宇宙に輝くウルトラの星   作:貴司崎

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カラータイマーを付けよう! (前編)

 さて、いつも通り(アーク)は光の国にある宇宙警備隊の士官学校に通っている……のだが、今日は()()()()()()()()()()があるので準備を終えたカラレス教官が来るまで訓練生達は教室に待機しているのだ。

 ……実際、周りの同期生達も凄くソワソワしていて、事前に配布されて資料を見たりこれからの事について周りの人と話し合ったりしていた。

 

「しかし、我々が士官学校に入学してから幾年か……もう()()()()()()()()()()()()()様になったんですね」

「うん! やっぱりカラータイマーは宇宙警備隊員の象徴みたいな物だからね。……とうとう僕達もそこまで来たんだなぁと思ったよ」

「まあ確かに少し感慨深いものもあるな」

 

 そう、これから始まる重要なイベントとはカラータイマーの移植手術の事なのである……今後、士官学校のカリキュラムに『宇宙空間での各種活動練習』が追加される為、士官学校ではその前に訓練生にカラータイマーを移植する事になっているのだ。

 ……尚『カラータイマー』とは宇宙警備隊などの広範囲・遠方の宇宙で活動するウルトラ族の胸に付けられる主に円形状の装置の事で、普段は青色だがエネルギーが減った時には色が赤くなった点滅する事でそれを知らせる機能があり、主に未知の星系での活動の際のエネルギー配分の目安としての機能がある。

 まあ、他にもウルトラ族の体内エネルギー機関と直結する事である程度なら外宇宙でのエネルギー運用を効率化させる効果もあったりするし、最近では自分の好みで形状を選んだりも出来るみたいだが。

 

「しかし、事前に渡された資料を見てみたが一口にカラータイマーと言っても色々種類があるよな。……形状だけでも三角とか菱形とか六角形とか、後は額に付ける小型版のビームランプとかな」

「後はオプションでエネルギー充填の割合を表示する『みなぎりメーター』とか、緊急時に太陽光のエネルギーを補給出来るプロテクターとかも付けられるみたいですね」

「ただ、こういうオプションは使用者にもある程度の技術を要求するって親父が言ってたし、最初はオートで動作してくれるカラータイマーだけでやって行くのが基本らしいがな。……それに、この手のオプションは後付け出来る様だし、カラータイマー自体もアップデートで性能向上などの改造は出来るみたいだけどな」

 

 例えばプロテクターとかはウルトラ兄弟だとセブンさんが付けており外宇宙での長時間活動を可能にしているが、このプロテクターによるエネルギー補給はマニュアルで行わなければならないので高いウルトラ念力の技術を要求したりする。

 それに対してカラータイマーはエネルギー運用の補助に関しては最低限だが、その分機能を全てオートで実行してくれるので使う者を選ばないという長所があるのだそうだ。

 まあ、親父は『昔のカラータイマーは半球状のデザインしか選べなかったのに、今は随分と色々な種類が増えたんだな。……どれも基本性能は変わらない筈なんだが』とも言っていたが。

 ……と、そこまで話した所でメビウスが何故か心配そうな顔で話しかけて来た。

 

「あ、そういえばアーク……君のお父さんであるゾフィーさんが地球で怪獣にやられて一時危篤状態だったって話だけど大丈夫だったの?」

「その後に確か負傷から復帰したら今度はウルトラ五兄弟全員が一体の怪獣に負けたとかいう噂も流れましたし、やはり怪我の様子は重いのでしょうか」

「実際、宇宙警備隊の情報って秘匿内容とかもあるからイマイチ中途半端にしか分からなくて、結構妙な噂が流れる事もあるんだよな。特に最近は地球関連で妙な噂が流れてるし……ウルトラの星の秘宝である『ウルトラベル』を使ったとか」

 

 ……あー、どうも何か妙な噂になってるっぽいかな。別に宇宙警備隊は自分達の仕事を積極的に宣伝している訳では無いし、ゴリアテの言う通り職務上秘匿しなければならない情報も普通にあるからな。

 この士官学校では市政よりも警備隊の情報が入りやすい分だけ噂が立ってる感じかな。それに地球って基本的には辺境の惑星だし、そこの事を積極的調べる人も少ないからな。色々と詳細な情報を入手出来るアーカイブも調べるのに申請が必要だったり、必要な情報を集めるのにコツがいるからか余り利用する人は少ないしな。

 

「ふーむ……まず、親父とタロウさんが地球で【火山怪鳥 バードン】に一度倒されたのは事実だが、既に二人共完全に回復しているからな。そのバードンもタロウさんが新兵器(マッド達謹製)の『キングブレスレット』を使ってキッチリ倒したし」

 

 尚、その際に親父は瀕死状態だったタロウさんを可能な限り早く銀十字軍へと送り届ける為にテレポートを使って光の国に帰還しており、更にバードンを食い止める為に再びテレポートを使って地球に戻っているのだ……実は親父はテレポート系能力への適正が高く寿命を消費せずに異次元空間に移動する事も出来るぐらいなのだが、それでもエネルギーを消費する事に代わりはない。

