名探偵コナンの世界で気ままに生きる(一旦休載中)   作:ゆかなおっぱい

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冴子いてあの人いないのおかしいよなぁ。
ってことで私の一番好きな主人公を出します。実はこの人に似せてオリ主を考えてましたw

あと、前回から高評価を多く頂きました。
本当に、ほんっとうにありがとうございます!!!
これからも皆さまに読んでいただけるような物語を書いていきます。


狙われた野上家

「「おめでとうーー!!」」

 

パン、パパン!!とクラッカーの音が鳴り、硝煙の匂いが立ち込める。

今日はまた野上家にお呼ばれされ、またまた晩ご飯をいただいているのだ。

何故こんなパーティを開いているのかというと、唯香の小学校入学、麗香の中学入学、俺たちの高校入学祝いだからだ。といってもウチはウチで入学祝いはしたんだが、冴子達から来なさい!!と言われれば従わざるを得ない。アレ?もう尻に敷かれてない?大丈夫か俺…

 

(それにしても早いな…もう16年経ったのか…冴子と会ってからみても9年、長いようで短かったなぁ…それにしても全員揃って入学っていうのも中々珍しい…)

 

今年の春からは2人揃って帝丹高校一年生、花の女子高生冴子が見られるのはこの3年間だけだ。

麗香も初の制服姿をお披露目していて、中々似合っている。唯香は唯香で新しく買ってもらったというランドセルを俺に見せてきた。2人とも新しい学校生活に胸をときめかせているようで、目が爛々と輝いている。あの2人なら上手くやっていきそうな気がする。

 

さて、俺はというとあまり気変わりはせず、正直校舎と制服が変わるだけなのであまり気にしていない。麗香も同じく小学校からの内部進学なのだが、やはり小学校から中学、中学校から高校だとまた少し違うのも致し方ないといった所か。俺は前世でも中学から高校は内部進学であったが、男子校だったというのもありワクワク感というは全く無かったが、今回はそれなりに期待はしている。

 

「さぁ、食べましょうか」

 

そう言われてみんなでテーブルに置かれた料理を食べる。やはり麗子さんの料理は美味いなぁ…

中でも俺の好物なハンバーグが絶品だ!でもどこかで食べたような?

 

「ん、このハンバーグ美味い!!」

 

「あら、良かったわねぇ冴子」

 

(ん?冴子?…あっ!)

 

「冴子、あの時のか!」

 

「そう、家庭科で作ったでしょ?それと同じものよ。」

 

「なるほど、道理でどっかで食った気がしたのか」

 

「ハッハッハ、裕太君、もう餌付けされちゃったみたいだな!」

 

「アハハ、そうみたいっス」

 

その後もパーティは続き、帰るのは夜10時になってしまった。

 

 

〜〜

 

 

翌日、入学式を終えた俺らは昼飯を近くの寿司屋でという話になり、今は丁度食べ終えて外に出たところだ。

 

「いやぁ食った食った」

 

「もう、少しはお義母様のこと考えてあげたら?途中から顔が青くなってたわよ?」

 

「お兄さんは食いしん坊だもんねぇ…」

 

「流石にアレは食べすぎです。」

 

「な、なんだよ…三人揃って…まぁちょっと食べ過ぎたかな?」

 

麗子さんの紹介ともあって普通の回転寿司でなくカウンター式の高級なところだったため、最初は俺もみんなと同じくランチ用のセットを頼んでいたのだが、珍しく母さんが今日はもうちょっと食べても良いよと言ってくれたため、じゃあという感じで注文していくと、最初はみんな良く食べるなぁくらいだったのだが途中から段々と引かれていき、最後の方はいつも笑顔を絶やさない麗子さんまで気まずそうに母さんのことを見ていた。

そのため今の母さんの表情は少しやつれていてこめかみには怒りマークが2、3個出来ていた。

 

「裕太…アンタ次来るときは自腹ね」

 

「えぇっ…」

 

それを聞いて麗香大笑い、冴子と唯香は後ろを向いてプププっと笑っていた。麗子さんもアララって感じで苦笑いしていた。

 

(な、なんだよ皆んなして…いいじゃねぇか、腹減るんだから…)

 

そんな感じで店の前で談笑していると後ろから車が猛スピードで突っ込んで来た!

