模造巨人と少女   作:Su-d

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ストーンフリューゲルについて少し説明させて頂きます。ネクサス本編で第二の適能者・姫矢准が長距離を移動する際召喚したマッハ7の速度で飛行出来る戦闘機型の巨大物体の事です。僕の作品ではウルティノイドに変身する暗黒適能者もそれと似た事が出来る設定にしています。その似たアイテムというのがダークストーンフリューゲルです。
本来ストーンフリューゲルは適能者を移送するだけで無く傷の治癒が出来るというかなり画期的な能力を備えています。
今のところ宙は荷物運びにしか使って無いですけどね。


11.守りたいもの 2

ーー淡島神社・階段ーー

「こ、これ一気に登ってるんですか⁉︎」

ルビィは目の前に存在する山頂へ続く長い階段を見上げ息を飲む。

 

「もっちろん!」

千歌が大きく頷き

 

「いつも途中で休憩しちゃうんだけどね」

曜は苦笑する。

 

「でも、ライブで何曲も踊るには頂上まで駆け上がるスタミナが必要だし」

穏やかながらも決意を固めている表情をしている梨子。

ルビィは3人がどれ程の覚悟を持ってスクールアイドルに臨んでいるのか改めて思い知らされた。

 

「じゃあ、μ's目指して…よーい、ドン!」

千歌の合図と共に五人は一斉に駆け出した。

 

 

 

 

 

 

4人の後ろ姿がどんどん遠くなっていく。

 

もしかしたら、運動が苦手な自分でも。

もしかしたら、体力が全然無かったとしても。

 

でもそれは違った。先輩達も、ルビィちゃんも全力で走ってる。一つの事に本当に全力で取り組む時、周りに合わせて妥協することなんてできないんだ。自分の為にも、周りの為にも。

 

「やっぱり、マルには…」

 

「花丸ちゃん!」

見上げるとそこにはルビィが立っていた。

 

「一緒に行こう!」

ルビィは笑いながらそう言って手を伸ばしてくる。

 

(あぁ、やっぱりルビィちゃんは優しいなぁ……でも)

それが彼女の枷になっている事は花丸が一番良く分かっていた。

 

「駄目、だよ…」

乱れた息も整えぬまま花丸はそう呟く。

 

「ルビィちゃんは走らなきゃ。ルビィちゃんはもっと自分の気持ち、大切にしなきゃ。自分に嘘ついて、周りに合わせても辛いだけだよ。」

 

「合わせてるわけじゃ…」

ルビィは口ごもってしまう。

 

「ルビィちゃんはスクールアイドルになりたいんでしょ?だったら前に進まなきゃ。さあ!行って!」

 

「でも…」

 

花丸はいつものように穏やかな笑顔を見せた。

「さあ!」

 

ずっと迷っていたルビィだったが、やがて意を決したように踵を返し走り出す。

 

 

これで良いんだ。

 

花丸は登ってきた階段を降り始めた。

 

マルの大切な友達は優しくて、思いやりがあって、でもちょっと気にしすぎな子。でももう大丈夫。胸に閉じ込めていた夢や憧れを解き放った彼女は素晴らしいスクールアイドルになるだろう。マルは共に歩む事はできないけど……それでも、見に行って応援するくらいならいいよね…?

 

 

 

 

「やった……やった!」

頂上の神社に辿り着いたルビィは膝に手をつき息を整える。

 

「凄いよルビィちゃん!」

先に到着していた千歌達が彼女を取り囲み褒める。

 

「ほら!見て!」

梨子が指差す先には沈みゆく美しい夕焼けが存在した。

 

「わぁぁ…」

万感の思いでそれを見つめる4人。その温かな光を浴びながら息を大きく吸い込み、千歌は思い切り叫び出した。

 

「登りきったよーーー!!!!」

 

 

 

 

○○○

私は見る。遠くからあの子達の背中を見ている。

あの子が友達と一緒に楽しく語らっているのを見ると何だか凄くほっとする。私が居なくてもちゃんとやっていけるのは分かるんだけど、それでも気にかけちゃうのはやっぱりお節介なのかしら。

 

それにしても、本当に綺麗な夕焼けだなぁ。

私にとって夕焼けはかけがえのない思い出が詰まった時間だった。皆んなで手を繋いで一緒に見るそれは、楽しかったこと、悲しかったこと、辛かったことその全てを優しく包み込んでくれる。その斜陽の空に手を伸ばすと、まるで自分も光になったような気分になれた。隣にはちょこんと座るあの子達の幸せそうな顔。