 流石にいくら親父でもそこまでエネルギーを消耗した状態で、一度はタロウさんを倒した程の強豪怪獣であるバードンに挑むのは流石に無謀であり、ある程度善戦はしたがエネルギー減少によって動きが鈍った隙を突かれて頭を燃やされた上、更に猛毒の嘴を食らって倒されてしまった様だ。

 ……正直、その時はかなり危ない状況だったと後で聞いて俺も肝が冷えた。ウルトラ戦士最後の頼みの『命の固形化技術』だって100%の蘇生を可能とする訳では無いからなぁ。

 

「まあそんな訳で今は親父もタロウさんもピンピンしてるよ。その後にあったテンペラー星人の襲撃にも上手く相手を誘導して光の国への被害を最小限にしてるしな。……そんでウルトラ五兄弟が倒された【暴君怪獣 タイラント】に関しては……実は()()()()()()()()()()()()()()()()()んだよ」

 

 まず、このタイラントという怪獣は地球圏でウルトラ兄弟に倒された怪獣達の怨念が結集して生まれた存在であり、その実力はウルトラ兄弟が総掛かりでも倒せるか怪しい、若しくは倒せてもその内包する大量のマイナスエネルギーで地球圏に多大な悪影響を与えかねないという割ととんでもない怪獣だったのだ。

 ……そこで、ウルトラ兄弟達は『自分達が一人づつ戦ってタイラントのエネルギーを削りつつ、その後にワザと倒される事で怪獣達の怨霊を満足させてマイナスエネルギーを弱める』という作戦をとったのだ。

 

「それで、その作戦は見事に成功して最終的にはタロウさんがタイラントを倒す事が出来て、地球圏にも影響が出ずに済んだという訳だな」

「成る程、そういう事情があったんだ。……怪獣達の怨念や未練の事まで考えて戦うなんて、やっぱりウルトラ兄弟はすごいね!」

「流石は我ら宇宙警備隊の隊長であらせられるゾフィー様! ただ勝つのではなく、あらゆる状況を考えて戦っているのですね!」

「……いや、貴女いつから聞いていたんですか? アムール」

 

 なんかいきなり現れてメビウスと一緒に騒いでいる女性の名前はアムール。俺達と同じ士官学校で学んでおり、同期生の中では数少ない宇宙警備隊志望の女生徒である。

 ……彼女は普段は物凄く真面目な優等生なのだがどうやら親父の大ファンらしくその話になると物凄くキャラが変わるので、俺に親父の事を根掘り葉掘り聞いてきたり、今の様に『ゾフィー様万歳!』みたいなテンションになるのでちょっと苦手である。

 

「フーン、あの噂にはそんな真実があったのか」

「アークって本当に色々な事を知ってるな。流石は宇宙警備隊隊長の息子さん」

「同期での成績トップは伊達じゃないな」

「……それになんかいつに間にやら聴衆が増えてるし……」

 

 最近になって俺が同期生から避けられる様な事が無くなってきた分、今の様に俺が色々話し始めるとこの様にいつの間にか聴衆が出来る様になっているのだ。

 ……もうこれで俺がクラスで浮いているとは言わせない! これは俺の時代が来たな! (慢心)

 

「……しかし、お前の話を聞く度に思うんだが、その地球圏ってのは一体どうなってんだ? 強力な怪獣や宇宙人が出過ぎだろ」

「……それは、俺も常々思っているんだよな」

 

 正直、惑星としては黎明期の文明を持つヒューマノイドタイプの生物が主に住む、言っちゃアレだがこの宇宙では割と良くある惑星の筈なのだが、()()ウルトラマンさんが訪れてから宇宙全体でも中々見ないような怪獣や宇宙人が頻出しているのだ。この事について技術局の人達は『現在の地球は一種の特異点の様なものになっているのではないか』とか推測しているが、詳しい事は何も分かっていないし。

 ……その所為でか、妙な噂として『怪獣にナイフ一本、竹槍一本で立ち向かって退けた地球人が居る』なんて話が聞こえて来たりもするが、流石にそれは地球関連の情報が錯綜した結果のデマだろう。

 

「それにウルトラベルに関しても惑星規模で甚大な被害を齎す怪獣が現れたから使っただけだしな。……そもそも、あのウルトラベルは使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()から、使おうと思えば誰でも使えるし」

「え! そうなんですか⁉︎ ……仮にもウルトラの星の秘宝ですよ?」

「……本当なの? アーク」

「ああ、本当だ。……と言うか、あのウルトラベルは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だからな。宇宙警備隊が使う各種アイテムとはまた別枠なんだよ」

 

 まず、ウルトラベルとはかつてウルトラ大戦争(ウルティメイトウォーズ)が起きた時に【暗黒宇宙大皇帝 エンペラ星人】率いる怪獣軍団に対してウルトラマンキングが使った物で、その後にキングからウルトラの星に託された物である。

 ……その際にキングは『この力がみだりに使われる事が無い様に』と悪意のある者を焼き尽くす『命の炎』、通過する者に正しい心があるかどうかを探る『正義の炎』、ウルトラベルを守る『平和の炎』という三重の超級ファイアーウォールをセキリュティとして設置した『ウルトラタワー』を光の国に建てたのだ。