 

「っ!?危ない!!」

 

俺は咄嗟に車の進路にいた冴子と唯香を抱き抱えて店側に寄せる。電車の高架下にあるこの店の前には歩道がなく、車もそれを分かっていたようにワザと俺達の近くを通っていった。しかしアレは完全に冴子と唯香を轢き殺そうとしたような走り方だった…

 

「大丈夫!?冴子ちゃん、唯香ちゃん!」

 

「大丈夫ですわお義母様…」

 

「こ、怖かった…うぅ…」

 

冴子も流石に今のは冷や汗をかいたようで、ちょっと震えている。唯香はとても怖かったようで、目には薄っすらと涙を浮かべている。

 

「お姉ちゃん、唯香…無事でよかった…」

 

「ありがとうね、裕太君」

 

「いえ…なんだったんでしょう、今の。完全に分かっててコッチに向かって突っ込んで来てましたし…」

 

「…分からないわ。取り敢えず、今は助かったのだから良しとしましょう。世の中ああいう危ない人もいるわ…」

 

「ホント、サイッテー!!」

 

麗子さんは冷静を装ってはいるが、やはり娘を殺されかけて相当怒っているようだ。麗香も怒りをあらわにしている。

 

(本当になんだったんだ…?)

 

 

〜〜

 

 

その後一週間は何事も無く、学校も順調に進み、二度目の高校生活を満喫していた。

 

「起立、礼!」

 

「「ありがとうございました!!」」

 

6時間目の授業が終わり、今日もいつも通りの学校が終わった。教室は授業が終わったため空気が緩み、各々帰る支度をする者、友達と駄弁る者、部活動に向かう者など様々な人で賑わう。

 

「さぁ、私達も帰りましょうか」

 

「あれ、放課後呼び出されてるんじゃねぇのか?」

 

「それなら昼休みの内に予め断っておいたわ。早く帰りたいもの」

 

「えぇ…相手もちゃんと告白しにきてるんだし、もうちょっと丁寧にしてやったらどうだ…」

 

そう言うといつも通り冴子は嫌そうな顔をする。

 

「分かってるわよ…でもあまり放課後の時間を取られるのは好きじゃないの」

 

「知ってる…お気の毒に、誰か知らんけど。」

 

なんだかんだで話をしながら学校の外に出る。

 

「なんかこの道も飽きたなぁ…」

 

「早いわねぇ…まぁ無理もないわ、中学の時とほんのちょっとしか変わらないもの。」

 

「ほんそれ」

 

そうやって歩いているとどこか寒気がして後ろを振り向く。するとそこにはこの前の車が停まっていた。冴子も俺がいきなり後ろを向いてビックリしたのか、続けて振り向く。そして車を視認すると顔を青ざめた。

 

「嘘っ…」

 

車からサングラスとマスクをした男らしき人が降りてきて、冴子に銃を向ける。

 

「クソが!!」

 

俺は咄嗟に冴子を庇い、抱き寄せて背中を向ける。それとほぼ同時か、ちょっと後に

ダァン!!

と銃声がしたと同時に俺の左肩を銃弾が擦り、血が滲む。俺は痛みを堪えられず顔を歪め、肩を右手で押さえる。

 

「グゥっ!イテェな…この野郎…」

 

「裕太!!」

 

しかし犯人は手を緩めようとはせず、もう一度撃とうとリボルバーを回す音が聞こえる。

しかしここで銃声を聞き駆けつけた警備員がやってきて、それを見た犯人は急いで車に乗り込み急発車、猛スピードで去っていった。

 

「待て!!…クソ…」

 

「裕太!早く手当てしないと…保健室まで歩ける?」

 

「あぁ、何とか…」

 