 

でも、これだけ離れたところからではもうその顔を見ることが出来ない。あぁ、もしも私がすぐ隣に行けるのなら優しく抱きしめることが出来るのに。

それが私の唯一の願いだった。

○○○

 

 

 

 

 

 

「何ですの?こんな所に呼び出して」

神社に続く階段の途中には、眼下の内浦を眺望できる展望台が存在する。ダイヤはその場所に呼び出されていた。振り向いた先にいるのは茶髪のロングヘアーの少女。

 

「あの、ルビィちゃんの話を…ルビィちゃんの気持ちを聞いてあげて下さい。」

それだけ言うと花丸は走り去ってしまう。

 

残されたダイヤはポツリと小さく呟いた。

「そんなの……分かってる」

 

「お姉ちゃん!」

そこに淡島神社から降りてきたルビィ達が鉢合わせる。

 

「ルビィ?………これはどう言う事ですの?」

途端にダイヤの目つきが鋭いものへと変わった。

 

「あの……それは、その…」

予想外の出来事にルビィは萎縮してしまう。

 

「違うんです!ルビィちゃんは「千歌さん」

千歌の言葉をルビィは遠慮がちに遮った。

 

「お姉ちゃん。ルビィ…ルビィね!」

彼女はもう迷わない。大切な友達に背中を押してもらい心に灯した炎を絶やさぬまま彼女は自分の気持ちを姉にはっきりと伝えた。

 

 

 

 

 

 

花丸は何処かぼうっとした様子でもと来た階段を降りている。

(こんなに運動したのいつぶりだっけ?足がもつれて上手く歩けない…)

良くない事は全く予期せぬ時に起きるもので、何段目かを降りたところで彼女は足を踏み外してしまいそのまま体が前に大きく傾く。

 

「あっ…」

転ぶ–––––––そう思い彼女はギュッと目を瞑る。しかし彼女の体は地面に激突する前に誰かにしっかりと抱き止められた。

 

「よっ……と。大丈夫ですか?」

花丸は恐る恐るを開け自分を抱き止めてくれた人の姿を確認する。

そこには一人の少年がいた。微笑を浮かべながら花丸の様子を伺っている。

 

「あっありがとうございます!」

花丸はそう言うと慌ててその少年から飛び退く。

 

「え?」

 

「あっやっその…本当にありがとうございます。もう少しで大怪我するところでした!」

不思議そうな表情をする少年に花丸は再び感謝の言葉を述べた。

 

「ふふっどういたしまして。今は怪我無くて良かったですね。あ、あと貴方のお友達、上手くやっていけると良いですね」

 

花丸はその言葉を聞くとお辞儀をして小走りで逃げるように降りていった。

(何でルビィちゃんの事を知ってるの…⁉︎)

彼女は脳裏に浮かんだ得体の知れぬ恐怖を拭い去ることが出来なかった。

 

 

 

「ねぇ、あの子のお友達ってスクールアイドルやろうとしてるんだって」

少年は辺りに誰もいないのに喋り出す。

 

「あの子は運動が苦手だからそれがお友達の夢の妨げになると思ってやめちゃうんだって。」

 

「美しい友情だなぁ……」

少年は朗らかな表情で喋り続ける。

 

「もし二人のどちらかが死んじゃったら残った一人はどんな顔をするのかな?泣いちゃう?口惜しさに歯軋りしちゃう?それともタガが外れて発狂しちゃう?ねぇ、君も見てみたいでしょ?」

少年はそう言うと木々の間の暗闇をじっと見つめる。ヌチョリという音と共に何かが動いた。

 

「姉さんにいつ会おうかなぁ…」

少年は楽しそうな様子でそう呟いた。

 

 

 

「花丸ちゃん……結局あの後も練習来なかったなぁ…」

ルビィはトボトボと帰り道を歩いていた。スクールアイドルをやりたいという夢を後押ししてくれた友人はあの後ひっそりと姿を消した。

後から千歌の携帯に「途中で折角の練習を放り出しちゃってごめんなさい。用事もあるので今日は帰ります。」と花丸から連絡が入っていた事が分かった。

 

「やっぱりルビィの勘違いだったのかなぁ……?」

練習に参加していた時花丸ちゃんは–––––––

 

突然ルビィは足を止める。彼女は誰かに後をつけられているような気配を感じていた。気味が悪くなり走り出す。

 

ズルリ

 

後ろから妙な音が聞こえた。まるで何かが地を這うような…

ルビィは疲弊しきった体に鞭を振るうように懸命に走った。

 

(あのトンネルさえ潜ればいつものバス停。早く…急がないと!)