 

「そう言うわけでそのセキュリティを突破した者なら、ウルトラベルは誰でも使えたりするんだよ。……最も、並みのウルトラ戦士では入った瞬間に焼けるを通り越して()()するし、ウルトラ兄弟レベルでも合体した上で1分間しか生存出来ないレベルのセキュリティだからみだりに入るのはオススメしないが」

「……いや、それを聞いて入ろうと思うヤツはいないから」

「「「うんうん」」」

 

 まあ、親父達ですら『正直死ぬかと思った……実際、ウルトラ兄弟の力を合わせても三割くらいの確率で死ぬ』と言わしめるレベルのセキュリティだったそうだからな……本当にあのウルトラ兄弟がここまでしなければならないとか、地球はマジ魔境である。

 ……ちなみにタロウさんが地球での任期を終えた後、何故かそのまま有給を取り地球人として地球を旅するとか言い出したので、次は代わりにセブンさんが再び派遣されるのだとか……そして、タロウさんが帰って来ない所為でトレギアさんがタロウロスに掛かって仕事が滞っているとフレアさんが愚痴っていた。

 

「まあ、アレだ。……この広大な宇宙には、まだまだ俺達も知らない秘密が沢山あるんだろう……」

「つまりは何も分かってないって事だな」

「そうとも言う」

 

 ……と、そんな感じの無駄話で時間を潰していると準備を終えたカラレス教官がこの教室に入って来たので、同期生達は即座にお喋りを辞めて瞬時に自分の席へと着いた。

 

「……うむ、全員揃っているな。……今日からは以前から言っていた通り、お前達のカラータイマーの移植手術を行う事になる」

 

 そうして、俺達が全員揃って席に着いた事を確認したカラレス教官は今日から始まるカラータイマーの移植手術の予定を改めて話し始めた。

 

「基本的には以前に配布しておいた資料に載っている予定表通りだが、まずお前達にはこれから宇宙科学技術局に行ってカラータイマー移植手術の詳しい説明を受けてから、自分が付けたいを思うタイマーの種類とオプションを選んでそれを先方に提出してもらう。……種類などは事前に渡しておいた資料にも載っているから出来る限り事前に決めておく様に」

 

 ちなみに俺は色々悩んだんだが、一般的な半球状のカラータイマーに上下反転させた涙状の土台を付ける感じのヤツにしようと思っている……この資料には様々なデザイン例として『カラータイマー及びオプションのアレンジ集』という、色々な形状のタイマーやオプションを付けたウルトラ戦士の写真が載っていたので、そこから良いなと思ったデザインを選んだ形だ。

 ……オプションに関してはエネルギー補充に関してはリバーススタイルでどうにか出来なくもないし、余り大規模な移植手術をするとそちらへの影響も懸念させるので保留である。

 

「……それから各々の要望にあった移植手術を始めるのだが、向こうも最近は忙しいらしいので、人によって手術の予定が多少前後する事も留意しておいてくれ。……くれぐれもあちらに迷惑を掛けない様にな」

「「「「「はい! 分かりました!」」」」」

 

 そして、カラレス教官が一通りの説明を終えた後に俺達は宇宙科学技術局に向かう事になったのだった……殆どの同期生は宇宙科学技術局に行くのは初めてなのでちょっと落ち着かない様だったが、俺にとっては通い慣れた場所なので大して緊張は無い。

 ……むしろ技術局のマッド達が色々やらかさないか心配なのだが。一応フレアさんは『カラータイマー移植手術は毎回の事だし、ちゃんと専門の()()()()技術者が担当しているから問題無い』と言ってたから大丈夫だろうが。




あとがき・各種設定解説

アーク:設定解説好き
・選んだカラータイマーの形状は『ウルトラマンティガのカラータイマー』に近い感じ。

アムール:出展『ウルトラマン妹』
・現在は訓練生なので発言や行動が若い感じ。

『ウルトラマンタロウ』に出て来た強敵:本作の独自解釈
・タロウのバードンは他の個体と比べて非常に高い戦闘能力を持つ強個体。
・タイラントは結集した怨霊の強度で能力が変動する。
・そもそも同じ怪獣・宇宙人でも個体毎の実力には差があるのが普通。

キングブレスレット:本作の独自解釈その二
・ウルトラブレスレットをベースに依頼主であるウルトラの父から支給された様々な特殊素材を使って制作された試作武装。
・その為、超高性能だが量産性は無く、更に作ったのがマッド達だからか変な形(バケツとか)に変形したりする。

ウルトラベルとウルトラタワー:本作の独自解釈その三
・光の国でここだけセキュリティが万全なのはそもそも作った者が違うからで、ウルトラキーを納めた第2ウルトラタワーはキングが作った物を模して作られた。
・一応、第1ウルトラタワーに近寄るには許可が必要な様にはなっている。


読了ありがとうございました。
ウルトラシリーズの独自解釈裏設定を入れ過ぎて説明回みたいになりましたが、この作品では作者の趣味でこの手の説明解説が多くなりますのでご了承下さい。
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