久里が一軍入りを果たす!
以上!
では本編どうぞ!
俺こと久里武は翌日一軍入りを言い渡された。一軍の練習メニューは強豪だけあって量も質も理にかなっていた。
ランニングから始まり、柔軟、アップ、キャッチボール、バッティング、守備、走塁と大まかに言えばこんな感じだ。細かく言ったらサーキットなどもあるのだが細かく言いすぎるとキリがないのでここまでにしとく。
主人公こと久里も他のメンバーと一緒にメニューをこなしていき、着実にメンバーに認めてられ始めている。そんな久里に新たな試練が待ち受けていた。
キーンカーンカーンコーン
「そこの2人!寝るんじゃない!」
そう、学校の始まり。いわゆる授業の初まりである。久里は基本野球バカである。もう一度言おう、バカである。そんな彼が勉強など出来るはずもなく同じクラスの沢村と一緒に睡眠タイムである。
「ワシの授業がそんなにつまらんか〜え⁈沢村!久里!」
「ははは仕方ないっすよ先生…そいつら野球部のスポーツ推薦で入ったらしいですよ」
「へぇ〜〜すごいじゃん」
「ウチの野球部って超有名じゃない?」
「練習も厳しいらしいよ〜〜〜」
「バカたれェ〜〜。野球部だったら尚更許せんっちゃ‼︎何かと注目されてる分しっかりせんちゃっかぁ〜」
先生の聞いたことない方言と厳しさによりクラスに笑いが起きる。そしてその笑い声により久里は目を覚ますのだった。そこへ同じ野球部員でもある金丸が先生に物申す。
「先生……そいつらウチの部員じゃないっすよ」
「どう言うことだ?」
先生達はよく分からないと金丸に聞き返す。
「そいつはまだ入部も認められてない見習い部員で、そいつは初日以降見てません。きっと逃げ出したんでしょう。そんな奴らと俺達を一緒にしないでもらえます」
「なにそれ」
「見習いってなんだよ」
「てかもう逃げ出したとか」
「だっせぇ」
「でも沢村君なんかかわいそう」
その言葉を聞いた沢村は顔を赤くし、周りの奴らはヒソヒソ話で噂し始める。すると沢村が急に机を叩き立ち上がる。
「か・・可哀想とか言ってんじゃねぇ‼︎今はまだ誰にも認められてないけどなぁいずれ俺は野球部のエースナンバーを背負う男だ‼︎弱く覚えとけ!」
するとクラスには笑いが起きた。皆が皆沢村をバカにしたような口ぶりだった。先生すらも笑っていた。
「フン…なにがエースだ、お前はもう終わってんだよ」
金丸がそう言った時久里がとうとう口を開く。
「馬鹿じゃねーのお前」
その発言にクラスの目が一斉に久里に向かう。
「なんだと」
「人の能力も見極められないくせになにが終わってんだよだ。現時点ではお前の方が沢村より劣ってるよ」
「なんだと⁈」
「考えてみろよ、カーブであそこまで投げたんだぞ。ストレートならフェンスに届く肩を持ってたんだ。それくらい気付けバカッ」
「ああっ⁈結局届かなきゃ意味ねぇんだよ!それが俺の方が劣ってるダァ?」
「ああ。考えてもみろよ。監督は生で沢村の遠投を見てる。元プロ注目の監督があの球に気づかないはずがねぇ。しかもここは100人ぐらいいるんだぜ。監督に注目されてる時点でお前より沢村は上を言ってるんだよ。こんな世界どんな形でも知られてナンボだろうが」
クラスの奴は黙り込む。それだけ久里の言い分は正論だからだ。100人近くもいる部活など卒業まで名前を覚えられないなんていくらでもある。そんな中沢村はすでに監督に注目されたんだ。金丸と比べると一歩前を言っているだろう。それを金丸も気づいたのかさっきまでカッコつけていた自分に恥ずかしくなり顔を赤くし、照れ隠しに標的を久里に向ける。
「お前はどうなんだ!初日以降姿を見ないが逃げ出したんだろ!腰抜けめ」
「そうだ!腰抜けが言ったって説得力ないぞ!」
周りの奴らも久里が逃げ出したと信じているので非難を浴びせる。しかし久里は相変わらず金丸を見下しながら言う。
「バカかテメェは?」
「何?」
「お前はあの場にいなかったわけじゃねーよな?ならあん時の俺と監督の話を聞いてないわけじゃねぇよな」
「話?……まさかお前、達成したのか⁈あれを⁈」
野球部員は久里と監督の話を思い出すとまるで久里を化け物を見たような目で久里を見る。周りはそんなことは知らないので金丸達にどんな話か聞く。
「おい、一体どんな話をしたんだよ?」
「そ、それは「能力テスト全項目、遠投、50m走、最長飛距離、合計飛距離、3000m走、投手項目全てにおいて学年一位を叩き出すこと」
それを聞いた瞬間クラスの奴は驚愕の目で久里を見る。そして話には続きがあった。
「それを達成したってことはお前」
「そう!俺この前から一軍でーす」
「「「「「「「「「「一軍⁈」」」」」」」」」」
こんな時期から一軍など今まで誰もいない。去年の御幸ですら成し遂げていない。正真正銘、久里は前代未聞なのだ。
「分かったか?人をバカにする暇があるなら一軍に来てから言うんだな」
「くっ!」
金丸は流石に言い返せないのかそれ以降静かになった。
後日、春の大会で試合がある日。試合会場に行く前に一軍のメンバーが監督の前に集まりミーティングをしていた。
「分かってるなお前ら。センバツを決める秋の大会、本線の夏と比べて春の重要度は決して高くないだろう。だが今日の相手は秋で敗れた市大三校だ!受けた屈辱は10倍にして返すぞ!」
「はい‼︎」
「よし!いつものやついけ!」
メンバーは立ち上がり円を囲む。しかしここで問題が起きた。
「あの?」
久里が手を上げる。
「なんだ?」
「俺いつものやつって知らないんですけど」
そうこの久里は掛け声を知らない。他の1年は青道に憧れ入学したものばかりなのでほとんどが知っているが久里は知らなかった。だからと言って久里が高校野球を見ないわけではない。久里は研究のため、自分の成長のためよく試合を見る。しかし、たまたま試合前を見ていなかっただけのことだ。
「しょうがない、今回は久里は皆の格好を真似て後で覚えておけ。次はないぞ」
「はい」
そして気を取り直してキャプテンである結城が掛け声を始める。
「俺たちは誰だ?」
「青道」
「誰よりも汗を流したのは」
「青道」
「誰よりも涙を流したのは」
「青道」
「誰よりも野球を愛しているのは」
「青道」
「戦う準備は出来てるか?」
「おぉお!」
「我が校の誇りを胸に狙うはただ一つ 全国制覇のみ‼︎」
「いくぞ!」
「おおおおおお!!」
久里達は去年の秋に苦渋を飲まされた市大三校相手に挑むのであった。
限りがいいんでここまでにしました。
次回!雪辱の市大三校戦!久里のデビュー
ご愛読ありがとうございました!次回をお楽しみに。ではまたね!