 

後ろを見ないようにしながら懸命にトンネルまで走る。

しかし、トンネルに入った瞬間何かに躓いて転んでしまった。悲鳴を上げそうになりながらも懸命に(こら)え、恐る恐る後ろを振り返る。そこには何もおらず、あの妙な音もいつの間にか聞こえなくなっていた。

 

(気のせいだったのかな?)

鞄に付いた埃を払い、再び歩き出そうとした瞬間

 

ベチャッ

 

足元に何かが落ちる。

「何…これ?」

よく見るとそれはゼリーのようにドロドロとしていた。不思議に思いトンネルの天井を見上げる。

 

そこにはブロブのような何かがへばりつきモゾモゾと蠢いていた。

 

「ギ…」

 

ルビィは今度こそ甲高い悲鳴を上げる。

腰を抜かしながらも這うようにトンネルから逃げ出した。

トンネルの中からはナメクジに似た何かが足の無い体を這いずらせながら出てくる。先程の妙な音の正体はコイツだった。

 

 

ーーブロブタイプビースト

        ・ペドレオン(クライン)ーー

 

「あ……ぅあ」

三体の怪物に囲まれルビィは必死に助けを呼ぼうとするが言葉が口の中でつっかえて上手く発音する事が出来ない。ペドレオンは体の一部を口のように大きく開きルビィに近づいていく。

 

あまりの恐怖に気が遠くなり、ルビィの眼球はぐるりと上を向く。

彼女が最後に見たのは上から降ってくる黒髪の少女の姿だった。

 

「お姉…ちゃん…」

そのまま彼女の視界は暗転した。

 

 

 

 

 

「その子から……離れろ!」

宙は落下の勢いを利用しながらダークエボルバーを勢いよく振り下ろし一体を真一文字に切断する。片膝立ちで着地すると同時に地面を強く蹴り、気を失ったルビィを抱えながら左方向に素早く転がる。やや遅れたように宙のすぐ横を通過する4本の触手。少しでも反応が遅れていたらペドレオンの触手の餌食になっていただろう。

宙は一瞬で敵の攻撃範囲から離脱するとルビィを自分のすぐ後ろに寝かせる。敵の数が多い今、ルビィから少しでも離れるのはかなり危険だった。

二体のペドレオンは距離を詰める前にダークエボルバーから放たれた光弾であえなく四散。

 

残りの二体の撃破を確認した宙はそのまま振り返る事無くにダークエボルバーを後ろに向け–––––––

 

「もう少し上手く隠れることね」

 

トンネル内に潜んでいた最後の一体を撃ち殺した。

 

 

 

 

ルビィが目を覚ましたのはそれからすぐの事だった。目を覚ますと誰かに抱き抱えられている。

 

「あ、目は覚めましたか?」

黒髪の少女が心配そうにルビィを覗き込む。ルビィは堪らず少女に抱き付き泣き出した。

 

「お姉ちゃん! ぐすっ…怖かったよぉ……」

 

「あれ?」

 

目覚めてすぐだったので、視界がぼやけていたルビィには宙が(ダイヤ)に見えたのだった。

 

 

 

「うぅ…ごめんなさい」

勘違いをしてしまったルビィは宙に謝る。

 

「いえ、構いませんよ。それより、誰もいない所で一人で倒れて一体どうしたんですか?」

 

「え?」

 

「あ、もしかしてあの階段ダッシュやりました?そりゃ疲れますよね」

 

「違います!私さっきここで怪物に襲われて…」

 

「? ルビィさん以外何も居ませんでしたよ?多分疲れて倒れちゃって変な夢見ちゃったんですよきっと。」

宙はそう言ってルビィを落ち着かせるように優しく撫でる。

 

(これ以上彼女を巻き込ませるわけにはいかない…)

宙は強引にルビィは何も見ていなかったことにする。自分の為にも、ルビィの為にもそれが一番だった。

 

「あ!バス逃しちゃった…」

一悶着あったせいで乗ろうとしていたバスは既に過ぎていた。次に来るのは30分後。ルビィは肩を落とす。

 

「私もです。」

宙も少しルビィから離れて隣に立つ。バス停には2人以外に誰もいない。会話が途切れ2人はそのまま無言で15分程バス停に立っていた。

 

(どうしよう……凄く気まずい…)