幸い弾は肩を少し掠っただけで、校舎の外壁に銃痕を付けていた。しかし俺の左肩からはじわじわと血が滲み、制服と右手を赤く染める。ジンジンと痛むのを堪え、冴子の助けを借りてなんとか保健室まで辿り着く。

保健室の先生は事情を聞くと驚くも、直ぐに切り替えて手当てを施してくれた。何とか止血し、包帯を巻くだけで良さそうだ。ただ…

 

「なんで冴子を狙ったんだ…?」

 

「ごめんなさい、私のせいで…」

 

冴子はすっかり気を落としてしまったようだ。

 

「気にすんなよ冴子、何とか生きてるんだから…ただ、これからは少し注意が必要だな。麗香や唯香も含めてあまり1人にはなっちゃいけないな…」

 

「えぇ…一応先生に頼んで麗香と唯香にもここに来てもらって、帰りはお母さんの車で送ってもらう事にしたわ。」

 

「そうか…なら大丈夫か。それじゃあ俺は帰るよ」

 

「何言ってるの!裕太も一緒よ!」

 

「俺は良いよ…別に狙われた訳じゃないし…」

 

「良いから一緒に帰るわよ。もしかしたら狙いを変えるかもしれないし…」

 

「分かった。そう言うならそうするよ」

 

 

暫くすると保健室に麗香と唯香がやってきた。

 

「「お兄さん!!」」

 

「あぁ、来たか。この通り、俺は大丈夫だよ」

 

「良かった、重症じゃなくて…銃で撃たれたって聞いたわ。大丈夫?」

 

麗香も今回流石にいつもの元気さを無くしているようだ。唯香も心配そうにこちらを見つめる。

 

「心配すんな、ただの擦り傷みたいなもんだ。でも俺じゃなくてお前たちの方が気をつけた方がいい。今回も冴子を狙ってたみたいだし、前回は唯香も狙われた。もしかしたら姉妹で狙われている可能性もある。警戒した方がいい」

 

「うん…」

 

唯香には怖かったのか、とても落ち込んでしまった。

 

「安心しろ唯香。ちゃんと注意してれば大丈夫。それに俺も警察もいるんだ。心配すんな」

 

「…うん!」

 

どうやら少し元気になったようだ。

 

それから5分ほどで、母さんが保健室に駆け込んできた。本当に急いで来たんだろう、服も普段着のままで、化粧もしていない。少し髪も跳ねている。

 

「裕太!!大丈夫!?」

 

「母さん…なんとか掠った程度だったよ。何ともないさ」

 

「そう、良かったぁ…」

 

麗子はホッとした表情になり、脱力したのか壁に寄り掛かった。

 

「星川さんのお母様ですね?」

 

「ハイ、息子がお世話になりました」

 

「いえ、ただ先ほど野上さんのお宅から電話がありまして、娘さん達も連れて野上さんの家に来て欲しいとのことです。何でも警察に通報して、野上さんの家で事情聴取があるのだとか。」

 

「あぁ、そうですか。ありがとうございます。さぁ行きましょうか」

 

 

〜〜

 

 

母さんの車で冴子達の家に着く。そこには一台のパトカーと剛昌さんの愛車、メルセデス・ベンツW124も停まっていた。

 

中に入ると目暮警部補と剛昌さんがいた。

 

「裕太君か。重症じゃなくてよかった。そこに座ってくれ」

 

「はい」

 

剛昌さんはいつもの気前の良いオジさん感は無く、完全に仕事モードのようだ。

 

「久しぶりだね裕太君。覚えているかな?」

 

「はい、お久しぶりです目暮さん」

 

目暮刑事とはプールでの事件以降、ちょこちょこと事件の協力をする度に会っていたため、懇意にしていただいている刑事さんだ。

 

「それじゃあ早速初めましょうか。犯人の特徴は?」

 

「犯人は恐らく男性、身長は170くらいです。痩せ型で髪は丸刈でした。服装はベージュのコートとジーパンを着ていて、サングラスをかけてマスクもしていました。なので顔は見れていません。車に乗っていて、ナンバーは『杯戸 49N た 34ー89でした。」

