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宇宙斬鉄怪獣 ディノゾール 登場
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◯月α日
昨日、うちのひいじいちゃんことウルトラマンキングから親父とお袋の過去やら様々な衝撃の事実やらを伝えられて一晩経った後、俺は光の国の自室で宇宙警備隊への入隊準備をしながら色々と考えていた……というか、昨日教えられた事実が衝撃的過ぎてまだ頭の中がちょっと混乱しているんだよな。
だから、こうやって日記を付けてちょっと頭の中を整理していこうと思う。幸いにも親父は宇宙警備隊への新人入隊による諸々の手続きやら書類仕事やらで忙しくてしばらくは帰ってこないみたいだから、親父の過去のラブコメを見た所為で気不味い気分で顔を合わせる事は無いしな(笑)
さて、改めて考えてみると昨日見た親父とお袋の過去に関しては『成る程、そんな事があったんだな』と思うぐらいで、イマイチ実感が無いんだよな。封印された『銀の鍵』やら何やらに関しては意識してもしょうがない……というか、下手に意識して無理矢理封印解除とかしたらヤバイ感じがするから今は放っておくのが無難だろうし。
親父の過去についてはラブコメが殆どだったし、俺も何か言える程の経験を積んでいる訳では無いのでノーコメント。お袋の故郷についても並行世界とか今のウルトラの星でも自力での移動は不可能なレベルだし、新たな歴史知識を得たぐらいな感じかなぁ。強いて言うなら闇堕ちには気をつけようってぐらいか。
……やっぱり一番印象に残ったのはお袋の事、それもまだお腹の中にいた俺を全力で守ろうとしている所だったな。本当に母は強いと思ったし、自分が愛されていたのだと分かった。
うむ、とりあえずそんなお袋に恥じない様な人になりたいと思えたし、改めて宇宙警備隊で頑張って働こうという気にもなれたから、あのひいじいちゃんが
二人の過去を見せてくれたのは良かったのかな。
それじゃあ、引き続いて入隊準備を進めていきますか。ひいじいちゃんの所に行っていた所為で結構遅れているし。
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◯月β日
うむ、改めて読み返してみると先日の日記はよく分からない事になっているなぁ。自分では分からなかったが、こうして見るとやっぱり結構混乱していたらしい。
特に親父とお袋について小っ恥ずかしい事を書いてるし……うん、とりあえず気持ちを切り替えて入隊に備えようか。準備は大体終わったし、予定通りなら明日にでも辞令が届く筈だ。
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◯月Γ日
今日 俺は 念願の 宇宙警備隊に 入隊したぞ! ……まあそんな感じで、今日俺は届いた辞令の指示に従って宇宙警備隊・宇宙保安庁に着任したのだ。いやー、ここまで長かった様な短かった様な。
そして宇宙保安庁入隊初日に俺が何をやった事日上司である保安庁の長官であるビストさんとの顔合わせと、彼から宇宙保安庁の各種業務についての説明だった。復習も兼ねて日記に宇宙保安庁の業務内容を書いていこうと思う。
まず、宇宙保安庁とは宇宙警備隊の中でもパトロールを担当している部署で、宇宙の各地にある宇宙警備隊支部の警邏や支部に配属されている仲間の戦いをサポート、更には宇宙各地の情報収集を主な任務としている……具体的には一人から数人で宇宙警備隊の担当地区を巡回して何か異常が無いかを監視、何かあった時には各支部の援護に回るのが基本的な仕事らしい。
例えば宇宙警備隊の地区分けは本部であるM78星雲・光の国、M25星雲支部、S・P5星雲支部、L・P372星雲支部、アンドロメダ星雲支部、マゼラン星雲支部、ペルセウス座星雲支部、銀河系星雲支部となっており、それぞれに所属している隊員達が日夜担当地区の平和を守る為にパトロールもしている。