ルビィは今更ながら先輩と二人きりという状況に困り果て、横目で宙の様子をチラリと伺う。同じように宙もルビィを見ていた。2人の視線がぶつかる。 

 

「「あっ」」

 

「「…………」」

 

「…椅子、座りません?」

宙はおどおどしながらベンチを指さした。その様子にルビィは思わず笑ってしまう。

 

(先輩も人見知りなんだ。ルビィと同じで)

 

「うゆっ」

ルビィは小さく頷くと一緒にベンチに腰掛けた。

 

 

 

バスが来る間、ルビィは宙に今日あった事を話していた。

 

「花丸さんがそんな事を…」

宙は彼女の話を真剣に聞いている。

 

「そうなんです。花丸ちゃん、やっぱりスクールアイドルやりたくなかったんじゃ無いかって」

 

「でも彼女、凄く楽しそうに練習しておられましたよ?」

 

「……でも」

 

「「…………………………」」

 

「ち、千歌さんって」

静寂を破ったのは宙だった。

 

「非常に強引な方ですよね。勝手にポスターに名前書いたり、断っても誘い続けたり………見ず知らずの薄汚い小娘を家に連れ込んでご飯を振る舞ったり」

 

「?」

 

「でも!私は彼女のその強引さに救われました。曜さんも、梨子さんもそれは同じだと思うんです。だからルビィさんも…」

宙はそこで言葉を区切る。ルビィは彼女が言わんとする事を何となくではあるが汲み取る事が出来た。

 

「先輩、ありがとうございます。」

 

遠くからバスのヘッドライトが近付いてくる。

 

 

 

 

 

 

 

ーー翌日・スクールアイドル部 部室ーー

 

「宜しくお願いします」

そう言ってルビィは入部届を千歌に差し出す。

 

「うん!宜しくね!」

千歌は両手で大事そうにそれを受け取った。

 

「そう言えば花丸ちゃんは…」

 

千歌は残念そうに首を振る。

「昨日の夜メッセージが来たんだけど、やっぱり入部はしないって……」

 

 

 

 

 

 

 

 

花丸はいつものように図書室へ向かう。その静かな空間こそ彼女の居場所の一つだった。その隣に一緒に本を読んだ友人はもういないが…

 

机に置いてあるのは一冊のスクールアイドルの雑誌。華やかな衣装に身を包んだ少女がこちらに笑いかけている。 後悔は無かった。

 

「やっぱり体力無いマルには無理だよ……」

そのままそっと本を閉じようとする。

 

「バイバイ。」

 

「それで本当に良いんですか?」

 

「うひゃあっ!」

突然机の下から声が聞こえ花丸は飛び上がる。宙が体育座りの体勢でその隙間に収まっていた。

 

「素朴な疑問を感じました」

そのままのそのそと這い出てくる。

 

「いつから居たんですか⁉︎」

 

「体力が無いからスクールアイドルに向いてない……ルビィさんがスクールアイドルに入部出来ればそれで良いと思い身を引いたんですね。やっと理由が分かりました。」

花丸の質問をスルーしながら宙はそのまま話を続ける。

 

「でも……彼女はそうは思って無いみたいですよ?」

 

突然図書室のドアが開かれる。

 

「花丸ちゃん!」

 

「ルビィちゃん⁉︎」

 

「ルビィ、スクールアイドルがやりたい!花丸ちゃんと!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スペースビーストは人間という知的生命体を捕食する。正確に言えば、高度な知性を持った生命体から生み出される恐怖を得る事を目的としていた。彼等に感情は存在せず、あるのは殺戮衝動のみ。理解不可能な異形の生命体に対抗する力を人間は持ち合わせていなかった。

–––––––「彼ら」を除いて。

 

 

 

 

「作戦通りターゲットをポイントQへ誘導。周囲に有人反応無し。第二種警戒体勢解除」

 

『ターゲットは全部で6体です。自在に体の形状を変化出来るようですが遠距離への攻撃手段は持ち合わせていないので50メートル以上距離をとりながら掃討して下さい』

 

「了解。これより最終行動に入る」

合図と共に暗闇の中から6人の武装した集団が現れ、足場の悪い木々の間を高速で駆け抜けていく。夜は彼らの狩場だった。

 

彼らが装備する大型ライフル・ディバイトランチャーから放たれるナパーム弾は一撃でビースト・ペドレオンを粉微塵に粉砕。

合図から1分過ぎる頃には戦闘は終了した。

 

「状況終了」

部隊を率いるリーダー格の男が握りしめているディバイトランチャーを下ろしながら戦闘終了を伝える。

 