 

「なるほど。他には?」

 

「リボルバー式の拳銃を持ってました。狙い通りに撃っていたのでそれなりに手練れであると思われます。」

 

「分かりました。車については照合してみます。後近所にこの犯人の特徴を書いたポスターを貼ってさらなる情報を集めてみます。」

 

「はい、お願いします。」

 

そうして目暮刑事は軽く会釈すると帰っていった。剛昌さんも立ち上がり、リビングのドアに手を掛けて振り向いた。

 

「…冴子、麗香、唯香、麗子…俺が絶対に犯人を捕まえてやる。絶対だ。待ってろよ。」

 

そう言う剛昌さんの顔は真剣そのものだった。一瞬俺に目を向けたあと、直ぐに出て行ってしまった。

そしてそれを見つめる麗子さんの目は少し影を見せている。

 

「心配ないわお母さん、お父様は無事に帰ってきますって。」

 

「冴子…そうね、お父さんのことだもの、大丈夫よね。」

 

そう笑う麗子さんの顔は儚げなものであった。

 

「では自分も失礼致します。ありがとうございました」

 

「え、えぇ。」

 

 

 

〜〜

 

 

俺は冴子達に別れを告げ、母の運転する車の助手席で物思いに耽る。

 

(犯人は大体目星が付いてる…15年前、会社の金を横流しして着服していた紀ノ川商事の元社長・紀ノ川啓治だろう。警察に捕まって多額の賠償金で借金して資産を全て没収、挙句に奥さんと子供にも逃げられる始末。裁判でも全く反省してなかったって話だ。そしてその事件を追っていたのが剛昌さんだったらしい。これだけフラグが立ってりゃ分かるだろうよ…)

 

 

頬杖をしながらボンヤリと流れる景色を眺めていると、人通りの無い道の脇に建っている廃ビルを見つける。そして地下に駐車場があるのか、二台分くらい車が通れるような道が地下へと向かってのびている。

 

(出所したばかりの紀ノ川啓治に身寄りはないはず…それにこんなに頻繁に俺達の近辺に出るということは、この米花町あたりに潜んでいる可能性が高い!!それにこの辺は東都の中心でも人の少ない方だ…であるならあそこが!?)

 

 

〜〜

 

 

家に帰ってきた俺は、取り敢えず母さんから安静にしろと言われていたが、完全にさっきの場所に行くということで頭が一杯いっぱいだった。

 

(犯人は銃を持っていた。それにそれなりに腕が立つ…俺のエアガンじゃ到底太刀打ち出来ない…なら、せめてアイツがあそこに潜伏してるって事だけでも証明出来る様にすることが目標か…そのためにはまず写真も撮れる携帯は必須だな。後は何かあった時用に逃げられるように俺の作った煙玉をいくつか、そして催涙スプレーも。手袋もいるかな?後は…いや、あまり数が多くても困る。これだけで行こう。)

 

それらをズボンのポケットに突っ込み、玄関へと向かう。

 

「母さん、俺学校にちょっと忘れ物したからちょっち取りに行くから〜」

 

「えぇ!?ちょっと、安静にしときなさいな!!ちょっと裕太!?」

 

母さんの叫び声を無視して自転車で飛び出す。校舎裏でタバコをふかしたり盗んだバイクで走り出したりしないだけありがたいと思って欲しい。

 

 

 

〜〜

 

 

キキーッと音を立てて自転車を停める。先程見た廃ビルの前の路肩に置いておく。人通りが少ないので盗まれないだろうと踏んで、逃げる時すぐに発進出来る様に鍵は敢えてかけないでいる。

 

「さぁ行こうか」

 

少し緊張している自分を落ち着かせるように、声を出す。

 

先ず地下を確認すると、そこには何も無く、ただ車止めだけが転がっているだけだった。

 

一階に入ると、目の前にエレベーターが見えるが、電気が入ってないのは見るからに分かるため無視する。横にあるポストも蓋が外れていたり錆びていたりで随分とくたびれている。