だが、宇宙保安庁の隊員はこれらの支部が担当している地区を跨いで、更に広域でパトロールを行うのが一般的な隊員とは違う所なのだとか。
普段から各支部の隊員がパトロールをしているのなら、わざわざ複数の地区を跨いでパトロールする必要性は薄いのではないかと思ったりもしたが、一つの地区だけを担当し続けているとどうしてもその地区の特性に合わせた“慣れ”が出てしまうらしい。そして慣れてしまった結果、普段とは違うパターンの大きな事件や複数の地区を股にかける様な事件が起きた時に対応力が落ちる事があるのだとか。
そうした事件が起きた時に援軍として派遣されて対応しきれていない一般隊員を支援したり、広域をパトロールした経験でもって複数の支部が効率良く協力する為の橋渡したりする潤滑油的な仕事も宇宙保安庁の役目になると言う。
それだとまだ新人で経験の無い俺では業務に対応出来ないのでは? と思ったが、明日からしばらくの間は経験豊富な先輩とペアを組んで実地体験を元に宇宙保安庁としての仕事を学んでもらうから大丈夫だと言われた。
……というか、今までは宇宙警備隊の中でも有望そうな隊員をスカウトしていたので、全くの新人に仕事を教えるのは殆ど始めてだから今後の参考にする為にも分からない事は積極的に聞いたり、何か要望があればドンドン言っていって欲しいとまで言われてしまった。今後の俺みたいな士官学校からの直接入隊組に対しての効率的な指導の参考にするからだと。
宇宙保安庁の仕事は経験がものを言うみたいだし、そこまで手間がかかるなら士官学校からの直接入隊とかしなくても良いのでは? とビストさんに聞いてみたりもしたが、保安庁を始めとする特殊部署は隊員からのスカウトだけだと人員不足気味だそうだ。
何でも隊員のスカウトは提案を出すだけで最終的な判断はスカウトされた当人に任せられており、長期間勤めている優秀な宇宙警備隊の隊員は現在の部署や地区に愛着を持っている事が多いので中々集まらないらしい。それで部署の特性的に経験が薄い隊員をスカウトしてもしょうがないし、それならばいっその事一から人員を育成すれば将来的には人材不足を解消出来るかもしれないと考えて士官学校からの新人入隊を決めたとの事。
他の特殊部署の長官も以前からスカウト制の限界は感じていたらしく、どうしようかと悩んでいた時に親父が新人入隊の話を持ってきたので物は試しと導入して一人(俺)迎えてみたと言うのが実態みたいだ。
……これって最初の新人入隊組である俺の責任は結構重大じゃないか? と思ったが、ビストさんは『そこまで緊張する事は無いぞ。例えば新人入隊制度を途中で辞める事があっても君を切る事は無いからな』と言ってくれたし、余り気負わない様に明日からの本格的な業務と研修を頑張ろうか。
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◯月Δ日
今日は宇宙保安庁の先輩との本格的な研修があったのだが……何と俺を指導して下さる事となった先輩とはあの『セブン21』さんだったのだ! 親父と同年代で宇宙保安庁のエースと名高い人が指導してくれると言うのは幸運な方なのかな。
まあ、最初はちょっと緊張したりもしたけど『これからは同僚なんだから余り固くならないで良い』と言ってくれたりと、意外と気さくな感じの人でした。ここは敬意を込めて『21先輩』と呼ぶ事にしよう。
ちなみに人材不足気味な保安庁なのに新人の研修にエースを駆り出しても良いのか? とは思ったのだが、セブン21先輩は少し前に観測された新しい並行世界の地球(またか)に勇士司令部のネオスさんと一緒に派遣されていたらしい。
尚、宇宙保安庁と勇士司令部からエースクラスが二人も派遣されたのは、その時の太陽系がダークマター溢れる未知の宇宙空間を通過している所謂『アンバランスゾーン』と化していたので万全を期す為だったとの事。
