模造巨人と少女   作:Su-d

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今回の話とは全く関係ないのですが富士山山中で少女が戦ったのは バグバズン・ブルード というビーストです。放送短縮の為ネクサスで登場する事はありませんでしたが、後にウルトラマンX20話で再登場しました。その内の一個体がとんでもない強さでしたね

前回の後書きで時間が掛かると言いましたけどあれ嘘です。ごめんなさい

次の展開を書こうとすると多分結構長くなるので今回は箸休め回かつ次の話の導入みたいな感じで... 内容も少し短めです
サンシャイン本編の内容が全く進んでいません。これは重罪ですね


3.処理

フログロスの爆散により戦闘は幕を閉じた。

 

ファウストはゆっくりと地上に降下していく。

 

 

 

「終わった.....の.....?」

結局避難できなかった千歌達は内浦で起こった最初の戦闘の目撃者となった。千歌が呆けた声を漏らす。

 

「いや!まだ黒い巨人が残ってる!あいつ...まだ暴れる気なの⁉︎」

対する果南は全く警戒を解いていない。

 

しかしファウストは地面に降り立つのと同時に力尽きたように片膝をつく。体力の限界を迎えたファウストはそのまま霧散する様に消えていった。

 

 

燃え盛っていた炎も消えかかろうとしている。

淡島には大きな破壊跡だけが残った。

 

ーー淡島・上空ーー

「Oh deer....」

 

「なんだったんだ今のは...?」

 

鞠莉と機長も先程まで起きていた出来事に呆気に取られていた。機長に至っては勤務中だというのに話し方が素に戻ってしまっている。無意識にヘリを降下させていることすら気付かなかった。

 

 

 

「あっ!果南‼︎」

鞠莉は海岸辺りにいる人影の中から大切な友人を発見した。

 

「「良かった...!」」

視界がぼやけてくる。慌てて服の袖で拭うと機長に命じる。

 

「すぐに着陸して!」

 

「大変申し訳ないのですが一面ガレキだらけで着陸する場所がありません。それにこの後学校の手続きがあるのでしょう?急いだ方が宜しいかと」

 

「お願い!一生のお願い!」

 

「さっきも言ってましたよねそれ⁉︎それに昨日奥様の屋敷から抜け出す時にその一生のなんとやらは既にお使いになられたはず...」

 

「ワタシは一度輪廻転生(リーンカーネーション)してるから問題無いデス!」

 

「帰りましょうか」

 

「ちょっと!主の言う事が聞けないのですカ!クラシマ!」

 

(胃が痛い...!)

 

ヘリは淡島の巨大なホテルに向かって飛び去っていった。

 

 

 

 

 

翌朝、まだ空が真っ暗な時間ではあるが果南はランニングをしていた。

(本当に何がどうなってるのよ...?)

 

ーーーー

昨日何とか避難所に辿り着き、そこで一夜を明かすことになった果南だったが、これからのことを思うと暗澹たる気持ちになった。ダイビングショップが無くなってしまえば、生活する事も出来なくなる。これからどうすれば良いのか全く分からなかった。

これからの事を考えると眠る事は出来ないだろうと思っていたがいつの間にか眠ってしまっていたらしい。

 

目を覚ますと、そこは見慣れた自宅(ダイビングショップ)のベッドの上だった。

訳が分からず家を飛び出すとーー

 

昨日の惨劇が嘘の様にそこにはいつも通りの海や街の景色が広がっていたのである。

ーーーー

 

(夢を見ていた訳じゃ無さそうね....)

昨日避難所で処置して貰った時の包帯がまだ足首にしっかりと巻き付けられている。

 

果南は深く考えすぎると頭がおかしくなってしまいそうだったので取り敢えず心を安らげる為にランニングをしている。彼女にとっての運動という概念は常人を遥かに凌駕していた。

山の急な傾斜にも呼吸一つ乱されず駆け上がっていく。

 

「?」

不意に茂みの中から人の気配を感じる果南。

 

(気のせいかな...?)

息を殺し音を立てずにひょっこり覗いて見る。

 

そこには小さな天然の湖があった。が、問題はそこではなく

 

(!?!?!?!?!?!?)

 

そこには一糸纏わぬ格好で水浴びをしている少女の姿があった。

 

 

 

 

 

(あんなにダメージを受けたのにそれ程傷は残ってない...不幸中の幸いというやつかしら)

背中に大量の火球を喰らったにも関わらず少女の背中には小さな火傷の跡が残っているだけだった。

ちゃぽんと湖の中に浸かりながら身体中の力を抜いてリラックスする。

 

火傷の跡は見る見るうちに消えて無くなった。

 

(驚く程美しく澄んだ水...治癒するのにも丁度良い)

 

側に置いてあるダークエボルバーを取り天にかざすとどこからともなく戦闘機の様な形をした黒い石が飛んで来た。

 

 

 

 

(UFO?宇宙人⁉︎ややややっぱり昨日の事は夢じゃ無かったの?)

 

果南の頭の中はキャパオーバー寸前である。

 

 

 

少女はばしゃばしゃと足を何回かバタつかせると満足したのか湖から上がる。

 

 

 

細長い手足に引き締まった体。スレンダーという言葉がよく似合っていた。長い黒髪を左右に振り水気を払うと光に反射している訳でも無いのにその髪は艶々と輝いて見える。周りの静かな雰囲気も相まって非常に神秘的な光景を作り出していた。

果南は思わず見惚れてしまう。 少女はそのままダークエボルバーを握りしめるとーー

 

ゴォォォォォォ‼︎

 

ドライヤーの様な音と共に少女の体から赤いオーラの様なものが発生する。

(!?!?!?!?!?!?)

 

 

「よし、乾いた」

【....................】

 

少女は先程呼び寄せた石ーー「ダークストーンフリューゲル」に手を突っ込むといつも着ている黒を基調とした服を取り出しあっという間に着替え終わった。

 

「いつもありがとうね」

【....................あぁ】

 

 

そのまま立ち去っていく少女。

 

 

 

(何あれ)

果南は次千歌達に会った時に話す事がたくさん出来てしまったのを確信した。

 

 

【............................私の力はこんなチンケな事に使うべき物なのか...?】

 

肉体を自力で動かす事が出来ず自身の闇の力が少女の日常生活に使われてしまう事にファウストは自分を見失いそうになる。

 

 

彼の葛藤を理解する者は、多分、いない。




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