願いを叶えてあげたら   作:Celtmyth

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 天吹くん、初めての戦闘。
 上手く出来るかな?


0日目③≠『王は一問答をする』

 右を見ればペンが描くのように走る青い光と屈折する暗い光。左を見れば次々と伸びる赤い光と弾けるような空色の光。他の2人は遠くに行ったなと、天吹はそんな事を思った。

 

「余所見とはっ、随分と余裕だな!!」

「ん?」

「そのとぼけた顔がまた癪に障るな!!」

 

 しかしそんな天吹も戦闘中であった。ナハトヴァールを装着した片腕を動かし、飛行も高速。戦闘スタイルもあるだろうがディアーチェは防戦を強いられていた。

 

「調子に乗るではない!!」

「お―――」

 

 天吹の連続攻撃の合間、その一瞬にディアーチェが盾にしていた本が開く。その開いたページにナハトヴァールを叩き付けた直後、吸い込まれるように天吹が本の中へと消える。

 

「グッ・・・・・・、ハァ!!」

「―――おふっ」

 

 しかしすぐ本から吐き出されるように天吹が出てきた。取り込んだ時、ディアーチェが苦悶の表情を見せた事と関係はあるだろうが、今は戦闘中。ディアーチェは天吹との距離が離れた事を確認すると杖たるエルシニアクロイツを前へ向けた。その先にいるのは放り出された天吹。

 

「アロンダイト!!」

 

 その名称を叫び、エルシニアクロイツから砲撃魔法が放たれる。

 

「ん」

 

 それに対し、天吹はその砲撃を見つめる、だけで障壁を張り防ぐ。その際の彼は怯む事もその場から押されることもなかった。

 

「まだまだぁ!! エルシニアダガー!!」

 

 だがディアーチェの攻撃は緩まない。むしろ距離を取った今だから攻勢に出る。エルシニアクロイツを天に掲げ、その先から数十もの魔力弾を放つ。それらが飴の如く天吹に降り注ぐが当の本人は先ほどと変わらず障壁を張り続け、何もしない。

 

(間違いなく防御特化。いや、()()()()()()()()()

 

 その最中でディアーチェは天吹の戦闘スタイルを分析し、結論を出す。防衛プログラムであったナハトヴァールをデバイスにしている時点で防御・結界魔法は強く、近接攻撃も猛烈だった。しかしそれは文字通りナハトヴァールの性能。天吹自身の戦いの気配がなかった。

 

(・・・・・・それもそのはずか。奴はその気になれば全てをひっくり返せる。戦いなぞする必要がない)

 

 相手は願えば叶えられる、神の如く存在。それが限定的であってもこの場に決着を付けることは可能だ。天吹が願えばディアーチェを戦闘不能、いや消失だって可能だろう。それをしないのはする気がないか、言い聞かされているかだ。

 

「―――久保田天吹よ!!」

 

 ディアーチェは戦闘中、いまだ魔力弾の雨を天吹に放ちながらその名前を叫ぶ。しかしその直後にそれは止む。攻撃がようやく止まった天吹はまだ動かず、隠している筈の両目はディアーチェを捉えているようだった。

 

「貴様に一つ問う! ()()()()()()()()()()!!」

 

 その問いは久保田天吹と言う存在を確かにする、ディアーチェが選んだ物だ。全てを叶えることが出来る存在が何を願うのか。虚実どちらで答えてもそれが天吹を知るピースになるのは間違いなかった。

 対し、天吹はすぐには答えない。反応はあるようだが、それはどちらかと言えば――。

 

「・・・・・・()()()

「何・・・・・・っ!?」

 

 ようやくの返事にディアーチェは疑問符を浮かべ、しかしすぐにそれは悪寒に変わる。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()―――――」

「インフェルノォ!!」

 

 再生されたように語り始めた天吹だったが、その終わりの見えない様子にディアーチェは魔法を放つ。不意打ちとも言える行いだったが、当のディアーチェは冷や汗を流し恐怖していた。

 無防備で魔法を放たれた天吹。しかしすぐにナハトヴァールを突き出し、巨大な障壁を張る。ディアーチェの魔法より大きな壁はその攻撃を受け止め、天吹に一切の衝撃を伝わらせなかった。

 

「・・・・・・あれ?」

 

 その中で天吹は呆けたような声を漏らした。キョロキョロと周囲を見ては最後にディアーチェの方に顔を戻す。

 

「ねぇー、()()()()()?」

「把握しておらぬのか・・・・・・!」

 

 思わぬ言葉にディアーチェは戦慄した。その反応に天吹は首を傾げるがこれ以上の追求はせず、戦闘中と言うのを思い出したように魔力弾を放つ。

 

「ッ、チィ!?」

 

 呆けていたディアーチェだったが魔力弾には放った瞬間に気付いたので十分な障壁を展開できた。が、天吹と違ってその衝撃に後退させられる。これは純然たる、魔力量の違いによる結果だった。

 思わぬ結果でらしくない事をしたと、ディアーチェは反省する。同時に天吹が戦い方を知らない事が更なる確信に至る。普通なら自分の有利になる状況に持って行くだろうに、押していた近接ではなく遠距離の攻撃だ。

 

「それを補って余る硬さではあるがな」

 

 しかし、ディアーチェが有利であるか? それは否だ。

 ナハトヴァールの防御力と天吹の魔力量。それが合わさった鉄壁はこれまでの魔法を通さなかった現状で証明されている。まだ彼女には高威力の魔法を所有しているがダメージを与えられるかと言えば難しいと考えている。これまでの動きから防御も反射的に展開した物であり、防御もまだ本気も底も見せていない事だ。

 攻撃は下手なくせに防御は完璧以上の相手。それが天吹に対するディアーチェの評価だった。

 

「だが、手加減無用で捕獲出来るともいえるな」

 

 しかし焦りはない。元々、保険として天吹を狙って来たのだ。勝てない相手である事でプライドに多少の傷が付いてはいるが、目的を忘れるほどではない。

 さてどうやって捕まえるか。ディアーチェの思考が変わり始めた頃だった。

 

「ん?」

「む?」

 

 ディアーチェを見ていた天吹が明後日の方向に顔を向けた。特にない、ではない。ちょうど阪奈とレヴィが戦っている方向だった。向こうは向こうで目にも止まらない高機動の戦闘をしていた。

 

「危ない」

 

 呟き、そのまま天吹は視線の先へと飛んでします。

 

「まっ、待て――――」

 

 ディアーチェはすぐに追い掛けようとしたが、それと同時に空間が大きく揺れた。

 

 




 ある意味ダメだった。
 今さらだけど天吹は戦闘シーン出来るキャラじゃなかった。



 なので阪奈とアリシアの戦闘シーンも投稿します。


PSP仕様(※参考:nanohawiki)
久保田天吹の場合
ロングレンジロングレンジ(ため)クロスレンジ
ルビーファイアアタック-
サファイアレインブロック自動防衛・反撃
エメラルドブレスキャッチ自動防衛・追撃
L+Lフルバースト???

固有スキル
・ナハトヴァール:クロスレンジのコンボ補正
・ヴェヌスのサポート:ロングレンジの攻撃力UP
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