……実際、ダークマターによる生物の突然変異によって強力な怪獣が複数出現しており、特に最後に戦った【究極進化帝王 メンシュハイト】は彼等二人だけで無く現地の地球人達や他の友好的な宇宙人の協力が無ければ倒す事は出来なかっただろうと先輩は言っていた。
分かっていた事だけど宇宙警備隊のエース二人を持ってしてコレとは、やはり地球は魔境……まあそれはともかくとして並行世界の地球での任務を終えて光の国に帰還した21先輩は、任務で負った傷を癒す為にしばらく療養していたが先日ようやく任務に復帰したそうで、ちょうど良く手が空いていたので俺の研修をやる事になったのだそうだ。
そして話が終わった後は21先輩と一緒にまずはM78星雲のパトロールをやってみる事になった。とにかく先輩について言って実際に仕事をやりながら気を付けねばならない所や重要な所を指導していく事にするらしい。
何分、宇宙保安庁での新人の指導は始めてだから分からない事があれば何でも言って欲しいと言われながら、俺は21先輩の後に続いてM78星雲のパトロールを行ったのだった。
……一応、警備隊でのパトロールのやり方とかも士官学校で習っていたんだが、流石にその道のベテランである21先輩と比べると仕事の出来には天と地ぐらい差があったけどね。
宇宙警備隊のパトロールって言うのは、基本的に担当地区の宇宙を飛び回ってウルトラ族の超感覚や超能力とかで各惑星や宙域で何か異常が無いかどうかを調べる感じなのだが、経験の差か21先輩は俺よりも遥かに早く異常に気付き即座に反応して的確に対応していた。
具体的には群れからはぐれたのか何処からか現れた【宇宙斬鉄怪獣 ディノゾール】に襲われていた隊員の窮地を瞬時にキャッチして急行、その隊員に襲いかかっていた『断層スクープテイザー』(本来は宇宙空間で数少ない水素を取り込むために使用されるのだが長さが1万m、細さ1オングストロームなので不可視であり振り回すだけであらゆる物体を切断出来る舌)を宇宙ブーメラン“ウェルザード”で切断、更に放たれる爆発性の高い流体焼夷弾『融合ハイドロプロパルサー』を全て回避して弱点の頭部をレジアショットで吹き飛ばしたのだ。
……その鮮やかな戦いぶりは、俺が後を追って到着した時には既に戦いが終わっているレベルだったからな。
そして戦闘を終えた21先輩は助けた隊員の安否を確認すると共に光の国の本部や宇宙保安庁に連絡を取り、この一件の報告と周辺宙域に入る【ディノゾール】の群れの位置や詳細を調べる提案を話していた。
詳しく話を聞いてみたら【ディノゾール】はその戦闘能力に反して温厚な怪獣であり、食料である水素を求めて群れで“渡り”をする性質があるらしい……のだが、何らかのトラブルで群れから逸れて単独になると防衛本能から途端に凶暴化する性質を持っているのだとか。
なので、此処に群れから逸れた個体がいたという事は【ディノゾール】の群れ自体に何らかのトラブルが起きている可能性が高く、そのトラブルを放置しておくと高い戦闘能力を持ち凶暴化した【ディノゾール】が各地に現れる可能性もあるので早急に原因の把握と対処が必要だとの事だった。
21先輩曰く、考えられる【ディノゾール】の群れを襲ったトラブルとしては強力な怪獣に襲撃されたか、群れ全体が水素不足で飢えた結果として水素を求めて逸れるケースが多いらしい。
前者の場合なら原因となる怪獣は強力な【ディノゾール】の群れに襲い掛かる様な強く凶暴な怪獣、或いは
……うん、改めて書いてみると21先輩は戦闘能力もそうだがこういった判断や関係各所への報告をスムーズに行う所とかが凄いよな。俺は怪我をした隊員を応急処置するぐらいしかやる事が無かったし。
今日は将来的には21先輩ぐらい仕事が出来る様に、今後もしっかり彼から色々な事を学んでいこうと改めて思ったな。
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◯月Σ日
