名探偵コナンの世界で気ままに生きる(一旦休載中)   作:ゆかなおっぱい

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お待たせしました。リハビリも兼ねて短めです。今回は一旦前編で出して、収束は次回にします。
僕自身中間テストに進路に塾に文化祭にと大忙しで大変なんです汗
まぁでも残り少ない高校生活なので楽しみたい所です。


カラオケボックス

「「お疲れ様〜!!!」」

 

9月。帝丹高校文化祭は今日終わり、クラスの皆んなで打ち上げに来ている。帝丹高校の近くにあるこのカラオケはウチの高校御用達で、他の部屋には他組やら他学年やらが入っていて、さながら後夜祭の続きのようだ。

 

「いやぁ、クラスでの出し物は大成功やったねぇ〜」

 

「ホントホント。演劇はやっぱりロミジュリに限るわー。そしてそんなロミジュリ役と言ったら…」

 

「「野上と星川!!wwwwww」」

 

「シバクゾコラ」

 

「まぁまぁいいじゃない裕太。それだけ私達の演技がよかったのよ。」

 

そう、文化祭の出し物で『ロミオとジュリエット』にアレンジを加える(ウチのクラスは冴子の「最後はやっぱり裕太と結ばれたいわ」の一言でハッピーエンドにした)というド定番をやったウチのクラスで、その主役を務めたのが俺と冴子だったのだ。

 

因みに俺や男子陣は食べ物屋台を提案したのだが、冴子や女子陣からの演劇の声に押し負け、一部の男子の裏切り(冴子が裏で何かやったんだろう)も相まって演劇に決まり、演目も打ち合わせてたかのようにロミジュリを推され、一瞬で決まった。

その後直ぐに役をどうするかのアンケートになり、俺は裏方を希望して提出した筈がロミオ役になっていた。絶対冴子だろ。

 

そんな冴子の周りをクラスの女子達が取り囲む。冴子に隣を居座られた俺も当然その輪の中心になる。

 

「いや〜それにしても冴子ちゃんの顔。スッゴい迫力だったわ。もう完全に恋する乙女って感じ?私舞台裏で痺れちゃった」

 

「そう?普段通りを意識していたんだけれど…やっぱり裕太が相手だからかしら?」

 

クスクスッと笑う冴子はまるで小悪魔。こうなった冴子は俺を満足いくまで弄り倒さないと止まらない。

 

「ヒャあぁ〜!!正妻のお惚気!!」

 

「フフフ、裕太もそうでしょう?」

 

「アーハイハイソウッスネー」

 

「星川の奴照れてやんのー!」

 

「卒業式でのプロポーズ期待してるぞ!!」

 

「卒業式でプロポーズするバカがいるかよ。やんねーぞ」

 

そういうと部屋にいる全員からえぇ〜!?と大声で驚かれた。…なんで?

 

「オイ!裕太!男ならちゃんとケジメ付けろ!!」

 

「そうよそうよ!!結婚から逃げるなんてサイテー」

 

「そんなことじゃ野上さんが可哀想じゃないか!」

 

俺が大声に怯んでいる間に口々と俺への誹謗中傷が飛び交う。もう一回言わせてくれ…なんで?

 

「お、オイ!俺はプロポーズしないとは言ってねぇよ!ただ卒業式でなんかやらないって言っただけだし…そもそも卒業式なんて当分先じゃねぇか!」

 

「へぇ…ならいつかはちゃんとプロポーズしてくれるのね?」

 

「あぁ、それは…って冴子!!何言わせようとしてんだ!」

 

俺が必死に弁解してる隙に言質を取ろうだなんてそうはさせないぜ!

