話題で思い出したんだけど、新人二人には組織についての説明ってもう済ませてあるの?」

「いや、今回はちょっと試験でトラブルが起きてな。早めに気分転換をして貰おうかと、普段の手続き何かは後日という事にして、早急に歓迎会を開いたんだ。だからこそ事前準備する時間がなかったとも言えるが」

 

通常であれば、試験後の手続きやオリエンテーションを行ってる裏で段取りが組まれていたのだが、今回に限っては諸々の工程をすっ飛ばしての宴会であった。そのため組織に関する話等もすり抜けていたのだ。

 

「それもそれでどうかと思うわよ?明日からは新人だろうが任務に当たるんだし、他の人の時間を潰すのもアレだから、この場でパパッと済ませましょ」

「そうは言うが俺もソフィも酒が入っているだろう。そんな状況でまともな話なんて出来るのか?」

「硬くなくて良いのよこんな席なんだもん。概要だけ伝わりゃいいでしょ。元々堅っ苦しい現場でもないから、案外こういう時の方が分かりやすいかもよ」

 

投げやりな言動に若干呆れつつも、そんなものかと納得した気になって反論するのは控えることにした。

 

「そんなものか、それじゃ説明よろしくな」

「何言ってんのよ、アンタが説明するに決まってるでしょ」

「はぁ?言い出したのはそっちだろ。なんで俺に振る」

「だって私飲みすぎて立てないんだもの」

「だから飲みすぎだと準備の際にも警告しただろう」

 

ロウセンにすら呆れられるが当のソフィは何処吹く風、笑って軽く受け流す。

 

「全く、仕方がない俺が説明するか。ロウセン、ソフィを頼んだ」

「分かった」

 

正直に言うと面倒だと内心思っているシオンだったが、可愛い後輩のために一肌脱ぐと考えれば諦めもついた。ならばさっさと終わらせて、また飲み直そうと切り替えるのだった。

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