今日も21先輩の後についていって宇宙保安庁の仕事内容を学ぶ日々……実際、宇宙保安庁ってやる事が凄く多いんだよな。広域へのパトロールを始めとして各支部の警備隊員への援護、関係各所への情報伝達や折衝、その知見を活かして隊員の相談に乗るなどなど……。
……本当に学ぶ事が多いんだよな。まあ元々宇宙保安庁を始めとする特殊な部署は警備隊員の中でもベテランをスカウトする形式だったから、それが前提の仕事量なんだろうからしょうがないのかもしれないが。21先輩も『新人としては十分に良くやっている』と言ってくれているが、彼の様に“パトロール中には常時自身を中心とした広域を把握、何かあれば直ぐに状況を把握して最善の行動を取る”とかは難しそうだ。もっと頑張らないとな。
後、この前の【ディノゾール】の一件は宇宙保安庁・文明監視員・恒点観測員の合同調査で、近くにいた【ディノゾール】の群れの一つが本来のルートを外れて有人の海洋惑星に向かっている事が分かったらしい……まあ、早期に異常に気が付けたお陰で群れが惑星に降りる前に複数の警備隊員が協力してルートを無人の水素が大量にあるガス惑星の方向へと向かわせる事が出来た様だが。
尚、21先輩に聞いた所【ディノゾール】は重力下で弱点である頭部を破壊されると、肉体の極性を上下反転させて頭部と『断層スクープテイザー』が二本となり、更に背部の『融合ハイドロプロパルサー』が大幅に強化された【ディノゾールリバース】へと強化蘇生する性質があるのだとか。
これは餌場にした海洋惑星において通常の個体を打倒出来る様な群れを脅かす様な敵生物に対抗する為の能力であり凶暴性も大幅に増す為、下手に有人惑星に【ディノゾール】を向かわせる事が出来ない理由になっているのだそうだ。
ただ、そもそも【ディノゾール】はその高い戦闘能力に反して温厚な怪獣であり、群れから逸れたり敵から攻撃されない限りはその力を振るう事は無いし……それ故に“余程の事が無ければ自ら敵がいる可能性のある有人惑星には近づく事も無い”のだと言う。
……今回の群れに関しても、本来のルート上に良好な餌場である無人のガス惑星があったにも関わらず、そのルートを何故か曲げて
当然、宇宙警備隊でも【ディノゾール】クラスの怪獣の群れのルートを変えられる“何か”がいると考えて現在調査中なのだ……まあ最も新人研修中の俺がそんな重要任務に回される事は無いからあんまり関係は無いんだが。
……今はとにかく21先輩に着いて行って研修をこなして実力をつけるしか無いからな。明日からも大変だろうけど頑張ろう。
あとがき・各種設定解説
アーク:ようやく宇宙警備隊に入隊
・尚、本編では描写が無かった(ボイスドラマがまだだったので)が在学中に入隊試験も座学・実技共に歴代で最高クラスの成績で突破してたりする。
ビスト:宇宙保安庁長官
・長年宇宙保安庁に勤めているベテランであり、ウルトラの父の後輩ぐらいの年齢。
・最近の悩みは父が隊長を退いたので自分も長官の座をセブン21辺りに譲りたいと思っているのだが、人材不足のせいでそんな余裕が無い事。
セブン21:アークの先輩ポジションに抜擢
・宇宙保安庁のエースだけあって戦闘以外にも様々な技術に習熟した経験豊富な隊員。
・こんなエースを研修の指導官に回したのには手が空いていたと言う理由だけでなく、長官が人材不足解消の為にアークにかなり期待しているからでもある設定。
【宇宙斬鉄怪獣 ディノゾール】:技名がカッコいい(小並感)
・群れは他にも複数存在しており、それぞれが餌場を被らせずに出来る限り安全で決まったルートを回遊しているので、攻撃・妨害などを行わなければ危険性は低い種族だと認識されている。
・ただ、群れから逸れているかリバース化している場合は凶暴化するので討伐が推奨されている。
読了ありがとうございました。
ウルトラマンZがとうとう最終回! いやー、セブンガードリルカスタムとか腕相撲とかゼスティウム光線とか二人で一人前みたいな描写とか、とてもあとがきでは語り尽くせない程に良い話でした。Zは終わりましたが、この作品はまだまだ続くので応援よろしくお願いします。