 

「ふーん…まぁ良いわ。待ってるわよ」

 

ニヤニヤとした笑みのまま上機嫌にマイクを受け取る冴子。一本取られてしまった。

 

ーーー

ーー

 

居心地が悪くなってカラオケボックスの外に出る。他の部屋も帝丹高校生でいっぱいだが、一般客がいないというわけではない。ただ、文化祭が終わった後でのカラオケだ。時間的に一般客の方も大学生の集団や社会人の集団ばっかりだ。

 

そんなことを考えながらジュースサーバーでコップにオレンジジュースとレモンティー(冴子にパシられた)を注いでいると、ドンッと腕が誰かにぶつかり、ジュースを溢してしまう。

 

「おい、オメェ何ぶっかけとんねんゴラァ!このシャツ高かったんやぞ!?弁償せぇべ・ん・しょ・う!!」

 

どうやら酔っ払いのオッサンにかけてしまったようだ。そのオッサンは高級そうなスーツに真っ金金の腕時計に大きなダイヤの指輪を付けた“いかにも”な感じの人だ。弁償なんかしたらかなりの額になるだろう。

それにしても……ムカつく…

 

「すいません、ですが今のはいきなりぶつかった貴方の責任もあるのでは?」

 

出来るだけ怒りを押しとどめてオッサンに抗議する。するとオッサンの顔は既に赤かったのをさらに赤くさせ、林檎のような色合いになった。

 

「なんやて!?ワシがぶつかったんはオメェがそんなとこ突っ立っとるからやろがい!そもs「ハイハイ中村さん落ち着いて。今のはフラついてた貴方も悪いでしょう?」…フンッ」

 

オッサンが俺に向かって耳が痛くなるほどの大声で怒鳴ってくると後ろから胸の大きな女性が抱きつくようにオッサンを止めてくれた。彼女もまた太ももや胸の谷間が強調され、露出したようなドレスを着ており、化粧もかなり濃い。恐らくキャバ嬢なのだろう。この男にでも貢いで貰ったのかオッサンと同じようにデカイ宝石の指輪を両手に嵌め、ピアスもネックレスも明らかに高そうな煌びやかなものだった。

 

「まぁええわ。今回は許したる。 ほな行こかぁジュリちゃ〜ん!お前らも早よついてこい!!」

 

そういうとジュリちゃんと言われたケバい女性の胸を鷲掴みにしながら肩に手を回してオッサンは歩き出し、その後ろを気の弱そうな中年の女性と険しい顔をした若い男性がついていった。

 

「あんなデッカい胸揉みやがってあのオッサン…くっそう!!俺も巨乳揉んでもっこり一発したい!!」

 

「へぇ、どの女性がもっこり巨乳なの?」

 

「ホラあそこ、あのデブったオッサンと腕組んでる人!!良いよなぁ…」

 

「フーン…裕太はああいうおっぱいが好きなの?」

 

「そりゃデカいのはだいす…き…」

 

そこまで言って漸く俺は気付く。一体誰と話しているのか。いや、見なくても分かる。毎日のように聞くこの声。あのデート以来休日でもちょくちょく2人で出かけるようになって、会わなくても一日一回は電話して聞くあの声。

…なーにぃ!?やっちまったなぁ!!

 

振り向こうとしたその瞬間、俺は何かに頭を打たれて床にめり込んだ。

ドガーン!!!という音がして振り下ろされた100tハンマーには「100t 香さん直伝 冴子ver」 と書かれていた。

 

「良くもまぁそこまで言えるものね」

 

「ず、ずびばぜん、ざえござん…も、もうじまぜん…」

 

「フンッ…私だって結構胸大きいのに…」

 

そんな冴子の呟きは驚いて出てきた客と従業員でいっぱいになった廊下に虚しく響くだけだった…

 

 

 

 

〜〜

 

 

廊下に出てきてジュースサーバーの方にまた向かうと、そこには先ほどの気の弱そうな中年の女性がアイスティーとコーヒーを注いでいた。

俺に気付くと軽く会釈して直ぐに去っていった。その手は酷く荒れていて、所々に刺し傷のようなものまであった。

 

…あれどっちかは絶対あのオッサンのだろうなぁ…かわいそうに。

 

自称女性に優しい俺は俺なら絶対あんなことしないと思いながら冴子“様”に言われた通りレモンティーを注いでいると、近くの空き部屋から声が聞こえてきた。

 

「あぁ…やったよ。これでアイツも御陀仏だぜ…クックック…」

 

俺は咄嗟にその声を録音しようとスマホを出そうとすると、どこからか悲鳴が聞こえてきた。

 

「キャァァァ!!」

 

奇しくもそこは、あのオッサンが入っている部屋だった。




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