天才の高校野球   作:やってられないんだぜい

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お久しぶりです。元気にしてますか?

 暑い日も段々と過ぎ去って来ました。こういう季節の変わり目は風邪ひきやすいので気を付けてください。(ソースは俺!)

 では前回のあらすじ!
久里のホームランによってとうとう追いついた青道。明訓の投手里中も一度は崩れるが仲間の声援により持ち直す。そしてとうとう青道は投手交代して丹波。7番8番はうまく抑えるが続く里中に今日初ヒットを打たれて上位に回ってホームランをうっている岩鬼。しかし悪球しか打てないとわかっていた御幸はど真ん中を要求。追い込むまではなんの問題も無かったのだが3球目に投手の気を散らすために1塁の里中がスタート。それに動揺した丹羽はボールー引っ掛けてしまい打たれてしまった。

 では本編どうぞ!


vs明訓高校! 終盤戦

 グワラキーン!

 

 球場に初回に聞いた打球音が響き渡った。打球は左中間に飛ぶ。しかし1打席目とは違い弾道は低かった。しかしそれでも勢いがありこのままだとフェンス直撃か、スタンドまで届く勢いだった。

 

 「レフト‼︎カバーは俺がやるから打球を追え‼︎」

 

 センターを守ってる伊佐式が声を出す。公式戦で初めてレフトと守った久里よりカバーなどは自分の方が上手くできると思い声をかける。久里も元から取りに行っていた。その足の速さは驚異的で追いつきそうだった。

 

 「マジかよあの打球に追いつきそうになるなんて」

 「サト!ホームまで行けぇ!」

 「分かってる!」

 

 里中は岩鬼を信じてホームまで全力で駆けていく。

 

 久里の脚がいくら速かろうとギリギリ届かないと思われたその打球。フェンスギリギリのところで久里はボール目掛けてダイブしフェンスと激突する。

 

 「危ない!」

 

 観客で見ていたマネージャーの吉川は声を上げる。中学まで部活をやってなく、何かしら部活をやろうと思って入ったのが硬式野球のマネージャー。その入部して数試合目にして初めて見た危険なプレーに目を逸らしてしまう。しかし気になりすぐに目を戻す。するとフェンスに激突したはずの久里が立ち上がりグローブを高々と突き上げていた。

 

 うわぁぁぁぁぁぁ!

 

 この試合1番のビックプレーが生まれた。もしかしたら一打勝ち越し、最低でも2.3塁のピンチとなり小技を持っている殿馬に繋がってしまうといったところでフェンス激突の大ファインプレー。そして激突した久里も怪我してる様子もなく青道側は盛り上がる。

 

 やべぇ!なんだ今のプレー!

 最高のプレーだろ!

 プロでも見ないだろあんなの! 

 よくあの打球に追いついたな!

 足速すぎるだろ!

 うわぁ!やべぇ!今世紀最大にやべぇ!

 

 「ナイスプレー!」

 「なんだお前!スーパーマンかよ!」

 「最高だぜ!お前」

 「あざっす!」

 

 「凄い」

 「こういうプレーは初めてかしら?」

 

 吉川に話しかけたのはマネージャーの先輩である藤原貴子だった。彼女は3年生でとても頼りがある先輩だ。

 

 「は、はい!私中学まで部活に入ってなくて。高校に入ったら部活やってみようと思って。それでこの学校は野球が強いって聞いたので」

 「そう。ならああいうプレーは衝撃的でしょうね」

 「はい。彼は本当に大丈夫なんでしょうか?」

 「自力で立ち上がったしふらついてもいない。それに血も流してないし多分大丈夫よ。それに彼にはこんな所で怪我されてほしくないもの」

 「そうですね。まだそんなに試合見てないですけど凄いって事は分かります」

 「そうね。彼は凄い力を持っているわ。それでもまだ体の出来ていない1年生。支えていかなきゃね」

 「はい!」

 

 吉川は元気よく答える。まだ久里のことをよく知らないが純粋に野球を楽しんでいる。それを支えるのもマネージャーの仕事。そう意気込む。

 ベンチに戻った後もメンバーから祝福を受ける。もしこの試合勝てたとしたらMVPは久里だろう。今のプレーで青道側は押せ押せムードであった。

 

 一方明訓側はと言うと、

 

 「かぁぁあ!ミスったぁ!」

 「仕方ないよ。今のは相手が凄かったんだ」

 「今のは相手に脱帽だな」

 「それにしてもこれで相手に流れが変わったかも知れないな」

 

 主将の土井垣は少し嫌な感じがした。自分達は防ぐところで防げず。取れるところで取れなかった。しかも今のプレーで青道ベンチは盛り上がっている。この流れは良くない。そんなとき里中が言う。

 

 「大丈夫ですよ。僕が抑えます。それに皆さんならもっと点取れますよね?」

 

 自分が打たれて、点を取れなかった。そんな1番悔しいはずの里中が言った。彼の自身の評価は決して高くない。自分はあの久里より下だと認めている。それでも戦っているのは1人じゃない。なのにこんな事を言えるのは信頼できる仲間がいるからだ。山田がいて、殿馬がいて、岩鬼がいて、微笑三太郎がいて、土井垣がいて、そんな信頼できるメンバーがいるから自分は自信を持って投げれる。この人達がいたら負けないと言う自信があるからこその発言である。そしてこんな事を言われてやる気を出さない人は明訓にはいなかった。

 