少し進むと階段があり、窓から少しだけの光が差し込み、微妙に踊り場を照らしている。

運動靴のゴムが潰れる音を出来るだけ殺しつつ、二階へ上がる。この廃ビルは6階立てだ。

 

二階はなんかの企業があったのか、デスクが並んでいる。しかしその上には何も無く、ただ整然とデスクがあるだけだった。

 

三階へと上がるとそこは塾でもあったのだろう。勉強机と幾つかの受験資料が落ちていた。この階は幾つかの部屋に分かれているようで、奥へと進む。ドアは基本的に外れているか開けられている。そして1番奥の部屋に入るとそこには手洗い場があったが、そこも全く使われている形跡は無く、水も入っていないようだ。

 

(なんだ、なんもねぇじゃんか!やっぱり考えすぎたかな?)

 

肩透かしを食らって一気にやる気が無くなっていた俺は、一応上の階もササっと調べてしまおうと思い、急ぎ足で四階、五階も調べ終え、六階へと向かおうと階段の近くまでやってきた、ちょうどその時だった。

ブロロロ、キーッという車の走行音が外から聞こえてきた。慌てて外を見やると先程の犯人の乗っていた車が地下へと入って行くではないか。

 

(なぁっ!?このタイミングでか!?クソっ、運がねぇ!!)

 

俺はどうにか階段を音を立てない程度の速さで走り降りる。しかし間に合わず、下からコツコツと床を叩く音がし始める。

俺は咄嗟に三階にある部屋の一つに駆け込んだ。

そして耳を澄ませて犯人の声を聞く。

 

「ハァハァハァ…クックック、やった、やったぞ!ワシには強盗の才能があるようだ!あのバカ銀行員め、少し銃で脅したら一瞬で金を積めてくれよったわ。これで少しはマシな暮らしが出来るってものだ…」

 

(この声はやはり紀ノ川啓治…テレビとかで聞いた声そっくりだ)

 

紀ノ川の階段を歩く音は大きくなったが、また小さくなった。上の階へと上がって行ったのだろう。

俺は録音していた携帯をしまい、ササっと階段を降りていく。しかし…

 

「ハハハ、まんまと引っかかりよって。小僧!!」

 

「なに!?」

 

そう、階段で振り向き上を見ると、紀ノ川啓治が銃を構えていた。

 

「小僧、此処を突き止めたことは褒めてやろう。だが残念だったな、ワシは銃を持っている。お前みたいなガキが手ぶらでこんな所に来たのが間違いだったのだよ!!悔やむなら武器の一つも持たずに入ってきたお前の無力を悔やむんだな!」

 

「くぅ…なぜ、なぜ野上家を狙う?貴方は何故そこまでするんだ?」

 

「フッ、良いだろう。ワシは紀ノ川啓治、紀ノ川商事の社長だった。だが、それもアイツ、野上剛昌によって壊された!!それだけじゃない、愛する妻も、子供も、マイホームも!!何もかもをアイツに奪われた!!これがワシの復讐の理由だ!」

 

「…冴子達をどうするつもりだ…」

 

「冴子?あぁ、あの娘の1人か。お前はあの娘に首ったけのようだったな。安心しろ、此処でお前を殺した後、あの娘もお前の所に送ってやるよ。姉妹、母親共々な!!」

 

「…大方、剛昌さんにお前と同じように子供と妻を亡くすようにするためか」

 

「そうだ!!アイツにも俺と同じ目に合わせてやる!!だがその前にお前だ!!死ねぇ!!」

 

「グッ!!」

 

俺は何とかポケットに手を突っ込もうとするが…

 

「させるかぁ!」

 

ダァン!!と建物中に銃声が鳴り響く。そして俺の右腕からは血が流れてきた。

 

「〜っ!!」

 

俺は痛みで声が出ず、右腕を抑えて蹲ることしかできなかった。

 

「ハハハハハ、そのポケットに何を入れているのかは知らんが、今此処で死ねば同じこと。さぁ今度こそ死ね!!」

 

紀ノ川が引き金を引くまで、遅く感じた。時間がとてもゆっくり流れているようだ。俺はこれで死ぬのか、またこんなことで、殺されて終わるのか。そう諦めかけていた。

 

ダァン!!

