願いを叶えてあげたら   作:Celtmyth

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 3戦目はアリシアVSシュテルの戦いです。
 特にアリシアの魔法はinnocentから参考にしたので手間が多かったですね。


0日目③≠『星光は改める』

「ハイパーシュート!」

「パイロシューター!」

 

 放たれた両者の魔法は狙い通りに相手に向かい、しかし狙い通りであったために二つの魔法は衝突し、爆発する。

 

「スターダストシュート!!」

 

 その直後に片方のアリシアが連続し別の魔法を放つ。先ほどは右手の銃で撃った物であり、左手の銃で連続使用を可能とした。

 

「んっ、フッ!」

 

対し、シュテルは1本の杖でありアリシアほどの連続使用は出来ない。しかし理のマテリアルとして頭の回転と決断は速く、すぐに移動を開始する。しかもそれは回避ではなく打ち落とすための前動作。

 

「やはり誘導制御型ですか」

 

 逃げるシュテルを追うようにアリシアの魔法が追尾している。彼女はあの時、一撃目の魔法と違いこの二撃目の魔法が星の形をしていた事から単純な射撃魔法ではないと判断した。結果としてそれは正解であり、そして機動も予測する。

 

「パイロシューター!」

 

 先ほどと同じ魔法を放ち、追尾していたそれを撃ち落とす。

 

「No.6『マジカルグローブ』!」

【No.2, Receive. No.6, Eject】

 

 その直後、アリシアと彼女のデバイスの声が聞こえた。振り向くと両手にあった拳銃が消えて右手にグローブを装着していた。そのグローブを見たシュテルは、確か野球と言うスポーツで使う物だと理解した。

 

「行くよ第一球! 魔球、流星ストレート!!」

 

 それは綺麗な、しかしミニスカートだから変な意識してしまいそうなフォームでアリシアは投げた。投げたのは魔力弾で、しばらく飛ぶと砲撃魔法如き巨大化して放たれる。

 

「ッ、ディザスターヒート!!」

 

 すぐにシュテルも砲撃魔法で迎え撃つ。接触と同時に衝撃音が大きく響いたが今度は相殺せずに膠着状態となった。

 

「圧縮された魔力弾ッ。砲撃と言うより()()ですね・・・・・・っ!」

 

 砲撃魔法としては異質とも言える魔法に関心と焦りが同時に現れた。関心はこんな魔法があったのかという物。焦りはこんな魔法に拮抗は失敗したと言う物。シュテルが砲撃魔法を()()()()()()()に対し、アリシアは砲撃魔法を()()()

 つまり、シュテルが動けないのに対してアリシアは次の行動に移せた。

 

「No.7『ハリセンスマッシュ』!」

【No.6, Receive. No.7, Eject】

 

 拮抗する砲撃の上を飛び越えるようにアリシアが、手持ちをグローブからハリセンに変えてシュテルへ迫る。

 しかしそれでも彼女はこの場での最適解を導き出し、固定していた足場を解放する。すると膠着していた勢いが圧され始める。

 

「―――とわっ!?」

 

 その様子を見たアリシアはすぐに軌道を変えて離れる。その間にもシュテルは圧され続いたが、もしアリシアが軌道を変えていなかったら最悪で砲撃に巻き込まれていただろう。つまりシュテルはアリシアの砲撃魔法を使用して攻撃を回避したのだ。

 

「―――フッ!」

 

 無事にアリシアの攻撃から逃れられたシュテルは残った砲撃魔法の対処を行う。再び足場を固定するとすぐに砲撃の向きを僅か下にし、アリシアの砲撃魔法はその逆に上へと軌道を変えた。

 

「ふぅ」

 

 軌道を変えた事でシュテルへの脅威はこれで去った。一息をついて気持ちを落ち着かせる。戦闘中でこれは隙ではあったがアリシアもこの時は攻め手を止めていた。攻勢であった彼女もさすがに一息つきたかったのだろう。

 

「まずは謝罪します。正直に言えば貴女は後衛向き、よくて中衛の魔導師だと侮っていました」

「ああ、やっぱりそうだったんだ。別に気にしてないよ。『油断している相手は油断している内に倒すのが一番』って友達から教わってるから寧ろありがたかったよ」

「もっともですね。しかしそれなら私は反省しないといけませんね。こうして追い詰められていたのですから」

 

 己の油断を認めシュテルだったが、その静かな立ち振る舞いでも警戒は最大にしていた。理由はアリシアが嘘を言っていないと判断したから。つまり隙があればそこを付くと言っているに等しいため、気が抜けなかった。しかしここまでの実力を持つ相手。初見で気になる相手であったが、その気持ちはより強くなった。

 

「その上でお尋ねします。貴女は何者ですか?」

「ん? どゆこと?」

「言葉通り何者と尋ねています。あの久保田天吹と共にいるのです。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。普通の経歴ではないでしょう?」

 

 最初は一言で、その次で詳細に付け加えられたシュテルの言葉にアリシアの表情から明るさが僅かに陰る。

 

「・・・・・・やっぱりそう思うよね」

「深い事情のようですね」

「うん。私は天吹君の力で私はここにいるの。奇跡なんてものじゃない、どうしようもなかった事が全部ひっくり返ったんだよ」

「願いを叶える力、ですか」

 

 何を叶えられたかはシュテルの知らない事だが、話からして絶対的な不可能から救われたのだと考える。まさか虚数空間から拾い上げられ、しかも27年ほど前に死亡して蘇生させられたとは考えも付かなかった。

 

「フェイトは私がここにいることは知らないけど、いつかは会って色んな事を話したいって思ってる」

「会えない理由は久保田天吹がいるからですね」

「うん。でもこうして貴女たちが接触して来た。それに天吹君はこの前の冬にフェイト達の所に行った。きっともう歯車がかみ合う、お互いが巡り会う時なんだよ」

「詩的ですね」

「ありがと」

 

 アリシアが礼を言うとハリセンスマッシュを持ち直して構えた。どうやらこれ以上は語らず、そろそろ再開しようと言う意思表示だった。シュテルもこれ以上の事は聞けないと察してルシフェリオンを向ける。

 

 

 その時、轟音と空気の揺れが全体に広がった。

 

 

「おわっ!?」

「む?」

 

 2人の反応は真逆だったがその後は何が起こったのかと周囲を見渡す。そして2人は同じ場所に視線を送る。

 

「天吹君! 阪奈も!」

「レヴィ」

 

 呟かれた3人の名前。

 天吹が結界を貫通して来た砲撃を防ぐ光景を2人は捉えていた。

 

 

 




 文字数があまり伸びない理由の一つは単純に場面をわけたせいだと最後で気付いた。元々、武力偵察(※実際に戦って戦力を確認する偵察)を意識して書いていたのでそれもある。




PSP仕様(※参考:nanohawiki、innocent公式のカード)
アリシア・テスタロッサの場合
ロングレンジロングレンジ(ため)クロスレンジ
ハイパーシュートスターダストシュートアタック-
流星ストレートブロック逆転満塁ホームラン
ぷちシア奇襲!キャッチワンダーストライク
L+Lフルバーストマジカルウィング

固有スキル
・フォーチュン:攻撃・防御・回復をランダムで効果を得る
・ラッキーガール:命中・回避に補正がかかる。

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