 「おうよ!絶対次のかいに勝ち越してやる!」

 「微笑」

 「ワイまで回せ!次こそ打ってやる!」

 「岩鬼」

 「大丈夫ズラ。心配してないズラ」

 「殿馬」

 「里中。任せたぞ」

 「キャプテン」

 「そうだ!だから里中も俺のマット目掛けて投げてこい!」

 「山田」

 (俺には山田が、こいつらがいる。だから何も怖くない)

 

 点は取れなかったものの誰も心配してなさそうだった。その自信を胸に上がった7回裏のマウンド。球数も90に到達してそろそろスタミナ的にもキツくなるところだが攻撃に繋がるために3人できる。

 

 

 「すいません!」

 「しょうがねぇさ。あそこまでコーナーきつく突かれればそう簡単には打てない」

 「丹波!小技を使ってくる2番からだ。気合入れていけ!」

 「はい!」

 

 御幸は少し不安になっていた。さっきの回の岩鬼に投げた球。ど真ん中「投げれば済むのに走ったと言う掛け声一つで動揺してしまう。小技を使ってくる殿馬相手だとどうなるのか。そして続くクリーンアップ。不安を隠しながらポジションは着く。捕手が不安だと投手は安心して投げれないからだ。

 

 初球、殿馬はセーフティーの構えをする。それに驚いたのかボールを叩きつけてしまう。

 

 「大丈夫です丹波さん!落ち着いて!」

 

 うなずく丹波。そして2球目。ここで殿馬はセーフティーをして来た。三塁線ギリギリに転がるナイスバントだ。サードが取るか丹波が取るかギリギリのところに転がす。

 

 「ウガァ!」

 

 あらかじめバントを警戒して浅めに守っていた増子が良いスタートをきっていた。増子の声に反応して増子に任せる。しかし殿馬の足が予想以上に速い。倉持といい勝負をしそうだった。

 

 「見遅れ!」

 

 捕手の御幸が叫ぶ。取ってもアウトになるかギリギリだと判断した。もし捕ってセーフになるくらいならファールにした方がましだと判断したのだ。ボールはコロコロと転がり線上で止まった。

 

 「秘打 G線上のアリア」

 

 一塁を駆け抜けた殿馬がそう言った。それを聞いた結城はまさかとは思うがある考えに行き着く。

 

 (まさかこいつ狙ってあれをやったというのか⁉︎)

 

 もしそれが事実であるならば恐ろしいことだ。狙ったところに狙った勢いのボールを転がせられるならそれはバントの究極系とも言ってもいい。全ては殿馬の思惑通りに事が運ぶという事だ。そしてそれが出来る殿馬も足が速い。完璧だ。そしてバントだけでなく久里の球を打ち返すミート力もある。ヒッティングを警戒したらセーフティーされ、セーフティーを警戒したら持ち前のミート力で空いてるところを狙って打つことも出来るだろう。この上なく厄介な相手だ。

 

 (後で御幸達に伝える必要があるな)

 

 結城は殿馬のことよりも続く打者に集中して欲しかったので後に伝える事にした。

 

 続く山岡は送りバントをきっちり決めて来た。

 

 (あの3番怖さは無いけどきっちり仕事をしてくる。ウチみたいな3番ではなく繋ぐ3番って感じだ。さてと、次は4番か)

 

 1アウトランナー2塁で迎えるは4番土井垣。

 

 (丹波さん。甘く入ったら打たれます。まずアウトコースのボールから入りましょう)

 

 丹波と土井垣は初対戦になる。まずはボールから入り様子見をする御幸。

 丹波は御幸の要求通りにアウトコースへのストレートを少し大袈裟に外す。

 

 「オッケーオッケー!ナイスボール」

 

 御幸は甘く入るよりよっぽどど良いと丹波に声をかける。

 続く2球目もインコースのボールを要求。丹波も要求通りインコースにボールを投げる。

 

 (オッケー。ナイスですよ丹波さん。甘く入ってホームラン打たれるよりは何倍もマシです。厳しく行きましょう)

 

 御幸はアウトコースへストレートを要求する。今度はストライクゾーンへ。

 

 「ふしっ!」

 

 気持ちの入った良いボールがアウトコースいっぱいに決まる。ランナーを出してもしっかり要求通りに投げ込める丹波。おそらく久里の投球にあてられたのだろうと御幸は思った。しっかり自分のピッチングが出来ればとっくにエースだと思っていた御幸は嬉しい誤算だった。

 

 御幸は土井垣がピクリとも動かない事からカーブ狙いだと思い。インコースいっぱいにストレートを要求する。今日の丹波なら抑えられると信じて。御幸の要求通りにインコースへストレートが来る。このボールなら例え打ったとしてもファールになる。土井垣も始動したが間に合わずに詰まると御幸は思った。しかし土井垣はそこいらの打者とは格が違った。振り遅れそうなところを無理やり腰を回転させてヘッドスピードを上げてボールをぶっ叩いた。綺麗な金属が響く。御幸はたとえ打たれてもファールになると思っているので他の物とは違い安心して打球の方向を見る。しかし打球はいつまで経っても切れない。

 

 「お、おい。嘘だろ?」

 

 

 ゴーーーーーン! 

 

 

 




 ご愛読ありがとうございました。

 どうでしょうか今回の天才の高校野球は。楽しめて頂けたでしょうか?

 やはりね、土井垣は打たなきゃいけないんですよ。

 次回!丹波ピンチ!

 またね!
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