鮎喰響になりたい   作:RockOrgMan

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アクタージュの2次創作って、クオリティが高くて読み応え抜群の面白い作品ばかりですよね。そんな作品達の更新を待つ間の箸休めにどうぞ


友達と夢

鮎喰響の才能が恐ろしい。

冷静になって考えてみると、私は100年前の日本なんて知らないし、踊り子だって見たことがない。それなのに、それらについての小説をスラスラと書けてしまう。

 

知らなければ、書けないのでは?想像で補っているのか?

もしかしたら、鮎喰響が書けると思う小説なら、どんなものでも書けてしまうのか?

 

知りたい。もっと自分のことを、鮎喰響のことを知りたい。幸いインスピレーションは次から次へと湧いてくる。

さあ、小説を書こうじゃないか。

 

「鮎喰さん」

「どうしたの?夜凪さん」

「響ちゃんって呼んでいい?」

「いいけど、どうしたの急に」

 

「その…私たちって友達…よね?」

「私はそのつもりだったけど?」

「そうよね!私たち友達よね!」

「だから名前で呼びたいと?」

「ダメ…かしら」

 

「全然平気だよ。じゃあ、私も景ちゃんって呼んでいい?」

「もちろん!」

 

迸るインスピレーションの赴くままに作品を作り、夜凪さんに読ませていたある日、そんな会話をした。友達か…、なんか嬉しい。

友達のためと思えばより一層気合が入るというものだ!色んな話を書いて彼女を楽しませたい。もちろん、私の身勝手な罪滅ぼしもあるけど。

 

重ねた月日の分だけ作品数が増え、景ちゃんと私の仲はさらに良好になった。そんな冬休みのとある日。彼女の家へ遊びに行った私は、彼女と夢について話し合った。

 

彼女は役者を目指すのだそうだ。良い夢だと思う。彼女の演技は凄い。目の前という特等席で見せてもらった彼女の演技は、一瞬で私の心を奪った。

 

そして、私に夢が出来た。彼女に『私』の小説を演じてほしい。彼女の演技をもっと見たい。

 

決心がついた。小説を投稿しよう。彼女に演じてもらうには、私の小説が有名にならなきゃ話にならない。

 

元々『鮎喰響』は芥川賞と直木賞にダブルノミネートされる人だ。ちなみに、その時の作品がお伽の庭。景ちゃんに最初に読ませた作品だ。今は景ちゃんの手元にあるがデータは残っているので問題ない。

 

流石に文芸誌には投稿しない。『鮎喰響』はそのせいで日常が一変してしまったから。私が同じことをしたら景ちゃんに迷惑が掛かってしまう。私の都合で彼女を困らせるわけにはいかない。

 

景ちゃんと友達になり、夢を語り合い、小説投稿サイトに小説を投稿しだしてからそれなりに時間が経過し、進級の時を迎えた。景ちゃんとまた同じクラスになれると良いのだが。

 

結果から言うと、私の不安は杞憂に終わった。今年も彼女と同じクラスになれたことをとてもうれしく思う。席も近いし言うことなしだ。さて、クラスが変わるということは新しいグループが出来るということでもある。果たして景ちゃんは新しいクラスになじめるだろうか。1年の頃は不愛想な彼女のことを高嶺の花と好意的に解釈してくれる人が多かった。しかし、今回もそうなるとは限らない。できるだけフォローしよう。

 

と気合を入れたそばから景ちゃんがクラスメイトに話しかけられている。カラオケに誘われたらしい。景ちゃんの反応は…バッサリいったぁ!好感度が削れる音が幻聴になって聴こえてきそう。クラスメイトちゃんもショックを受けた顔してるし、助け舟を出そう。うん、友達だしね。

 

「あー、ごめんね。景ちゃんも悪気があったわけじゃないんだよ?ただ、その、曲のレパートリーが少なくてね。それに、バイトとかもやってるからさ」

「え?ああ、そう…なんだ」

「あ、私、鮎喰響。あなたは?」

「あたしは朝陽ひな。よろしくね」

「うん、こちらこそ。今日は誘ってくれてありがとね」

 

それから、ひなさんはカラオケグループの方へ合流しにいった。1年の頃仲の良かった人達と離れ離れになったそうだが、彼女ならすぐに他の人となじめるだろう。

 

「えーと、そろそろ帰る?景ちゃん」

「ええ、今日はスーパーで特売があるの。手伝ってくれる?」

「うん。その代わり、おいしいごはんをご馳走してね」

「もちろん。響ちゃんが来るならルイとレイも喜ぶわ」

 

今夜はカレーでした、美味しかったです。




連載しているのに短編のままなのは、何処で終わっても良い風に書いているからです
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