『確認しました。37秒後に処理班が到着します』

イラストレーターは既に事後処理部隊・ホワイトスイーパーの手配を済ませていた。

 

「ビーストによる人的被害は?」

 

『ご安心下さい。市街地に到達する前に全て掃討したので犠牲者は出ていません。』

 

イラストレーターの言葉に男はようやく体の緊張を解いた。他の隊員もバイザーゴーグルを外し空気を吸い込んでいる。彼らこそTLTにおける対異星獣特殊任務班、通称「ナイトレイダー」である。

 

37秒後、ナイトレイダーが待機する場所の上空に突如航空機が姿を現した。何も無い所からいきなり現れたような光景にナイトレイダーの隊員達は感嘆の吐息を漏らす。

 

「プロトタイプチェスター……何度見てもこの機体のカモフラージュシステムには驚かされますよ」

 

「こいつの運動性能と航続距離さえ改良出来れば俺達も大型ビーストと十分渡り合える筈だが……」

 

チェスターと呼ばれる機体からは白い化学防護服を着た事後処理部隊・ホワイトスイーパーが降下してくる。即座に散らばったビーストの破片の処分を開始した。

 

「石堀には頑張って貰わないとな。……よし。そろそろ俺達も帰投するぞ。」

 

ナイトレイダー隊長は指示を出すが1人だけまだ警戒を解いていない隊員がいた。周囲を見渡しながらディバイトランチャーを構えている。

 

「おい、どうした?」

 

「……まだ敵が残っています」

 

「まさか。ビースト振動波の数値は既に低下して……」

1人の隊員が笑い飛ばそうとした瞬間ーー

 

『ッ!?この数値は……総員、そこから退避して下さい!大型が来ます‼︎』

 

イラストレーターが叫んだ瞬間、ポイントQの地面が轟音と共に崩落した。ホワイトスイーパーの何人かがその崩落に巻き込まれる。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

「ーーーー!!!!!!」

地面から「大型」が姿を現した。

 

ーーブロブタイプビースト・

     ペドレオン(グロース)ーー

 

ペドレオンの体から伸びた触手にはホワイトスイーパーが拘束されている。その状況を見て間一髪難を逃れたナイトレイダー隊員達は低く呻いた。

 

「小さい奴らは囮だったのか……⁉」

 

 

 

 

 

 

 

「イラストレーター!チェスターなら残った全員を収容して離脱出来ます!まずは皆の安全を確保しないと!早く指示して下さい!」

立ち尽くすイラストレーターに向かって瑞緒は声を荒げる。

 

「何故直前までレーダーに映らなかった……?」

 

「ああもう!」

痺れを切らした瑞緒は彼を押し除けてマイクに怒鳴る。

 

「皆さん!よく聞いて下さい!敵はまだチェスターのカモフラージュに気付いてません!チェスターのハッチに備え付けてある牽引システムを起動させますのですぐに乗り込んで下さい!」

 

 

 

 

 

「この状況でどう乗り込と…⁉」

負傷者を抱えながら懸命に応戦している隊員がそう零す。ペドレオンは残った人間も捕食する為に地上に居る隊員を追いかけており、少しでも攻撃の手を緩めれば全滅しかねない状況だった。

 

 

 

 

 

 

「駄目だぁ〜〜ど、どうしよう⁉︎」

司令室で頭を抱える瑞緒のパルスブレイガーが突如鳴り響く。

 

「誰⁉︎こんな時に!」

と言いつつも藁にもすがる思いでそれを確認する。スイッチを押すと少女の顔が映し出された。

 

「宙さん⁉︎」

 

『瑞緒さん!』

その表情は決意に満ちていた。

 

『前に言ってましたよね?「本当に守りたいものが出来たら力を貸して下さい」って。ようやく分かりました。私の「守りたいもの」。だから私、戦います‼︎』

 

沸る戦意を胸に、宙は懐からダークエボルバーを勢いよく引き抜いた。

「皆んなを、私の帰る場所を守るために‼︎」

 

突如ペドレオンの目の前に紫色の光が出現する。

 

「シェアァ‼︎」

 




サンシャイン4話のこの友達を想う気持ちと想う気持ちが交錯する描写凄い好きです。特に走るルビィちゃんをバックに花丸ちゃんの語りが入るシーンを見た時は本当に感無量って感じでした。
友達の夢に真摯に向き合える人って人格者だなって。

あれおかしいな僕にこんな青春は
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