 

カランッという薬莢の落ちる音を聞く。そして俺は銃弾を受けていない。わけが分からなくなりバッと音のした方を向いた。

そこにはデカイ体の男が立っていた。俺より一回りくらい大きな背丈に肩幅。赤いシャツに青いジャケット。袖を捲った腕は太く逞ましい。そして髪は少し長めの癖っ毛。そしてその右手に持たれた銃は、あのコルトパイソン357マグナムだ。

そう、シティーハンター冴羽獠だ。

 

「子供相手に銃を向けるのは感心しないな。紀ノ川啓治」

 

「だ、誰だお前は!!」

 

紀ノ川は銃を撃ち抜かれて手が痺れるのだろう。俺と同じように蹲って手を押さえている。

 

「俺は冴羽獠、又の名をシティーハンター。」

 

「お、お前が、あの!?」

 

(冴羽獠!?)

 

冴羽獠はこちらを向いた。

 

「大丈夫か?お前も高校生くらいだろ?危ないところには1人で入っちゃいけませんって学校で習わなかったか?」

 

「へへへ、生憎育ちが悪いもんで」

 

「フッ、そうか」

 

「お、おい!なぜシティーハンターがここに居る!?」

 

「俺は依頼を受けてここにいるんだよ。お前に恨みがある人からでね、お前をもう一度刑務所にぶちこんでくれってな。」

 

「なぁ!?く、くっそう…!!」

 

紀ノ川をロープで雁字搦めにすると冴羽獠はもう一度俺の方を向いた。

 

「救急車と警察は呼んでおいた。じきにくるだろうからそれまでは我慢しろ」

 

「はい…冴羽さん」

 

「ん?」

 

「俺を…俺を弟子にして下さい。俺ももっとちゃんと…好きな人を…守って…やりたいんです…」

 

「…俺の指導は厳しいぞ?」

 

「ハハハ…望む、ところです…グッ」

 

血が出過ぎて意識が薄れてくる。それでもなんとか声を出して冴羽獠に話しかけた。

 

「おい、大丈夫か」

 

流石に不味いと感じたのか、冴羽獠がこっちへと駆け寄る。

 

「はい、大丈夫…です…」

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

 

目を覚ますと白い見慣れない天井が目に入った。

 

「知らない天井だ」

 

いつか言ってみたかった言葉をここで言うとは思わなかった。しかしここは…

まぁ、ベッドにカーテン、点滴を見るに病院の個室で間違い無いだろう。

 

丁度朝らしく、朝日が綺麗に夜空という黒い色紙に色を染み込ませていく。日光はグラデーションを描き、たちまち町は光に包まれる。そんな光景を俺はどこか遠くの星から見ているような気分だった。

 

そんな現実逃避から目を背けると、棚には色々な差し入れが置いてあった。冴子や麗香、唯香からは手紙やら果物、ゲームは母さんだろうか。

 

そしてその横にオレンジのガーベラが数本入った花瓶が置いてある。その下には名刺らしきものが挟まっている。

それを取り出して見てみるとそこには文字と数字が書かれていた。

 

『冴羽商事 冴羽獠 city hunter』

 

そしてその下には住所と電話番号、そして…

 

『頑張れ 治ったら来い』

 

と書かれていた。

 

 

 

 




食べ盛りの男子の食費ってバカみたいに高いですよね。私も現在食べ盛りなのでいつも親に迷惑をかけてしまっています。特にお寿司。回転寿司に行くといつも20皿かそれ以上くらい食べちゃって…
ナンバーはテキトーです。

冴羽獠は主人公の師匠役です。以降はお助けキャラ的な位置づけになると思います。

でも口調違うよなぁ…いつもの冴羽獠ならかけるんだけどこう真剣だとねぇ…
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